□電子部品(半導体以外の)
☆トランスジューサ
物理現象の変化を電流変化に変換したり、電流変化を物理現象の変化に変換する装置や素子
◎スピーカ、イヤフォン
◆ダイナミックスピーカ
_ インピーダンス…数Ω
◆圧電サウンダ
_ インピーダンス…3MΩ
◆クリスタルイヤホン
_ インピーダンス…ほぼ∞
◆マグネチックイヤホン
_ インピーダンス…数Ω
◎マイク
☆DISPLAY関連
◎ディスプレイ
◆素子の寿命の定義
連続駆動したとき、素子の輝度が半減するまでの時間
◆輝度の定義
cd/m^2もしくはnit、輝度計で測定。
◆視覚角依存性
◆解像度
①フルスペックHDTV
1080i/p
_ 1920 x 1080
◆ITO陽極
Indium Tin Oxside
インジウムとスズの酸化物。透明で陽極側に使われることが多い。
◎LCD
ネマティク Nematic 糸状
スメクティック Smectic 粘土状
コレスティック Cholesteric コレステロール
大型液晶ディスプレイ
_ 等価型ディスプレイ
_ 直下型バックライト
◆TN Twisted Nematic
_◇原理
液晶分子を透明電極のついた2枚のガラス基板間に90度ねじれるように配置し、第1の偏光板により偏光させた光が液晶にそって旋光して90度捩れて通過する(OFF)、電界により液晶が立つため旋光せずそのまま通過する(ON)かによって表示を行う。光が出る側の第2の偏光板の偏光方向を第1の偏光板と90度傾ければポジ(ノーマリホワイト)、平行にすればネガ(ノーマリブラック)となる。カラーフィルタを用いればカラー化可能。
※安価だが、視野角が狭い
_◇分子の「ネジリ」とON/OFF
①液晶分子は、自然状態で長軸方向にゆるやかな規則性でならぶ
②しかし、溝がある配向膜に接触すると溝にそって分子が並ぶ。
③溝の向きを90度変えた配向膜で液晶分子をはさむと、途中の液晶分子は、徐々に角度を変えながら配列する
④この配向膜の下には透明電極があり、さらに下にガラス基板、そして偏光フィルタがある。偏光フィルタは配向膜と方向があっている。
⑤透明電極に電圧がかからないと、上記の分子配列はそのままで、入ってきた光は液晶の層で90°ネジレルが、それがそのまま通過する方向なので、光は透過する
⑥電圧をかけると、液晶分子は長軸を縦に配列し、入った光はネジレなくなるので透過できなくなる。
◆STN Super-Twisted Nematic
_◇原理
液晶分子を180度から270度までねじることで、液晶の複屈折性を引き出して、屈折率の変化により透過光の色を変えることで表示を行う。
_◇パッシブマトリックス駆動
◆TFT Thin Film Transistor
_◇原理
液晶の表示画素毎にトランジスタを設けることで表示特性をあげたもの。表示モードはほとんどがTNモード。
_◇アクティブマトリクス駆動
◆VA
Vertical Alignment
液晶テレビで主力の方式。視野角ひろく、高コントラスト
◆IPS
In Plane Switching
視野角もっとも広い。
⇒液晶分子は水平に回転する
⇒電圧は基板の厚みではなく、平面方向にかかる
※タッチ入力時に画面表示が乱れにくい
◆OCB
optically compensated bend
◆駆動方式
電圧駆動
①マトリックス方式
行列配置された電極の交点を画素として駆動
_ アクティブ駆動、交点に能動素子配置
_ クロストーク小さく、コントラスト高い
_ パッシブ駆動、交点に能動素子なし
_ 工程簡単
②セグメント方式
_◇TFT
アモルファスシリコン
_ キャリアの移動度がポリシリコンに比べ低い
多結晶シリコン
_ 低温ポリシリコン
_ 600~700℃、通常ガラスで済む
_ 高温ポリシリコン
_ 1000℃以上、石英ガラスなど必要
_ 移動度はもっとも高い
◆バックライト
透過型液晶で使われる光源
①サイドライト型(エッジライト型)
光源は液晶の横にあり導光板によって光を液晶の背面にいれる方式。
②直下型
光源となる冷陰極管(CCFL:cold cathode fluorescent lamp)を液晶背面に並べる。
※液晶テレビの寿命は液晶より光源による。およそ6万時間。
◆視野角を広げた表示モード
①IPS(in-plane switching)モード
ガラス基板と並行な方向に配置した液晶分子に水平方向の横電界を印加。
②VA(vertical alignment)モード
ガラス基板と垂直に配置した液晶分子を垂直方向の縦電界で動かす。
◆応答速度を短くするモード
①OCB(optically compensated birefringence)モード
液晶分子が曲がって配列(ベンド配向状態)
◎LCOS
liquid crystal on silicon
◎DMD
digital micro mirror device
◎PDP
plasma display panel
◆発光原理
蛍光灯と同様でガス放電。電極を備えた2枚のガラス基板の間にネオン(Ne)とキセノン(Xe)の混合ガスを封入、ガラス基板の内側に塗布したRGBどれかのの蛍光体に電極間放電により発生するキセノンからの紫外線を照射して励起させ、可視光を放出する。
※輝度は放電セルの大きさによる。
※印刷技術で製造できる。
※応答時間が早い
※自発光のため視野角が広い。
◆駆動方法
ガラス基板の背面側には隔壁(リブ)が設けられておりRGB各サブ画素を分離する、背面とリブに蛍光体が塗布されている。前面側には1組の表示電極がならび背面側には表示電極と直交するアドレス電極がならべてある。点灯するにはまず表示電極とアドレス電極の交点を選択し、予備放電を起こしておいて、同じサブ画素内で組になる表示電極間に交流パルスを印加し放電発光させる。
ALIS Alternate Lighting of Surfaces方式
通常2本の表示電極が必要とされるため、放電セルが小さくしずらい。これをさけるために奇数、偶数ラインで時分割発光させることで表示電極数を減らした方式。
発光効率は以下の要素の積となる
_ 可視光利用率(画素の構造と蛍光体面積)
_ 蛍光体波長変換効率(蛍光体材料)
_ 紫外光発生効率(Xeガス濃度と駆動方法)
◆構造
表示電極:プラズマ放電の制御をおこなう。透明電極
バス電極:透明電極だけでは電気抵抗が高くて電力が供給できないので、隙間に設けた金属電極で電気を供給する
誘電体層:電極保護兼、プラズマ放電のメモリ機能
保護膜:プラズマ放電に必要な二次電子の放出を高めるとともに、電極を放電の衝撃から保護
誘電体層(背面):アドレス電極の電流と絶縁保護
隔壁:セル間の干渉を防ぐとともに、壁面の蛍光体で発光面積を増やす
◎SED (FED)
(surface-conduction electron-emitter display)
FED(field emission display)の一種.マトリクス状に並べた電子源から放出された電子を加速し,蛍光体に衝突させて発光させる自発光型。電子源を平面構造にすることで,画素ごとに輝度のバラつきを抑えている。電子放出源の方式は,キヤノンが開発を進めてきた表面伝導(SCE:suerface conduction electron emitter)型と呼ぶ独自のもの。インクジェット技術を利用し素子膜を形成。
CRTと同様の発光原理であり、暗所コントラストが良い。背面パネルの電子放出源の膜間距離は数nmと短いので、10数Vの電圧でトンネル効果で電子が飛び出す。この一部が前面にメタルバック電極にかかられた十数kVの高い電圧にひかれてその後にある蛍光体に吸収され発光する。消費電力もひくく厚みも薄くできる。
