◎受動素子
自らの性質のみで回路の特性がきまり、単体では機能しない部品
◆抵抗
_◇抵抗の種類
可変抵抗器
固定抵抗器
炭素皮膜抵抗器
金属皮膜抵抗器
酸化金属皮膜抵抗器
ソリッド抵抗器
巻き線抵抗器
セメント抵抗器
ネットワーク抵抗器
チップ抵抗器
圧膜型
薄膜型
_◇抵抗器の構造分類と特徴
※炭素・金属皮膜抵抗
抵抗値範囲1~1MΩ
精度5~10%
定格電力1/4~1/2W
耐電圧300V~500V
周波数特性普通
大きさ普通(約7.5mm幅)リード
磁器に炭素皮膜もしくは金属皮膜(Ni-Cr)を装着してリードをつけたもの
※ソリッド抵抗
抵抗値範囲2~2MΩ
精度10~20%
定格電力1/4~1/2W
耐電圧500V~700V
周波数特性普通
大きさ普通リード
円筒の中に炭素と樹脂を混ぜたものを入れて固めた。耐圧が高く電源回路当に用いられることが多いが精度は良くない。
※巻線抵抗
抵抗値範囲0.1~100KΩ
精度0.5~10%
定格電力1/2~10W
耐電圧150V~1500V
周波数特性悪い
大きさ普通リード
円筒形のセラミック筒に金属の線をまきつけリードを出したもの。高精度のものもあり、線材を太くして大容量の電流に耐えられるようにしたものもあり。インダクタンス成分が出るので、周波数が高いとインピーダンスが変わってしまう。
※セメント抵抗器
抵抗値範囲0.1~100Ω
精度3~10%
定格電力2~20W
耐電圧400V程度
周波数特性悪い
大きさ大きい
巻き線または金属皮膜の抵抗体をセメントで固めたもの。主に10Ω以下の低抵抗や大きな電力が必要な場合に使われる。
※チップ抵抗器
抵抗値範囲1~10MΩ
精度1~5%
定格電力1/20~11W
耐電圧30V~400V
周波数特性非常に良い
大きさ小さい
平坦なセラミックの板に抵抗体とガラス物質を一緒にして焼結。電極も平板の両側に出ている。レーザー等で微調整できるので精度良い。
_◇材料の抵抗値
※導電材料の抵抗値 (1mm^2 * 1m の棒)
銅
0.0172Ω
アルミニウム
0.0283Ω
※主な抵抗材料と抵抗率
マンガニン Cu,Mn,Ni
38.8e-6Ωcm温度係数0.00001 25℃
コンスタンタン Cu,Ni
49e-6Ωcm温度係数0.00002 25℃
ニクロム Ni,Cr
110e-6Ωcm温度係数0.0004 20℃
黒鉛 C
800e-6Ωcm
炭素 C
4000e-6Ωcm温度係数0.0005 0℃
_◇抵抗値の系列
抵抗値にはバラツキがあり、許容差が設定されている。
許容差を考えた場合、抵抗系列のある抵抗の値のバラツキの最高値と上位の値の最低値がほぼ同程度となるように系列が定められている。
⇒E系列参照
_◇JISカラーコード
※E12/E23系列のカラーコードは4本の線
10の位-1の位-乗数-誤差
黒 0、乗数の場合はx1
茶 1、乗数の場合はx10、±1%(F)
赤 2、乗数の場合はx10^2、±2%(G)
橙 3、乗数の場合はx10^3
黄 4、乗数の場合はx10^4
緑 5、乗数の場合はx10^5
青 6、乗数の場合はx10^6
紫 7
灰 8
白 9
金 ±5%(J)
銀 ±10%(K)
無色 ±20%(M)
※端にある金か銀を基準に読むと良い。
※あるいは許容差の色の幅は普通より太い
※E96(±1%)、E192(±0.5%)では、カラーコードは5本となり、値がもう1桁増える。
_◇定格電力の計算
①抵抗にかかる電圧を求める
②電力を求める
W=V*V/R
W=I*I*R
W=I*V
③上記の電力に対して余裕(倍以上)を持たせた定格電力のものを選ぶ
_◇ディレーティング
定格軽減
定格電力の50~70%以下で使用する。
_◇チップ抵抗
※抵抗値の表示
①3桁表示の場合
第1、第2数字をE24標準数とし、第3数字をそれに続くゼロの数とする。Rは小数点に読み替える。
②4桁表示の場合
第1、第2、第3数字をE96の標準数とし、第4数字をそれに続くゼロの数とする。Rは小数点に読み替える。
サイズと定格電力
①3216
横3.2mm縦1.6mm
1/8W
②2012
横2.0mm縦1.25mm
1/10W
③1608
横1.6mm縦0.8mm
1/16W
④1005
横1.0mm縦0.5mm
1/20W
※基板へは両端の電極にハンダを盛るような感じで実装。基板の一方にハンダをつけて置き、ピンセットで片側の電極をつまみ、ハンダを溶かしながら反対電極をそこに落とす。端子が貼りつけば半田ごてを離し、他方にもハンダをつける。
※チップ抵抗はE96系列の誤差±1%のmのが多い。
_◇ネットワーク抵抗器
複数の抵抗を1つのパッケージに入れたもの。回路構成は仕様を確認すること。同じ値を多く使うデジタル回路に向く。
_◇可変抵抗器
※ボリューム(バリアブル・オーム)
①音量調整のように容易に抵抗値が変えられるもの
②動作状態の調整用で通常は抵抗値を変えない半固定抵抗器
③通常の可変抵抗器、半固定抵抗器は回転できる角度が300度位・
④精度を求めるため多回転(10~25回転位)のポテンシオメータ
※一般的に可変抵抗器の最小値は0Ω。最大値は200Ωから1MΩくらい
※軸の回転角度と抵抗値の変化する度合いにより3種類ある
①Aカーブ
軸を右に回転した場合、最初は抵抗値がゆっくり変化し、後半は急に変化
音量調節など小さな音を微妙に調整するのに適する。
