忘却の微分方程式(76) 反復練習39、nは自然数、aは正の定数、Maxima

Joseph Halfmoon

前回は「kは0じゃない」みたいな条件をつけて積分する技?を練習。今回は一歩進めて?「nは自然数」とか「aは正の定数」とか条件を付けたうえで積分をいたしてみようと思います。といって計算してくれるのはMaxima様ですが。教科書的には部分積分の例題ですが、Maxima様にかかれば一撃とな。

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※数学のお勉強のための以下の教科書(参考書、問題集?)の例題をMaximaの練習に使わせていただいております。

弱点克服 大学生の微積分 江川著 東京図書

遥かなるかな太古の時代、大学生のときにこういう御本が欲しかった。

※以下のMaxima/wxMaximaバージョンで実習させていただいております。

    • Maxima 5.46.0
    • wxMaxima 22.04.0
「部分積分の繰り返し」など「屁の河童」

前回の復習ということは「kは0じゃない」という条件で積分する例題をやってみます。assumeしているところが前回学んだところ。以下は教科書的には部分積分を繰り返して解くものに分類されとりますが、Maximaにお願いするときは1撃です。こんな感じ。

Ex36_1

しかし、それにしても「屁の河童」、古いな。この年寄も何十年かぶりかで使った言葉です。突然思い出してしまった。どうでもいいことだが。

「nは自然数」、どう書いたらよいの?

さて次の例題の条件をば見ると、「ただし、nは自然数である」とあります。あれれ、自然数ってどう書いたらいいんだ?心を落ち着けてMaximaのマニュアル(日本語版)の以下のページを読ませていただきました。

11. Maximas Database

そこには declareという関数があり、「アトムやアトムのリストに、プロパティやプロパティのリスト」を割り当ててくれるんだとか。その割り当て可能なプロパティの中に integer(整数変数)というものを発見しました。すると

    1. declareでnは整数変数だと言う
    2. assumeでnは大なり0と言う

の合わせ技でnは自然数になるんではなかろうかと。知らんけど。

やってみました。こんな感じ。Ex37_1a

お答えでましたな。

ここでは、nは「大なり0」と0を含めない「大昔、高校で習ったまま」の自然数定義にしたがいましたが、0を含める部族もいるそうです。まあ、declareとassumeの合わせ技であれば、いかようにもなるし。あれ、もしかしてその辺の流儀の違いがあるので、declareできるプロパティに自然数とかいう奴が無いのか?どうなんだろ?

因みにということで、自然数縛りをしないで積分すると以下のようになります(nの代わりにpつかってますけど。)Ex37_1noAssume

 

「aは正の定数」など「以下同文」

さて、次の例題では「aは正の定数」であるという前提です。しかし、nは自然数がかけた今となっては恐れるに足りず。こんな感じ。Ex39_3

ホイホイ計算できてしまうっと。やれやれ。

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