Electronics_RF

☆無線

◎法規制等

◆電波法
政令
電波法施行令
電波法関係手数料令
省令
電波法施行規則
無線局の開設の根本基準
無線設備規則
特定無線設備の技術適合証明に関する規則
無線従事者規則

※総務省ホームページで閲覧できる
http://www.soumu.go.jp/menu_04/s_hourei/joho.html

◆免許不要の無線局
_◇微弱無線局 電波が著しく微弱で総務省令で定めるもの
①電界強度以外に無線通信に関する規格がない
~322MHz 500μV/m
~10GHz 35μV/m
②試験が無い。(電界強度を確認するだけでよい。)
③性能証明ラベル(微弱無線設備性能証明書)があれば安心
_◇市民ラジオ 26.9MHz~27.2MHz。空中線電力が0.5W以下
_◇小電力無線局 空中線電力が0.01W以下で総務省令で定めるもの。指定された呼出符号を自動的に送信または受信する機能を持ち、適合表示無線設備のみを使用。
※技適マーク必要。

◆高周波利用設備

電線路に10kHz以上の高周波電流を通ずる電信、電話、その他の通信設備及び10kHz以上の高周波電流を使用する工業用加熱設備、医療用設備、各種設備については、原則として個別に設置許可を受ける(電波法)

設置許可不要設備
無線通信等への影響が少ないと判断される設備については、 個別の許可を不要としている。

(1) 一定の要件を満たしている次の設備
ア ケーブル搬送設備
イ 平衡二線式裸線搬送設備
ウ 電力線搬送通信設備であって、受信のみを目的とするもの
エ 誘導式通信設備であって、線路からλ(高周波の波長をmで現したもの)/2πの距離における電界強度が15μV/m以下のもの
オ 誘導式読み書き通信設備であって、その設備から3mの距離における電界強度が500μV/m以下のもの
カ 通信設備以外の高周波利用設備であって、その高周波エネルギが50W以下のもの

(2) 予め総務大臣から技術基準に適合していることの指定を受けた次に掲げる設備(型式指定)
ア 誘導式読み書き通信設備
イ 搬送式インターホン
ウ 一般搬送式デジタル伝送装置
エ 特別搬送式デジタル伝送装置
オ 広帯域電力線搬送通信設備
カ 超音波洗浄機
キ 超音波加工機
ク 超音波ウェルダー
ケ 電磁誘導加熱を利用した文書複写印刷機械
コ 無電極放電ランプ

※型式指定を受けた設備には表示がある

(3) 製造事業者等が、機器の型式について技術的条件に適合していることの確認を自ら行い、総務大臣へ届け出た次の設備(型式確認)
ア 電子レンジ
イ 電磁誘導加熱式調理器

※型式確認を受けた設備には表示がある

◆特定無線設備(電波法)

_◇割り当て周波数

①微弱無線機器
微弱無線機器は電界強度で規定されており、使用周波数はどの周波数を使っても良い。実際には500μ/mが確保できる322MHz以下の周波数が使用される。

②特定小電力機器
テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用
400MHz帯、1200MHz帯で多くの割り当てあり。

③小電力データ通信システム
2400~2483.5MHz、2471~2497MHz

④市民ラジオ
26.968 26.976 27.040 27.080
27.088 27.112 27.120 27.144MHz

⑤小電力セキュリティ
426.25~426.8375MHz

◆電磁波輻射、法規制など
_◇日本
VCCI。。。自主規制。VCCIマーク。
_◇米国
FCC。。。FCCマーク
_◇欧州
EC指令。。。CEマーク<-電磁波だけでなく安全性等も含まれる。

◆各種団体
通信関係用語

①電波産業会(Association of Radio Industries and Businesses (ARIB))

http://www.arib.or.jp/

通信・放送分野における電波利用システムごとに基本的な要件を「民間の標準規格」として策定している団体。
国の規格が強制規格であるのに対して、電波産業会の規格は任意である。しかし、無線設備の相互互換性の確保から重要である。標準規格の策定以外に、無線の高度利用に関わる研究開発、調査なども行っている。

②3GPP(スリー・ジー・ピー・ピー)(Third Generation Partner-ship Party)

Third Generation Partner-ship Partyの略。
第3世代移動通信の標準化を行うためのプロジェクト。世界の主要な事業者、ベンダーが集まり具体的な標準仕様を策定している。
W-CDMAとその高度化方式の標準化を行っている。

③3GPP2(スリー・ジー・ピー・ピー・ツー)(Third Generation Partner-ship Party2)

Third Generation Partner-ship Partyの略。
第3世代移動通信の標準化を行うためのプロジェクトの1つで、CDMA2000およびその高度化方式の標準化を行っている。

④ITU(アイ・ティーユー)(International Telecommunication Union)

International Telecommunication Unionの略。
国際電気通信連盟。通信における国際的な標準化機関。有線系はITU-Tで、無線系はITU-Rで行われる。

⑤IEEE (The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)