◎ELディスプレイ
_ (electro-luminescence)
■OLED (organic light emitting diode)
_ 有機EL
表示だけでなく、照明、電子ペーパにも応用可能。
高輝度、高コントラスト、自発光型。
構造がLCDよりシンプルなための薄型化。低価格化。
大型化も小型化も可能。
応答速度速い。
材料が固体のため、温度耐性強く、振動耐性もある。
_◇典型的な有機ELの構造
ガラス基板(表面)
ITO透明電極
ホール注入層
ホール輸送層
発光層
電子輸送層
電子注入層
背面電極(陰極)
※高分子系では、単層型が主体。
_◇発光原理
電子とホールが有機膜中で再結合する際のエネルギーにより励起され、元の既定状態に降りるときに光となって現れる。
①蛍光 fluorescence
_ 一重項励起状態(スピン逆向き)→基底状態
_ 10ナノ秒程度で即座に励起状態から降りる
②リン光 phosphorescence
_ 三重項励起状態(スピン同じ向き)→基底状態
_ そのままでは排他律により降りられない。
_ 一般には熱として放出されるので、活用しにくい
※蛍光:リン光の内部量子効率は一般には25%
※強いリン光を出す物質があれば効率は100%になる。
_ →金属錯体(中心に金属イオン、周囲に有機物配位子
_ 金属イオンには、イリジウムやプラチナ
③希土類金属錯体による5重項などの多重項発光
※一般に発光は、エネルギーレベルの一番低いところにエネルギーが移るので、青>緑>赤となり、混ぜても白にならない。しかし低いエネルギーレベルの物質の濃度を下げていくと混色できる。(距離の6乗に反比例する)
※外部量子効率
内部で発生した光のうちどのくらいを外部まで出してやれるかを考慮した効率。例)5%
_◇電力効率
数ルーメン~数十ルーメン/W
(PDPなどでは、1~2ルーメン/ワット)
◆低分子(モノマー系)
分子量1000以下
◆高分子(ポリマー系)
分子量1万以上
※分子量1000~1万の間にオリゴマー、デントリマーなどの分類あり。
◆コダック特許
タン氏による。超薄膜、多層構造。
(低分子材料を使った)
◆CDT(ケンブリッジディスプレイテクノロジー)
高分子系材料で有機EL素子
◆パッシブフルカラー有機ELの製造プロセス
_ ガラス基板
_ ITO陽極パターンニング
_ 補助電極パターニング
_ 絶縁膜パターニング
_ 陰極隔壁形成
_ 基板プラズマ洗浄
_ 成膜工程(有機発光層)
_ 成膜工程(金属陰極、蒸着成膜)
_ 多数個キャップ封止
_ 乾燥・接着剤硬化
_ スクライブブレーク
_ 点灯検査
_ TCP貼り付け
_ 保護膜形成
_ 電極ボンディング
_ 偏向板貼り付け
_ モジュール検査
※成膜
低分子系は真空蒸着、各層20~50nm
高分子系はスピンコーティング。
※背面電極(陰極)
電子ビーム蒸着
抵抗加熱蒸着
スパッタ
◆駆動方式
電流駆動
_◇ピクセル構成
①並置法
RGBのサブピクセルを横並びに置いて1ピクセルを置く。
_◇駆動
①パッシブマトリクス(デューティ駆動)
線順次スキャンで、各ラインを一瞬光らせていく。平均輝度に対して時分割倍の輝度が必要。瞬間輝度が非常に高くなるため消費電力が大きく、寿命が長くなりがち
②アクティブマトリクス(スタティック駆動)
各素子にスイッチングのためのTFTがつく。TFTで発光輝度をコントロールする、発光に必要な電流はキャパシタから供給する。各素子の輝度は全体輝度と同じにできるので、低消費電力で画素の寿命も長くできる。ただしTFT分コストが高くなる。またTFT分発光面積率が小さくなる。
_◇トップエミッション方式
上部電極を透明陰極、下部に金属陽極その下にTFTを作ったガラス基板とする。(不透明でもよいのでガラスでなくステンレスでも可能)上の陰極はITO単独では駄目なので、陰極用金属を薄く入れる必要あり。
_◇エリアカラーとフルカラー
■無機EL
無機蛍光体を用いる
◆薄膜無機EL
_ 耐久性高いが、青色発光に問題、消費電力大
◆厚膜無機EL
_ 青色向上だが、消費電力大。カナダ・アイファイヤー社
◆ポリマー分散無機EL
_ ポリマーに向き蛍光体粉末を分散。プラスチックフィルム基板。高輝度が得られない。
◎VFD
蛍光表示管
◎冷陰極管
CCFL
液晶バックライト
水銀の問題ある。
◎表色系、ピクセル
◆CIE表色系
RGB表色系
R 700nm
G 546.1nm
B 435.8nm
XYZ表色系
◆ピクセル
RGBひとまとめ…Pixel
RGB1/3…Sub Pixel
◎タッチパネル
◆表示パネルとの一体化
_◇オンセル型
表示パネルの表面に透明電極パターンなどを形成したもの
_◇インセル型
表示パネルの画素内にタッチ・センサ素子を組み込むもの
◆抵抗膜方式
_◇構造
_ ITO膜(透明導電性フィルム)を付与した上部電極(プラスチックフィルム)と下部電極(ガラス)の間に、スペーサを介す。
※ITO膜のベースフィルムはPET樹脂が中心
※ITO(酸化インジウムスズ)
※抵抗感圧式アナログタッチパネル
上部電極は透明フィルムとその裏のITO膜
下部電極は表面にITO膜ガラスまたはフィルム基板
パネルに圧力をかけることで透明フィルムがたわみ上下のITO膜が接触。接触点を中心に、X方向抵抗はRx1、Rx2のように分割される。Y方向も同様。
_ まずY側に電圧を印加し、X側で電圧を読み取る
_ 次にX側に電圧を印加し、Y側で電圧を読み取る
※経年変化によりITO膜やAgパターンの抵抗値変動が発生すると位置ズレおこる。
_◇アナログタイプ
透明電極の表面抵抗が均一。どこでも感知できる。
_◇デジタルタイプ
短冊状の透明電極が上下で直交しマトリクスを形成
_◇タッチパネル特性等
①透過率
通常77~88%程度、良いもので93%
②4線式 位置補正必要
8線式 コントローラによる自動的な位置補正が可能
③リニアリティ
水平線入力に対するズレ量 (ズレ量mm/有効エリア幅mm %)
④ニュートンリング
光の干渉による虹模様
⑤ヘイズ値(%)
全反射光に対する拡散光の割合。数値が大きいと蛍光灯等の写りこみを押さえられるが表示が白くぼけたようになる
⑥グレア/アンチグレア
アンチグレア=ハードコート散乱層をコーティングして反射光が眼に入らないようにする
⑦アンチリフレクション
偏光フィルムの表面に複数層の誘電体薄膜をコートして反射を防止する。偏光板を張ることでタッチパネル内部の反射を減らすことができる
例)
電圧5V以下、動作加重0.05N~1N, リニアリティ±1.5%
チャタリング15ms以下 反射率10~23%
ヘイズ値 0~12%
表面硬度 2H
ペン打点寿命10万回、ゴム打点寿命500万回
◆音響パルス認識方式
◆超音波表面弾性波方式(SAW)
_◇構造
ガラスの四辺に斜めの刻み目が入っており、その刻み目に向かって超音波が発信され、対抗する辺の刻み目で反射したものを受信子で受ける。この振動を指など超音波を吸収しやすいもので押すことで位置を検出する。
│Y発信子 Y受信子
│ ■ ■
│ /→/→/→/→■X受信子
│ \↑ ↑ ↑ ↑/
│ \↑ ↑ ↑ ↑/
│ \↑ ↑ ↑ ↑/
│ \←\←\←\←■X発信子
_◇圧電トランスデューサ
_◇特徴
耐久性に優れる。
◆赤外遮光方式光学方式
_◇構造
画面の端から等間隔で赤外線を出し、光が遮られた場所をXY座標で検出する。
※光式
LEDとフォトトランジスタを周辺にとりつけ、遮蔽物の位置を検出する。分解能、センサ素子ピッチによるが、ソフトにより実効的に細かくできる
_ センサピッチ6.6mm程度
圧力、多重押し等の検出が可能なものがある。