②Bカーブ
軸の回転と抵抗値の変化が直線的に変化する。調整用。
③Cカーブ
タイプAの逆。特殊用途。
※分圧器回路とその設計
調整可能な分圧器によりセンサの出力電圧ばらつきを
調整してAD入力する
┌───┐ ┌──┐
│センサ├──┤R1│
│ ├┐ └┬─┘
└───┘│ │
│ ┌┴─┐ ┌───┐
│ │Rv├──┤AD │
│ └┬─┘ │ │
│ │ ┌┤ │
│ ┌┴─┐ │└───┘
│ │R2│ │
│ └┬─┘ │
└──┴───┘
センサ:
出力フルスケール:2V±10%
出力抵抗≒0Ω
AD:
入力フルスケール:1V
入力抵抗≒10MΩ
R1:39kΩ
Rv:20kΩ(半固定)
R2:39kΩ
①分圧器の合成抵抗は、ADの入力抵抗を無視できるように
小さくする⇒100kΩ<<10MΩ
②半固定抵抗がMINのとき、センサの出力が10%高い(MAX)
を調整できるか確認
Voutmin=Vin(R2+Rv_min)/(R1+Rv_max+R2)
=2.2V*(39k+0)/(39k+20k+39k)
=0.867V
③半固定抵抗がMAXのとき、センサの出力が10%低い(MIN)
ものを調整できるか確認
Voutmax=1.8V*(39k+20k)/(39k+20k+39k)=1.073V
④抵抗値は標準の系列から選択する
⑤許容差、温度係数などの誤差要因を含める
⑥半固定抵抗器については残留抵抗仕様から算出した残留抵抗値を含める
(摺動接点と終端の間は完全に0Ωにならないことがある)
⇒各素子の最大値、最小値の組み合わせにおいて、最大、最小分圧比を求め検証
※感度の高い素子の調整⇒減衰比大になるように
※感度が低い素子の調整⇒減衰比小になるように
※半固定抵抗の占める割合を大きくしすぎると
①振動、衝撃で変化しやすい
②回転角での変化率が大きすぎて調整作業がやりにくい
③温度依存性が大きくなる(半固定抵抗の係数大)
⇒単回転型でなく多回転型(コストUP)であれば緩和できる
※可変範囲を狭めすぎると
①部品ばらつきで所定の分圧比がとれず調整できない
(半固定抵抗の許容差は大。例25%)
_◇終端抵抗
開放端電圧と負荷端(終端)電圧
下左図のように開放状態では、電流が流れないので、電力も生じない。以下のように終端抵抗を接続すると、電圧が終端抵抗にかかり、電流が流れ、電力が生じる。
┌───○ ┌────○───┐
│ ↑ │ ↑ │
信号源↑◎ │ ↑◎ │ ■終
│出 開放端電圧 │出 負荷端電圧 ■端
■力 │ ■力 │ ■抵
■抵 │ ■抵 │ │抗
■抗 ↓ ■抗 ↓ │
└───○ └────○───┘
※高周波信号では、信号源と終端のインピーダンス(抵抗値)が異なると電流が流れない。(信号源側の出力抵抗と終端抵抗の値が異なると、高周波信号は終端抵抗の手前で反射して信号源に戻ってしまい、全ての電力を終端抵抗に伝えることが出来ない。)
例)
信号源が100V、出力抵抗と終端抵抗が50Ωとする。
開放端電圧は100V
負荷終端電圧は、出力抵抗と終端抵抗の合計100Ωに接続され1Aの電流が50Ωの終端抵抗に流れるので、50V
※負荷端電圧は開放端電圧の半分になる。
負荷端(終端)電圧[V] = 開放端電圧[V]/2
負荷端(終端)電圧[dBuV] = 開放端電圧[dBuV]-6
※終端抵抗を受信機の回路に置き換えられる。通常、受信機は75Ωの入力インピーダンスになっている。
※開放端電圧を使用するか負荷端電圧を使用するかは、システムによって異なる。
_◇シャント抵抗
オームの法則を使って流れている電流を測定するために回路に直列にいれる抵抗。その両端の電圧を測ることで電流を測定。オペアンプを使ったカレントフォロアでは、シャント抵抗をフィードバック抵抗に使い、見かけの入力抵抗を0にしている。このような電流計をゼロシャント電流計と言う。
_◇減衰回路
アッテネータ
例)信号源抵抗一定のまま、出力レベルを下げる
⇒同じ出力抵抗を接続している場合の出力電圧の減衰比を分圧回路の減衰比だけで調整する場合。
出力抵抗Rout = 600Ω
減衰比 ratt = 1/10
┌───┐┌───┐
○──┤R1a├┤R1b├┬──┬───○─┐
Vin└───┘└───┘│ │ Vout│
○ ┌──┴┐┌┴──┐○┌┴─┐
│ │R2a││R2b│││RL│
│ └──┬┘└┬──┘│└┬─┘
┴ ┴ ┴ ┴ ┴
R1 = Rout/ratt = 6kΩ
R2 = (ratt/(1-ratt))*R1 = (0.1/0.9)*6kΩ ≒667Ω
R1 = 2.4k + 3.6k = 6kΩ
R2 = (1.2k*1.5k)/(1.2k+1.5k) ≒667Ω
※出力抵抗Routの回路に負荷抵抗RLを接続したときに生じる電圧
RL
Vout=-------*Vin
Rout+RL
⇒Routが変化すると、同じRLでも減衰比に加えた変化が起こる
◆コンデンサ
Condenser
_◇コンデンサの動作
コンデンサに
V = V0 * sin ωt
なる電圧を与える。静電誘導の公式
Q = C * V
を時間で微分すれば
dQ/dt = C * dV/dt
電化の時間微分 dQ/dt は電流 I そのものであるから
I = dQ/dt
また電圧は V = V0 * sin ωt で与えられるので