◆登録証明機関
①財)テレコムエンジニアリングセンター
http://www.telec.or.jp
※品川

②財)日本アマチュア無線振興協会
http://www.jard.or.jp
※アマチュア無線のみ

③㈱ディーエスピーリサーチ
http://www.dspr.co.jp
※大阪

④㈱ケミトックス

Custom_Home


※東京都大田区

⑤テュフラインランドジャパン㈱
http://www.jpn.tuv.com
※横浜

⑥㈱アールエフテクノロジー
http:www.rft.jp
※横浜

⑦㈱UL Japan
http://uljapan.co.jp
※三重県

⑧㈱コスモスコーポレイション

TOP PAGE


※三重県

◆ISMバンド
工業用科学用および医事用周波数
周波数 許容偏差(日本)
13.560MHz ±0.05%(±6.78kHz)
27.120MHz ±0.6%(±167.72kHz)
40.68MHz ±0.05%(±20.34kHz)
433.92MHz* ±0.2%
915MHz ±13MHz
2450MHz ±50MHz
5800MHz ±75MHz
24125MHz ±125MHz

◆電波形式
電波法施行規則第4条-2で、電波の主搬送波の変調の型式、主搬送波を変調する信号の性質、伝送情報の型式が規定されている。

例)F1D

「周波数変調」、「デジタル信号である単一チャンネルのもの」で「変調のための副搬送波を使用しないもの」、「データ伝送、遠隔測定又は遠隔指令」

◆仕様書記載の主な特性

_◇総合特性
適合規格
準拠しているARIBの標準規格など
チャンネルスパン
各チャンネル間の周波数
チャンネル数
使用周波数帯域でその機器が使用しているチャンネル数
データ信号速度(ビットレート)
データ信号そのものスピード
単位はビット/秒(bps)
変調速度(ボーレート)
単位時間内の変調回数を表し、単位はボー(baud)
多値変調ではボーレートとビットレートが異なる
データ伝送速度
単位時間内の平均データ量
エラー制御、識別等によりデータ信号速度に比べ遅い
電波型式
電波法施行規則で規定されている電波の型式
通信方式
双方向通信or単向通信。
双方向通信: 単信通信or複信通信
送信出力
例)特定小電力機器 10mW以下
到達距離

_◇送信特性
空中線電力
周波数の許容偏差
標準符号化試験信号を変調入力として測定
隣接チャンネル漏えい電力
標準符号化試験信号により変調した場合
スプリアス発射の強度

※スプリアスは目的の電波以外に出てしまう不要輻射のこと

_◇受信特性
符号基準感度
特小の例)受信装置に標準符号化試験信号を加えた場合の出力のビットエラー率が1×10^-2となるための受信機入力電圧が規定

実効選択度におけるスプリアス・レスポンス
特小の例)実効選択度におけるスプリアス・レスポンスは40dB以上
隣接チャンネル選択度
特小の例)400MHzは30dB以上、1200MHzは40dB以上
局部発振器の周波数変動
副次発射
特小の例)副次的に発する電波等の限度が4nW(-54dBm)以下

◎ワイヤレスWAN/MAN

Wide Area Network
携帯電話
Metropolitan Area Network
都市エリアをカバーするブロードバンド接続

◆携帯電話

※携帯電話とPHSの違い

端末の送信電力、通信方式が大きく異なる。
PHS端末の送信電力は10mWで、携帯電話の場合は、世代やシステムによって異なり、最大600mWから2W程度。
PHSの出力が小さいのは、デジタルコードレス電話をベースとしたため。そのため、携帯電話が半径が数kmのマクロセル構成を基本としているのに対して、PHSは半径が数百mのマイクロセル構成を基本としている。
また、携帯電話は、送信と受信とで異なる周波数を用いているのに対して、PHSは同じ周波数を用いる。携帯電話は集中制御型のシステムで、PHSは分散制御型のシステムである。

※自動車・携帯電話周波数
800MHz,1.5GHz,2GHzなど
※PHS
1.9GHz帯域
※無線LAN
2.4GHzや5GHz

※移動端末や基地局の送信出力

方式毎に移動端末の送信出力は異なるが、移動端末の送信出力は最大で2W程度。
基地局の送信出力は最大で数10W程度。基地局の近くでは最大出力で送信する必要がないため、通信を行うのに必要な送信電力まで出力を抑える送信電力制御技術が適用される。
そのため、移動端末の送信出力は通常、数10mWから1W程度の間で変化する。また、基地局の送信出力も同様に変化する。

_◇PDC/PHS

①PDC
_◇FDD:周波数分割多重複信(上り下りで別の周波数を確保)
_◇周波数帯:800MHz, 1.5GHz
_◇基地局:0.5W-30W
_◇移動局:0.8W

②PHS
_◇TDD:時分割多重複信(同じ周波数で時間毎に方向を切り替える)
_◇周波数帯:1.9GHz
_◇基地局:20mW-500mW
_◇移動局:10mW

_◇GSM

_◇CDMA

_◇HSDPA
HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)

(wideband-CDMA with high speed downlink packet access)

上下非対称伝送で、下りに高速パケットデータ伝送を提供。下りは、基地局のごく近傍では14Mbps、平均的には3Mbps程度を実現。
品質の良いチャネルには多値伝送により伝送速度を高める方式。

