IoT何をいまさら(34) M5StackのGroveコネクタ

M5Stackをいじるようになって、直ぐに気になったのが、側面に存在する赤色の4ピンのコネクタでした。電源、グラウンドにI2Cバスの2ピンが出ています。調べてみると

Groveコネクタ(オリジナルはSeeed社、スマートxxみたいなIoTネタの多い会社)

と呼ばれているようです。世の中にはこのコネクタに接続することのできるセンサその他がいろいろ存在していました。勿論、M5Stack用のものも多数ありました。とりあえずちょっと使ってみるべし、ということで「このコネクタに接続できる最も簡単なユニット」を購入してみました。

まずは、M5Stackの側面のコネクタの写真から。

 

右にある少し暗い赤色をした4ピンのコネクタがそれです。上を見れば何やら記号が彫ってありますが、出ている信号がI2Cと電源、GNDだ、と分かっていれば、この記号だけで十分想像が付きますね。

  • +は電源、-はGND.

そして左側の2つは、「波形」のアナロジーでしょう。

  • 一番左がデータ線SDA
  • その右がクロック線SCL

これで分かった、OK、といいたいところですが、このコネクタなかなかクセがある代物でした。

コネクタ同士機械的には簡単に接続可能、けれど、電気的な接続はちゃんと調べてね

という感じ。

さて、「このコネクタに接続できる最も簡単なユニット」をご覧いただきましょう。SWITCHSCIENCE社から購入

M5Stack用ミニプロトボードユニット

であります。ぶちゃけ、小さなユニバーサル基板(スルホール数11行7列)にコネクタとケーブルが付属した小さな箱です。ここに自前の回路をチョコンと載せて接続してね、というもの。

 

しかしね、ユニバーサル基板です。半田ごてやピンセットはスルホールに届きますが、このままでは、作業性もなにもない。蓋開けて、内部の基板を取り出したい。ぶっちゃけ、私の今の心持ちでは折角だが今のところ「箱」は要らない。でも、フタは固定されているようで開きません。「箱」の裏面を見てみました。

裏側には、黒GND、赤5V、黄色?、白色?と付属のケーブルに合わせた信号の説明も載っています。

製品の出荷検査OKということなのでしょう。よく見る

Q.C PASS

のシールが貼ってあります。このシールを剥がすのはとても気が咎めます。普通、こういうシールを剥がしたりしない人です、私は。でも、今回は特別に剥がします。ま、見ての通り、大した値段の部品ではないのですがね、ドキドキします。小心者だ。

剥がしたところの写真をご覧ください。

なんと、Q.C PASSのシールの下にネジがありました。剥がしたからには「自己責任だぜ」と言われた気がします。ただ、このネジ、6角レンチで開けるタイプでした。手元にはこんなに細い6角レンチが無かったので、プラスドライバーでこちょこちょやって開けてしまいましたが、「開けることに」抵抗している感じです。こんなユニバーサルボード、上手な人は、部品面からピンセットとか使って綺麗にハンダ付けしてしまうんですかね。表面実装部品をスルーホール間に置く分にはいいでしょうが、せっかく、スルーホールがあるのだ、差し込んで裏からハンダしたい。

分解したところは以下のようです。コネクタにもよりの4穴にのみ結線されています。

基板自体は、ケースにしっかり固定できるようになっているので、ネジどめしてしまえば、ガタガタ揺れるようなことはありません。部品面は「上空」空いているしスペースもあるので部品配置の自由度はかなりあるように思います。しかし裏面は、せいぜいメッキ線一本か、ハンダ・フィレット分くらいの隙間しかありません。ちょっと足が出っ張りギミの部品をスルホールに差し込んだら、多分、ケースに入りません。これ使って、どんな感じで半田付けしているのか知りたいです。上手な人は上手だからなあ、なんとでもなるのかなあ。

さて、基板のコネクタとM5Stack本体をつなげて、ちょっと電圧を調べてみました。なにせ、M5Stackの回路図は「ある」とは言え、このコネクタについては記載されていないから。全部書いた図面があるのでないかしら。

まずは、電源電圧

さすがに表示通り、5V

だだし、手元の実機では

  1. USBで電気をパソコンから得ているときは、ちょっとドロップ気味の4.9V
  2. USBケーブルを外すと5.07Vくらい

でした。USBを接続しているときは、パソコンからの電流により内部の電池をチャージしており、USBを外すとこんどは内部の電池から電流を取り出して5Vにレギュレートして供給するという切り替えをしているためだと思います。内蔵の電源IC、IP5306という石が頑張ってくれているみたいですが、回路図から引用すると、

Be careful that this customized IP5306 was designed to communication with ESP32 throught IIC. IIC address is 0x75.

とあるので、M5Stack用のカスタムでI2Cで制御されているみたいです。実際、I2Cバスをオシロで見ているとUSBの操作時にI2Cのフレームが流れるのが観測できます。しかし、コメントだけで回路図には書いてない。3.3VにプルアップされたSCL, SDAが接続されている筈と思っているのですが。

I2Cの信号の観察結果。上記にも書き、前回も書いたとおり、3.3Vにプルアップされた信号がそのまま出ていると確信してます。下の黄色が電源、青がI2Cの信号。

コネクタに来ている電源は5Vだけれども、信号は3.3Vにプルアップされているようなので、接続には要注意ですね。実際、他のGroveコネクタも、電源は全て5Vというわけでもなく、バラエティはあるようなので、何でも刺せば何も言わずにつながるようなことはなさそうです。しかし、電気的なところを注意しさえすれば、

コネクタやケーブル、工作用のボード類は手に入り易そうなので使いたい

と思いました。

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