IoT何をいまさら(2) スマートホーム?

リクエストがまいりました。介護の話で無線に触れた投稿に反応していただいて、「IoT向けの無線、サブGHzのところ、もっとちゃんと調べろ」と。それに、「通信費がどれもかかるようにも読める、通信費がかからない方式もあるだろー」と。早速、サブGHz帯の無線を取り上げることにいたしました。今月(2018年11月)なら、話題的には IEEE802.11ah、愛称(?)Wi-Fi HaLowをとりあげるべきでしょう。日本国内の立派な会社や組織が50以上あつまって普及のための団体を設立したのですから。が、ひねくれたデバイスビジネス開拓団としてはそちらには行きません。また、「後発」のWi-Fi HaLowが追撃する相手、先行するLPWA(Low Power, Wide Area)規格、SIGFOXとか、LoRaにも行きません。それどころか、無線規格をそうじゃないものと比べてしまう暴挙?にでます。

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介護の隙間から(6) ざっと特許を

技術的なところを調べるとなれば、何はともあれ特許を調べておかないと。畑違いも甚だしい「認知症老人徘徊感知機器」なので、とりあえずざっくりしたところを抑えておきたいです。そこで、以下のような検索ワードで調べてみました。

徘徊or認知症or転落or高齢者
and
センサ

これで435件がヒットしてきました。「徘徊or認知症or転落or高齢者」というのは、「認知症老人徘徊感知機器」からするとちょっと広すぎるかもしれませんが、435件なら全部当たることも可能ではあります。

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鳥なき里のマイコン屋(2) ARMにする, ARMじゃない?

スマホやタブレット向けのSoCプロセッサではARMが世界を征服したような状況です。よりローエンドな組み込み向けのMCU業界でも「ARMにあらずんばマイコンにあらず」的世界は変わりません。ARMの存在感は強まるばかりに見えます。そんな中、数多い(といっても大分淘汰されてしまいましたが)MCU屋さんが今どんな感じでARMに向き合っているのか、勝手に観察してみよう、と思い立ちました。本日取り上げさせていただくのは以下にリンクを貼り付けてある3社です。

microchip

Holtek

NXP Semiconductors

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介護の隙間から(5) 徘徊センシングから眠りへの回帰?

今回から「認知症老人徘徊感知機器」に対する具体例を調べていきたいと思います。まずベッドの会社2社の取り組みを比較してみることにいたしました。何と言っても「特殊寝台」というカテゴリは介護保険適用の「用具」の中では中心的な存在なのでその「付属品」的な扱いでベッド会社は取り扱っているんじゃないかと勝手に想像したためです。しかし、調べてみるとそんな想像を超えたところに進んでいるようでした。

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介護の隙間から(4) 無線方式どれが適すか

前回のセンサに続いて、今回は「認知症老人徘徊感知機器」に使用される無線について考えてみたいと思います。現状、ちょっと調べただけなので、明らかに使われていると分かった無線方式もあれば、今のところ使われている形跡のない無線方式もあります。とりあえず独断で使えそうな無線方式を勝手な分類で列挙し、それぞれの利点、欠点を表にしてみました。

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介護の隙間から(3) センサの分類

前回の予告のとおり、今回から装置としての「認知症老人徘徊感知機器」について調べていきますが、調べるにあたってポイントと考えるのが以下の2点です。

 

  1. どんなセンサを使って「徘徊」を感知するのか
  2. どんな無線を使って感知した「徘徊」をどう通知するのか

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介護の隙間から(2) 市場規模

前回、介護保険が摘要される電子デバイスらしいデバイスは「認知症老人徘徊感知機器」だけだ、と申し上げました。なにか、名前からはかなり特殊なデバイスにも思えるのですが、結局、センサと無線というキーワードでくくれる電子装置なので、「普通のIoT」デバイスと大差はありません。ただ、お相手がThingではなく人である、という大事な一点を忘れてはならないでしょう。調べてみるとなかなか興味深い装置なのですが、技術的な方向に行く前に、「市場規模」の大体のイメージを掴んでおきたいと思います。以下の表の数字は、厚生労働省の以下の報告から抽出させていただいたものです。 “介護の隙間から(2) 市場規模” の続きを読む

部品屋根性(1)

部品屋さん同士の会話を聞いているとよく「イチケー」「ニケー」などという言葉が出てきます。数の話のようなので「ニケー」というから二個なのかな、と思われるかもしれませんが、「ケー」はKで、接尾辞のキロ、1000の単位です。だから、「ニケー」などと言われたらそれは2000個のこと。2000個と言われると大量に思われるかも知れません。

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鳥なき里のマイコン屋(1)MCU、SoC、プロセッサ

今では「マイクロコンピュータ」、略してマイコンという言い方はほとんど死語に近いものがあります。昔は、「ミニコン」というものもあり、「メインフレーム」もあったので、「マイクロ」という呼び方も妥当だったのですが、今では上から下まで内部には「マイクロプロセッサ」が入っているためにあまり言わなくなったのじゃないかと思います。CPUという言い方はまだしますが、複数個のプロセッサを集積することが多くなってからは、単にコアなどと呼ばれることも多くなりました。さてこの分野は半導体デバイスの中でも花形的な分野であります。大きく分けると2つに分類することが多いと思います。

  • マイクロプロセッサ
  • マイクロコントローラ

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介護の隙間から(1)介護は心、デバイスができることはわずかですが。。。

予め申し上げておきますが、デバイスが介護のために出来ることなど高が知れています。介護は、気持ちというか、心というかを抜きにはすることも、されることもできない、と考えるからです。しかしそれでも多少なりともデバイスに存在価値があるのは、どちらかと言えば、介護をされる側の方のためというより、介護をする側の方のためかもしれません。楽をする、などというべきではないでしょう。身体と心の消耗を防ぎたい、少しでも安心していたい、といった期待に応えるデバイス、というべきでしょうか。
さて、デバイスビジネス開拓団では、介護向けのデバイスを以下のような3カテゴリに勝手に分類することにいたしました。

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IoT何をいまさら(1)スカベンジングからハーベスティングへ

エナジーハーベスティング(日本的には環境発電というらしい)に相当する技術の話を始めて聞いたのは、20世紀も終わりの頃でした。話を聞いた相手もよく覚えています。名前は書きませんが、イケメンですが髪の毛がちょっと残念なヨーロッパ人です。ただ、その頃はエナジーハーベスティング(ハーベスティングはイメージの良い言葉です)とは言わず、エナジースカベンジングと唱えていました。 “IoT何をいまさら(1)スカベンジングからハーベスティングへ” の続きを読む

AIの片隅で(1)PanasonicとAI

巨大なマシン、膨大な電力、そして頭の良い人々が関わっている「花形」AIもあれば、世の片隅で、AI入れろ!と誰かにせっつかれて無理やりなんとかしているちょっと残念なAIもあるかと思います。そんなと言っては失礼ですが、とにもかくにもAI入るとなれば、いままでそのアプリには不要だったクラスのプロセッサが売れるかなとか、メモリも増やさないとね、センサもいるよ、とかデバイスビジネスの何かに繋がりそうな期待が盛り上がります。が、部品屋風情などの淡い期待に比べたら、AI使って何か「おもろい仕組み(儲かるやつ)」を盛り込んだ方こそ一番でしょう。現状は、ともかくAIと言っておかないと乗り遅れる、という感じでしょうか。しかし、数日前、ちょっと気になる記事がありました。 “AIの片隅で(1)PanasonicとAI” の続きを読む