3Gの一方式であるW-CDMAをベースに,適応変調(adaptive moduration)を取り入れ,高速データ通信に特化した下り専用の仕様。5MHzの帯域幅を使って,最大データ伝送速度は下り14.4Mビット/秒となる。100Mビット/秒以上を目指す「第4世代」へのつなぎという意味で「3.5G」と呼ぶこともある。仕様は第3世代移動体通信システムの規格化団体「3GPP」が策定した。日本では,NTTドコモが2005年中にサービスを開始する予定。

高速化に向けて,限られた周波数帯域の有効活用に向けた大きく3つの工夫を施した。1つは伝送路の状況に応じて変調方式を変える適応変調技術の採用である。BPSKやQPSKに加えて,伝送路環境が良好なら16値QAMという多値変調が利用できる。第2が適応スケジューリングである。チャンネルを共有するユーザーの中から受信状態の良いユーザーへのデータ伝送を優先しながら,平均では公平になるようなスケジューリングを行う。第3が,ハイブリッドARQである。再送信に,過去に送信されたデータを組み合わせて復号することで,受信特性の向上を図る。

なお,NTTドコモは,2004年5月末に開催された国際会議「International Conference on Beyond 3G Mobile Communications-2004」(ICB3G-2004)で2010年までに「Super3G」と呼ぶ無線ネットワークを4Gに先行して導入するというシナリオを明らかにしている(図)。Super3Gは「限りなく第4世代に近いという意味で,第3.9世代と言い換えてもよい。OFDMなど,第4世代向け無線技術を先取りする」(同社)。具体的な方式は現在検討中だが,速度は最大100Mビット/秒弱,遅延時間は現行の約10msに対して,0.5ms以下を目指す。

◆WiMAX
(World Interoperability for Microwave Access)

半径数kmの距離のユーザーに対して最大70Mビット/秒の無線データ通信を可能にする広域の無線アクセス規格。ADSLやケーブル・インターネットと同様に,家庭へのアクセス回線として利用する,いわゆる「ラスト・ワン・マイル」に向けた技術と位置づけられる。

WiMAXが利用する伝送規格
物理層とMAC層

IEEE802.16-2004 固定無線アクセス(WiMAX)
IEEE802.16e-2005 移動体用(モバイルWiMAX)
基地局間のハンドオーバーの使用は時速120km
200msまでであれば通信が途切れてもよい(選択可能)

IEEE802.16m IMT-Advancedへの提案

WiMAX Forum
www.wimaxforum.org
※対応製品の相互接続性の確立に向けたプログラム
「WiMAX Forum Certified」

_◇電波法設備規則 第49条の28

◆移動通信プロトコル

_◇ARQ
Automatic Repeat and ReQuest 移動通信で使われる誤り検出&自動再送制御の方式
Stop and Wait ARQ
Go-back-N ARQ
Selective Repeat ARQ

_◇ターボ符号
第3世代携帯電話で利用されている符号。2つの畳み込み符号器を用いる。1つは、情報の系列にそのまま畳み込み符号化を行い、チェックビットを発生させる。もう1つの系列では、情報をインタリーブ(時間的に入れ替え)して畳み込み符号化を行い、チェックビットを発生させる。
送信の際は、チェックビットを交互に送信する。受信側では、最尤復号方法により、再帰的に何度も復号して信頼性を向上させる。仮の尤度を求め、それを基に尤度の精度を高める。
この原理がエンジンの廃棄ガスを再利用するターボエンジンに似ているために、ターボ符号と命名された。

_◇パンクチャーリング
畳み込み符号で、符号化効率を変える方法。符号化はそのまま行い、送信のビットを間引きして伝送する。受信側では、間引きされた部分にゼロを挿入して復号する。訂正能力は若干低下すr。。
符号化効率を簡単に向上できることが特徴で、よく利用される。例えば、符号化効率1/2の符号に対して本技術を用いると3/4や7/8が実現できる。

◎無線LAN

◆IEEE802.11b
▽2.4GHz帯(利用周波数帯域幅20MHz)
▽直接拡散方式スペクトラム拡散 DSSS
(QPSK,BPSK)
▽変調方式 CCK, PBCC
▽11Mb/s
▽伝送距離30m
▽アクセス制御方式:CSMA/CA
▽ARIB STD-T66, T33
▽電波法設備規則 第49条の20の1,2
▽ネットワーク容量 32ノード
▽プロトコルスタックの容量目安
1MB以上

▽送信出力
最大+20dBm(100mW)

▽IC消費電力
①受信:300-600mW
②送信:500-900mW
③待機(ビーコン受信+スリープの平均):1mW
④スリープ:200μA

◆IEEE802.11a
_◇5.2GHz帯
5GHz, 54Mbit/s, OFDM,帯域20MHz

※国内
屋内限定: 5.15~5.25GHz (2000)
5.25~5.35GHz (2005)
屋外OK: 5.470~5.725GHz (2007)

_◇ARIB STD-T71
_◇電波法設備規則 第49条の20の3

◆IEEE802.11g
2.4GHz, 54Mbit/s, OFDM
_◇ARIB STD-T66
_◇電波法設備規則 第49条の20の1

◆IEEE802.11n
_◇2.4GHz帯
OFDM+MIMO, 20MHz帯域~300Mbps, 40MHz帯域~600Mbps
_◇5GHz帯
OFDM+MIMO, 20MHz帯域~300Mbps, 40MHz帯域~600Mbps
_◇ARIB STD-T66, T71
_◇電波法設備規則 第49条の20の1,3