dV/dt = V0 * ω * cos ωt
= V0 * ω * sin (ωt + π/2)
よって
I = = V0 * ω * sin (ωt + π/2)
①振幅
I0 = V0 * ω * C
②周波数
変わらず
③位相
電流は電圧よりも90度(π/2)進む
ここで容量性リアクタンスXcは、
Xc = – 1/ωC = – 1/2πfC
※TIPS
直列
C=1((1/C1)+(1/C2))
並列
C=C1+C2
コンデンサと抵抗でフィルタを作る
カットオフ周波数fc=1/(2πCR) (HPF,LPFとも)
カットオフ周波数は、-3dbのポイントを指す
減衰特性は-6db/oct
1マイクロF、1kΩで159Hz
_◇コンデンサと温度
他の部品に比べてあまり高い温度にすることができない。(内部構造や材料の制限)
_◇許容リプル電流
流すことができる電流の最大値。温度が下がると多くできる。周波数が上がっても多くできる。
_◇耐圧
充電可能な電圧の最大値が決まっているので、規定以上の電圧を加えてはならない。(耐圧はVp-pで計算すること。)
※電解コンデンサは経年により耐圧が落ちる可能性がある。
※大きな電圧をかけると、大きな圧力がコンデンサ内部に発生するので、内部が破壊する。
※2倍から3倍程度の余裕を持ったものを選ぶ
_◇定格電圧記号
0J 6.3V
1A 10V
1C 16V
1D 20V
1E 25V
1V 35V
1H 50V
1J 63V
1K 80V
2A 100V
_◇JISカラーコード、数値記載
例) 104
10pF x 10^4 = 0.1uF
3桁の場合、最初の2つが容量の値、3桁目が0の数で単位pFとなる。小数点があるとRが入る。
許容誤差は
J±5%
K±10%
M±20%
Z+80%、-20%
例)1H 10 4 K
1H定格電圧
10定数(単位pF)
410の乗数
K許容誤差(10pF以上では%, 10pF以下ではpF)
カラーコードの場合、ABCDの順
A,B定数の2ケタ
C乗数
D許容差
①定格電圧
数字と文字の組み合わせで示す。
数字
0×1
1×10
2×100
3×1000
文字
A1
B1.25
C1.6
D2.0
E2.5
F3.15
G4.0
H5.0
J6.3
K8.0
②容量許容差
※10pF以上の場合%
B±0.1 ~
…
J±5
K±10
…
M±20
…
※10pF以下はpF
B±0.1
…
G±2
_◇主な誘電体の比誘電率
チタン酸バリウム2000~3000
酸化チタン60~100
マイカ5~9
_◇コンデンサの種類
可変容量コンデンサ<>固定容量コンデンサ
※固定容量コンデンサ
①アルミ電解コンデンサ
大容量、整流平滑用に使える。有効寿命の制限(1000から5000時間:電解液の蒸発による)がある。内部インピーダンスの特性はあまりよくないので、数100kHz以下の領域に主に使われる。極性が定められており間違うと大電流流れてパンクする。ハロゲンに弱く、フレオンなどで洗浄すると電解液が化学反応する。
WV(ワーキングボルト)連続印加可能
SURGE VWVの1.4倍。短時間なら許容。
容量:1μF~1F
精度:±20%、-20~+80%
耐電圧(DC):6.3V~50V
極性:あり
形状:大きい
※プラス側のリードが長く、マイナス側短い。マイナスにはケースにマークがある。
※使う電圧の3倍程度の定格のものを選ぶのが安全
※電解コンデンサの有効寿命は温度上昇によるのでリップル電流に注意(⇒リップルにより電力損失⇒温度上昇)
※許容リップル電流は使用最高温度で規定され、温度により軽減係数が決められている。
※周波数特性が悪いのでセラミックと併用することが多い
※三洋電機 OS-CON インピーダンスの周波数特性を改善したアルミ電解型のコンデンサ
※バイポーラ型電解コンデンサ 無極性
②タンタル電解コンデンサ
電極にタンタル金属を使用した電解コンデンサ。比較的大容量で、低インピーダンス。スイッチングレギュレータなどの高周波整流用に向く。故障モードは電源短絡となる。 容量:6μF~330μF
精度:±10,20%
耐電圧(DC):4V~25V
極性:あり
形状:やや大きい(大きさの割りに大容量)
※湿式と固体があるが、最近は固体が多く、面実装もある。極性があり、+側に印がある。逆電圧をかけると内部のタンタル焼結体が破壊し、大電流が流れ、最悪、コンデンサが燃える。
※かかる電圧の3倍程度の耐圧のものを使うこと。
※寿命が長く、温度変化があまりない。
※逆電圧時にヒューズが切れるタイプあり
※NECトーキン NEOCAP 内部抵抗を改善、小さいサイズでも大きな耐電圧
③フィルムコンデンサ
温度特性変化が少ない。リード部分の機構的強度が低い。許容差が±1%程度のものもあり、定格電圧の高いものもある。温度誤差も小さいので、アナログ回路で精度が必要な部分に使われることが多い。
容量:0.001μF~10μF
精度:±2、5、10%
耐電圧(DC):10V~1000V
極性:なし
形状:普通~やや大きい
※フィルムにポリエステルを使ったフィルムコンデンサをマイラ・コンデンサという
※フィルムにスチロールを使うとスチコン
※箔はアルミ、銅など
④セラミックコンデンサ
箔をまかないのでインダクタンス成分少ない。高周波で良好な特性。圧膜型.
