Design_board

◎ボード設計

 

◆システム設計の流れ
①要求仕様作成
②システム設計
コンプライアンス
③ハードウエア設計
環境条件も
回路設計
機能試作
基板設計
試作
④ソフトウエア設計
フロー設計
変数定義
モジュール振り分け、入出力
モジュール処理
コーディング
デバッグ
⑤筐体、機構設計
PLも
⑥試作と評価
組み合わせ試験(ハード、ソフト、機構を合体させ動作をみる)
評価試験
一般試験(安全性など)
絶縁、耐圧、電力、外観
機能試験
操作
性能試験
精度、速度
環境試験
電圧変動、エージング、温湿度、ノイズ、振動、落下、静電気
瞬停、輸送
いじわる試験
誤動作
⑦量産
基準(見本)
チェック
生基板ェッカ
インサーキットテスタ
ファンクションテスタ
⑧製品試験
出荷試験
エージング試験
⑨ドキュメンテーション
法規認定
_◇マイコンボードの仕様決定
_◇マイコンの選定
仕様→機能→PINの本数と特性→マイコン、ICの選定

 

◆回路設計の段取り
_◇電源設計
※検討項目
系統
電圧
電流容量
絶対最大定格
デバイスによって電圧と速度のトレードオフに注意
※商用電源からならスイッチング電源
※DC電源からならリニアレギュレータ
⇒スイッチングレギュレータの方が大電流対応できるが、アナログ設計ムズカシ
※電池の逆さし防止
ダイオード、ダイオードブリッジ入れる(ダイオード分の電圧降下とロス)
MAX4636つかう
※2電源の併用
ショートすると、低い側に流れ込み危険
⇒ショートしても逆流しないようにダイオードいれる(やはりダイオード分の電圧降下とロス)
※パスコン
マイコンなどICのそばに、電解とセラミックと容量変えてのせる
外部からのノイズカット用に電源コネクタそばにもアルミ電解のせる
耐圧は2倍はとる
_◇クロック、リセット
※クロック
水晶=ファンアウト大きい
セラミック
※リセット
単純な回路
 ┬    ┬
 ┴   ┌┴┐
 ▲   │R│
 │   └┬┘┌─┐
 ├────┼─┤R├→RESET
┌┴─┐  ┴ └─┘
│SW│  ┬
└┬─┘  │
 ┴    ┴
RESET-IC
検出電圧は、全部品考えて決めること。(あるデバイスは電圧高くても止まるかもしれない)
 ┬    ┬
 │   ┌┴┐
 │   │R│
┌┴─┐ └┬┘
│IC├──┼─→RESET
└┬─┘ ┌┴─┐
 │   │SW│
 │   └┬─┘
 ┴    ┴
_◇ポート端子、LED
※LED 数mAの電流でも視認するだけならOK。特に赤は小電流でも見やすい
→電流制限抵抗+順方向電圧(代表値の計算で十分)
※pull up
出力ポートのインピーダンスを下げる効果もある。
※未使用端子
設定可能なら出力設定にしておく→誤動作起こしにくい
入力端子→抵抗介してVcc, GNDに接続
⇒直だとショートの可能性あり
※リセット時の端子状態に注意
※マイコン電源ONの前に入力端子に電圧かかると破壊する
電源ONまえに電圧かかる端子はフォトカプラなどでアイソレートするか、保護回路を入れる。
_◇信頼性
※ディレーティング
定格に対して低い割合で使って、故障の確率をさげる
コンデンサ、使う電圧の2倍の耐圧を目安とする
抵抗 定格の20%の電流で使う
※逆さし防止

 