◆IEEE802.11e
QoS強化仕様
_◇EDCA…事実上標準
_◇HCCA

◎ワイヤレスPAN
Private Area Network

◆IEEE 802.15 Working Group
http://www.ieee802.org/15

IEEE 802.15.1 Bluetooth
IEEE 802.15.2 Bluetoothと無線LANの共存
IEEE 802.15.3 WiMedia (製品化実績なし)
—> IEEE 802.15.3a UWB
IEEE 802.15.4 低速度PAN(ZigBee物理層)
—> IEEE 802.15.4a UWB/2.4GHz帯CSS
(低速UWB, 位置検知)
—> IEEE 802.15.4b 802.15.4に900MHz帯などのチャネルを追加
—> IEEE 802.15.5 メッシュネットワークに必要な物理層とメディアアクセス層

◆Bluetooth

Home

▽IEEE 802.15.1
▽2.4GHz帯(利用周波数帯域幅79MHz)
▽周波数ホッピング方式スペクトラム拡散(ホッピング回数1600回/秒) FHSS
▽変調方式 GFSK
▽1Mb/s(非同期、非対称で最大723.2k)
▽伝送距離10m(送信出力0dBm)
▽アクセス制御方式無し
▽ARIB STD-T66
▽電波法設備規則 第49条の20の1

▽通信距離の目安
class 1(100mW) 100m
class 2(2.5mW) 10m
class 3(1mW) 1m
▽プロトコルスタックの容量の目安
250kB~

_◇問題点
①スリープからの立ち上げに3秒以上かかる
②ピコネットは1台のマスタノードに対して7スレーブ
③プロトコルがかなり複雑

_◇BR basic rate

_◇EDR enhanced data rate (BT Ver.2.1+EDR)
3.0Mbit/s
GFSK->DQPSK(π/4シフト)または8値DPSK追加

_◇3.0 + High Speed(HS)
2009年4月仕様公開
IEEE802.11の物理層とMAC層が利用できる。
24Mbit/s
ただし、上位層はBluetoothなので、ハードウエアを共用することは可能だが、無線LAN機器と通信できるわけではない。
AMP: alternate MAC/PHY

◆ZibBee + IEEE802.15.4

_◇概要
▽規格
物理層とMAC層 IEEE 802.15.4-2003
上位 ZigBeeアライアンスによる
※HomeRF Lite規格から転用

▽ARIB STD-T66
▽電波法設備規則 第49条の20の1

▽周波数帯
①2.4GHz帯
②900MHz帯
868/915MHz

▽電池寿命 数ヶ月~数年

▽データ伝送速度 250kbps

▽通信距離目安 室内30m、室外100m

※通信距離と伝送速度の注意点
送信パワーが変わらなければ、高い伝送速度は、より高い受信感度を必要とし、かつ、通信距離は短くなる

※通信距離は送信パワーのn乗に比例する。nの値は伝送路の状態によって変わる。(見通しの良い室外で2程度、一般室内では2.5~4)

▽メッセージの遅延時間
強いリアルタイム性には向いていない。特にマルチホップのメッシュネットワーク

▽トポロジ
スター、メッシュ、クラスタ・ツリー

▽アドホックネットワーク
最大65536ノード

▽CSMA/CA

▽フルハンドシェイク

▽保証タイムスロット(オプション)

▽コストの注意点
RF, MCUだけでなく、プロトコルスタックのロイアルティ、外付け水晶振動子、アンテナコネクタ等が大きく影響する。

▽セキュリティの注意点
通信フレームの長さ、リソースの実装コスト

※IEEE 802.15.4セキュリティ・スイート
AES-CCM-64

_◇ZigBeeアライアンス

▽メンバランク
Promoters アライアンスの決定権を持つ幹事企業
Participants 規格策定に参画できる企業
Adopters 準拠製品の開発ができるメンバ

▽ZigBee 1.0 … 2004年12月末

_◇レイヤ構造

▽IEEE 802.15.4
①物理層(PHY)
②メディア・アクセス層(MAC)
1ホップ内でメッセージが正しく伝達されることを既定

▽ZigBee仕様
③ネットワーク層(NWK)
ネットワーク管理、ルーティング管理
④アプリケーションサポート副層(APS)
アプリケーション間の論理的な通信経路の確立
論理サブチャネルとしてのエンドポイントのサポート

▽アプリケーション層(APL)

※AF アプリケーションフレームワーク
※ZDO ZigBeeデバイスオブジェクト

▽IEEE 802.2 LLC (Logical Link Control)
LLCに接続する実績は乏しい(無い)が802のため、サポートの必要がある
SSC副層(Service Specific Convergence)

▽HW,SW
MAC層の前半程度まで、集積回路内にHWで実装される。
他はSW
IEEE 802.15.4のMAC層。。。20KB程度
その上のZigBee(フルスペック)。。。30KB程度
▽Primitive
各層で提供されるインタフェースについての統一した表現。APIではなく、必要な機能のみが定義されている。

①要求 request
サービスを下位層に要求する(要求側の実装)
②確認 Indication
下位層からのサービス結果の確認(要求側の実装)
③応答 Response
サービス要求の上位層への通知(提供側の実装)
④確認 Confirm
上位層からのサービス要求への応答(提供側の実装)