_◇特徴
光透過率が高く、長寿命。
◆静電容量方式
※iPhoneで採用された(投影型)
_◇投影型
X,Y方向にグリッド状に電極を作成
⇒指タッチによりグリッド間の容量が変化
⇒容量変化が起こった場所を特定する
_◇表面型
_◇構造
4層のガラス。ガラス基板の2の辺が一定伝導のITOコーティングされている。厚さ0.0015ミリメートルの二酸化珪素ハードコーディングがITOコーティングの表面につく。四隅に電極。電極により透明電極膜で充電、放電を繰り返す。人が触れることによって人体に放電、電極に残った電荷量を測定することでタッチ位置を検出する。
◆電磁誘導方式
_◇原理
「電磁誘導」による。スタイラスの中に磁石が入っていて、導体が埋め込まれたパネル上をこのペンが動くと、電磁誘導により位置を検出できる。専用ペンしか使えない。
◆画像認識方式
☆個体素子
◎水晶振動子
◆水晶振動子のタイプ
①音叉型
2本の振動子が振動するタイプ。32.768KHz付近。
②ATカット型
厚み滑り振動。数M~数百MHz
③SAW型
弾性表面波。数百MHzから数GHz
※水晶振動子の等価回路
│ ┌─┐ ┌─┐ ┌─┐
│ ┌┤①├─┤②├─┤③├┐
│ ─┤└─┘ └─┘ └─┘├─
│ │ ┌─┐ │
│ └────┤④├────┘
│ └─┘
①L1
②C1 (直列容量 例:1.9fF
③R1 (直列抵抗 例:65kΩMax
④C0 (並列容量 例:0.8pF
※発振回路
│ ┌─┐
│ ┌──┤①├──┐
│ │ └─┘ │
│ │ ┌─┐ │
│ ├──┤②├──┤
│ │ └─┘ ┌┴┐
│ │ │③│
│ │ ┌─┐ └┬┘
│ ├──┤④├──┤
│ │ └─┘ │
│ ┌┴┐ ┌┴┐
│ │⑤│ │⑥│
│ └┬┘ └┬┘
│ ─┴─ ─┴─
①Rf 帰還抵抗 10MΩ
②インバータ
③Rd ダンピング抵抗 470kΩ
④水晶振動子
⑤Cg 10pF
⑥Cd 10pF
励振レベルDL(drive level)
水晶振動子に印加される電力。音叉型振動子の場合適正な値を超えると破損につながる。通常MAX1.0uW程度。電流プローブで電流iを計測、実効抵抗値Reの計算値から求めることができる。
Re = R1 * (1+ (C0/CL))^2
CL = (Cg * Cd ) / (Cg + Cd) + Cs
※発振回路全体の等価回路
│ ┌───┐
│ ┌┴┐ ┌┴┐
│ │①│ │③│
│ └┬┘ └┬┘
│ │ │
│ ┌┴┐ ┌┴┐
│ │②│ │④│
│ └┬┘ └┬┘
│ │ │
│ └───┘
①Le
②Re 実効抵抗
③CL 負荷容量
④-R 負性抵抗
◆水晶振動子の特性値
①常温周波数偏差(Tolerance)
指定の発振周波数に対する実際の周波数の偏差の規格。+25℃±5℃での負荷容量込みの発振周波数の偏差。 規格値は “±・・・ppm 以内 ” と表す。ppm は100万分なので、例えば 10MHz の 1ppm は 10Hz
②周波数温度特性(Temperature Stability)
+25℃の値を基準とし、”動作温度範囲 ” 内での周波数変化の最大値の規格。±ppm以内.
※ATカット水晶振動子 ( MHz帯の水晶振動子 ) 3次曲線
※時計用の32.768KHz などのXTカットの水晶振動子 2次曲線
③動作温度範囲(Operating Temperature)
周波数温度特性を満たす温度範囲。 -10~+60℃、 -20~+70℃など。
④動作可能温度範囲(Operable Temperature)
周波数温度特性は満たさない可能性があるが 発振動作は継続する温度範囲。
⑤保存温度範囲(Storage Temperature)
その温度での動作は保証しないが、非動作放置にて性能劣化が起きない
⑥負荷容量 (CL)(Load Capacitance)
水晶振動子側から見た回路全体の等価直列静電容量値。通常、基本波の場合は <12pF> や <16pF> などが標準。
※負荷容量(CL)の目安の計算
基板の浮遊容量(ストレ容量)を Czとすると、
_ CL = {(C1*C2) / (C1+C2 )} +Cz
ここで C1 = C2 とすると
_ CL = C1/2 + Cz
浮遊容量:Cz は回路によるが、目安として3~10pF
Cz=5pF とし、負荷容量(CL)=16pFの場合は、
_ 16 = C1/2 + 5 ∴ C1=22pF ( =C2)
水晶発振回路を内蔵した LSI の外付けの推奨のコンデンサ値に
<22pF>が多いのは、水晶振動子の標準の負荷容量でよくある値の
<16pF>に合わせているのと、またその辺りが程よい値であるため。
⑦並列容量 (Co)(Shunt Capacitance)
動作状態に無い水晶振動子の端子間の静電容量値。 この値は水晶振動子内部の設計値に依存。通常のクロック用途でのご使用の場合は無視してよい。
⑧励振レベル (DL)(Drive Level)
水晶振動子に流れる規定の電流値。 50μW、0.1mW、1.0mW など。
⑨等価直列抵抗値 (CI/ESR)(Crystal Impedanse/Equvalent Series Resistance)
直列共振周波数における等価抵抗値。 一般に水晶振動子の抵抗値とはこの値。
形状が小さいほどこの値は大きくなる傾向、周波数が高いほど小さくなる傾向。
50Ω以下、30Ω以下 などと規格値としては最大値で表現。
発振回路設計時に発振起動の余裕度を見るためには、欠かせないパラメーター。
※水晶振動子の回路マッチング調査
① 最適な回路常数及び負荷容量
② 発振余裕度
③ 励振電流
◆発振条件と負性抵抗
※負性抵抗
発振回路の等価回路において、水晶振動子からインバータなど回路側を見た際の実効的な抵抗。
_ 発振周波数に依存する
_ 負の値を示す⇒発振回路が安定的に発振するためには負性抵抗の絶対値が水晶振動子の等価直列抵抗値よりも十分大きいこと
_ 等価直列抵抗 crystal impedance
_
※負性抵抗の測定手順
①水晶振動子と直列に純抵抗rを挿入
②rを調整、発振と停止の境界におく
③rを測定する
|負性抵抗|=r+等価直列抵抗CI
※発振余裕度=r/CI≧5~10
※ダンピング抵抗とコンデンサの値を変更して発振余裕度を確保する
AT振動子の場合、数百オーム数十pF程度。
※音叉型のkHz帯の場合、負性抵抗はkΩオーダーと大きくなる。
☆光デバイス
◆フォトカプラ
発光ダイオードを光らせ、その光でフォトトランジスタを導通させるデバイス。接地電位の異なる回路間を電気的に絶縁しつつ、信号を伝達する用途に使える。(電磁リレーや絶縁トランスの代わりに使える)デジタル、アナログ両面で使える。
※基本特性
_ BVs 入力間絶縁特性
_ 汎用品で通常2.5kVrms
_ CTR 変換効率
_ 入力側LEDに流す電流IF対
_ 出力コレクタ電流IC
_ IC/IF
_ を%で表す。通常、数十から数百
_ 高温時にCTRが低下する
│ ─┬─ ─┬─
│ ┌┴─┐ ┌┴─┐
│ │RD│ │RL│
│ └┬─┘ └┬─┘
│ ○┴─┐ ┌─┴─◎
│ ┌┴┐ ┌┴┐
│ │D│~│T│
│ └┬┘ └┬┘
│ ○──┘ └───◎
_◇デジタルなスイッチとして
①出力は、エミッタ負荷(エミッタフォロワ)とコレクタ負荷(エミッタ接地)の場合とで極性が反対になるだけで、どちらもスイッチ動作をする。
(汎用フォトカプラには、出力フォトトランジスタのベース配線がないので、ベース電流は常にコレクタから流れる)
②汎用フォトカプラの出力に流せる電流は数十mAである。③直流電圧駆動
