IoT何をいまさら(11) HDKにみるセンサ品種展開の歴史

繰り返します「IoTはデバイス商売じゃねえ」と言われつつ、デバイス、それも一番先っぽのセンサにこのところフォーカスしております。観察するにセンサ屋さんにはどうも2つの流儀があるようです。ある特定のセンサ、測定対象にこだわってそこに集中するタイプと、各種のセンサを製品ラインナップに取り揃え、広い要求にこたえるタイプと。特定のセンサには、それぞれ特有の材料や製造方法などが必要とされます。集中タイプでは該当分野を深掘りしていくことになるでしょうが、「各種」を取りそろえる場合、異なる技術を次々と物にしていかねばならない筈。そんなセンサ品ぞろえの過程を、HDK(北陸電気工業)の沿革と公開資料から読み取ってみたいと思います。

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IoT何をいまさら(10) AMS、センシングへの道

「IoTはデバイス・ビジネスではない」などと言われております。その心はデータを処理して「価値を創出」する側が利益の大半を持っていくのだということだと思います。それでも、デバイス側から取り組んでいらっしゃる「プレイヤー」様あり、かつまた「うまく行っている」場合もままあり。そんな「プライヤー」様を巡るシリーズとして、今回は、AMS社を取り上げさせていただきたいと思います。

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IoT何をいまさら(9) IoT, M2M, AI, ML 言わせてもらえば

IoT (Internet of Things) と M2M (Machine to Machine)、どうも似たもので、よく隣あって書いてあります。違い、分かったような、分からないような。これとは別なものですが、この頃は「併用」されることが多いので、それらの近くにAI (Artificial Intelligence) とか、ML (Machine Learning) などという言葉も落ちていることが多いです。この2つの違いも、分かったような、分からないような。いろいろな人が、いろいろな説明をしていますが、この辺でこちらはこちらで、勝手きままに、見解を申し述べさせていただきたいと思います。

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IoT何をいまさら(8) x軸センサ、何軸まで許せる?

昨日、マイコンテーマの方で、センサにつなげるシリアルポートを調べていて思ったのですが、この手のデジタル系のインタフェースにつながるセンサ、「3軸」とか「6軸」とか何か「軸数」というものがキーワードになっているセンサがとても多いです。x軸みたいな言い方が「流行った」最初は3軸だったと思うのですが、6軸、9軸など、今や何それ、という軸の増えようです。なんでそんなに「軸」が増えたのか、どこまで本当に「軸」なのか、今日はちょっと考えてみたいです。

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IoT何をいまさら(7) 傾斜スイッチ

大抵のセンサは電流を流してやらないと動作しません。また出力されてくる信号が小さかったりすることが多いので増幅が必要なことも多い。そしてアナログ出力をマイコンで読み取ろうとするとADコンバータがいります。電気が必要な仕事が目白押しです。その点スイッチは良いです、電気食わないし。ON/OFFの2値なので、マイコンの割り込み端子と抵抗の一本もあれば簡単にインタフェースとって使うことができます。そのためか、何か物理量に反応してスイッチがON/OFFされるような製品が結構でています。センシングといってもある閾値を越えたかどうか分かればよいだけならスイッチで十分ですから。本日調べるのは、傾斜するとスイッチが入る/切れるスイッチです。何かの転倒を感知したりするのに重宝します。

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IoT何をいまさら(6) 湿度センサ

前回は温度センサを取り上げさせてもらいました。日常生活では、温度とくれば次は湿度ですよね。そこで今回は湿度センサを調べてみます。温度センサは基本的な物理量を測るものだけに、測定原理、用途、精度とも実に多様で、お値段の方もピンキリでした。それと比べてしまうと湿度センサはそれほど多様でもなく、十数年前の印象では、それほど多くのセンサメーカはないように思っていたのです。ところが、今回調べてみたところでは出るは出るは、多くのメーカが湿度センサを出してきていました。これもIoTの影響に見えます。「温度とくれば、湿度も」知りたい、ということなのでしょう。

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IoT何をいまさら(5) 温度センサ

IoTなどという言葉がなかったころから、デバイス屋は何かをセンシングし、遠くにそれをお知らせするような製品を作ってきたのです。けれどIoTになってどうなったか、デバイス屋がやっていることはあまり変わらない気がするのです。しかしデータをお知らせした先で何か処理をされると、昔からあったデータが何か宝の山に変わっていく。結果、デバイス屋の儲けがどこか遠くのサーバーの方に吸い取られていく。ぐちは止めておきましょう。今日は、センシングの基本中の基本、温度センサのおさらいをしておきたいと思います。なにせ物理現象は温度によって影響を受けるものだらけです。当然、センシングによっては温度補正が必要なものも存在します。温度に影響をうける物理現象が多いだけに、その測定方法も多様。また、同じ原理でも、お安いものから、超高級品までいろいろあるのが温度センシングの世界のようです。

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IoT何をいまさら(4) 焦電センサ

徘徊検知装置の調べで人感センサとして度々登場するのが焦電型のモーションセンサです。人感センサとしては定番のセンサと言っていいでしょう。IoT分野での利用も多いのではないでしょうか。しかし、調べてみると、人感センサとしての使い道以外にも応用がいろいろあることが分かってきました。

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IoT何をいまさら(3) 電池駆動の監視カメラ

介護の投稿の方で取り上げさせてもらっていますが、カメラを使って「見守る」というシステムがいくつも存在します。「見守り」にカメラというのは、極めて自然な発想だと思うのですが、大人の事情で、単なるWebカメラは介護保険の適用になる貸与品にはなりません。そこでモーションセンサなどとカメラを組み合わせて徘徊検知、というシステムがいくつか存在します。ただ、動画を撮影し、それを離れたところまで伝送するという処理の特性上、通常は皆AC電源を必要とするものが多いです。今回は、介護の枠を外し、「一般のネットワーク機器」のカテゴリで電池駆動の監視用途のカメラを調べてみました。典型的なIoTとも言い難いかもしれませんが、カテゴリはIoTにしました。カメラ画像をただ眺めていればIoTとは言い難いですが、なにかの処理をすればIoTでしょうかね。

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IoT何をいまさら(2) スマートホーム?

リクエストがまいりました。介護の話で無線に触れた投稿に反応していただいて、「IoT向けの無線、サブGHzのところ、もっとちゃんと調べろ」と。それに、「通信費がどれもかかるようにも読める、通信費がかからない方式もあるだろー」と。早速、サブGHz帯の無線を取り上げることにいたしました。今月(2018年11月)なら、話題的には IEEE802.11ah、愛称(?)Wi-Fi HaLowをとりあげるべきでしょう。日本国内の立派な会社や組織が50以上あつまって普及のための団体を設立したのですから。が、ひねくれたデバイスビジネス開拓団としてはそちらには行きません。また、「後発」のWi-Fi HaLowが追撃する相手、先行するLPWA(Low Power, Wide Area)規格、SIGFOXとか、LoRaにも行きません。それどころか、無線規格をそうじゃないものと比べてしまう暴挙?にでます。

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IoT何をいまさら(1)スカベンジングからハーベスティングへ

エナジーハーベスティング(日本的には環境発電というらしい)に相当する技術の話を始めて聞いたのは、20世紀も終わりの頃でした。話を聞いた相手もよく覚えています。名前は書きませんが、イケメンですが髪の毛がちょっと残念なヨーロッパ人です。ただ、その頃はエナジーハーベスティング(ハーベスティングはイメージの良い言葉です)とは言わず、エナジースカベンジングと唱えていました。 “IoT何をいまさら(1)スカベンジングからハーベスティングへ” の続きを読む