容量:1p~100μF
精度:±5~20%
耐電圧(DC):6.3V~50V
極性:なし
形状:小さい
※
RLC(ラジアルリード)<=円盤、並行リード
ALC(アキシャルリード)<=両側にリード
※積層セラミックコンデンサ
極性はない
リード付きとチップ型ある。
⑤電気二重層コンデンサ
活性炭を使った大容量コンデンサ。アルミ電解とくらべると内部抵抗が高い。
容量:0.22μF~1μF
精度:-20~+80%
耐電圧(DC):3.3V~5.5V
極性:あり
形状:かなり大きい
※
ペーパコンデンサ
有機膜コンデンサ
マイカコンデンサ
磁器コンデンサ
小型で容量が大きく、残留インダクタンスが小さいので、高周波回路のバイパスに向く。温度が高くなると容量が小さくなる(他と逆)
酸化チタン
チタン酸バリウム
電解コンデンサ
アルミニウム電解コンデンサ
アルミニウムを陽極、他金属を陰極、電解作用でできるアルミ表面の酸化膜を誘電体とする。正負あり、逆電圧により不良となる。動作電圧より遙かに低い電圧で使用すると、容量と耐圧が減退するので、動作電圧付近で使用する
タンタル電解コンデンサ
低格電圧は低いが漏れ電流は少なく、小型で大容量
固体電界コンデンサ
ガラスコンデンサ
_◇セラミックコンデンサの使い分け
①温度補償型
0±250ppm/℃と温度特性が良いが、1p~1000pF程度
②高誘電率型
温度で容量が大きく変化する
~10uFと大きな容量がある
_◇電解コンデンサの極性
基板とりつけ前なら、
+脚が長い
-脚が短い
でわかる。基板取り付け後なら、外装に「-」記号が印刷されている
※極性間違えると破裂する危険がある
_◇チップコンデンサ
積層セラミックと同様にセラミックを誘電体としている。大容量のものもあり、高い周波数の特性も良い。
0402 0.4mm*0.2mm 1pF~100pF 6.3V~16V
0603 0.6mm*0.3mm 100pF~0.47uF 4V~25V
1005 1.0mm*0.5mm 220pF~4.7uF 4V~50V
1608 1.6mm*0.8mm 1000pF~0.1uF 4V~50V
2125 2.0mm*1.25mm 22000pF~47uF 4V~50V
3216 3.2mm*1.6mm 0.15uF~100uF 4V~50V
3225 3.2mm*2.5mm 1uF~100uF 6.3V~50V
_◇電気二重層コンデンサ
スーパーキャパシタ
固体と液体の接触面に電化が分布する。バッテリのように化学反応ではないため、半永久的に使え、充電が速い。大電流を数秒間流すことも可能。
コイン型
0.1F~0.3F
2.5V~30V
積層型
0.01F~10F
2.5V~18V
巻き型
10F~100F
2.5V~3.5V
※電圧が低く、内部抵抗が大きい。
→雑音除去には使えない
→バックアップ電池的には使える
_◇可変容量コンデンサ
バリコン、バリアブルコンデンサ
Variable Condenser
※エアバリコン
固定部、可変部の間は空気。大型化しやすい。2000pFくらいまである。
※ポリバリコン
ポリエチレンに電化を蓄積。あまり大きいものはない。200pF~400pF
※半固定コンデンサ、トリマ
小型のエアバリコン。せいぜい数pFから数十pF
_◇実際のコンデンサの等価回路
│
┌┴─┐
│Ls│
└┬─┘
┌┴─┐
│Rs│
└┬─┘
├──┬───┐
┌┴┐┌┴─┐┌┴─┐
│C││Rp││Rl│
└┬┘└┬─┘└┬─┘
│ │ ┌┴─┐
│ │ │Cl│
│ │ └┬─┘
├──┴───┘
│
Ls:リード、電極のインダクタンス
Rs:リード、電極の抵抗
Rp:絶縁抵抗
Rl:誘電体の誘電分極効果の等価表現
Cl:誘電体の誘電分極効果の等価表現
※ノイズ対策時のような高い周波数ではインダクタンスが無視できなくなる
⇒周波数が高くなるとコンデンサは自己共振を生じ、リアクタンスは容量性から誘導性に変わりノイズ防止機能を失う
_◇ESR
Equivalent Series Resistance 等価直列抵抗
_◇ESL
Equivalent Series Inductance 等価直列インダクタンス
_◇コンデンサの働き
アナログ回路
①カップリング
直流を遮断する(アンプ間の電位のシフトをキャンセルする)
②デカップリング
ノイズを逃がし、綺麗な波形を作る
③周波数特性を持つ抵抗として
高周波を逃がして発振を止めるなど。
_◇コンデンサのインピーダンス特性
理想的には
1/2πfC [Ω]
しかし、高域では理想特性からはずれて、インピーダンスが上昇してしまう。(内部のインダクタンス成分の影響)
※周波数対インピーダンスのグラフを確認
※アルミ電解コンデンサでは数k~10kHz程度で外れる
※フィルムコンデンサでは数M~数100MHz程度