RD=(VIN-VF)/IF
_ IF=10mA程度。VF=1.35V程度。
④出力負荷抵抗の計算
次段回路からコレクタに流れ込む電流INを1mAと仮定し、電源電圧VCCを5Vとすると、IC=5mA@Vce=1Vで動作させようとするならば、負荷抵抗RLの最小値は
RL>(VCC-VCE)/(IC-IN)=(5V-1V)/(5mA-1mA)=1kΩ
上限は、コレクタ遮断電流ICEOで負荷抵抗RLに発生する電圧が電源電圧VCCの10分の1以下くらいになるように考えるが、ICE0は温度とともに急速に増大する。あまり抵抗を大きくするとノイズ等も問題になるので、最小値の5倍程度に選ぶ。
⑤速度
_ 数十kbps/s程度
※TIPS
逆方向にサージがかかる場合、入力間に逆方向ダイオードを入れる。
※VT
非発光順電圧。これ以下の電圧かかってもLED発光しない。0.5V程度
※
出力の電源接地間に0.1uF程度のパスコン
◎光ファイバ
光ファイバとは、屈折率の異なる透過性のガラスやプラスチックを細い同軸の繊維状に成型したものです。
(a) ステップインデックス(階段屈折率)形
(b) グレイデッドインデックス(連続屈折率)形
(c) 単一モード形
の3種類があります。計測に用いられるのは、主に伝送用途やセンサ要素としてのグレイデッドインデックス形と光ファイバ干渉計測用の単一モード形です。
◆レーザーダイオード
_◇780nm
CD, MD, LBP
赤外線に近く、安価。
_◇650nm
DVD, LBP, バーコードスキャナ
赤
_◇405nm
Bluray
青紫
☆撮像デバイス
◎CCD
◎CMOS固体撮像素子
◆表面照射型
まずフォトダイオードを作り、配線をし、フィルタ、マイクロレンズ形成を行う。フィルタとフォトダイオードの間に配線がくるために無駄になる光がある。
◆裏面照射型
BSI(backside illumination)
フォトダイオード上に配線をした後、フォトダイオードの裏面のシリコン基板を削り、裏面にフィルタとマイクロレンズを形成する
◎用語
◆画像
_◇スミア
画質劣化の一種
出力画像中の明るい部分の上下に白い縦筋が発生
☆エネルギー関連
◎電池
◆電池の評価項目
①エネルギー密度
_ 大きさ、重さ
※体積エネルギ密度
_ Wh/l…携帯機器(容積制約)
※重量エネルギ密度
_ Wh/kg…電気自動車など
②放電特性
_ 電圧、電流、持続時間
③充電特性
_ 充電器、時間
④寿命
_ 持続時間、保管期間、自己消耗
⑤使用温度
_ 高温、低温、急激な変化
⑥圧力、衝撃
_ 落下、衝撃、外気圧
⑦環境
_ 有害物質、リサイクル、廃棄方法
⑧品質
_ 安定、均一
⑨外観、形状
_ 清潔、安全、規格品
⑩入手
_ 購入方法
⑪価格
◆電池の容量
何アンペアで何時間流すかで表し、単位はアンペア時[Ah]
それに電圧をかければ電力量[Wh]
電池の容量は小さいので、通常は[mAh]を単位に使う。
◆電池の分類
_◇化学電池と物理電池
_◇一次電池と二次電池
_◇命名法
規格や統一性なし
①負極活物質名から
_ 鉛蓄電池、リチウム電池
②正極活物質名から
_ 酸化銀電池、マンガン乾電池、水銀電池、空気電池
③正極+負極
_ (正極に水酸化ニッケルをつかったもの)
_ ニッケル/カドミウム電池、ニッケル/水素電池、
_ ニッケル/亜鉛電池、ニッケル/鉄電池
_◇化学電池-1次電池
①マンガン乾電池
_ 公称電圧1.5V
②アルカリ乾電池
_ 公称電圧1.5V
③ニッケル系乾電池
_ 公称電圧1.6V
※オキシライド乾電池。正極にオキシ水酸化ニッケルを使っている。
④リチウム電池
_ 二酸化マンガンリチウム電池
_ 公称電圧3V
_ フッ化黒鉛リチウム電池
_ 公称電圧3V
⑤アルカリボタン電池
_ 公称電圧1.5V
⑥酸化銀電池(ボタン電池)
_ 公称電圧1.55V
⑦空気(亜鉛)電池
_ 公称電圧1.4V
※正極の反応物質として空気中の酸素を、負極の反応物質として亜鉛を使う。省スペースで、保護シールを剥がさなければ劣化もすくなく保管が容易。シールを剥がすと使わなくても消耗しやすい。2酸化炭素で電解液が劣化するため、2酸化炭素が多いと寿命が短くなる。
⑧注水電池
※電解液として海水を用いる。海水を入れなければ保存性が良いが、電池として働き始めると寿命は数時間。海難救助用の発信機電源に使われる。
⑨熱電池
※正極に二硫化鉄、負極にリチウムアルミニウム合金、電解質に固体の無機塩が使われいる高信頼性、高出力の電池。ロケット打ち上げ用。電解質は固体の非伝導性だが、熱によって融解すると伝導性が現れ電池となる。マンガン電池の500倍以上、リチウムイオン電池の10倍以上の出力密度[W/kg]を持つ。自己放電が皆無で保存性よし。
_◇化学電池-2次電池
①ニカド蓄電池
_ 公称電圧1.2V
②ニッケル水素蓄電池
_ 公称電圧1.2V
③リチウムイオン電池
_ リチウムイオン蓄電池
_ 公称電圧3.6V
_ リチウムポリマ蓄電池
_ 公称電圧3.7V
④小型制御弁式鉛蓄電池
⑤鉛蓄電池
⑥アルカリ蓄電池
_ 空気亜鉛蓄電池
_ コイン型リチウム蓄電池
_ 公称電圧1.5V-3V
_◇化学電池-燃料電池
_◇物理電池-太陽電池
◆規格
IEC規格
◆電池系
_◇1次電池
(無) 正:二酸化マンガン
_ 電解液:塩化アンモニウム、塩化亜鉛、水
_ 負:亜鉛
_ 公称電圧:1.5
A 正:酸素
_ 電解液:塩化アンモニウム、塩化亜鉛、水
_ 負:亜鉛
_ 公称電圧:1.4
B 正:フッ化黒鉛
_ 電解液:リチウム塩、非水有機溶媒
_ 負:リチウム
_ 公称電圧:3
C 正:二酸化マンガン
_ 電解液:リチウム塩、非水有機溶媒
_ 負:リチウム
_ 公称電圧:3
E 正:塩化チオニル
_ 電解液:リチウム塩、非水有機溶媒
_ 負:リチウム
_ 公称電圧:3.6
G 正:酸化銅(Ⅱ)
_ 電解液:リチウム塩、非水有機溶媒
_ 負:リチウム
_ 公称電圧:1.5
L 正:二酸化マンガン
_ 電解液:アルカリ金属水酸化物、水
_ 負:亜鉛
_ 公称電圧:1.5
P 正:酸素
_ 電解液:アルカリ金属水酸化物、水
_ 負:亜鉛
_ 公称電圧:1.4
S 正:酸化銀
_ 電解液:アルカリ金属水酸化物、水
_ 負:亜鉛
_ 公称電圧:1.55
_◇2次電池
H 正:ニッケル酸化物
_ 電解液:アルカリ金属水酸化物、水
_ 負:水素吸蔵合金
_ 公称電圧:1.2
K 正:ニッケル酸化物
_ 電解液:アルカリ金属水酸化物、水
_ 負:カドミウム
_ 公称電圧:1.2
*IC 正:リチウム複合酸化物
_ 電解液:リチウム塩、非水有機溶媒
_ 負:炭素、リチウム
_ 公称電圧:3.6
PB 正:二酸化鉛
_ 電解液:硫酸、水
_ 負:鉛
_ 公称電圧:2
◆形状記号
R 円形(シリンダ、ボタン、コイン)
F 非円形(単電池)
P 非円形(組電池)
S ペーパー
R20 h:61.5 φ34.2 単1 D
R14 h:50 φ26.2 単2 C
R6 h:50.5 φ14.5 単3 AA
R03 h:44.5 φ10.5 単4 AAA
R1 h:30.2 φ12.0 単5 N
◆主要電池仕様
_◇酸化銀電池(時計用)
SR44W 1.55V φ11.6 x 5.4
SR1130W 1.55V φ11.6 x 3.05
SR920W 1.55V φ9.5 x 2.05
SR621W 1.55V φ6.8 x 2.15
SR44SW 1.55V φ11.6 x 5.4
SR416SW 1.55V φ4.8 x 1.65
_◇酸化銀電池(一般用)
SR44 1.55V φ11.6 x 5.4
SR41 1.55V φ7.9 x 3.6
