介護の隙間から(33) 浴室の見守りにもセンサ?

浴室事故は交通事故より死亡例が多いそうです。ヒートショック、転倒など危険因子が浴室には多数あるからだと思います。そのため高齢者向けの浴室の安全対策は各種存在しています。まずはプライマリな選択として、事故を起こさないようにすることが先決なので、浴室のリフォーム等を通じて

  1. 浴室暖房、断熱材などのヒートショック対策設備
  2. 転倒防止用の床、出入り口、手すりなど
  3. 転倒および溺れ事故対策のある浴槽

物理的な対策を施すのが基本であると思います。しかし、事故になりかかった、あるいは事故になってしまった場合を早期に検出して知らせる「見守り」機能は、最後の歯止めとなり得ます。電子デバイスが主として活用されるのはこの部分であろうと考えます。今回は、浴室向けの見守り装置を調べてみることにいたします。

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介護の隙間から(32) 電話機、見守り、撃退、大音量

一人暮らしの高齢者の見守りで、使われている装置の第一は電話だと思います。それも固定電話、やはり使い慣れた「電話」が良い。一方、一人一台スマホを持つ習慣の中で固定電話機のビジネスは退潮。結果、固定電話機を製造しているメーカー各社も「高齢者向け」をメインに据えて「残存」固定電話機市場に向き合っている、という状況でしょうか。「双方の需要がマッチ」し、最近の固定電話機、高齢者向けの機能が充実しています。ある意味「遠隔見守り」のハブ的な装置にも思えます。

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介護の隙間から(31) 心配なガスコンロ、対策いろいろ

高齢者の世帯でやはり心配になるのが、台所のガスコンロです。火災の恐れもあり、あるいは、ガス漏れ、不完全燃焼による中毒など、危険性はいろいろ思い浮かびます。しかし、調べてみると、実に多様な対策があり、かつまた、公的な制度として各種対策を支援してくれる自治体なども多数あることが分かりました。結構、知らなかった対策もありました。今回は実際に距離の離れた実家で一人暮らしをしている親を想定し、「電子デバイス」応用にこだわらず、対策のあれこれを列挙しておきたいと思います。勿論、中には「電子デバイス」応用も入ってます。

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介護の隙間から(30) デイサービスの送迎にもICTだ?

前回が介護事務の話で、前々回はデイサービスのリクリエーションにもAIロボットみたいな話だったので、デイサービスの送迎などで何かないかね、と思って探していたら、やっぱりありました。またしてもICTが。ちゃんと電子デバイス使っているハードを駆使しつつ(この点デバイス開拓団的にはありがたいですが)、実際の付加価値はクラウド上です(またもやクラウドでリカーリングかサブスクリプション・モデル?)。確かにハードばかりでは「誰さんと誰さんは仲が悪いから」とか配慮しつつ(結局それに気付くのは人ですが)、駐車場所にも気を使い、常に何か予想外の事態が発生する中で安全運行をしなければならない(運転するのも人ですが)というのはできません。なかなかキツイ問題に毎日対応されている現場のご苦労は大変だと思います。しかし「この辺」に切り込みたくなった管理する側の人にはアピールするシステムに見えます。

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介護の隙間から(29) ICT化で書類削減というけれど

今日のテーマは、介護される側にはほとんど関係なく、介護する側(それも家庭内ではなくプロ)にかかわる問題です。

介護と書類(事務処理)

です。最近、ICT化で介護の事務処理の負担軽減、みたいは話をよく目にするのです。しかし、現場レベルでその手の話題を語っている方を目にしたことがなく(単に検索にかからないだけかもしれません)、多くの場合は、お国とかICT屋さんが語っているようです。雰囲気から察するに「上の方から落ちてきている」ような気がします。それでホントに介護する人たちが楽になるのなら良いですが、どうなんでしょうか。そうはいっても着々とICT化は進むことでしょう。 “介護の隙間から(29) ICT化で書類削減というけれど” の続きを読む

介護の隙間から(28) 癒しと電子デバイス

今日は、取り上げさせていただくのを躊躇していた話題に突っ込みます。

癒し

です。実際、電子デバイスで「癒せる」ことがあるのだろうか、と自問してしまいます。調べてみると否定的な方も多いです。しかし実際、「ブツ」は各所から出ているし、いろいろ効果ありとの研究結果も「アリ」です。結局のところ、

使う人の気持ち次第

で、癒されるかもしれない、そうでないかもしれない。それでいいのか。

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介護の隙間から(27) 服薬管理、いろいろあるけど

今回取り上げさせていただくのは「服薬管理」の問題です。お年寄り、それも要介護、要支援ともなれば、各種の持病あり、服薬は必須でしょう。その上、記憶力、認知の問題もあり、この管理はなかなか難問なようです。一般社団法人全国介護者支援協会さんのサイトに、ちょっと古い(2012年)資料ですが、この問題に関するアンケート調査結果(介護する側の人に対する)がありました。引用させてもらうと、

