Design_Interface

◎回路技術

 

◆インタフェース
_◇TTL
┌─────┬──────┬──────────┐
│TTL  │ 1    │ 0        │
│論理レベル├──┬───┼───┬──────┤
│     │電圧│電流 │電圧 │電流    │
│入力電圧 │V │μA │V  │mA    │
│入力電流 │最小│最大 │最大 │最大    │
├─────┼──┼───┼───┼──────┤
│74   │2 │40 │0.8│-1.6  │
├─────┼──┼───┼───┼──────┤
│74H  │2 │50 │0.8│-2    │
├─────┼──┼───┼───┼──────┤
│74L  │2 │10 │0.7│-0.18 │
├─────┼──┼───┼───┼──────┤
│74LS │2 │20 │0.8│-0.4  │
├─────┼──┼───┼───┼──────┤
│74S  │2 │50 │0.8│-2    │
├─────┼──┼───┼───┼──────┤
│74ALS│2 │20 │0.8│-0.2  │
├─────┼──┼───┼───┼──────┤
│74AS │2 │200│0.8│-2    │
├─────┼──┼───┼───┼──────┤
│     │  │   │   │      │
└─────┴──┴───┴───┴──────┘
①TTLの入力ピンを0に保つためには、入力ピンからの吐き出し電流を吸い込んでも0.8V以下を保てないとならない。よって供給側回路の内部抵抗の最悪値は
標準500Ω以下
LS2KΩ以下
ALS4KΩ以下
となる。実際にはこの半分以下が望ましい。
②論理レベル1を供給する場合は、吸い込み電流を流しだしても2V以下にならなければよい。5V以上の電圧を供給すると破損する恐れがある。

 

_◇アナログ~TTLインタフェース回路
①コンパレータ
      ┌──┐
     ┌┤R3├┬─5V
     │└──┘│
     │ ┌──┴┐
○─┬──┼─┤324│ ┌───┐
E┌┴┐ │ │   ├─┤TTL│
○│R│ ├─┤   │ │   ├─
││1│┌┴┐└──┬┘ │   │
│└┬┘│R│   │ ─┤   │
│ │ │2│   │  └───┘
│ │ └┬┘   │
┴─┴──┴────┴─GND
R1=10k
R2=22k
R3=22k
※2.5Vをスレッショルドとして、E>2.5Vで0、他で1出力。
②シュミット
      ┌──┐
     ┌┤R3├─┬──┬────5V
     │└──┘ │ ┌┴─┐
     │  ┌──┴┐│R5│
○─┬──┼──┤311│└┬─┘  ┌───┐
E┌┴┐ │  │   ├─┴─┬──┤TTL│
○│R│ ├─┬┤   │   │  │   ├─
││1│┌┴┐│└┬─┬┘   │  │   │
│└┬┘│R││ │ │┌──┐│ ─┤   │
│ │ │2│└─┼─┼┤R4├┘  └───┘
│ │ └┬┘  │ │└──┘
┴─┴──┴───┴─┴─GND
R1=10k
R2=22k
R3=22k
R4=68k
R5=1k
※スレッショルドはEhとEl E>Ehで0、E<Elで1

 

_◇CMOS
①論理レベルの1と0が対称的
②電源電圧VDDが変化するとそれにスライドしてVDDに対する一定比率で論理レベルが定まる
③入力ピンにはほとんど電流が流れず、見かけ上5~7pF/ピン程度の小容量のコンデンサと等価
※入力ピンに論理レベルを供給する場合の注意
CMOSの入力ピンにはDC的にはほとんど電流が流れないが、周波数が高ければ充放電電流が無視できなくなる。
※出力ピンから論理レベルをもらう場合の注意

 