_◇ボタン型アルカリ電池
LR44 1.5V φ11.6 x 5.4
LR43 1.5V φ11.6 x 4.2
LR1130 1.5V φ11.6 x 3.05
_◇コイン型リチウム電池(一般用)
CR2450 3.0V φ24.5 x 5.0
CR2032 3.0V φ20.0 x 3.2
CR2016 3.0V φ20.0 x 1.6
CR1620 3.0V φ16.0 x 2.0
CR1216 3.0V φ12.5 x 1.6
_◇コイン型リチウム電池(カメラ用)
2CR5 6.0V 45x34x17
CR123A 3.0V 34.5×16.8
◆電池になる化学反応
①反応に電子の授受が伴うこと
②反応を生じる場所が2ヶ所あること。
※電子を放出して「+」が増える、「-」が減ることを酸化という。
※電子を受け取り「-」が増える、「+」が減ることを還元という。
◆電池の3要素
正極/電解質/負極
例)マンガン乾電池
MnO2 / ZnCl2 / Zn
例)ボルタ電池
亜鉛(Zn)と銅(Cu)の板を希硫酸(H2SO4)に浸して銅線でつないだもの。
H2SO4は水中で電離 H+ とSO4(2-)になる
亜鉛(Zn)は希硫酸に溶け出すと、Zn(2+)、硫酸イオンと結合しZnSO4
亜鉛が溶け出す際、失った e 2個は銅板に達し、希硫酸中のH+と結合し、水素ガスを発生。
負極: Zn -> Zn(2+) + 2e-
溶液: H2SO4 -> SO4(2-) + 2H+
_ Zn(2+) + SO4(2-) -> ZnSO4
正極: 2H+ + 2e- -> H2
全体: Zn + H2SO4 -> ZnSO4 + H2
※なんらかの現象で化学反応が進みにくくなる現象を分極という。
※分極を減らす物質を減極剤という。
◆ネルンストの式
E = E0 + ((R*T)/(n*F))*ln{(Aox)^a/(Ared)^b}
E:電極電位
E0:標準電極電位
R:気体定数
T:絶対温度[K]
n:溶液イオンの原子価
F:ファラデー定数
Aox:酸化側の活量
a:反応に依存する定数
Ared:還元側の活量
b:反応に依存する定数
◆ファラデーの電気分解の法則
電気分解で電極に析出する元素または原子団の量は、電流と時間の積(電気量)に比例する。元素または原子団の1グラム当量を析出するのに必要な電気量は、原子や原子団の種類によらず一定(96458アンペア秒)である。
※グラム当量
それぞれの分子量もしくは原子量を原子価で割った値。
例)
_ 亜鉛:原子量65.41、原子価2
_ グラム当量は32.705グラム
◆電池ーコンデンサ
◆リチウムイオン2次電池
エネルギー密度:1~>100Wh/Kg
◆プロトンポリマー電池
エネルギー密度:0.1~>10Wh/Kg
◆ハイパーキャパシタ
エネルギー密度:0.01~>10Wh/Kg
◆導電性高分子タンタルコンデンサ
エネルギー密度: >0.001~>0.1Wh/Kg
◆タンタルコンデンサ
エネルギー密度:0.001~>0.1Wh/Kg
◆電池の接続、負荷抵抗
◆負荷抵抗
負荷抵抗は単1~単3乾電池では約3.5Ω、酸化銀電池では1000Ω程度が一般に用いられている。
◆電池の接続
①直列接続
起電力 E[V], 内部抵抗 Ri[Ω]の電池を n個直列に接続したとき、外部の接続した抵抗 R を流れる電流 Is は、
Is = n*E / (n*Ri + R) [A]
②並列接続
起電力 E[V], 内部抵抗 Ri[Ω]の電池を n個並列に接続したとき、外部の接続した抵抗 R を流れる電流 Ip は、
Ip = E / (Ri/n + R) [A]
◆蓄電池の容量と放電率
蓄電池の容量[Ah] = 一定放電電流[A] * 放電時間[h]
※鉛蓄電池の容量は10時間放電率で表す。
※より短時間の放電率の方が容量が下がる傾向がある(例)10時間放電率100%に対して5時間放電率の容量は87%。
◆リチウムイオン二次電池
正極:コバルト酸リチウム
負極:リチウム炭素層間化合物
※リチウム一族だが、本家リチウム電池とは違う
※リチウムは常にイオン状態で存在し、金属状態のリチウムは存在しない。
_◇リチウム・イオン電池の充電制御
_◇リチウムイオン2次電池
過放電、過充電により電池の寿命が短くなる。電極に金属リチウムが析出し、成長することにより電池内部で短絡発生、発火することがある。充電温度範囲も0~45℃。(リチウムは常温で水分を含んだ空気と接触すると窒素と反応してLi3Nとなり、温度が上がると酸素と燃焼反応してLi2Oとなる。
_◇保護回路
4.3V(満充電時電圧)を超えると充電電流停止、放電時2.5V未満になると放電電流強制遮断。
_◇充電電流をON/OFFするMOSFET
双方向に流れる電流に対してMOS寄生ダイオードによる電流を遮断するため2個のMOSをシリーズ接続(バックツーバック)接続する。
_◇基本充電シーケンス (CVCC:Constant Voltage Constant Current)
①プリチャージ
_ 電池が2.9V以下まで放電している場合は小さい電流で充電する。2.9V未満では電池の内部インピーダンスが高くなっているので、いきなり急速充電するとダメージを発生する。また、リニアタイプの充電器では、電圧差が大きくなるので発熱が大きくなる。
②定電流充電
電池端子電圧が4.2Vに達するまで、規定のC値による定電流で充電。電池容量の6,7割を入れてしまう。
※充電電流と充電電圧の比を表す「C」(ItA)
例)1000mAhを1000mAで充電するなら1C。
③定電圧充電
4.2V定電圧で充電、次第に充電電流下がる。出力電圧は4.2V±0.03Vと高精度要求。(高精度部品が必要)
④満充電判定
充電電流をモニタし、充電電流がある一定値(定電流充電時の電流値の10%など)まで減少すれば満充電と判定する。
_◇パルス充電方式
CVCC方式での③の代わりに定電流パルスとその後の電圧判定により充電する。時間のかかる定電圧充電時間を短縮できる。満充電電圧以上の電圧をかけて充電することになるので、判定を誤ると過充電の危険がある。電池の経年変化についても条件設定を変えるような制御も必要。
_◇回路動作用の電流を供給しつつ、充電を行うケース
充電電流のモニタでは判定できない。充電IC内蔵の過充電防止タイマが動作するとACつないでいてもACからの電流供給切れる可能性もあり。
①ACアダプタとアダプタ装着時切り替えスイッチでで回路と電池別々に電流を供給
_ 回路側の電源は、電池と異なるACアダプタ電圧にも耐える必要あり
_ ACアダプタに電池+回路の容量必要
②DPPM(Dynamic Power – Path Management)
_ ACアダプタ容量を小さくし、回路ピーク電流は電池で補う。ただし、この場合のACアダプタは、定格出力を超えたら直ぐに電圧降下する(電池にまかせるため)専用のものでないとならない。
③DPM
_ DPPMに入力電流制御回路を追加し、汎用ACアダプタを使えるようにしたもの
_◇リチウムイオン2次電池(2.7~4.2V)から3.3Vの生成
①昇圧DCDCで5V->降圧DCDCで3.3V
②降圧DCDCのみ(電池電圧が3.5Vを切ると動作できなくなる)
③昇降圧DCDC(切り替え時に効率の落ちないものが必要)
◆2次電池のメモリ効果
ニッケル水素2次電池やニカド2次電池は、完全に放電しきらないまま充電すると使わなかった部分が不活性化し、容量は残っているのに電圧が下がって使えなくなるメモリ効果が発生する。リチウムイオン2次電池にはメモリ効果は無い。
◎電力伝送
non-contact/contactless charge 非接触/無接点充電