_◇電源のデカップリング(バイパス)コンデンサ
パスコン
①高周波回路では実装位置が問題
②大容量のコンデンサは回路からある程度離れてもよいが、小容量のものは、配線のインピーダンスを下げるため、回路の直ぐ傍に配置。(配線のインピーダンスの影響をさける)
※パスコンが無いと、最悪の場合、回路が発振する
※広い周波数にわたって電源のGNDに対するインピーダンスを下げるため、大容量のものと小容量のものを併用する。
例:10μアルミ電解+0.1μ積層セラミック
_◇カップリングコンデンサ
直流をカットして交流だけを通過させる
⇒回路の直流的な結合を切り、回路間でバイアスなどの動作が相互干渉しないようにする
※通過させたい信号の周波数、振幅とコンデンサの容量を求める
┌─────┐ ┌─
│┌───┐│ ┌──┐ │
││信号源├┼─┤Ca├┬─>
││抵抗 ││ └──┘│ │
│└───┘│ ┌─┴┐│
│信号源 │ │Ra││
└─────┘ └─┬┘└─
┴
入力は正弦波、角周波数ω[rad/s]として、とりあえず信号源抵抗は無視すると
①CaのリアクタンスとRaのレジスタンスで電圧分割することになるので、
Vout Ra
----=--------
Vin Ra-j/ωCa
ω=1/(Ra*Ca)の位置では、
ゲインは 約3.01dB 落ちる(約1/√2)
位相は45度進む
⇒カットオフ周波数 fc
②fcをRa,Caで表せば
1
fc=-------- [Hz]
2π*Ra*Ca
⇒Ra=20kΩ, Ca=1uFならばfc≒8Hz
③fcが与えられたときにRa,Caは
1
Ra=-------- [Ω]
2π*Ca*fc
1
Ca=-------- [F]
2π*Ra*fc
※形式としては1次のローパスフィルタだが、-6dB/octとなだらかな落ち方なのでフィルタとしては使われない。
※駆動側の内部インピーダンスと負荷側の内部インピーダンスがRa,Caにくらべて無視できるばあいは、上記の式でよい。
※無視できない場合は、加えること。
⇒駆動側はRaに直列
⇒負荷側はRaに並列
※セラミックコンデンサは極性が入れ替わるときにヒステリシスがあるので、カットオフ周波数以下では信号波形が歪む。オーディオ回路などでは問題となる。
⇒ポリプロピレンやポリエステルのコンデンサだと歪をおさえられる。
_◇デカップリングコンデンサ
電源や信号に含まれる雑音を除去するために高い周波数成分を通過させない
┌─────┐ ┌─
│┌───┐│ ┌──┐ │
││信号源├┼─┤Rb├┬─>負荷インピーダンス
││抵抗 ││ └──┘│ │
│└───┘│ ┌─┴┐│
│信号源 │ │Cb││
└─────┘ └─┬┘└─
┴
※負荷のインピーダンスを計算に入れ、並列の抵抗値で算出する必要がある。
※カップリング回路とは鏡像の特性の1次のローパスフィルタの形状になり、カットオフ周波数fc、Rb,Cbとも同じ式で求まる。
※音声信号を扱うならカットオフ周波数は20Hzの10分の1以下の1Hz程度とする。
※電源に挿入する場合
電圧降下を防ぐ⇒抵抗を低くとる
⇒その分コンデンサの容量は大きくなる
⇒インピーダンスは駆動側に対して高く、負荷側に対して低くなるようにする
※コンデンサはESR(等価直列抵抗)が小さいものを選ぶ(電解コンデンサなどではESRの大きいものがある)。
※高容量のコンデンサは自己共振周波数が低く、その周波数から上はコイルの性質が現れ、高い周波数の不要信号がバイパスされないことがある
※バイパスコンデンサ(パスコン)は、ノイズなどの交流成分をグラウンドに(自分を通らせて)バイパスし、(自分を通らせないことで)直流は通過させるのでデカップリングをおこなっている
_◇同軸円筒キャパシタ
理論モデル
C = (2π * ε0 * l) / log(b/a)
a:内側円筒電極の半径
b:内側円筒電極中心から対向外側円筒電極までの距離
l:円筒電極の長さ
◆インダクタ
_◇磁束(磁力線)
導線に電流を流すと、導線の周囲には磁力線(磁束)が生じ、磁束の軌跡は閉じたループとなる
※コイルの場合
コイルと交差する磁束(鎖交磁束数)とコイルに流れる電流の間には
Φ [Wb] = L [H] * I [A]
の関係が成り立つ
L:自己インダクタンス
_◇インダクタを流れる電流と電圧
コイルに流れる電流が変化すると、コイル内部の磁束数に変化が起こり、コイルの両端子間に電圧を誘起する
⇒自分の作る磁束により自分自身に電圧を誘起することから、自己誘導作用と呼ぶ
dI(t)
E(t)=L*----- [V]
dt
インダクタに
I = I0 * sin ωt
なる電流を与える。電磁誘導の公式
V = L * dI/dt
は、
dI/dt = I0 * ω * cos(ωt)