_◇論理デバイスタイプ

▽IEEE 802.15.4名称→ZigBee名称
①PANコーディネータ
→ZigBeeコーディネータ
②コーディネータ
→ZigBeeルータ
③ネットワークデバイス
→ZigBeeエンド・デバイス

※1つのPAN
①同時に共通な通信チャネルの使用が可能
②ネットワークアドレスのみで相互に認識可能
③共通ネットワーク識別子 PAN IDをもつ

▽ZigBeeコーディネータ
ネットワークに1ノード
ネットワークの立ち上げ機能あり、全ノード管理可能
ルータ+ビーコン
※常時動作し、リーソス大なので消費電力大。さらにバックボーンへのゲートウエイをかねる

▽ZigBeeルータ
ネットワークに複数ノード可能
配下の子ノード管理可能
ルータ+ビーコン
※ルータ動作のため常時動作必要、消費電力大。

▽ZigBeeエンド・デバイス
複数ノード可能。自分の親ノードのルータかコーディネータとしか交信できない。スリープできるので消費電力小。

_◇物理デバイスタイプ
IEEE 802.15.4の定義

▽FFD (Full-Function Device)
ルータ機能あり。コーディネータ、ルータも可能。
MAC層目安16kB~20kB
->管理用のRAMの容量も要求される

▽RFD (Reduced-Function Device)
ルータ機能なし、エンドデバイスのみ可能
MAC層目安12kB~16kB

_◇周波数帯域とチャネル

IEEE 802.15.4仕様

▽868MHz帯
チャネル数1 BPSK変調 20kbps (欧州向け)
最低受信感度 -92dBm

▽915MHz帯
チャネル数10 BPSK変調 40kbps
最低受信感度 -92dBm
※802.15.4b 250Mbps

▽2.4GHz帯
チャネル数16 O-QPSK変調 250kbps
シンボルレート 62.5kシンボル/秒
チップレート 2Mシンボル/秒
PN符号列の長さ 32チップ
送信パワー -3dBm以上
※日本の規制は最大10mW/MHz
最低受信感度 -85dBm以下
チャネル11 中心周波数2405MHz

チャネル26 中心周波数2480MHz
※中心周波数間隔 5MHz
※各チャネル帯域 2MHz

_◇最大パスロス、送信パワー、受信感度
PL: Path Loss
PTx: Transmission Power
SRx: Receiver Sensitivity

PL[dBm] = PTx[dBm] – SRx[dBm]

送信パワー-3dBm, 受信感度-85dBmからパスロス82dBm

※2.4GHz帯のパスロスと送信距離の関係

PL[dBm]=40+10n*Log[10](d)

ここで、nは伝送経路の品質を表す指数、dは伝送距離[m]

目安)
見通しのよい室外 n=2 通信距離126m
電波環境のよい室内 n=2.5 通信距離48m
電波環境の悪い室内 n=4 通信距離11m

※通信距離は通常、送信パワーの2~4乗に比例する。

※他の最低受信感度
BT -70dBm
WiFi -76dBm
携帯 -110dBm

_◇PN符号列、チップレート
0~16までのPN符号列がある。(循環シフトと共役関係がある)

※チップレートは2MHz(0.5μS)=搬送波1200周期
チップ列は32なので2MHz/32=シンボルレートは62.5kHz
1シンボルは4ビットなので62.5*4=250kbps

※IEEE 802.15.4ではLSBが先

_◇IEEE 802.15.4変調、復調のステップ

※変調
①ベースバンドのビットストリームを4ビット毎にシンボルとする。
②シンボルをPN符号のチップ列に変換する。
③PN符号チップ列を奇数、偶数のチップに分割し、それぞれをI相PSK信号、Q相PSK信号とする。
④I相PSK信号、Q相PSK信号をそれぞれDA変換し、アナログ信号にする。(ハーフサイン波)
⑤上記のハーフサイン波の一方を搬送波、もう一方を搬送波をπ/4の遅延回路を通して得られた直交搬送波と乗算し、変調波の同相成分と直交成分を作る。
⑥同相成分と直交成分を加算し、パワーアンプで増幅してアンテナから送出する。

※復調
①アンテナから受信された高周波に、搬送波および直交搬送波をそれぞれ掛け合わせ、同相成分と直交成分に分離、位相検出を行う。
②位相アナログ信号をA/D変換し、I相とQ相のチップ列にする。
③I相、Q相のチップ列を合成する。
④合成されたチップ列と16種類のPN符号列との相関計算を行い、最も相関の高いPN符号列を選択する。
⑤シンボルを4ビットデータに変換する。

_◇IEEE802.15.4 物理層サービス

※PD-DATA データサービス
①発信側MAC層
PD-DATA.requestを物理層に要求する。パラメータにはpsduLength(≦127)のペイロードの長さと、psduペイロードのバイト配列からなる。

※psduLengthには自身の長さは入らない

②発信側物理層
送信確認プリミティブPD-DATA.confirmをMAC層に返す。受信中(RX_ON)であったり、RFが動作していない(TRX_OFF)は失敗として返される。
③物理層間でデータが送られる。
④受信側物理層は受信データフレームにリンク品質指数を追加し、PD-DATA.indicationプリミティブとして受信側の上位層であるMAC層に着信を通知する。