◆電磁誘導型
コイルの間を貫く磁束の強さの変化によって生じる起電力を利用
◆電波受信型
共振回路で受けた電波を整流回路で直流に変換して利用(鉱石ラジオ同様)
◆共鳴型
電波でなく、磁場だけ、電場だけの共鳴を利用
◎電源系
◆インバータ
直流を三相交流に変換する装置
◆コンバータ
単相交流、三相交流を直流に変換する装置
⇒整流器、コンバータ
☆モータ
※motor 原動機
※electric motor 電動機
⇒ここで扱うのは電動機である
◎電動機
電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換する装置
入力(電力)
_ 回路損
_ 銅損
_ 鉄損
_ 機械損
出力(動力)
※損失(loss)
◆背景となる物理法則
_◇BLI則とフレミング左手の法則
空中に磁束密度 B [T = Wb/m^2]
磁界を横切るように置いた長さ L [m]
の電線に電流 I [A]
を流したときの電線に働く力F [N]
F=B*L*I
※フレミング左手の法則
90度の角度で親指、人差し指、中指を直交させ
_ F:親指
_ B:人差し指
_ I:中指
※永久磁石の磁束密度
フェライト磁石
_ 残留磁気 Br : 0.3~0.4T
_ モータとして使うとき : 0.25~0.3 T
ネオジム磁石
_ 残留磁気 Br : 1~1.3T
_ モータとして使うとき *70%
_◇フレミング右手の法則
発電の場合はこちら
90度の角度で親指、人差し指、中指を直交させ
_ v:親指
_ B:人差し指
_ e:中指
v:電線の速度[m/s]
B:磁束密度[T]
e:発生電圧[V]
e=B*L*v
L:磁界中の電線長[m]
※モータに流れる電流を減らす方向に起電力が生じる
⇒逆起電力
※モータの回転速度ω[rad/s]、回転半径R[m]
⇒ v=ω*R
_ e=B*L*R*ω
これを逆起電力定数 Keで書くと
_ e=Ke * ω
ここで Ke [V*s/rad]
◆記法、用語
_◇ドットとクロス
コイルなどの電流の流れる方向の記述法
◎ 紙面裏から表へ(本当は内部の●は黒)
× 紙面表から裏へ(本当は○の中に×)
_◇鎖交
磁束とコイルが鎖のような関係でつながっていること
※鎖交磁束
_ 磁束[Wb]とコイル巻数の積
◆原理と分類
_◇入力、出力、損失
入力電力=出力+損失
⇒単位[W]
※入力電力[W]=電圧[V]*電流[A]
※機械的出力[W]=回転速度[rad/s]*回転力[N*m]
※効率(efficiency)
効率[%]=(出力/入力)*100
※負荷
⇒負荷トルクのトルクの場合もある
_ 多くモータのトルクと負荷トルクが釣り合う定常状態の議論
⇒慣性モーメントで表す慣性負荷もある
_ 加速、減速特性を議論
負荷の大きさを [W] でアラワスコトオアリ
※過負荷
モータにとって適正な電流限界を超えた電流が流れる状態
⇒内部で発熱
_◇銅損
copper loss
_◇鉄損
iron loss
_◇動力への変換原理による分類
①電磁モータ
electro-magnetic motor
②静電モータ
③超音波モータ
基本的に静電モータ同様、強い磁界によって影響を受けない
⇒磁界の影響が問題となる機器に向く
_◇電源による分類
①直流電源
direct-current motor
DCモータ
※回転力(トルク)はステータの磁界とロータに流れる電流の積に比例する
⇒ステータ磁界=界磁束 field flux
⇒ロータ電流=アマチュア電流 armature
⇒アマチュア=電機子
※電磁石界磁DCモータ
界磁束を電磁石で発生する
電磁石の界磁巻線とアマチュア回路の結線により方式が別れる
_ 分巻モータ shunt motor (ぶんけん)
_ 界磁巻線とアマチュア回路並列
_ 負荷がかかっても回転速度はそれほど大きく変動しない
_ 細い電線を多数まく(抵抗大)⇒直巻結線すると性能低
_ 直巻モータ series motor (ちょっけん)
_ 界磁巻線とアマチュア回路直列
_ 低速では大トルク。負荷を下げると高速になる。
_ (負荷による回転速度の変化大)
_ 太い電線を小数巻く(抵抗小)⇒分巻結線すると焼損
_ 他励モータ separate-field motor
_ 双方を独立に制御
_ 広範囲の速度制御ができる
⇒整流子型モータは交流でも回るが、直流用に設計されたモータを交流で回すと発熱が多くなりすぎる
※永久磁石DCモータ
ロータによって分類できる
_ スロット型 slotted type
_ スロットレス型 slotless type
_ コアレス型 coreless type
_ (moving-coil type)
⇒直流モータの記号=黒鉛ブラジを連想させるマーク
②単相交流電源
単相交流モータ
single-phase motor
_ 100V電灯線そのまま
_ コンデンサを介して擬似的な2相交流として
③三相交流電源
三相交流モータ
three-phase motor
_ 電力会社の三相交流をそのまま
_ 電力会社の三相交流からトランスを介して
_ インバータを介して周波数、電圧を可変、調整して給電
※インバータ inverter
④多相電源(3相以外の)
2相、5相、7相
_◇回転速度を決める要素による分類
※同期速度
Synchronous speed
N0
⇒回転磁界型交流モータでは、周波数と極数で決まる
N0=2*f/p [rps]
f:周波数[Hz]
p:極数
⇒最小極数は2。よって60Hzの場合は3600rpmが限界
①同期モータ
Synchronous motor
無負荷(no-load)のときも、大きな負荷(load)のときも回転数の変わらないもの
⇒周波数と整数比の関係にある交流モータ
_ A)レラクタンスモータ reluctance motor
_ 突(凸)極かご型ロータ
_ B)ヒステリシスモータ hysteresis motor
_ 半硬磁鋼ロータ
_ 滑らかに回るが小形で力の強いものは作れない
_ ロータ材料が手に入りにくい
_ C)永久磁石モータ permanent-magnet motor
_ 永久磁石ロータ
_ 50/60Hzでは起動できない
_ 同期速度では不安定
_ ロータはブラシレス
_ D)巻線型同期モータ
_ 巻線型ロータ
_ ステータにもロータにも相数がある(基本3)
_ 大型モータ
②非同期モータ(誘導モータ)
asynchronous motor
induction motor
無負荷時は同期速度に近いが、負荷を大きくすると回転の遅くなる交流モータ
_ A)かご型誘導モータ squirrel-cage motor
_ かご型ロータ
_ (アルミニウムのカゴに鉄がはまった構造)
_ 工場動力の汎用モータ
_ ロータの形状と材質により特性曲線の調整可能
_ B)渦電流モータ eddy-current motor
_ 軟鋼ロータ
_ 起動のときに大トルク、速度上がるとトルク落ちる
_ C)巻線型誘導ロータ
_ 巻線型ロータ
_ 大型ロータ
※逆転(反転)の可否
①永久磁石をつかったDCモータ⇒直流極性を入れ換えれば逆転可能。
②電磁石をつかったDCモータ:逆転可能なものとそうでないものがある
③単相交流モータ:通常は逆転しない
④3相交流誘導モータ:2本の接続を入れ換えると逆転する
_◇ロータとステータ
ロータ:回転するもの
ステータ:停止しているもの
_◇ステッピングモータ
stepping motor
ロータがある角度だけ回って停止し、その位置を保持することを基本目的とするモータ
⇒電流によって励磁されたポール(極歯)がロータの歯と磁力で整列することを利用する