_◇アナログ~CMOSインタフェース回路
①ツェナーダイオードでCMOS論理レベルにあわせる
アナログ入力をコンパレータで方形波に整形(この時点では0を中心に
±Esの方形波)
+方向はツェナー電圧Ezで制限
-方向はZDの順方向電圧降下(約0.6V)により-0.6Vまで
    V+
    │             ┌────┐
   ┌┴─┐         ──┤    │
  ┌┤- │┌──┐       │CMOS├─
  ││ A├┤R1├──┬──┬─┤    │
○─┼┤+ │└──┘↑ │  │ └────┘
Ei│└┬─┘    │┌┴┐┌┴┐
○ │ │    Ez││Z││R│
│ │ V-     ││D││2│
│ │        ↓└┬┘└┬┘
┴─┴─      ───┴──┴─
R1=4.7k
R2=47k
VDD≧Ez>(2/3)VDD
②ダイオードリミッタでCMOS論理レベルにあわせる
            ─┬─VDD
    V+      ┌┴┐
    │       │D│   ┌────┐
   ┌┴─┐     │1│ ──┤    │
  ┌┤- │┌──┐ └┬┘   │CMOS├─
  ││ A├┤R1├──┼──┬─┤    │
○─┼┤+ │└──┘↑ │  │ └────┘
Ei│└┬─┘    │┌┴┐┌┴┐
○ │ │    Vd││D││R│
│ │ V-     ││2││2│
│ │        ↓└┬┘└┬┘
┴─┴─      ───┴──┴─
R1=22k
R2=220k
D1,D2=IS1588
VdがVDDより+、GNDより-それぞれでダイオードが導通するので、
順方向電圧降下分VDD+0.6~GND-0.6に制限される。

 

_◇トランジスタを使ったインタフェース
Eiはアナログコンパレータの方形波出力+Es~-Es
①反転出力
               ┬VCC/VDD
              ┌┴┐
              │R│
              │3│┌────┐
  ┌──┐        └┬┘│CMOS│
 ┌┤C1├┐        │ │ or │
 │└──┘│       ─┴─┤TTL ├→
 │┌──┐│    ┃│/   └────┘
○┴┤R1├┼──┬─┨│Q
Ei└──┘│  ↑ ┃│\
○    ┌┴┐┌┴┐   >│
│    │R││D│    │
│    │2││1│    │
│    └┬┘└┬┘    │
┴     ┴  ┴     ┴
C1:33p(高速動作時のスピードアップ用)
R1:22k
R2:6.8k
R3:3.3k
D1:1S1855
Q:2SC1815
※入力が5Vを超えるとベース電流大きくなり、コレクタ電流飽和し出力ほぼ0Vとなる。入力が-5Vを下回ると、D1がバイパスしQには電流が流れず出力はVCC(VDD)となる。
②非反転出力
          ┬────┬VCC/VDD
         ┌┴┐  ┌┴┐
         │R│  │R│
         │2│  │3│┌────┐
  ┌──┐   └┬┘  └┬┘│CMOS│
 ┌┤C1├────┤    │ │ or │
 │└──┘    │   ─┴─┤TTL ├→
 │┌──┐┌──┐│┃│<   └────┘
○┴┤R1├┤D1├┴┨│Q
Ei└──┘└──┘ ┃│\
○             │
│             │
│             │
│             │
┴             ┴
C1:33p(高速動作時のスピードアップ用)
R1:22k
R2:33k
R3:3.3k
D1:1S1588
Q:2SA1015
※入力が+のときはベース電流ながれずQには電流が流れず出力はVCC(VDD)となる。入力が-5Vを下回ると、D1経由してベース電流流れるので、コレクタ電流飽和し出力ほぼ0Vとなる。

 

_◇フォトカプラを使ったインタフェース
フォトカプラは、入力側(LED)と出力側(受光素子)とを電気的に完全に分離できる。
①入力側はホトカプラのLEDを十分に発光させる条件を考えること
②出力側は受光素子によって引き続く回路の入力ピンが完全に制御されるように考慮すること
※一般にLEDは順方向電圧降下約2V、順方向電流3~10mAで十分に発光する。よって、オペアンプ出力でドライブする場合には電源とLEDの間に電流制限抵抗を直列に挿入すればよい。
①非反転インタフェース
+12V            ┬+5V
  ┬  ┌──┐  ┌──┐ │
  ├──┤R1│  │R2├┬┘
  │  └┬─┘  └┬─┘│ ┌────┐
  │   │     │  └─┤CMOS├→
  │  ┌┴──┐ ┌┴─┐  │ OR │
 ┌┴─┐│LED│→│T │  │TTL │
─┤-A│└┬──┘ └┬─┘  └────┘
─┤+ ├─┘     │
 └┬─┘       │
  ┴         ┴
-12V        GND
R1:3.3k(電流制限抵抗)
R2:10k
T:ホトトランジスタ(ホトカプラとしてはTLP503)
②反転インタフェース
+12V        ┬+5V
  ┬  ┌──┐   │
  ├──┤R1│   │
  │  └┬─┘   │
  │   │     │
  │  ┌┴──┐ ┌┴─┐  ┌────┐
 ┌┴─┐│LED│→│T │  │CMOS│
─┤-A│└┬──┘ └┬─┘  │ OR │
─┤+ ├─┘     ├────┤TTL ├→
 └┬─┘      ┌┴─┐  └────┘
  │        │R2│
  │        └┬─┘
  ┴         ┴
-12V        GND
R1:3.3k(電流制限抵抗)
R2:TTL820Ω、CMOS10k
T:ホトカプラ(TLP503)のホトトランジスタ部

