部品屋根性(24) ULN2003搭載PCB、怪しい回路図

Joseph Halfmoon

昨日、定番のステッパモータ28BYJ-48が回った回ったと喜びましたが、お楽しみの中華部品キットKuman K4付属の資料の結線に釈然としないものが残ったんであります。なんか変でないかい。気になったので、モータを駆動するULN2004チップを載せたPCBの回路を含めて自分で回路図を描いて確かめてみました。

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この件に関するK4キット付属の文書は以下の2つ、

    • ステッピングモーターモジュール.pdf
    • ULN2003A.pdf

上の方は、Arduino(互換機)とULN2004ボード、28BYJ-48モータの間の結線とプログラムについて説明(?)する文書です。例によって「若干残念な日本語」でありますが、その通りに実行すれば、モータはちゃんと時計まわり、半時計まわりに切り替えしながら回ります。ただし、昨日書いた通りで、プログラムで設定しているステップと回転速度のパラメータは「ちゃんと回る比率になるけれども意味不明」でした。

それに対して、下の方はULN2003を搭載したPCBの説明書です。こちらは英文のみ。タイトルは

4 Phase ULN2003 Stepper Motor Driver PCB

です。文章に書いてあること自体は、特に問題もないように思えたのですが、怪しかったのが、末尾に掲げられている回路図です。その部分を引用させていただきます。

BAD_Schematic

左側に、ULN2003の12番から16番端子までが見えていますが、この部分や中央のLEDなどについては問題ないと思います。問題は、Stepper Motorと書かれているコネクタ部分です。コネクタの1番が電源に接続されています(そうでなければLED点灯しませぬ。)そしてULN2003の16番ピンがコネクタの2番に接続されています。このPCBは「老眼の目でも」「裏面1層で配線が全て追える」シンプルなものなので確認しました。ULN2003の16番ピンは、

Stepper Motorへ接続される配線のうち「青」配線に接続

していました。なお、モータへの電源配線は「赤」です。アイキャッチ画像にこのPCBのモータコネクタの部分を掲げました。上の回路図じゃ、赤と青は隣同士になる筈が、現物じゃ、端と端。誰か適当に回路図描いてチエック忘れたのか?

仕方ないので、自力で「正しい」と思われる回路図を書いてみました。こんな感じ。(例によって水魚堂さん、使わせていただいております)

28BYJ_48_ULN2003 CIRCUIT

左端の番号は、Arduino(互換機)の端子番号に対応しています。中の2本の順序が入れ替わっているのにご注意ください。中ほどLEDの下にA,B,C,Dとあるのは、PCBボードに搭載されているLEDの横に書かれている名前です。それぞれLOWになると点灯するので、モータのコイルに電流が流れることをお知らせするものです。右側のモータのところ、ちょっと見ずらいですが、コイルの端子にB,Y,P,Oと書き添えてあるのが、モータから出ているBlue、Yellow、 Pink、Orangeの各線に対応しています。昨日同様、Analog Discovery2のロジアナ機能で波形をとりました。ただし、結線がようやくハッキリしたので、Analog Discovery2のピン名ではなく、上のPCB上のA,B,C,D名と、モータへの結線の色名を書き添えてみました。まずは、時計回りの時。

RED_rotation

昨日の波形と違い、ぱっと見「2相励磁」な波形です。次は、汎時計まわりの時。

GREEN_rotation

言うまでもないですけれど、波形の順番、反転いたしました。

とりあえず、昨日、引っかかっていた件はスッキリした?

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