例)ステータとロータの歯の比率6:4のとき
⇒位置決め分解能は1回転につき12
⇒歯が細かくなると分解能をたかくできる
※VR variable reluctance型
永久磁石を使わないステッピングモータ
⇒分解能を高くできるが、小形大トルクが難しい
⇒ステッピングモータでなくスイッチレラクタンスモータとしての利用が多くなっている
※永久磁石を使うPM型ステッピングモータ
4コイルステータと2極磁石
⇒腕時計用のステッピングモータ。小形化しても強力な永久磁石により電力の消耗が少ない
※複合型(ハイブリッド)ステッピングモータ
⇒歯を刻んだ2枚の鉄心でディスク型永久磁石をサンドウイッチ型にはさむ
⇒VR型構造で細かなステップ角を実現するとともに、永久磁石により大トルクを実現する
_◇モータ=発電機
_◇ワードレオナード法
_◇リニアモータ
linear motor
⇒リニアモータ2台の平面モータ
planer motor
<->rotary motor
_◇DCモータの回転原理
※鉄があると磁束は鉄の部分に集中するので、コイル部には磁束がほとんどなくなる
⇒単純なフレミング左手の法則では鉄心のあるDCモータの回転原理を説明できない
※鉄心のないモータの回転原理
⇒フレミング左手の法則で説明できる
│ ───┐ F ┌───
│ │ ↑ B │
│ N│→◎→→→×→│S
│ │ ↓ │
│ ───┘ F └───
│
I:◎はこちら向き、×は向こう向き
T=2*R*F=2*R*(N*(B*L*I))
T:トルク [Nm]
R:回転半径 [m]
N:コイル巻き数
※トルクは電流Iに比例するので
T=Kt*I
とかける
I:コイル電流[A]
Kt:トルク定数[Nm/A]
ここで
Kt*2*R*N*B*L
⇒複数のコイルがあっても、全コイルの巻き数をNとしてこの式はなりたつ
※死点
上記のような1組のコイルの場合、90度回転した位置では回転方向が決定できなくなる。
⇒数組のコイルを用い、回転にあわせて順次電流を切替え、連続回転するようにする
※DCモータの特徴まとめ
①トルクは電流に比例する
②回転速度は、端子電圧と内部発電電圧のバランスで決まり、負荷が同じなら電圧が上がると、回転速度が高まる
③端子電圧同じなり、負荷が減れば速度が増し、負荷が増えれば速度が落ちる
④鉄心溝付きモータの特性は鉄心なしモータで説明しても見掛けは一緒。
※無負荷回転速度。。。無負荷電流
※起動トルク。。。起動電流
_◇DCモータの回転速度と逆起電力
※モータの発電作用が関係する
⇒DCモータは発電機になる
⇒回転しているモータも発電作用を起こしている
※電圧の釣合
外部電圧v
巻線抵抗Raによる電圧降下Ra*Ia
ブラシ接触部の電圧降下Vb
モータ回転による逆起電力e=Ke*ω
v-Ra*Ia-Vb=Ke*ω
※vが増大すると、Ia大となり、トルクも大でω大
⇒結果eも大きくなり、回転速度が増えたところでつりあう
⇒負荷が同じなら電圧が高くなると速度が上昇
※vが一定で外部負荷が増大、ω減少、e減少
⇒Ia増大、トルクは大となってωの減少をくいとめる
⇒負荷が増えると回転速度が低下し、トルク増大
※機械系からのエネルギーの流入も考慮すること
緊急停止⇒電気エネルギーの注入なくなる
しかし、機械系の回転⇒モータの逆起電力発生
⇒エネルギーの行き場がなくなると駆動回路などを焼損
_◇逆起電力定数とトルク定数
※逆起電力定数 Ke とトルク定数 Kt は同じもの
⇒電気-機械間の双方向エネルギー変換器
※カタログ上
_ Kt kgf*cm/A
_ Ke V/rpm
と記載されることがある
※SI単位系の N*m/A と V*s/rad は同じ
1 kgf*cm/A = 0.098 N*m/A
10.2 kgf*cm/A = 1 N*m/A
1 V/rpm = 9.55 V*s/rad
0.105 V/rpm = 1 V*s/rad
_◇DCモータの回転速度とトルク
回転速度ωをY,トルクをXにとると直線となる
⇒右肩下がり
※無負荷回転速度ω0
ω0=(V-VB)/Ke – Tf*Ra/(Kt*Ke)
※勾配
-Ra/(Kt*Ke)
ここで
v 外部電圧
vb ブラシの電圧降下
Ke 逆起電力定数
Kt トルク定数
Ra 巻き線抵抗
Tf モータ内部の摩擦トルク
※供給電圧vが高くなる
⇒直線は右上に平衡移動
※速度ゼロでも、T=Kt*Iのトルクを発生する
⇒位置決め制御、停止位置を保持できる
⇒DCモータ、ブラシレスDCモータのみの特長
_◇N-T特性
回転の単位を[rpm]として、トルクとの関係を示したものをN-T特性と呼ぶ
_◇コアレスモータ
ムービングコイルモータ
※鉄心のないコイルだけの原理モータに近い実用モータ
⇒樹脂で固めたコイルをロータとして使う
※コイルを平板上にしたタイプ
プリント基板と製法同じ⇒プリントモータ
※利点
ロータに鉄心が無く慣性モーメント小さく動作が機敏
⇒プリントモータは扁平のため慣性モーメント大
ロータに磁石の吸着力が作用しないので回転滑らか
低インダクタンス、火花発生しにくい
⇒ブラシの損耗小、金属ブラシ使える
※欠点
アルニコ磁石、希土類磁石などが必要
コイルの製造コスト高い
貴金属整流子のコスト高い
※携帯電話の振動モータ
※似たものにスロットのない円筒鉄心にコイルを巻いた
スロットレスモータもある。
_◇鉄心溝のあるDCモータ
※ロータの鉄心
_ 溝を設けた薄い鉄板(ケイ素鋼板)の積層
※鉄心溝(スロット)
_ コイルが挿入される
※ロータがどんな角度からでも回転できる最小溝数は3
⇒溝が少ないと位置によるトルクの差ができる
※重ね巻
_ コイルをたすき状に巻く
※集中巻
_ 隣り合った溝間に巻く
⇒ステッピングモータ、ブラシレスDCモータ
※展開すると整流子を付け根に花びらのように結線され、電流はコイル群を2つに分かれて流れる
※コイルの切替
⇒磁石の中間位置(中性帯)でおこなう
_ 逆起電力が発生しないように
※斜溝(スキュー)
トルクムラを減らすために溝を斜めとする
※磁力線は鉄心に集中するのでコイル部の磁界は弱い
⇒直接BLI則が成り立つようには見えない
⇒しかし、見かけ上はBLI則が成立する
(電気⇒機械変換で考えても、電気⇒磁気⇒機械変換でも同じ)
⇒トルクムラなどの精度の高い解析にはBLI則では不足
※コイルに通電していなくてもモータシャフトには反抗力がある
⇒コギング
※磁力線の張力による説明
⇒磁力線はゴムひものように真っ直ぐになろうとする
※逆起電力による説明
⇒トルクを解析するのではなくて、逆起電力を観察し、求めたKeをそのままKtとすればトルク計算ができる
e=Ke*ω=-dψ/dt
_◇ブラシレスDCモータ
※特徴
①メンテナンスフリー(ブラシが無いため)
②小形化(回転子に高性能磁石をおける)
③モータの効率高い(高性能磁石の磁束密度)
④放熱能力高い(発熱するコイルが外側)
⑤形状の自由度
※欠点
①回転を滑らかにするためにはコイル数増が必要だが、その数だけ制御素子が必要となる。
⇒最小限のコイル3組が多い
⇒トルクムラ(コギング)出やすい
※ブラシの欠点
_ 磨耗
_ 電気ノイズの発生
※ブラシレスDCモータ
回転子:永久磁石ロータ
固定子:コイル
⇒コイルが回転しないのでブラシと整流子は不要
⇒しかし、ロータの位置検出とコイルの電流切替が必要
⇒機械的な接点を使わずに半導体素子で切り替える
⇒回転位置はホール素子で検出する
※インナーロータ型
磁石を内側ロータ
巻線外側ステータ
⇒回転軸の慣性モーメント小
⇒本体小形化可能
⇒放熱が良い
⇒小形の磁石で強力な磁束密度を得るには高性能磁石要
⇒ステータ内側にコイルを巻くのが大変