◆プリント基板のパターン設計
_◇手順
①ネットリスト作成
②部品ライブラリ作成
③基板作成ルール設定
④基板外形作成
⑤部品配置
⑥配線
⑦全体仕上げ
⑧基板発注
_◇部品ライブラリ作成
部品の銅はくパターン
組み立て方法により同じ部品でもパターン異なる
パターン幅 例)0.25mm
パターン間隔 例)0.2mm
ビアホール 例)0.3mm
_◇部品配置
※電源とGNDの配置を考える
※高い周波数を取り扱う部品を考える
①コネクタを配置(外部との関係で場所が拘束されることが多い)
②主要部品
③パスコン(ICの電源,GNDに近く)
④クロック(GND近く)
⑤リセット
※IC端子
印=1番ピン。
1番ピンから反時計周りに2,3,4…
_◇配線
①電源、GNDをどの層にするか
②配線方向の原則的なもの
③バスなどを先に、ビアはなるべくすくなく
ビアを通る度に信号が劣化する
④コンデンサなど液漏れの恐れのある部品の下にはパターンを引かない
⑤ベタパターン
※配線パターンのR,C,L目安
0.25mm配線パターン
0.02Ω/inch
2pF/inch
20nH/inch
※100kHz以上ではjωLが主要なインピーダンス成分となるので、Cの追加により相殺できる
※電源配線が長くなりLが大きくなると、ある周波数以上でCは素子Uが必要とする電圧を供給できなくなる
※プリント板が伝送線路的に振舞う目安
l:最大寸法
λ:上限の周波数に対応する波長
l<λ/20であれば、伝送線路的な挙動は現れてこない
※信号線間隔等目安
多ピンLSI、信号引出し面数の目安
※パッド間ピッチ1.0mm想定 L:配線幅, S:配線間隔
672ピンBGA 26×26ボール、引き出し配列8列
1152ピンBGA 34×34ボール、引き出し配列10列
1508ピンBGA 39×39ボール、引き出し配列14列
①BGAピン間1本 L/S=160um/172um
5/7/10
②BGAピン間2本 L/S=100um/100um
3/4/6
③BGAピン間3本 L/S=70um/70um
2/3/4
④BGAピン間4本 L/S=50um/50um
2/2/3
_◇全体仕上げ
①シルク面の調整
シルクはハンダ・ブリッジをふせぐ効果もある
②ランドをティアドロップ型にして強化
③ガイドマーク(機械実装に必要)
④テストパッド
⑤レジスト抜き(大電流のとき、レジストを抜いてハンダをのせ抵抗をさげる)
⑥ルールチェック
⑦面付け(捨て基板、位置あわせ、輸送の配慮)
⑧カット
_◇プリント板の材質と誘電体の容量
紙フェノール片面
CEM-3 高電圧、両面、ガラスコンポジット
FR-4 ガラスエポキシ (足そう
FR-3 紙エポキシ(片面

 

◆プリント基板の組み立て工程
_◇組み立て考慮点
①部品形状
リード
スルーホールなので両面使う
⇒製造コスト高くなりがち
表面実装
片面ですむ
人手での実装難しい
②供給方法
リール
テープに並べ、リールに巻く(表面実装)
パレット
比較的大きい表面実装部品
アキシャル
部品両端テープ留め
ラジアル
片側リードをテープ留め
バラ部品
寸法大、特殊形状、人手実装
_◇リフロー、フロー
※装置はみなNCである
①クリームはんだ印刷
②ボンド(熱硬化性)塗布<両面実装の場合>
③表面実装
突起なし、リフローに耐える部品のみ
④リフロー炉
※リフロー炉とフロー炉
同じ装置だが設定(温度プロファイル)違う
リフローが割き
※リフロー不良
マンハッタン現象(たってしまう)
ハンダブリッジ
※フロー
ラジアル型、アキシャル型
部品実装角度に制限あり
手挿入
フラックス塗布
フロー槽
裏面の部品、ハンダにつかる
_◇検査、後処理
目視検査、修正
人手実装
インサーキットテスタ
パターン間抵抗など(基板ごと)
ファンクションテスタ
基板ごと
後処理
コーティング、接着
出荷

 

◆火入れとデバッグ
①目視確認
ハンダ不良
部品未実装
誤実装
②無通電で電源まわり確認
VCC-GND間、ある程度の抵抗あるか?
(ショートしていなければOKとする)
コネクタ等確認
電源の設定値(抵抗など)確認
③電流制限回路付き電源で電源投入
+-注意
異常電流注意
異音、異臭、加熱
⇒電源電圧範囲内か
⇒クロック、周波数、振幅、ゆらぎOKか
⇒リセット波形OKか
※電源投入時のRESET波形、電源立ち上がり波形
⇒突入電流(ラッシュカレント)
※RESET解除時のCLOCK波形、各信号状態
※瞬停試験
④評価試験仕様書
あるいはチェックシート
例)チェックシート
カテゴリ 項目 条件 結果
EXT波形 25MHz 誤差0.1%SIN波 OK

