部品屋根性(92) 1N60、ゲルマニウム・ダイオード、最後の量産?IV特性比べてみるの回

Joseph Halfmoon

大昔の少年共にとってはゲルマニウム・ダイオードこそ電子工作世界へのハローワールド、私メも例外ではありませぬ。しかし時はうつろい、いまやゲルマニウム・ダイオードは絶滅危惧種であります。「最後の量産を弊社が大量仕入れしました」この一言にあおられてつい購入してしまいました。今回はシリコンダイオードとIV特性比べてみます。

※「部品屋根性」投稿順Indexはこちら

ゲルマニウム・ダイオード1N60

いつものように秋月電子通商殿の通販サイトを経めぐっていて、つい気づいてしまいました。1行引用させていただきます。

最後の量産を弊社が大量仕入れしました。

ゲルマニウムダイオード、まだ売っていたのね。まだ在庫はありそうだけれどもラスト・バイ的な? もう一か所引用させていただきます。

※リードが変色しています。あらかじめご了承ください。

くーっ、いい感じでないかい。古びた在庫、ディスコン品好き?の心がときめく一品です。それにAD2のカーブトレーサ機能に目覚めたところだったので、飛んで日にいる夏の虫か。通販サイトは以下に(秋月殿の回しものではありませんぞ。)

ゲルマニウムダイオード1N60(10本入)

いつもながら着弾素早いです。注文入れたらあれよあれよと。

1N60package

現物の拡大画像が以下に。もしかして、中身の構造、バッチリ見えてる?1N60

 

AD2のカーブトレーサ機能、再び活躍

さてゲルマニウム・ダイオードを眺めていても飽きませんが、ただ眺めていてもなんなので、IV特性を測ってみます。前回目覚めたAnalogDiscovery2のカーブトレーサ機能を使ってです。

折角なので、シリコン・ダイオードと特性を比べてみました。比較対象は小信号用ダイオード、1N4148。一応定番、LTspiceでもデフォルトでモデルが入っているやつ。

以下グラフで黄色が1N4148、青色が1N60です。1N60_1N4148_IV

0.6V付近で急激に立ち上がるシリコンダイオードと比べると、0.2V付近からほとんど線形、リニアな感じで緩やかに立ち上がるゲルマニウムは、優美というかなんというか。こうして眺めてみるとなかなかなもんでないですか。挽歌の一つもささげてくれい。いやまだ滅亡してないか。気が早い。

部品屋根性(91) 2N3904を題材にAD2のカーブトレーサ機能を使ってみる へ戻る

部品屋根性(93) Zenerダイオード、Back to Back、どっち向けても同じ? へ進む