※アウターロータ型
内側にコイル
外側に磁石を配し、外側を回転させる
⇒慣性モーメント大
⇒磁石小形化の必要なし
⇒コイルを巻くのが簡単
⇒ハードディスク用モータなど
⇒コイルをプリント基板に直接取り付けた薄型のものもあり
※コイル
⇒3の倍数が基本
⇒コイル数とロータ数が多いほど細かい制御ができる
⇒サーボモータ、コイル9,12、ロータ8極
⇒集中巻きが一般的
※ロータ
NとSが各1なら2極とよぶ
※半導体をスイッチにして通電を制御する
│ ┌─┐
│ ┌─┬─┤U├─┬─┐
│ │ │ └─┘ │ │
│ │┌┴┐ ┌┴┐│
│ ││V│ │W││
│ │└┬┘ └┬┘│
│ │ └──┬──┘ │
│ ┏━━┳━┿━━┳━┿━━┓ │
│ ─┸─ ○A│ ○C│ ○E│
│ ┳ ○ ○ ○
│ ┃ ○B ○D ○F
│ ┗━━┻━━━━┻━━━━┛
①B=E
U←←
WV→(WV直列にUの半分の電流流れる
②=DE
UV→
W←←
③AD=
V→→
UW→
④A=F
U→→
VW→
⑤=CF
W→→
VU→
⑥BC=
V←←
WU→
※コイルの結線方法
①⊿(デルタ)結線
コイルを環状に結線する
②Y(スター)結線
UVWを中性点(コモン)で一まとめにする
※スイッチの切替方法は異なるがどちらの結線でも各コイルへの電流を制御できる
→スター結線が一般的
→コイルの6端子を別々に引き出しておけばデルタにもスターにもできる
→センサ用のマグネット位置の調整が必要
→スター結線の中性点にリードがあると、各相の逆起電力を確認することができる
◆構成要素
_◇ロータ
回転子
rotor
①かご型ロータ
squirrel-cage rotor
②突(凸)極かご型ロータ
salient-poled squirrel-cage rotor
③半硬磁鋼ロータ
semi-hard steel rotor
着磁しない弱い永久磁石鋼で作る
④軟鋼ロータ
solid steel rotor
⑤凸極型珪素鋼板ロータ
salient-poled lamination rotor
珪素鋼板を多数重ねて作る
⑥細かな歯を刻んだロータ
solid-steel rotor with fine teeth
⑦永久磁石型ロータ
permanent-magnet rotor
⑧誘導子型ロータ
inductor rotor
フェライト永久磁石を2枚の珪素鋼板製の多数の歯のある鉄心でサンドウイッチ状に挟む
⑨巻線型ロータ
winding rotor
ブラシにより通電。
⑩整流子型ロータ
commutator rotor
巻線を持ち、複数の銅片で構成される整流子を持つ
※斜溝(スキュー)型
※直溝型
_◇整流子
コミュテータ
ブラシから供給される電流をコイルに流す
_◇電機子
armature
コイルに電流がながれると回転力を発生する
_◇巻線
Winding
※各ポールに電線を巻いたものをコイル
各コイルを相互に結線したものを巻線と慣用的に使い分ける
_◇シャフト(出力軸)
shaft
ロータの回転軸
_◇ベアリング
bearing
軸受
回転軸を支える
_◇ステータ
stator
固定子
※ロータを回すための力を発生する
①分布巻ステータ
②6コイル集中巻ステータ
③誘導子(inductor-pole)型ステータ
④永久磁石ステータ
DCモータでは界磁石とヨークがステータとなる
_ 界磁石(field magnet)
_ 基礎となる磁束をつくる
_ 永久磁石(permanent magnet)
_ 継鉄:ヨーク(yoke)
_ 界磁石とともに磁気回路(界磁)を構成する
_ ハウジング(housing)がヨークをかねることもある
※相 phase
ステータ巻線にどのような方法で電流を与えるか
基本の相は3相
各相はU,V,Wと記号がふられる
⇒2相、4相、5相あり
※極 magnetic pole
シャフトに対して垂直な面に現れる極(NとS)の数
基本の極数は偶数
※集中巻
スロット毎に巻いていく
巻く方向と隣のスロットとの方向の組み合わせで極と磁力線のループが変わる
ブラシレスモータに適する
コイルの結線により極数を変えやすい
例)6コイルステータ
2,4,8極の結線が可能
例)9スロットステータ
12極が一般的
※分布巻
複数のスロットに「分布」させて巻く
誘導モータに適する
極数は固定
小形モータでは4極、高速回転では2極
_◇ブラケット
bracket
※エンドプレート
end plate
ベアリングを保持し、ステータと一体化する
_◇ターミナル
terminal
電線を接続する端子
_◇ブラシ
brush
整流子に摺動接触して電流を流す
※過去は金属やカーボンのブラシ状の部品だった
_◇電線
lead wire
駆動回路あるいは電源に接続される
導線(conductor)
※主として銅線。まれにアルミ線。
※リード線:モータに電流供給
※magnet wire:モータ内部の巻線
⇒エナメル線
エナメルはガラス質を金属に焼き付けたものの総称
⇒ホルマール線。昔はこれ。
⇒現在は
_ ポリウレタン線 半田で皮膜が溶ける
_ 耐熱は普通の電線並み
_ ポリエステル線 半田で皮膜が溶けない。
_ 温度、薬品に強いが水に弱い
_◇電源
_◇部分材料
鉄心 core
継鉄 yoke 2つの磁石の磁界を結ぶための鉄心
※鉄心に用いる鉄は珪素鋼
(Cでなく、Siが含まれている)
永久磁石
絶縁体
◆ブラシレスモータ
brushless DC motor
①交流モータの一種である永久磁石モータ
②インバータで駆動
③DCモータでのブラシ位置検出⇒通電切替の代わりに
ホール素子等で、位置信号をインバータにフィードバック
⇒きわめてコンパクトに作れる
※ステータ
分布巻き⇒集中巻き
◆駆動方法による分類
_◇交流モータ
ACモータ
Alternating-current motor
※整流子型モータ
整流子型ロータを使う
⇒ユニバーサルモータ:交流でも直流でも回る
⇒交流シリースモータ
⇒交流直巻モータ
⇒電気掃除機や電動工具など単相交流で高速回転のものに向く
※回転磁界型モータ
分布巻きステータを使う
分布巻きに三相交流などの多相交流を流してできたグルグルまわる磁界でロータを引っ張って回す
☆受動部品
◆キャパシタ
※英語圏ではコンデンサというと熱機械の凝縮機を指すので、キャパシタという。
※交番磁界内に誘電体を使用したコンデンサを入れると誘電損による熱が発生する。
◆抵抗
◆コイル
◆トランス
◆フェライトコア
金属酸化物の強磁性体で、セラミックとして燒結したもの。金属に比べ固有抵抗が大きく、過電流の影響を受けず、高周波での使用に適する。伝送線に電流が流れる事により発生する磁界を熱に変えケーブルから放射する輻射ノイズを低減させる。
※1ターンでインピーダンスが足らない場合、巻き数を増やすことでインピーダンスを大きくできる。インピーダンスはターン数の2乗で大きくなる。しかし、高周波である周波数を超えるとインピーダンスが減少する。
_◇分割型
分割型はとりつけしやすく、切断面にギャップが入らない限りは特性は一体型と同等。ただし、塵等でギャップが入ると低い周波数で特性が急減する
_◇コモンモードとノーマルモード
①2つの信号線に同一方向に流れ、グラウンドを帰還するコモンモードノイズには2本の信号もしくは電源をあわせてフェライトコアを取り付ける
②信号成分と同じ方向で流れるノーマルモードノイズに対しては、別々にフェライトコアを取り付けることでノイズを抑制できる。ただし、フェライトコアには信号とノイズの両方の磁束が加わるので、フェライトコアの飽和磁束密度を超える電流が流れると飽和し、ノイズ除去の効果が少なくなる。