
OpenModelica付属のデモを経めぐってます。「回転運動」デモ(Mechanics>Rotational)の2回目デス。前回は「クラッチとブレーキ」が登場。今回は、4個のイナーシャを3個のクラッチで接続したモデルです。クラッチの接続も繋がったり、離れたり、繋がっていても前後に滑るは固着するわと複雑な挙動っす。
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※動作確認にはWindows 11の パソコン(64bit)上にインストールした、The Open Source Modelica Consortium(OSMC)様の以下のバージョンを使用させていただいてます。(なお、ModelicaはModelica Association様の登録商標です。)
Openmodelica v.1.25.1 (Official Release版)
Coupled Clutches
若者の自動車離れが進行しているみたいです。免許持たない人も多いとか。免許とってもオートマ限定だったりするので、「クラッチ」というものに馴染みが無い人も多いんでないでしょうか。年寄は左足でクラッチを操作する、とくに坂道発進などで「滑らせながら接続する」ような操作を練習させられたので、クラッチの役割というものに実感があるんじゃないかと思います。まあ、お惚け老人も運転下手だし、最後にマニュアル車運転したのはうん十年前です。それでも回転運動を連結するときのクラッチの役割は不滅、ホントか?
上記を選択すると現れるダイアグラムが以下に。矢印と文字はお惚け老人が書き加えたもの。
4個のイナーシャがならんでおり、左のトルクで駆動されているみたいです。各イナーシャ間にはクラッチが並んでおり、その左右を接続したり切り離したりしているみたい。
デモ的には、4個のイナーシャの角速度 w、3個のクラッチそれぞれの「間」をとおるトルク τ、クラッチの摩擦状態のモードを示す modeの合計3種の変数を観察すべし、ということみたいです。なお、modeは、整数値をとる変数で、以下のようになってます。
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- -1: backward sliding
- 0: stuck
- 1: forward sliding
- 2: inactive
- 3: unknown
念のため、モデル各部のコンポーネントの設定値を確認するとこんな感じデス。まずはトルク源の波形sin1。
お次は、イナーシャのうち一番左のやつ、J1デス。以下の設定をみると、時刻0で 10 rad/s という角速度の初期値をもって「回っている」みたいです。
上記のクラッチは、正弦波波形で微妙な制御をされているみたい。
一方その他2つのクラッチは特定の時刻まで「切れて」います。クラッチ2は時刻 0.4 s でガッツリ接続、クラッチ3は時刻 0.9 s で接続です。
なお今回はダンパのような回転エネルギーを散逸させるようなコンポーネントはモデルに含まれていないみたいです。しかし、この設定だけみると、素人老人には各イナーシャの回転は想像もつきませぬ。ぐぬぬ。
シミュレーション実施
赤線が一番左のイナーシャ1の回転ですな。初期値10 rad/s あるので、そこから他の時刻0で止まっていたイナーシャに回転を分け与えて、速度が低下していってるみたいです。微妙に揺れ動いているのは、左から周波数5Hzのトルクで駆動されているためでしょう。
つづく青線がそのお隣のイナーシャ2です。ここは「ユックリ微妙に」制御されているクラッチ1によってイナーシャ1の回転が伝わってきているみたい。
つづく緑線がイナーシャ3です。ここに回転を伝えるクラッチ2は0.4sまで切れていて、0.4sから接続されて、最終的にはイナーシャ2と同様な回転をするようになるみたい。
最後の紫色が、イナーシャ4です。ここに回転を伝えるクラッチ3は0.9sまで切れていて、0.9sから接続されて、最終的にはイナーシャ3と同様な回転をするようになるみたい。
赤、青、緑の順にクラッチ1、2、3です。0.4秒と0.9秒のところでガクンと変化しているのは分かるけれども、途中経過、複雑っす。分けわからん。
ー1は後方滑り、2はクラッチ切れてる状態です。0はクラッチが固着、一体化して滑りなしに接続している状態みたい。0.9秒のところでクラッチ2がそうなった後、クラッチ1、クラッチ3も「つられて」その摩擦モードがコロコロ変化してます。それで上のトルク波形のグラフのような奇怪な伝達が起こっているみたい。知らんけど。1.25秒で、クラッチ1はビミョーな制御は続いているけどじ「切れた状態」になって、以後は我が道を行くと。
クラッチも3連続ともなると奇怪な動作をするもんじゃのう。