※LQI: Link Quality Indication
1バイト整数。具体的計算方法の規定なし。

⑤オプションとして物理層間での伝送ACKを要求できる。

※物理層管理サービス
PLME: Physical Layer Management Entity
全てのプリミティブがローカルノード内で完結する。

PLME-CCA
Clear Channel Assessment
クリアチャネル判定
8シンボル周期

PLME-ED
電界エネルギー測定
受信電波の強度(ただしIEEE 802.15.4とは限らない)を測定。8シンボル周期。8ビット精度の電界強度測定値(EnergyLevel)が得られる。ただし相対値であり、絶対値への変換方法は規定されていない。

PLME-GET
情報ベース読み取り
PhyCurrentChannel(使用中チャネル)
PhyTransmitPower(送信パワー)

PLME-SET
情報ベース書き込み
PhyCurrentChannel(使用中チャネル)
PhyTransmitPower(送信パワー)

PLME-SET-TRX-STATE
送受信動作設定
送受信を開始または停止できる。消費電量をさげるため。

_◇IEEE802.15.4 物理層フレーム
PPDU PHY Protocol Data Unit

①同期ヘッダ 5バイト
4バイトのプリアンブル(Preamble) ‘0’
※プリアンブルの32ビットで、チップ同期とビット同期が取られる
1バイトのSFD(Start-of-Frame Delimiter) ‘0xA7’
②長さ 1バイト
PSDUの長さのバイト数。最大127.最も短いMAC層のACKフレームは5バイト。他は8バイト~
③物理層ペイロード(PSDU) 0~127
PHY Service Data Unit

_◇IEEE802.15.4 MAC層
CSMA/CA方式

※スーパーフレーム (実装はオプション)
仮想的な通信時間割り。タイムスロットを16個まとめたもの。(スタートポロジー)

0番 ビーコンフレーム
1番~15番は
CAP Contention Access Period
競争アクセス期間
どのノードも自由に使える
Latencyを保証できない
CFP Contention Free Period
無競争アクセス期間
GTS(Guaranteed time Slot)
保証タイムスロット
CAPは8個から最大15個まで
CFPは最大7個、CAPの後に配置
1つのGTSは複数の連続的なCAPタイムスロットで構成

周期
基本スロット幅ミニマム
aBaseSlotDuration
60シンボル
0.96mS

基本スーパフレーム期間
BaseSuperFrameDuration
基本スロット幅*16=15.36mS

SO: Superframe Order

スーパフレーム期間=基本スーパフレーム期間*2^SO

ただし、0≦SO≦14
SO=15はスーパフレーム機能しない

BO: Beacon Order

ビーコン周期=基本スーパフレーム期間*2^BO
ただし、0≦BO≦14
BO=15は非ビーコンシステム

BO=SOならば不活性期間(Inactive Period)なし、BOをSOより長くすれば不活性期間あり。不活性期間ではネットワーク全体がスリープ状態に入ることができる。

※ビーコン

ルータまたはコーディネータがスーパフレームの最初で周辺の子ノードへマルチキャストする

※データの集約
シンク・ノード(コーディネータ、ルータ)

_◇IEEE802.15.4 データ伝送モデル

①ビーコンネット
スタートポロジ

子ノードから親ノードにはPUSH型となる
親 定期的にビーコン発行
子 ビーコン受信し、スーパフレーム知る
GTS確保。。。送信
CAP。。。競争して確保
スロット開始同期
親から子へのACKはオプション

親ノードから子ノードにはPULL型となる
親 定期的にビーコン発行
データペンディング情報含む
子 ビーコン受信し、スーパフレーム知る
GTS確保。。。送信
CAP。。。競争して確保
スロット開始同期
親へデータ送信要求
親 12シンボル後にACK
ペンディングデータ送信
子 ACK
親 ACKによりペンディングデータ削除

②非ビーコン

スリープできる子ノードから常時動作親ノードもしくは、常時動作ノード同士はPUSH型となる
送信 通常のCSMA/CAで送信
受信 ACK

常時動作親ノードからスリープできる子ノードへはPULL型となる
子 親にペンディングデータ確認
親 ACK
ペンディングデータもしくは空送信
子 ACK
親 ACK受信し、ペンディングデータ削除

_◇IEEE802.15.4 MAC層サービス

①データサービス

MCPS-DATA
データ通信
MCPS-DATA.request
ScrAddrMode 0x00-0x03
送信アドレスモード
SrcPANId 0x0000-0xFFFF
送信PAN ID
SrcAddr 0x0000-0xFFFF
送信アドレス
DstAddrMode 0x00-0x03
送信アドレスのモード
DstPANId 0x0000-0xFFFF
受信PAN ID
DstAddr 0x0000-0xFFFF
受信アドレス
msduLength <=102
ペイロードの長さ
msdu バイト配列
ペイロード
msduHandle 0x00-0xFF
MSDUのハンドル
TxOptions 0000XXXX
ACK,GTSなどのオプション

