IoT何をいまさら(31) Raspberry Pi Zero Wがやってきた

このところ、Raspberry Pi 1 model B+Raspberry Pi 3 model B+ などでAIネタをちょっと始めたんでありますが、今回は 買ったばかりの

Raspberry Pi Zero W

であります。CPU自体はRaspberry Pi 1と同じArm11のようですが、なにせボードが小さくて低価格。何かに組み込んで使うにはピッタリのボードです。そのくせ、WiFiとBluetooth搭載なので、とりあえず電源さえあれば外部との接続OK!そして他の「マイコン開発ボード」類との決定的な違いは、「まともなOS」(RTOSをディスるつもりはありませんよ)を搭載可能で、セルフ開発が問題なくできること。とても便利なボードです。今回、Zeroには入出力を担当してもらうことにし、その為の環境構築を始めました。

さて、まずボード写真からです。現物は長手方向でも6cmほどで極めて小さいボードです。

この大きさで、Linuxを実行可能なCPU(SoC)、HDMIビデオ出力、マイクロSDカードによるストレージ、USB(OTG)、カメラ接続ポート、そして拡張用のGPIO端子などを備えているのですから立派なものです。CPUのスペック的にはこれより1桁2桁非力なマイコンボードより安かったりするのですからコスパ的にも最高。まさに、

Raspberry Pi の産業応用

を牽引するボードなのかもしれません。上の写真では中央にエルピーダのメモリチップが鎮座しています。CPUの入ったSoCは、このメモリの下に隠れているようです。スタック実装。多分、カスタムで作っているのだと思うので、Raspberry Pi製造元の「購買パワー」の上昇をヒシヒシと感じますね。また、左の方の、小さな「チップ・サイズ・パッケージ」こそ無線チップのようです。これまた、こういうチップサイズの表面実装のチップは大口ユーザでないと買えないのではないかしらん、と想像します。

裏面へまいります。

裏面は、のっぺりしたものであります。ちゃんと技適マークも印刷されとります。安心、安心。注目すべきは、”Uses antenna technology licensed from Proant AB”ってところでしょうか。スウェーデン、それも北極圏ギリギリくらいの北にある会社のようです。後でしらべてみないと。

今回インストールするのは、Rasbianのデスクトップ入りのフルセットとしました。Pi Zeroの場合、GUI画面を使うことはあまりないとは思いましたが、後から入れるのは面倒だし、SD-CARDの容量はあるし、で入れておきました。結構、ネットを調べると

モニタ画面もキーボードもマウスもつながずにPi ZeroのOSを立ち上げる

方法が紹介されていたりしますが、普通の方法でやることにいたしました。

  1. Noobsの展開済のファイル群を、SDカードにコピー(PC上)
  2. 上記のSDカードをPi Zeroに接続
  3. モニタとキーボードとマウスをPi Zeroに接続
  4. 電源ケーブル接続

後は、適当に画面に現れる質問に答えていけば、Rasbianが使えるようになると。ただし、Pi ZeroがPi 1 model B+ やPi 3 model B+と違うのは、

  • 周辺装置を接続できるUSBソケットは1つ、それもmicroUSB(もう一つのソケットは電源専用)
  • HDMIは「ミニ」タイプ

なことです。Pi 1 や Pi 3の設定に使ったモニタやキーボードのセットをそのまま使うために、追加「投資」が必要でした(それぞれ数百円ですが)。

  • USB-OTG対応、microUSBが出ているUSBハブ
  • HDMIミニ(C)とフルサイズ(A)を変換するコネクタ

Rasbianが立ち上がったら、コンフィグを触って

  • SSH
  • VNC
  • I2C
  • SPI

イネーブルにして、またデフォルトでXが起動しないように設定しました。さらにftpサーバを導入し、ファイルの転送もできるようにして、これで最低限の設定はOKですかね。

ピンヘッダを立てないと

Pi ZeroのI/Oにいろいろ接続していこうと思うので、Pi Zeroにピンヘッダを立てて、外部に信号を引き出せるようにしないとなりません。なお、型番的にはこういうことのようです。

  • Pi Zero…無線なし
  • Pi Zero W … 無線あり、ピンヘッダなし
  • Pi Zero WH … 無線あり、ピンヘッダあり

購入したのは、Pi Zero Wなので、自分でピンヘッダ(なりソケットなり)を立てないとなりません。Pi 1 や Pi 3は、上向きにピンヘッダを立てていますが、Pi Zeroはボードが小さいので、下の大きな基板に向けて下向きにピンヘッダをたてるものありかと思います。そういう加工をするなら、WHよりWの方が自由度あるのでよいかも。今回は、Pi 1やPi 3と互換にできるように上向きにピンヘッダ(かなり長め)をとりつけました。その上に拡張ボード(シールド)をとりつけるつもりです。下の写真のPi Zeroの直下の同サイズのユニバーサル基板がそれ(スイッチサイエンス社から購入)。なお、例によってM3ネジのスペーサが使えない(まだM2ネジのを買っていない)ので今のところスペーサ無し。しかし今回は、

「伝統のLチカ」でIOが動いていることを確認

すればよいので、左にある大きなボード「ラズパイマガジン2019年6月号」付録基板を使わせてもらうことにいたします。といって、「全部のせ部品セット」は買っていないので、使いそうなIO関係の部分のみ実装してみました。

実装後、Lチカプログラムを走らせたところ。ほとんどパーツが載っていない寂しい状態ですが、動作はOK。

ゆるゆると工作をしてみますかね。

IoT何をいまさら(30) トホホな失敗の詳細 へ戻る

IoT何をいまさら(32) NucleoからM5StackへI2Cコードをちょっと移植 へ進む