= I0 * ω * sin(ωt + π/2)
より
V = I0 * ω * L * sin(ωt + π/2)
①振幅
V0 = I0 * ω * L
②周波数
変わらず
③位相
電流は電圧よりも90度(π/2)遅れる
ここで誘導性リアクタンスXlは、
Xl = ωL = 2πfL
_◇コイル内部に蓄えられる磁気エネルギ(磁束)
p = (1/2)L * I^2 (J)
Iは、外部電源が切れた瞬間に流れていた電流
i = (E/L)t
から
p = (E^2/2L)*t^2 (J)
電流が流れることで磁界ができ、電流が減るようになると磁界から電気エネルギーに変換される。インダクタンスは電気エネルギーを溜め込む尺度である。
_◇コイルの分類
インダクタ
チョークコイル
高周波同調コイル
棒状コイル
トランス
電源用トランス
インピーダンス変換用トランス
トロイダルコアトランス
_◇コイルの特性
※許容直流電流
※温度上昇許容電流
※誘導性リアクタンス
コイルのインピーダンスの虚数部
2πfL
※Q (Auality factor)
Q=2πfL/R
⇒使う周波数によって変わる
⇒通常、数十~数百
_◇コイルにパルス波形を加える
方形波電圧を加えると、電流iは時間とともに増大する積分波形となる。電流波形の傾斜はインダクタンスの大きさによる。
i = (E/L)t
※コイルは線形素子であり、印加電圧が変動しなければ電流傾斜は変化しない。
_◇コイルのインダクタンスは
L ∝ A * N^2
N: 巻き数
A: コイルの外形等できまる係数
※インダクタンスの計算式
L = k * u * S * n^2 / l
L = インダクタンス(H)
k = 長岡係数
コイルの直径[d]と長さ[l]から係数表により求める.
u = 真空の透磁率 * 比透磁率
真空の透磁率 は4π * 10 -7
比透磁率はコアの素材により変更.空気 ≒ 1.0
S = コイルの断面積
円形のコイルの場合は,π * r^2
r = コイルの半径
n = コイルの巻き数
l = コイルの長さ
線材の太さ[w] * コイルの巻き数[n]
計算例)
線材の太さ 0.4mm
コイルの巻き数 10回
コイルの直径(d) 100mm
①コイルの長さ l
0.4mm * 10 = 4mm
②l/d比
4/100 = 0.04 … 長岡係数 k= 0.104562
③インダクタンス
L = 0.104562 * 4πe-7 * (π*0.05^2) * 10^2 / 0.004
_◇逆起電力
外部電源が切れると、それまで外部から加えられていた電圧とは、逆方向に電圧が発生し(同じ方向に電流を流そうとする)、磁気エネルギを電気エネルギに再変換する。
逆起電力 e は
e = i * R
とコイルの両端の抵抗 R だけによって決まるので、抵抗Rの無い開放状態では無限大となってしまう。
※逆起電力を抑えるために、コイルに並列に抵抗+ダイオードを挿入する
※リレーのコイルの逆起電力をダイオードでクランプする
_◇コイルとコア
インダクタンスに電流が流れると、その大きさに比例した磁束が発生する。
①空心コイル
空心コイルの磁束は、無限遠にまで行ってしまうものもあり、多くの磁束がどこかの金属部で渦電流となってしまう。
※外へ出て行ってしまう磁束をリーケージフラックスという。
②コア入りコイル
理想的には磁束は外へ出て行かず、すべてがコアの中(磁路)を通る。
※コアの材質
商用電源程度の低周波では鉄板を打ち抜いた薄い鉄心を重ねる
kHzオーダ以上の高周波では粒子を型抜きしたソフトコアを使う
コアの材質により磁束密度の最大値が決まっており、これを最大磁束密度Bmとよぶ。これを超える時間電圧を印加しても、磁気飽和する。
※コアの形状
実効断面積は外形にほぼ比例し、インダクタンスを決める。
①トロイダル型(ドーナツ型)
②EI型
センターポールの断面積は両脚の2倍。
_◇コアで生ずる損失
①銅損
コイルの抵抗値がゼロでないことによる損失
Pc = i^2 * R
②鉄損
交流電流が流れることにより生じる。高い周波数成分は鉄損により熱となる。
③ヒステリシス損
磁区を磁化方向を反転するのに使われる損失。保磁力が大きいと増え、磁束密度の変化量⊿Bが大きいと増加する。
④渦電流損
交流により磁束量が変化すると、金属面に渦電流が流れ、内部抵抗で熱になる。
※キューリー温度
コアは約80℃程度で最大の透磁率を示し、それ以上で急激に低下する。キューリ温度を超えると磁気飽和と同じような状態になる。
※Al-Value
インダクション係数
同じ透磁率のコアでも形状、大きさによってインダクタンスは変わるので、それを表す係数。単位はnH/N^2
(ただし、ここでNは巻き数)
インダクタンスは巻き数の二乗に比例するので、インダクタンスLのコイルを作るためのまき数Nは
