お手軽ツールで今更学ぶアナログ(77) BJTで構成したカレント・ミラー回路その3

Joseph Halfmoon

前回前々回とSpiceシミュレーションで終わっていましたが、今回はようやく実機で測定しています(大分手抜きで2回路しかやってませんが。)どうもシミュレーションで見た波形を確認している感じでイマイチ面白くありません(アナログ素人が良く言うよ、自分。)まあ、シミュレーション通りで良かったね、という感じ。

「アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』を初回からすべて読む」は2020年8月号です。ようやく今回で実機動かして8月号終了予定。参照させていただいているアナデバ様の記事(日本語)は以下です。

バイポーラ・トランジスタで構成したカレント・ミラー

そして例によって巻末問題の解答編(英語)は以下です。

August 2020 StudentZone Quiz Solution

そして例によって巻末問題は見て見ぬふり?

今回実機で動かした回路

先ほど書いた通りの「手抜き」で、実機で動かしたのは2回路だけです。まずは、以下の原理通りのカレントミラー回路。前々回にLTspcieでシミュレーションかけているもの。

currentMirrorBasicSimSchematic

そしてもう一つ実験したのが、以下のベース電流補償型の回路。前回シミュレーションしてみたもの。

DC01IB

原理回路をブレッドボード上に組んだものが以下に。抵抗2本はDMMで実測して両方とも991Ωと読めたものを使ってます。抵抗2本のそれぞれ両端の電圧[V]を測ればほぼほぼmA単位の電流とみなせると。

BasicCurrentMirrorDUT

何時もの通り、計測および波形の印加、電源としてDigilent社 AnalogDiscovery2を使っております。アナデバ様のADALM2000でなくてすみません。

ベース電流補償型の回路にAnalogDiscovery2を接続したところが以下に。

CurrentMirrorB2DUT

波形の設定

W1側に流れる電流でW2側を「制する」回路です。アナデバ様の記事同様、W1側にはステップ波形を加えています。AnalogDiscovery2で任意波形を印加するのは初めてだったですが、意外と簡単。勿論ファイルからも読み込み可能でした。以下が、波形編集ウインドウです。左側タブがSine波の設定になってますが、実際は、「Value」タブで数値を書き入れて行けば簡単に波形を定義できます。

customWaveForm

ただし、上記で定義した波形は%で定義したパターンの雛形であって、実際の周期や振幅は何時ものとおりの設定画面で具体的な数値で指定しないとなりません。こんな感じ。

BasicCurrentMirrorWaveSettings

原理回路の動作波形の観察

以下に上記の波形を印加したときの、R1両端の電位差(C1黄色)とR2両端の電位差(C2青色)を示します。電位差≒流れている電流なので、W2側は3角波を印加しているけれども、W1側で流している電流のほぼ枠内で波形が動いているのが見てとれます(トレース重ねた方が見やすかった。)

BasicCurrentMirror

W1、W2の微妙な違いを観察するために、今度はW2側を5VDC、W1側に三角波を与えたものがこちら。差異が見えている気がします。

BasicCurrentMirror2

ベース電流補償型の回路の観察

今度はベース電流補償型の回路について、原理回路と同じステップ波形をW1、三角波をW2に与えた場合の波形です。今回は2つを重ねてみました。いい感じ?

CurrentMirrorB

原理回路の時と同様、今度はW2側を5VDC、W1側に三角波を与えたものが以下です。差異が見えている気がします。Q3のトランジスタのところの電圧降下分、出だしが下がっているけれども差異が縮まっている?(本当か?ちゃんと測ってないので戯言です。)

CurrentMirrorB2

何時も通りで、ホンワカ、ゆるゆるなところで実験完了。ま、ちょっとね、今日は忙しい(また手抜きの言い訳だな、自分。)

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