お手軽ツールで今更学ぶアナログ(32) 今回はツール無、一気に4カ月分

Joseph Halfmoon

アナデバ社(ADI社)のWeb記事、StudentZoneを開設から全て順に読む、という野望のもと端から読ませていただいております。しかし、まだ当分、「お手軽ツール」の出る幕がありません。前回はスマホツールを「お手軽」範疇に入れて凌ぎましたが、今回は紙と鉛筆?

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「紙と鉛筆」というのは、モノの例えであります。実際には封筒の裏にボールペンで数字をメモしてしまいました。でも今回、本当は「暗算でやれ」というのがアナデバ社の思し召しなのです。まあ、電子工学を学んでいるお兄さん、お姉さん方であればきっと問題ないでしょう。でもね、年寄りは端から数字を忘れてしまうので、途中経過をメモりましたです。

さて今回は一気に4回分、2017年の2月分から5月分まで進めたいと思います。以下あまりネタバレにならない程度に各回をなぞって行きたいと思います。

2017年2月回路図は設計の基本要素 Anne Mahaffey先生

この回からは、いかにも米国的な箇所を一つ引用させていただきましょう。

ハイレベルな概念を伝えたいだけなら、ペーパー・ナプキンになぐり書きしたような回路図で十分かもしれません。

昼食が多いと思いますが、「ペーパー・ナプキン」に何か書いてくれる米国のエンジニアは多いような気がします。日本じゃまずないのは、適当な材質のペーパナプキンが無いから?まあ、文化人類学的考察が必要そうなのでこれ以上の追及は避けます。ここで筆者が伝えたいのは、「適切な抽象度」で回路図を描くことであります。アイディアレベルと、SPICEシミュレーション用であれば全然違うと。その後、学生さんでも使える回路図作成ツールをいくつか挙げているのです。最初はWebツール、

Digi-Key社のScheme-it

であります。筆者は特に言及していませんが、BOM(部品表)出力からDigi-Key社へ発注するのが楽そうな一品です。その次に取り上げるのは、回路図エディタそのものではなく、回路図エディタから出力した画像の変更/修飾用に、Inkscapeなどのベクトル画像編集ツールです。その後、筆者のお気に入り感が凄くするのが回路図エディタというか、実体配線図作成ツール

Fritzing

であります。私はFritzingがまだ無償だった頃ダウンロードしてちょっと使ったことがあります。しかし、有償になった後はお金を払っていないこともあり、申し訳ないので最近使用していないです。確かにブレッドボードで回路を作るとかでは良い感じです。Arduinoなど著名なマイコンボードはボードのイメージそのものを置いて実体配線図つくれます。ブレッドボード中心の実体配線図を作るのであれば一押しのツールですが、こと回路図ということであれば、「適切な抽象度」で描く他のエディタでもいいんじゃないかと思います。なおLT Spiceの回路図エディタにも一応言及があるのですが、あくまでSPICE用(アナログ回路向け)とバッサリです。まあ、実際同感です。

ちょっと訝しいのは最近皆さんお使いで、「フリー系ツール」で一番人気でないかと想像する KiCad への言及が無いことであります。有償ツールではOrCADへの言及もありませぬ。また本サイトでありがたく使わせていただいている 水魚堂さんの回路図エディタ についても言及はありません(日本ローカルなツールなのでADIの人がノーマークなのは致し方ないかもしれません。ちょっと古いツールですが、圧倒的に軽くて使いやすく、かつ無償なので、当方では重宝に使わせていただいております。)

「2月号」巻末の課題については「答えは頭の中で計算できると思います」と挑戦的なことが書いてあります。実際、年寄りの頭でも計算(という程もない?)できる問題でした。解答へのリンクはこちら

基本を学び、将来の苦悩に備える

さて2017年3、4,5月は、WaltKester先生の「基本を学び、将来の苦悩に備える」3部作であります。

Part 1: グラウンディング

Part 2: デカップリング

Part 3: 続デカップリング

この短いですが偉大な著作から各回1箇所づつの引用をお許しいただきましょう。

Part 1: 残念ながら、プリント回路基板におけるグラウンディングとデカップリングに特化して教える大学のクラスは存在しません(もしご存知でしたら、お知らせください!)

Part 2: 周波数が高くなるほど電源ラインの不要なエネルギーが出力に直接カップリングしやすくなります。

Part 3: 最善の指針は、「疑わしい場合にはコンデンサを付加する」

より深い理解のための参考文献へのリンクなども置かれているので、「将来の苦悩に備えたい」方は必読かと思われます。

さて毎度の課題ですが、

Part 1: 年寄りは封筒の裏側に数字をメモしてしまったが、呼吸するようにノートンの定理を適用できるお兄さん、お姉さんは暗算で何の問題もない、多分。解答はこちら

Part 2: 年寄りは一瞬、前回使ったスマホツールを使おうかと思ったが、よく見たら暗算できる数字だった、ラッキー? 解答はこちら

Part 3: なんとかできる数字だった。これまたラッキー。解答はこちら

「出来れば暗算で」とか年寄りにはキツイ指定ですが、なんとかなりました。

あともう少し、あと半年分ばかり消化すると、お楽しみの「実験」シリーズに入るのだがな。まだまだだな。

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