服薬管理は在宅介護者の大きな負担

だそうです。資料を拝見すると要介護度があがるほど、薬も増えれば、苦労も増えるという傾向が見てとれます。当然、介護する側の苦労だけでなく、服薬する側の高齢者の方には、薬を「ちゃんと飲めない(飲み過ぎる危険もその中にあります)」リスクが大。そんな「服薬管理」に電子デバイスは何か貢献できる部分があるのでしょうか。

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介護の隙間から(26) 冷蔵庫管理、悩みはつきない

在宅、一人暮らしの高齢者の暮らしの上で、問題になりやすいのが冷蔵庫の管理です。ある程度自立して買い物もできるし、自炊もできる、けれど冷蔵庫に何入れたのか記憶できないので賞味期限ぎれどころか野菜などドロドロに溶けてしまう、といった事態です。なんとか電子デバイスで自立した暮らしをサポートできないものかいな、と思っていたのです。すると日立が食材の管理などできる「コネクテッド冷蔵庫」を発売した、という1月24日付のニュースを目にしました。これがあれば高齢者の自立した暮らしをサポートできるのか?ちょっとお高い価格だが?

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介護の隙間から(25) 物忘れ対策、それとも見守り、スマートタグ

「防ペ小老、見守りの4大用途」などと勝手なことを書かせていただいております。防は防犯、ぺはペット、小は子供で老は「シニア」の方々です。しかし、こと「シニア」に関しては一方的に見守れば良いのか、というとどうも違うように思われます。やはり「シニア」には「シニア」の暮らしがあり、そこで役立つような電子デバイスがあるべきじゃな~と常々思うんであります。物忘れが多くても、楽に暮らせる的なサポートグッズが何かできないかな、と。そんな中、「小物」ですが役立ちそうな電子デバイスの一つがスマートタグと言われるものです。

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介護の隙間から(24) 大混雑、AIとIoTで介護見守り

前回は見守りサービスへの3方向からのアプローチということで書かせていただきました。うち2方向は「在宅」向けのアプローチでした。しかし、目を転じてBtoB、施設向けの「見守り」となると、このところ各社の発表が相次ぎ、がぜん大混雑の様相を呈しています。キーワードは、

AI と IoT

です。2月に展示会がある、ということも一つのトリガにはなっていますが、それ以上の理由がありました。

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介護の隙間から(23) 見守りサービス、3方向からのアプローチ

前回は、電子デバイスを用いた「高齢者見守りサービス」の源流を調べてみましたが、今回は「その今」を調べてみることにいたします。結論から言うと、3つの方向からそれぞれ特徴のあるアプローチがなされているのです。第1は「インフラ系」とでもいうべき組織からのアプローチ、第2は「警備会社」からのアプローチ、そして第3は「ICT企業」からのアプローチです。

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介護の隙間から(22) 見守りサービスの源流

調査スコープを徘徊検知装置から、「シニア見守り」に広げる、と言いつつ、「見守り」イコール「カメラ」的な狭いスコープばかりになっていました。カメラは直接「見る」ことができるので見守るといっちゃ、そのままですが、見守りはカメラが無くても可能です。それどころか電子デバイスを用いた「見守り」サービスの源流はカメラでないところにあったのではないかと思われるのです。今回は、既に十数年の実績のある2つの「見守り」サービスについて調べてみます。

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介護の隙間から(21) アルコム RD-4355 この分野の標準機?

前回投稿で、国内メーカのIPカメラ(Webカメラ)を、これは介護に向かないとか、向くとか勝手分類させていただきましたが、抜けている会社がありました。福岡本社のアルコム社です。防犯カメラ、監視カメラの通販の会社で、Panasonicや日立の同分野の製品の販売会社でもあるのですが、自社ブランドでの展開もされているようです。この会社の製品にRD-4355という機種があるのですが、見れば見るほど「徘徊検知」システムでよく見かける「デバイス」にそっくりなのです。

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介護の隙間から(20) 国内メーカのIPカメラ取り組み比較

前回、国内のIPカメラということでPanasonic社ばかりをとりあげてしまいました。よく考えてみると、片手落ちじゃないかと反省しました。そこで、今回は、国内のIPカメラ(Webカメラ)の主要ベンダを列挙したいと考えます。ただ、介護テーマで取り上げなかったのには訳があるのです。ちょっとね、用途が違うものが多い。

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