 

_◇アナログスイッチ
アナログ信号を、電圧・電流条件に影響を与えず、そのままON/OFF制御することのできるスイッチのことをアナログスイッチという。
※最も簡単なアナログスイッチは機械接点である。
※デジタルスイッチは、入力側の論理レベルと出力側の論理レベルとが必ずしも同じ電圧であるとは限らない。
①ダイオードスイッチ
  ┌──┐ ┌──┐ ┌──┐ ┌──┐
○─┤C1├┬┤D1<┬>D2├┬┤C2├─○
EI└──┘│└──┘│└──┘│└──┘EO
     ┌┴┐  ┌┴┐  ┌┴┐
○    │R│  │R│  │R│    ○
│    │1│  │2│  │3│    │
│    └┬┘  └┬┘  └┬┘    │
│     │    ○    │     │
│     │     EC  │     │
│     │    ○    │     │
┴     ┴    ┴    ┴     ┴
EC:+10V(ON)~-10V(OFF)
C1,C2:22μF
D1,D2:1S1588
R1,R3:600Ω
R2:1kΩ
※ECに十分な電圧(例では10V)を与えると
D1,D2に順方向電流が流れ、ダイオードが低抵抗と同じ状態となる。EIに加えられる電圧がR1の抵抗の両端に生ずる直流電圧以下の振幅ならば、出力側に伝達される。
②FETを使ったアナログスイッチ
     FET
○─┬──┐  ┌───○
EI│ S│  │D EO
 ┌┴┐ ┼──┴
○│R│ ↑G     ○
││ ├─┤      │
│└─┘┌V┐     │
│   │D│     │
│   └┬┘     │
│    ○      │
│    EC     │
│    ○      │
┴    ┴      ┴
EC:+10V(ON)~-10V(OFF)
FET:2SK30A
R:1M
D:1S1588
※FETはON時には抵抗Ronとして見える。

 

_◇ファンナウト
ひとつの出力端子からいくつICを繋げることができるか。
例:ロジックICの入力電流、多くは数十μA。出力側で数mA流せば、ほぼ10個程度のロジック回路は駆動可能。

 

◆異電圧I/F注意点
_◇level shifter / level translator
Vcc=1.8±0.15V VIH=0.65Vcc VIL=0.2Vcc
Vcc=2.5±0.2V VIH=1.6V VIL=0.7V
Vcc=3.3±0.2V VIH=2.0V VIL=0.8V
※基本
①入力の電源側への保護ダイオードがないか
入力トレラント機能:入力が電源電圧以上に高く設定されているとき、もしくは電源Vcc=0Vのときに入力から電源に向かって電流が流れない機能
②出力の電源側への寄生ダイオードがないか
出力トレラント機能:出力がハイインピーダンスのとき、または電源Vcc=0Vのときに、出力から電源に向かって電流が流れない機能
※Hz、電源オフ時に出力Pchトランジスタのサブストレート電位を電源から切り離す。但し、出力がHレベルのときはPchトランジスタがONするので、出力から電源への流れ込みは起きえる。
③後段の入力電圧VIHが満足できるか
CMOSの場合VOH≒Vcc、VOL≒0V
④後段の入力レベルが中間レベルとならないか
後段初段で消費電流ICCの増大

 

_◇レベル変換ケース
①高い電圧⇒低い電源
単方向、単電源
入力トレラント機能により簡単に行なえる。電源投入順序の制約もなし。
4049/4050, HC4049/4050, VHC/LCX/VCX
②低い電圧⇒高い電源
単方向、単電源
i)VHCT/LCX/VCX
VOHがVIHを満足すればOK、ただし、入力が中間レベルのとき
ii)後段ICの入力がTTL
iii)LCX05/07, WZ246
③高い電圧⇔低い電源
双方向、単電源
④低い電圧⇒高い電源
単方向、2電源
⑤低い電圧⇔高い電源
双方向、2電源

 

