鳥なき里のマイコン屋(68) 世に蔓延るArduinoピン互換

そろそろ「在庫」も尽きてきたので、新なArudinoシールド用ユニバーサル基板を手に入れました。3種類目となります。以前購入の2種類についてはこちらで書いておりますので、詳しくはそちらをご覧ください。別に本物のArudinoに被せるためにこの基板を買っているわけではないのであります。「Arudino互換のピン配置」で接続できるマイコン基板が多くて、ほとんど「デファクト・スタンダード(古い言葉です)」だから。海外マイコンベンダだけでなく、このごろは国内マイコンベンダもArudino互換ピン配のマイコン開発ボードを売っているようです。

まずは、Arudinoシールド用ユニバーサル基板で自作した手元の実例をいくつか。最初は純正のArdino Uno(搭載マイコンは今ではMicrochip傘下のATMEL製)にAMSのFLSセンサを装着するために作ったシールド。I2Cの端子が取り出せて、高背部品エリアが表面実装用のランドになっているユニバーサル基板で作成してみました(ボード購入先は秋月)。

その次は、ST Microelectronisのマイコンボード Nucleo(マイコンはSTM32)に、全面スルーホールタイプ(ただし、I2Cの2端子は接続できない)のArudinoシールド用ユニバーサル基板を搭載、その上にJRC製のドップラーセンサーを載せたもの。

Nucleoは機種にもよりますが、内側にArduino 互換のピンソケット、外側にSTの定義によるMorphoというピンヘッダが出ています。

手持ちのボードでは、STのNucleoシリーズのボードに加えて、NXP(というよりFreeScaleといった方が落ち着くが)のFRDM-KL25Zボード(勿論、マイコンはFreeScaleのKL25Z)もArduino互換のピンソケット対応です。

FRDMボードの場合、2列のスルーホールになっていますが、外側の列がArduino互換のピンが取り出せる方向です。また、「ボードのシルクの文字が逆さまの方向に置く」と、Arduinoのピン配の説明図と上下が一致します。ちょっと分かりにくいです。

国内マイコンメーカをみると、まずは以下が目立ちます。

ルネサスエレクトロニクスの がじぇるね

です。ここにはArduinoピン互換のマイコンボードが複数あります。(もちろんマイコンはルネサスのRXシリーズなど)なかなか面白いボードが置いてあるのですが、ちょっと「ホビー向け」に振りすぎて「愛らしく」なっているのは、なにかズレている気もします。(多分、ルネサスにmicro:bitなどのユーザー層は流れ込んでこないと勝手に思っているので、も少し固くても全然OKかも。)

その点、Rohm傘下のLapisセミコンダクター(ここも沖電気といった方が私などしっくりくるのですが)の

Lazuriteシリーズ

などは、同じArduinoピン互換といいつつ「産業用途」テイストが醸されているかも。他にもエプソンのLCDコントローラでArudinoに刺さるボード(といってイマイチマイナーなArudino Duo指定。やはりUnoでは非力すぎるか)などもあるようです。

お手軽開発には、Arudino互換のピンだしておけばOK!

と思っているマイコン開発ツール担当者が結構いる、ということでしょう。

最後になりましたが、今回購入のArudinoシールド用ユニバーサル基板、3種類目の写真をご覧いただきます。

ビニール袋にありますとおり、SWITCHSCIENCE社からの購入品であります。

以前の2種よりも、機能的にはこのボード、気にいりました。

ランドなく、全面スルーホール

右肩の方のI2C端子もOK(本家のArudino Unoであれば右肩のI2C端子が無くてもなんとかなるということは、調査済なのですが、Nucleoなどで使う場合は無いと困る)

それだけでなく、スイッチサイエンス社独特の工夫も施されていました。

以下の拡大写真、御覧ください

写真もちょっと歪んでますが、ピンヘッダをたてる外側のスルーホールが微妙にジグザグになっいるの分かりますかい? これは、ピンヘッダが真っすぐに立つように、わざとそうしてあるそうです。まだ、半田付けしていないので、その効力を体感してないのですがね。ピンヘッダを半田づけするときは、いつも、仮止めして、横から見て、「まがってら」とか言ってコテ当てて真っすぐにして、とかやってませんか。その辺が楽になる?(ただね、このボード、お値段がね。。。やっぱり、用途に応じて使い分けるか?)

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