MCPS-PURGE
送信データ取り消し

②管理サービス

MLME-ASSOCIATE
ネットワーク接続
親ノードへの接続要求。上位のネットワーク層の管理機能はまた別
MLME-DISASSOCIATE
ネットワーク接続の切断
MLME-ORPHAN
孤立したデバイスの管理
孤立した子ノードが通知する。
MLME-GTS
保証時間スロットGTSの管理
MLME-SYNC
親ノードとの同期
MLME-SYNC-LOSS
同期紛失の通知
MLME-START
ビーコン発信の開始
MLME-BEACON-NOTIFY
ビーコン受信の通知
MLME-POLL
ペンディングデータの送信要求
MLME-COMM-STATUS
通信ステータスの通知
上位層に通信ステータスの正常/異常を通知
MLME-RX-ENABLE
受信機能開始と停止
MLME-SCAN
チャネル・スキャン
電界強度スキャン
アクティブスキャン(ビーコン要求)
パッシブスキャン(ビーコン探知)
孤立スキャン(再加入応答メッセージ待ち)
MLME-GET
MAC層情報ベースMIB書き込み
MLME-SET
MAC層情報ベースMIB読み取り
MLME-RESET
MAC層のリセット

③MAC層セキュリティ・サービス

※セキュリティなしモード
※ACLモード
ACL(Access Control List)に入っているノードのみと通信許可
※セキュリティ・モード
ACLに加えて、AES(Advanced Encryption Standard)暗号化を行う
セキュリティスイートにより提供される機能異なる
認証、暗号鍵の交換などは上位層のセキュリティ機能に依存する

_◇IEEE802.15.4 MAC層フレーム構造

MPDU MAC Protocol Data Unit

物理層のペイロード(PSDU)の上にのせられる。

①フレームコントロール 2バイト
bit 0-2 フレームタイプ
3 セキュリティ
4 ペンディング
5 ACK要求
6 PAN内部
10,11 受信アドレスの有無と長さ
14,15 送信アドレスの有無と長さ
②シーケンス 1バイト
③アドレス 0~20バイト
受信PAN ID 0/2
受信アドレス 0/2/8
送信PAN ID 0/2
送信アドレス 0/2/8
※MAC層のアドレスは、1ホップのアドレスであり、真の送信元と送信先は、上位層による。
※0xFFFFはブロードキャスト
④MAC層ペイロード MSDU
⑤チェックサム CRC

※ビーコンフレーム
ビーコンフレームはスーパフレームの同期に使われるだけでなく、子ノードがネットワークに参加する場合には、
子:ビーコン要求をブロードキャスト
周辺ノード:ビーコンフレーム送信
で子は潜在的な親ノードを見つけるので実装必須

ビーコンフレームのデータペイロード
スーパフレーム 2
GTS ≧1
ペンディング ≧1
ビーコンペイロード(ZigBeeで規定)

※データフレーム
データフレームのペイロードは
MSDU=NPDU
ネットワーク層フレームである

※ACKフレーム
フレームコントロール、シーケンス、チェックサムの5バイトからなる

※コマンドフレーム
RFDのデバイスにはオプション機能

MSDUはコマンド1バイトとコマンドペイロードからなる。

0x01 接続要求
0x02 接続応答
0x03 接続切断通知
0x04 データ要求
0x05 PAN ID衝突
0x06 孤立の通知
0x07 ビーコン要求
0x08 コーディネータ再配置
0x09 GTS要求

_◇ZigBee ネットワークトポロジ

IEEE802.15.4の
スタートポロジ
P2Pトポロジ
から、複雑なトポロジを派生する。

※スター・トポロジ
中心ノードはコーディネータかルータ
FFD(Full-Function Device)が必要になる。
端末に要求はない。RFD(Reduced-Function Device)で良い。端末ノードは、中心ノードと直接交信できる範囲に設置しなければならない。

※メッシュ・トポロジ
中心ノードは特に存在しない。IEEE802.15.4ではサポートされないので、上位ネットワーク層のルーティング機能による。ノードは、コーディネータか、ルータ(FFD)でなければならない。
マルチホップが可能であり、また、通信ルートは冗長化される。しかし、他のノードの中継のため、スリープさせにくく、消費電力的に難しくなる。ルーティングテーブルなどの実装のため、リソース要求が大きくなる。

※クラスタ・ツリー・トポロジ
ピラミッド型のツリー構造。FFDは親ノードとしてFFDまたはRFDを子ノードにできる。子のFFDは孫ノードを持つことができる。ピラミッドのルートはコーディネータ、他の親ノードはルータ。末端はルータでもエンドデバイスでも良い。
管理しやすいが、通信経路の柔軟性を欠く。

※実際にはハイブリッド型のトポロジも多い。

_◇IEEE802.15.4 / ZigBee; PAN IDとアドレス

※IEEE802.15.4 PAN ID
Personal Area Network ID
2バイトのPAN ID
0xFFFF ブロードキャストまたは未定のPAN ID

IEEE802.15.4ではPAN IDのアサイン方法、衝突の回避方法については定めていない。

※ZigBee ネットワーク層仕様
①コーディネータは、ネットワーク立ち上げ時にオプションとしてデフォルトのPAN IDをアサインできる。
②コーディネータは、指定チャンネルリストにスキャンを行い、周辺ネットワークを探索する。
③アサインしたPAN IDが衝突しなければデフォルトを使用する。衝突が発生した場合は、0x0000-0x3FFFの範囲でランダムに選択。
④0x4000以上は予約。