◆差動伝送
differential transmission
1ペア(2本)のライン(配線)で位相が180°異なる信号を送る方式
⇒平衡伝送
※シングルエンド伝送よりも高いデータ転送速度が得られるので、USB, HDMI, PCI Expresss, シリアルATA, LVDSなどで使われている。
LVDS回路
  ドライバ
    ┬
   ┌┴┐電流源
   │↓│3.5mA
   └┬┘
   ┌┴┐
-┃├┘ └┤┃+
─┨│   │┠─       レシーバ
 ┃├┐ ┌┤┃    ┌─┬─┐┌─┐
   │ ●──────┘┌┴┐└┤+│
   │ │       │R│ │ >─
   ●─┼──────┐└┬┘┌┤-│
+┃├┘ └┤┃-   └─┴─┘└─┘
─┨│   │┠─  R=100Ω
 ┃├┐ ┌┤┃
   └┬┘
    ▽

 

_◇差動伝送利点
※雑音耐性(コモンモード雑音に強い)
※受信端における信号振幅が2倍
⇒小さな信号遷移幅でも伝送が可能となるので、高速な信号伝送が可能となる。
⇒電圧振幅が小さいと、抵抗、インダクタンス、静電容量で電圧振幅が減衰し、長距離伝送には向かなくなる
※信号は差動ペアであり、EMIのレベルも低い

 

_◇差動信号測定
データ伝送速度<信号波形の周波数帯域<その2倍の測定帯域
_◇差動信号の周波数帯域
矩形パルスからなるデジタル信号
1)基本周波数成分および奇数次の高調波成分を多く含む
2)偶数次の高調波成分は振幅が低い
3)特定の周波数まで振幅成分は-20dB/decadeの勾配をもつ
4)より高い周波数ではより速く減衰する
5)実際の振幅が-20dbの線の半分になる周波数をKNEE周波数といい、Fknee=0.5/Tr(Trはパルスの立ち上がり時間)で近似できる
6)KNEE周波数より低い周波数帯で平坦な周波数特性を備えていれば実用上信号を歪ませることなく伝送可能

 

_◇差動信号のスキュー
※立ち上がりの時間差
※レベル差
※立ち上がり傾きの違い

 

_◇差動伝送の整形技術
整形=コンディショニング
※高速化
※長距離か
①エンファシス
emphasis
⇒送信側のドライバ回路に適用する
⇒差動信号を送るラインの伝送特性にあわせて送信信号に予め整形を施しておく。
※プリエンファシス
⇒伝送時に減衰する周波数成分を予め補う
⇒一般に高周波成分の減衰が大きいので、高周波を補う
⇒3Gbit以下の短中距離伝送に向く
⇒受信端で波形を確認できる
※デエンファシス
⇒ラインでの減衰量の少ない低周波成分を予め減衰させておく
⇒5Gbit以下の中長距離伝送に向く
⇒受信端で波形を確認できる
あまり送信側でメリハリつけると、
振幅大>高速性損なわれる
振幅小>距離伸びなくなる
②イコライザ
equalizer
⇒受信側のレシーバ回路に適用する
⇒失われた高周波成分を受信回路でブーストする
⇒高速、長距離伝送向け(ブースト量を大きくできる)
⇒受信端では波形を確認できない

 

◆テスト、検査
_◇バウンダリスキャン
※テスト容易化を目的とする
⇒IEEE1149.1
※バウンダリスキャン用1ビットエレメント
PI:パラレル入力
PO:パラレル出力
SI:スキャン入力
SO:スキャン出力
※バウンダリスキャンセル集合
パラレルイン、パラレルアウトのシフトレジスタ
⇒シリアルモード
TDIピン:試験データ入力
TDOピン:試験データ出力
⇒キャプチャ
パラレルロード動作、素子のPIピンの信号をセルにロード
⇒アップデート
パラレルアンロード動作、POピンの信号を出力
※TAP(TEST ACCESS PORT)
TMS(TM):TEST MODE SELECT
TCK:TEST CLOCK
TRST:オプション、テストリセット
⇒TAPコントローラはTCKとTMSを入力とするFSM
IR:n>=2命令レジスタ
※BYPASS
1ビットバイパス、TDIからTDOへのバイパス経路
※Indent
オプション、素子識別コード32ビットレジスタ
※トライステート信号の制御
⇒2セルを使う
※双方向の入出力ピンの制御
⇒方向制御1セル、入力1セル、出力1セル
※命令
Bypass(必須)
⇒素子は診断に関係なく通常動作
⇒命令コードはオール1、かつ全ての未定義コードはBypass
Sample/Preload(必須)
⇒スキャンパスに既知データを設定
Extest(必須)
⇒スキャンパスにバウンダリスキャンパスを選択
⇒命令コードオール0
他ユーザ定義可能