N = √(L/Al-Value) (TURN)
※ギャップ
磁路の一部に絶縁物を入れるのがギャップ。ギャップをつけることで、Al-Valueは小さくなるが、磁気飽和を起こすまでの巻き数を増やすことができる。
_◇主な磁性体の透磁率と使用周波数
珪素鋼板 2e4 10kHz以下
アモルファス 7e3
マンガンフェライト 2000
ニッケルフェライト 200
ダストコア 60
センダスト、パーマロイ 100kHz以下
フェライト 100kHz以上
_◇コア形状
①閉磁路コア
トロイダルコア
眼鏡コア(バルンコイル用)
EIコア
②開磁路コア
ドラムコア
_◇コイル製作法
①マグネットワイヤ。銅の単線にエナメルやウレタンの被膜を塗布したものを使う。許容電流は4A/mm^2基準。線径0.8φ以上だと硬くて巻きにくいので、0.6φ程度までを使う。
線径φ断面mm2許容電流導体抵抗
0.60.281.1A60.39Ω/km
0.40.130.52A135.7Ω/km
0.30.070.28A241.3Ω/km
0.20.030.12A537.5Ω/km
※表皮効果
20kHz以上だと、表皮効果により実効抵抗が上昇する。周波数が高く、線径が太いほど顕著に現れる。
※皮膜があるので、仕上がり外形は公称値より1割以上太くなる。また、巻き上がりにも1割マージンを見る。
※皮膜の厚さは0~3種まであるが、一般には2種
②絶縁種はA-H、Aの最高許容温度は105℃、Hで180℃
※ポリエステルテープ。コアの保護や巻き線の層間紙として使う。
※トロイダルコアは絶縁テープを巻いてから巻き線する。
③ボビン
電線を保持する型枠。これに巻いてからEI型のコアに挿入する。
④コア
周波数 材質
1kHz 珪素鋼板
10k~100kHz ダスト
100kHz アモルファス
50k~500kHz フェライト
※小さなコアにむやみにたくさん巻いてインダクタンスを得ることはできない。
Nmax = ATmax / I (T)
このときのAl-ValueからインダクタンスLは
L = Nmax^2 * Al-Value (nH)
_◇空心コイルの作り方
コイルの長さをl[mm]
直径を2a[mm]
Nを巻き数
kを長岡係数
とするとき
L = 3.95 * k * a^2 * (N^2/l) [nH]
長岡係数
2a/l k
0 1
0.4 0.85
0.5 0.818
1.0 0.688
2.0 0.526
3.0 0.429
_◇チョークコイル
choke coil.
所定周波数を上回る高周波電流を阻止するために用いられる電子部品。
※普通のコイルよりもインダクタンス値をかなり大きくする。
※コア材によりインダクタンスを大きくしていることが多い。コア材はリング型、EI型などが使われる。
リング型は製造が面倒だが磁束が漏れず効率が良い。EI型は分割しているところから磁束が漏れる恐れがある。
※高い比透磁率のコアを使えば巻き線は少なくなる。
※鉄損の大きなチョークコイルを使うと、高い周波数の雑音を除去することができる。
_◇高周波同調コイル
コンデンサと組み合わせて並列共振回路を構成し、ある特定の周波数のみが通過するようにインピーダンスを設定する。
※シールドケースに包まれている。1uH~1mH程度。片側のコイルの中段から線が出ている。
※局部発振器用(OSCコイル)
※IFT(Intermediate Frequency Transformer)
中間周波数増幅器用
IFTは内部に同調用のコンデンサも内蔵するものあり
_◇トランス
①巻き数比に比例して電圧を変えること
nが巻き数比ならば
一次側電圧V1に対する2次側電圧V2は
V2=n*V1
※電圧は巻き数に比例し、V2=n*V1, 電流は巻き数比に反比例し、I2=I1/n
②巻き数比の2乗に比例してインピーダンスを変える
nが巻き数比ならば
1次側にR1をつなげば、2次側には
R2=n^2*R1
が見える。
⇒2次側に抵抗Rが接続されている場合、1次側からみた抵抗Raは、
Ra=V1/I1=V2/(n^2*I2)=R/n^2
例)
インピーダンスR[Ω]のスピーカ、発生電圧v[V]
1:Nのトランスで昇圧すると、
インピーダンスN^2*R[Ω]
電圧N*v[V]
のスピーカと等価となる
③1次と2次の電気的な絶縁に使う
※磁性体
低周波用:けい素鋼板
高周波用:高周波用フェライト
※電源トランス
基本的な役目は電圧変換
※トランスの記号
黒丸は巻き線の向き。向きがそろっているか、逆向きかを示す。左を1次、右を2次とする。
※逆起電力と誘導起電力
①1次巻線で電流がながれる
⇒電流により磁束が発生するが、この磁束の増加を妨げる向き
(電流を流さない方向)に逆起電力が発生する
②1次巻線の磁束が通過することで2次巻線に電流が生じるが、
