SPICEの小瓶(27) アナログ電圧平方根回路ビヘイビアモデル、除算回路の手を使う?

Joseph Halfmoon

前回のアナログ電圧二乗回路(ビヘイビアモデル)はちょろかったですが、今回の平方根回路(ビヘイビアモデル)は難しかったです。再び教科書をのぞき見しながらモデルをこさえました。確かに平方根をとれてるのだけれども狐につままれたようです。自分を二乗したものが相手と等しければ自分は相手の平方根だと。

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※ Analog Devices, Inc. LTspice XVII(x64) (17.0.36.0)を使用させていただいて動作確認しております。

平方根のビヘイビアモデル

今回は除算回路と同じ、電圧制御電流源(頭文字G)が再び登場します。そして双方が反対方向に電流を流して「巡りあう」構成であります。横に仮初な抵抗がおかれてますが、抵抗値は1T(テラ)Ωと無視できる状態っす。

    • 一方の電圧制御電流源は入力電圧Vinに比例した電流I1が流れる
    • 他方の電圧制御電流源は、電流源の両端に発生する電圧をVとするとV2に比例した電流I2が流れる

以上のように設定すると、抵抗に流れる分は無視できるのでI1=I2から

V2= Vin

つまり V = SQRT(Vin) であると。そして以下のSPICEネットリスト(.SUBCKT モデルファイル)のどこにも平方根らしきものは現れてこないのですが、平方根とった電圧が出力されてくるのであります。ホントか?

AVR1_LIB

シンボル

モデルファイルさえかけてしまえば、後は以下同文です。四角一つのシンボルファイル(AVR1.ASY)は以下のようです。AVR1_SYM

モデル動作検証のためのテスト回路

これまた以下同文です。わすれずにモデルでパラメータ化されているところには値を与えておきます。AVR1_DUT

動作確認

入力v1inputは単純な原点通過の1次関数(緑)。その電圧の平方根をとったらば赤。入力電圧2Vのところにカーソルをもっていくと1.41(ひとなみ。。。)

AVR1_SIM

平方根とれてるけれど、自分じゃ絶対気が付かないデス。頭が固い。年寄だもの。開き直り。

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