自動車の不都合な真実(4)交通ルールはAIにお任せ

 現行の交通ルールと不完全な自動運転との間に発生している問題に関する記事を連続して読み、完全自動運転への道は遠いと改めて思います。もしかしたら、完全自動運転は、安心して運転を任せられるAIロボット運転手が完成する日、あるいは自動車が空を飛ぶ日まで実現しないのではという感想を抱いてしまいます。

「嫌がらせか!」なぜ評判悪い?「オートハイビーム」 装備車増加も利用者少ない理由
https://kuruma-news.jp/post/213040
インターネット検索エンジンで「ハイビーム トラブル」と入れると、多数ヒットします。オートハイビームを安心して使えるようにしようとすれば、さらなるセンサーの精度向上が必要。おそらく今後数年はかかると思います。そうなるまでは基本的にロービームを使い、対向車や歩行者の無い暗い道になったら手動でハイビーム。対向車が来たら直射する前にロービームというオーソドックスな使い方をするのがベストだと考えます。

Arahaは見通しの悪い夜道でハイビームを利用する場合、パッシングをON状態にします。他車や歩行者を見つけた時は、パッシングのレバーから手を離せば即座にロービームとなります。
この方法はオートハイビームの改良に利用できます。
①オートハイビームでハイビーム状態の場合に、パッシングレバーを引くとハイビームからロービームに変更する。
②オートハイビームは一定の時間だけ動作解除する。
③ドライバーは手動でハイビームの操作ができる。
④一定の時間後にオートハイビームの動作状態に戻る。
良いアイデアと思いきや、この改良は手動のハイビーム操作とほとんど同等となります。なにしろ、オートハイビームに安心して任せられるような見通しの良い夜道では、普通に手動でハイビームにすれば良いのですから。こんな仕様のオートハイビームを買って使う必要性はないでしょう。

制限速度を守る「自動運転車」が危険?現代のクルマに合った法改正は必須
https://www.automesseweb.jp/2020/01/03/296429

この記事は、現状の道路の制限速度を自動運転が順守すると不都合が発生する実例を挙げています。確かに、制限速度を守ろうとすると自動車の自然な流れに支障をきたすことはよくあります。自動運転は交通ルールを逸脱して交通の流れに従うことはできません。

  • Arahaの提言 … 道路の制限速度はAIに決定させる
    AlphaGo Zero は、囲碁のゲームルールだけを与えられ、人間の対局データを全く利用せずに自分自身との対局を行い、短期間で従来の全ての囲碁プログラムより強くなりました。
     AlphaGo Zero – ウィキペディア
    https://ja.wikipedia.org/wiki/AlphaGo_Zero

AlphaGo Zeroの手法は道路の制限速度に応用可能でしょう。道路のインフラデータ、過去の事故歴、現在の気象、現在の交通量などのビッグデータを用いて、一般道の最高速度を例えば70Km/hと設定して、渋滞を回避する最適な制限速度を計算します。最適な制限速度はネットワークを通じて自動運転車の制御に利用されます。道路標識は最適な制限速度を表示するディスプレイとなります。
自動運転車がペースメーカーの役割をすれば、自動運転でない車も最適な制限速度で走行することになります。最適な制限速度は、渋滞回避による経済効果に加えて、燃費の改善によりCO2の削減にも寄与します。

(Arahaの独り言)「…簡単だ、宇宙の重力定数を変えるだけでいい。」
『STAR TREK THE NEXT GENERATION』(略称:TNG)で、全能の神のような存在の「Q」が、エンタープライズの機関部長のラフォージ少佐に言ったセリフです。ラフォージ少佐が当面している問題が、物理的に解決不可能なことを説明したのに対して、「Q」は物理定数を変えてしまえとアドバイスします。さすが、問題があればルールを変えて解決しようとする西洋人らしい発想だと記憶に残りました。