 

◆板金、樹脂加工
_◇板金加工
金属板切り出し
シャーリング加工機
抜き
NCタレット・パンチ・プレス(タレパン)
曲げ
ブレーキプレス
プレス(しぼり加工)
プレス機
溶接
スポット溶接、溶接
洗浄
塗装
_◇アルミ押し出し加工
穴に開いた型からアルミを押し出す
_◇樹脂加工
冷却管加工
切削加工
放電加工
磨き
シボ(つや消し)
文字入れ
調整
ABS アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン
PP ポリプロピレン

 

◆デカップリングコンデンサ
コンデンサのような小さな電源をチップに隣接して配置
→電圧降下を最小限に食い止める
→電流ループ面積を最小にし、EMIを低減する
電源
低周波電流の供給
デカップリングコンデンサ
高周波電流の供給
※等価直列抵抗
ESR: equivalent series resistance
ESL: equivalent series incuctance
※デカップリング・コンデンサとLSI間の配線パターンのインダクタンスが最小となるように配置する。
※デカップリング・コンデンサと寄生インダクタンス成分で決まる共振周波数をチェックする必要がある
→共振周波数が、パルスの基本周波数の10倍よりも低い場合は見直した方が良い
f=1/(2π*√((Lesl+Ltrace)*C))
※キャパシタンスが等しいデカップリングコンデンサを複数個並列に接続すると、ESR,ESLを小さくできるが、これは電源から接地までの経路が全て等しくなっている場合である
→容量が異なると共振が発生する可能性がある

 

◆EMI対策
回路全体のインダクタンスと電流が流れる導体のパターンが取り囲むループ面積がEMIの原因となる

 

◆アンカー効果(Anchor Effect)
プリント配線基板に使うCu配線の粗さに起因する導体損失のこと。Cu配線は表面に凹凸を付けることで,プリント配線基板の誘電体との接着性を高めている。
この凹凸のことをプロファイルと呼ぶ。信号周波数が高速になるとプロファイルの凹凸に沿って電流が流れるようになる。そのためプロファイルが抵抗として作用し,信号が減衰してしまう。信号周波数が5GHzを超えるあたりからアンカー効果を考慮して基板を設計する必要があるとされている。

 

◆MNRバリスタ
優れた電圧非直線性と大きなサージ耐量を持っており、雷サージ及び過電圧に対して電子機器の保護に優れた効果を発揮する。
…◎高周波損失
◎高周波損失

 

◆誘電損失
 誘電体に交流電場を加えたときに,誘電体内の双極子が電場の振動に追従できなくなって生じる損失。信号伝送では,伝送路上の導体(信号配線)と接地線の間の寄生容量に電荷を蓄積する際に生じ,漏れ電流の増大を引き起こすことになる。高周波ほど,導体中を電流が流れにくくなり,特に1GHzを超える高周波信号の伝送で問題となっている。
_◇誘電損失
信号線、接地線間の漏れ電流、高速化に伴い増大。1GHz…0.1dB/inchの減衰。10GHz…1db/inch(1MHzでは0.0001dB/inch)

 

◆導体損失
周波数が高くなるにつれ電流が導体の表面部分しか集まらなって流れにくくなる現象。周波数f,流れる深さをδとすると
δ=√f
10MHzではδ20μ
100MHzではδ6.3μ
1GHzではδ2μ
_◇表皮効果
δ=√(2/ωμσ)
δ:表皮の厚さ~表面の電流値に対してちょうど自然対数の底eの逆数になる深度
ω:周波数(オーディオ的には20-20KHz。ビデオで30MHzまで)
μ:透磁率(銅、アルミは真空の透磁率μ0(4e-7*π(H/m))とほとんど同じ)
σ:導電率(銅、5.76e7(S/m))
 表皮効果が問題にされるのは、マイクロ波の領域で、オーディオ帯域では無視できる。
 周波数が1000倍だと表皮効果は30倍。
 銅のμσは7.23