Literature watch returns(24) Interface 2021年4月

Joseph Halfmoon

さて前回につづき、今回も御馴染みCQ出版さんのInterface誌。その4月号であります。今回特集は「FreeRTOS入門」。勉強せねばと思いつつ、なかなか捗々しく進んでおらなかったFreeRTOSについて「やれよ」とアオリを入れられた気分であります。やらないといけないな。

本サイトでも「モダンOSのお砂場」というシリーズあり、現時点で「モダンOS」として「取り扱わせて」頂いておりますのが以下の3つであります。

  • Arm Mbed OS
  • FreeRTOS
  • Zephyr

とは言え、RTOS素人の私なので、ボチボチ勉強させていただきながら、毎度のトラブルに遭遇し、苦闘?するさまを書きつけておる次第であります。(なお、いっときMicroPython環境もモダンOSのシリーズで扱っておりましたが、この度、独立、であります。)

さてモダンな3OS推しの一つ FreeRTOS に関する特集でありますので「買わずにはいられないだろ~」ということで購入。(買うだけでなく、ちゃんと読んで勉強してね。。。これから熟読いたしまするで。。。)

実は、本号を購入させていただく前から、FreeRTOSを勉強すべし、ということで始めておったことがあるのです。

Digi-Key Electronics社 Introduction to RTOS Part 1

電子部品の通販で御馴染みのDigi-Key社のYouTubeチャネルの中で最近始まったRTOSのお勉強のための動画の新シリーズであります。最近、「YouTube業界」でも電子デバイスとかソフトウエアの動画が充実してきてありがたい限りです。個人的にはSeeed Studio社のLakshanthaお兄さんの動画を良く拝見しておったのです(会ったことなどないけれど親近感があるのです。)こちらのDigi-Key社の動画はShawn Hymel先生という蝶ネクタイが印象的な方なのですが、若手で(やり手の)先生の講義を聞いている感じで、宿題でも出されそうでちょっと怖いです(再生回数的にはLakshnthaお兄さんを圧倒?さすがDigi-Key?)ちゃんと全部聞いていったアカツキにはきっとRTOSが良く分かるようになるんじゃないかと期待を持っています(昔はともかく、最近Digi-Key社からあまりモノを買っていないのはお金が無いせいだな。。。)この動画でとりあげているのも FreeRTOSです。

やっぱり FreeRTOS 来ている

そんな感じ強いです。上のHymel先生の「講義」の中で IoT Operating SystemsというOS毎のシェアのグラフがあり、FreeRTOSは20.4%で3位にランクされていました。その上にくるのはLinuxとWindows、FreeRTOSの下の4位がベアメタルで、その他のRTOS(MbedやZephyr含む)は、ガクッと落ちた%でロングテールな感じです。ただ、グラフに書かれた数字を合計すると100%を超えるので、どういう集計の仕方をしているのかは、リンク先を辿って調べないと分かりません(が、やってません。)

やっぱりIoTの末端はFreeRTOSなのかね。しかし、心の中で一つ疑問が出てきました。上の動画の統計では名前も出てこない、そして、Interface誌の特集でもやはり名前もない一つのお名前が。TRON。

IoTという分類に入らないのかも知れないけれど、日本の組み込み市場じゃ、TRON系のOSしっかり使われているよね。私も過去にTRON系のOS上のソフト開発のお手伝いをしたことあります。多分、他のRTOSができることは出来そうだし、必要なミドルウエアみたいなものもだいたい揃っているのではないですかね。でも上の統計じゃその他扱いなのかな。統計取ったのが海外だったから?

ただ、「モダンな」奴らとはちょっとビジネスモデル、違っているかも知れないという感想(個人のであります)持ちました。日本の組み込みの場合、TRON系のOSのポーティングとか、開発環境の構築とか、「OS屋さんやツール屋さん、お願い」っていう感じでお任せ感が強いかも。一応TRON系OSでも自分でソース持ってきて、開発環境作って、ポーティングしてということは出来る筈だけれど、私のような素人が具体知識の無い状態からそれを始めたら、勉強と準備に何週間、いや何か月かかかりそうな気がします(個人の感想です。もしかするともっと簡単なのかも知れないけれど。)いろいろな安全とかセキュリティだとかの規格準拠だの、保証だの考えるとまずお手上げですな。それにちょっとお試しで立ち上げるためにも、数万円するJTAG-ICEとかターゲットボードとかいろいろ買わないとイケない気もする(それでも昔に比べたら各段に安くなっているのだけれど。)その点、「モダンな」奴ら、数千円のボード1枚買って(発注した翌日には届いたりするのだ、これが)、素人が訳も分からず「クリクリ」やって、数時間後にはビルドしたRTOSのサンプルアプリがそのボードの上で動いている感じ。まあ、「モダンな奴ら」もライセンスとか、規格とかいろいろ出てくると「OS屋さんお願い」になるような気がしますが、入口の敷居の高さが違う?どうなんだろ。

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