お手軽ツールで今更学ぶアナログ(68) ADTL082でウインドウ・コンパレータ

Joseph Halfmoon

今回は前回の続きでアナログコンパレータです。前回使用のオペアンプは、ちょっと寂しいOP37(新規設計非推奨)でしたが、今回はADTL082(製造中)であります。前回は4種類のコンパレータを作りましたが、そこでの積み残し「追加の実習」でウインドウ・コンパレータを作ってみます。そして今回「も」恐れ多いことがあるのだな。

「アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』を初回からすべて読む」は、前回2020年2月号に到達したところで足踏み。前回元気なく「追加の実習」にたどり着けなかった分です。珍しくオシロ画面が登場しないです。オシロ無はちょっと記憶にないのですが。

恐れ多いことなんだが、今回も申し上げたい儀これあり

アナログの権化のアナデバ様に申し上げるのも恐れ多いことなんだが、今回は「コマケー事」が複数あり、です。該当部分は、こちらの記事の「追加の実習」部分。1か所引用させていただきます。

R1、R2、R3を使用して分圧器を構成

とあるのでありますが、R1~R3はLEDの電流制限抵抗で、分圧器じゃないですよね。分圧器はR6、R4、R5(電源側から)ではありませぬか?

第2は追加の実習の「問題」の直下に

答えはStudentZoneで確認できます

その後にも追加の実習の話題が続いているので、てっきり追加の実習の問題の解答があるのかと思って見に行くと、先週の「追加じゃない方」の問題の解答しか見当たりませぬ。全体の話なら追加の問題に入る前か、終わった後に置いた方が誤解がないような気がします。

第3は、図17の実体配線図のADTL082のBOBの端子配置が鏡像です(すくなくとも私の手元にあるアナデバ製ADALP2000学習用アナログパーツキット所載の部品では。)これは以前にも書いた記憶があるのですが、端子配置が鏡像なので、示されている実体配線図のようには配線することはできないように思います。念のため、手元のBOBの写真を貼り付けておきます。

ADTL082BB
第4は部外者の余計なお世話なんでありますが、以下のデータシートについてです。

ADTL082の「参考」データシート日本語版 REV.B

日本語版はあくまで「ご参考」という扱いだと思いますが、そのタイトル「低価格、ローコストJFET入力オペアンプ」を読んで、かなり引っ掛かりましたぜ。低価格もローコストも多分同じような意味?安さを強調したかったんですかね。

なお、追加の実習の後にも

Activity: Temperature Control using Window Comparator

の紹介があり、オペアンプAD8561、温度センサ/コントローラのTMP01使った記事もやれよ、とあるのですが、またまた元気が無いのでパスしてしまいました。すみません。まあね、以前、TMP01はやったことあるのよ、おぼろげな記憶によれば。

ようやく本題ウインドウ・コンパレータ

今回のお題は、電圧に応じてLED(記事の指定では赤、黄、緑、実際には赤、緑、青)を点灯させるオペアンプ使用のウインドウ・コンパレータです。オペアンプ2回路入りのJFET入力「低価格」オペアンプADTL082(多分オリジナルは某社)を使用。

さきほどの鏡像の件あり、記事の配線図どおりには配線できないので、勝手に配線してみたものが以下です。

WindowCompBBこのくらいの回路でも、かならず1か所は間違うので、見直し必須。今回も1か所誤りを発見、修正して事なき?を得ました。

動いてしまえば、後の動作は簡単。LED点灯なのでオシロで波形観察もありません。とりあえず入力波形に振幅2.5V、オフセット2.5V、周波数2Hzの三角波を与えてみたら、青、緑、赤と目まぐるしく点灯します。冒頭のアイキャッチ画像にその様子を掲げました。赤、緑の後、微妙に緑が残ったまま青になってますが、カメラのタイミングかと。人の目ではそれぞれ単独点灯に見えます。

ううむ、今回は「コマケーこと」をブツブツ言うだけの回だったな~。

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