これにより2次巻線からの反作用磁束が発生し、誘導起電力が生じる
※励磁電流
2次側がオープンのとき1次側に流れる電流
⇒理想トランス:2次側オープンなら1次側の電流0
⇒実際には2次側オープンでも1次側に電流が流れる
⇒励磁電流⇒このインダクタンスを励磁インダクタンス
※漏れインダクタンス
2次側をショート
⇒理想トランス:2次側ショートなら1次側無限大の電流
⇒実際:巻き線の抵抗を0としても有限な値となる
⇒漏れインダクタンス⇒2次側と結合していないインダクタンス
_◇インピーダンス変換用トランス
⇒整合トランス
1次と2次でn:1の巻き数比とすると、入力側から見れば、出力にある抵抗の電圧はn分の1、電流でn倍に見える。(見かけのnの二乗分の1の抵抗があるように見える)
インピーダンスを異なる線路を結合する場合には、巻き線比の2乗がインピーダンス比となるようなトランスで結合できる。
i0
┌──┐ ─→
┌──┤r0├─○──┐ ┌──┐
e0│ └──┘ ↑ │ │ │Vo’
↑┌┴┐ Vo│ ┌┴───┴┐┌┴─┐
││~│ │ │トランス ││RL│
│└┬┘ │ │n1:n2│└┬─┘
│ │ └┬───┬┘ │
│ │ │ │ │
└───────○──┘ └──┘
RLでの消費電力 PL
PL=(Vo’)^2/RL
Vo’=((n2/n1)*Vo)なので
PL=(1/RL)*((n2/n1)*Vo)^2
ここで
RL’=((n1/n2)^2)*RL
とすると、
PL=(Vo^2)/RL’
⇒r0≠RLの場合でも、n1:n2を適当な値とすればインピーダンス整合をとることができ、回路から最大利用電力を得ることができる
r0=(n1/n2)^2*RL
n1:n2=√(r0:RL)
※中継トランス
※スピーカトランス
_◇棒状コイル
フェライトなどのコアに電線を巻きつけたコイル。
1次側に大抵はコンデンサをつけ並列共振回路とし、2次側を出力とする。
ループアンテナの一種でもあるl。(目安100MHz以下)
_◇トロイダルコイル
環状コアの円周方向に沿って1つあるいは複数の銅線を巻回した構造のコイル。
①コアの磁気抵抗が小さいので、磁束は全てコアの内部を通過する。⇒外部への磁束の漏洩がない
②コア外部からの磁束の誘導も原理的には生じない
③開磁路コアと、巻き、断面積、磁路長が同じでもよりおおきなインダクタンスを持つ
④インダクタンスの値は、
コアの透磁率:μ
コア断面積:S[m^2]
コア平均磁路長:l[m]
巻き数:N
できまる
L= N^2 * (μ*S/l) [H]
※コアの透磁率は電流により生じる起磁力により変化する
⇒コア内の磁束密度が磁束飽和密度(Bmax)に近づくと低下
※磁気飽和を起こさず巻き線に流せる最大電流Imaxは
Imax=(Bmax*lmin)/(μ*N) [A]
lmin:コアの最短磁路長
_◇コイルの極性
巻き始め、巻き終わりの極性がある
_◇実装方向によるインダクタンス変化
※自身の磁束だけでなく外部からの磁束にも影響する
⇒インダクタ同士を近傍に実装すると干渉する
※インダクタによっては所望の特性を担保するために方向性マークがある
◆E系列
_◇E6系列
許容誤差±20%
一般電子部品ではあまり使われない
0~9を指数関数的に6つに分割
_◇E12系列
許容差±10%
0~9を指数関数的に12に分割
⇒E12=1から10までを等比級数で12分割
※コンデンサなど
E12系列
1.0 1.2 1.5 1.8 2.2 2.7 3.3 3.9 4.7 5.6 6.8 8.2
_◇E24系列
許容差±5%
⇒E24=1から10までを等比級数で24分割
※一般的な炭素皮膜抵抗
※高精度の固体コンデンサ
E24系列
1.0 1.1 1.2 1.3 1.5 1.6 1.8 2.0 2.2 2.4 2.7 3.0
3.3 3.6 3.9 4.3 4.7 5.1 5.6 6.2 6.8 7.5 8.2 9.1
_◇E96系列
許容誤差±1%
⇒E96=1から10までを等比級数で96分割
※高精度な金属皮膜抵抗器
※トリミングコンデンサ
_◇E192系列
⇒E192=1から10までを等比級数で192分割
_◇TIPS:精度が必要な場合
①高精度の部品を使う
②測定器などで選別する
⇒温度特性など注意
※精度に頼らず動作するマージンを持つのが良い設計
⇒ディレーティング
◆コネクタ
Connector
①信号1本に流れる電流
ピン一本あたり2A~0.5A
電源/GNDに注意
②接続するコネクタの金属の種類
同じ金属であれば時間がたっても接触不良にならないが、異種の金属だと、酸化、汚れなどで接触不良となることあり
※ピンヘッダ(オス) – レセプタクル(メス)
※丸型、角型、FPC
主要ベンダ:ヒロセ電機、日本航空電子、日本圧着端子
※テストピン
_◇SMAコネクタ