※IEEE拡張アドレス
64ビット。IEEE802.15.4準拠のRFチップの1個1個にユニーク。PAN内部は勿論、PANを跨いでも使用可能。アドレス幅が大きいのでオーバヘッド大きい。

※IEEE802.15.4短縮アドレス
PAN内部のみ。2バイト。例外除き、割り当て方法に規定なし。
0xFFFF ブロードキャストもしくは未定
0xFFFE IEEE拡張アドレスのみ使用

※ZigBeeネットワーク層ネットワークアドレス
IEEE短縮アドレスの定義方法を定めたもの。クラスタ・ツリー・トポロジ上の下位層の位置によりノードのアドレスが定まる。
頂点 0

nwkMaxChildren Cm
最大子ノード数. 1ノードにぶる下がる数。
nwkMaxRouters Rm
最大ルータ数. 1ノードにぶる下がる数。
nwkMaxDepth Lm
最大階層数

第d層のルータ子ノードのアドレス容量
Cskip(d) = (1+Cm-Rm-Cm*Rm^(Lm-d-1))/(1-Rm)

TOPはd=0. Cskip(d)=0となったら階層は行き止まり。
親の番号に+1したものを最初の子の番号。
次の子は、Cskip(d)の数を加えた番号にすると、番号を振り切れる。

ルータ子ノードアドレス。
A(N)=Aparent + 1 + Cskip(d)(N-1) [1≦N≦Rm]

エンドデバイス子ノードアドレス
A(M)=Aparent + Cskip(d)Rm + M [1≦M≦(Cm-Rm)]

Cm, Rm, Lmの値は各ノードのInformation Baseに格納されており、これに基づきルーティングされる。ネットワークの各ノードは共通の値を持たなければならない。

_◇ZigBee 1.0 スタックプロファイルアドレス要求
①ホームコントロール
最大子ノード数 20
最大ルータ数 6
最大階層数 5
隣接テーブル容量 29以上

②ビルディングオートメーション
最大子ノード数 14
最大ルータ数 10
最大階層数 10
隣接テーブル容量 30以上

③プラント制御
最大子ノード数 22
最大ルータ数 7
最大階層数 5
隣接テーブル容量 87以上

_◇ZigBee 隣接テーブル
Neighbor Table
すべてのデバイスタイプのノードは隣接テーブルを実装する必要がある。1ホップ範囲にある周辺ノードのIDやタイプ、関係などを格納する。

_◇ZigBee ネットワークへの参加
参加しようとする子ノードが親ノードからネットワークアドレスをアサインされて、他のノードとの通信を可能にするプロセス。

①直接参加
事前にノードのアドレスをEEPROMに書き込んでおくか、一旦、ネットワークに参加したノードのアドレスをEEPROMに保存しておく。

②参加申請
EEPROMに情報が無い場合に、MAC層の接続要求でネットワークに参加する。

_◇ZigBee ルーティング

①ツリールート
ZigBeeのネットワークアドレスは、ツリー・ルート情報が含まれる。

※第d層にあるルータの場合、以下の式を満足する目的アドレスDは、ルータの子ノードである。

A<D<(A+Cship(d-1)) ※上記の判断により、ネットワークアドレスだけで、ツリーにそってノードを上り下りすることでメッセージを送ることができる。 ②P2Pルート AODVルーティングアルゴリズム ※ルートコスト 出来るだけ少ないホップ数とリンク品質の高さ。1ホップのノード間をリンクコストとよび、3ビットの整数で表す。マルチホップの場合は、リンクコストの合計をルートコストとする。 ※IEEE802.15.4に定めるLQI (Link Quality Indication: リンク品質指数)を使ってリンクコストを計算することが薦められる。 ※ルーティングテーブル Destination Status Next-hop address ともかくNext-hopへ行き、次の指示を探す ※ルート発見テーブル ルート発見プロセス後削除される一時的なもの Route request ID シーケンス番号 Source address 送信元ネットワークアドレス Sender address 前ホップのアドレス Forward cost 送信元からのコストの合計 Residual cost 目的地までのコストの合計 Expiration time 発見タイムアウト・ミリ秒

_◇AODVルーティングアルゴリズム

Ad hoc On-demand distance Vector IETF(Internet Engineering Task Force)のMANETワーキンググループにより提案されたアルゴリズム。 ルート確立時には、RREQルート要求メッセージがブロードキャストされ、中間ノードは次々にリレーして探索が広がる。最も低いコストのRREQが目的地に到達すると、到着経路を逆に遡ってRREPがユニキャストされ、ルートを確立する。

_◇ZigBee ブロードキャスト ※ブロードキャスト半径 BroadcastRadius 1 … 1ホップの範囲のみでブロードキャスト 0 … ネットワーク上の全てにブロードキャスト ※ユニキャストならACKが得られるが、ブロードキャストではパッシブACKを使う。送信した相手が自分の発したブロードキャストを中継したことを傍受する。

_◇ZigBee ネットワーク層フレーム構造 NPDU (Network layer Protocol Data Unit) フレームコントロール2バイト 目的アドレス 2 送信元アドレス 2 ブロードキャスト半径 0/1 BCSNシーケンス 0/1 ネットワーク層ペイロード NSDU ※データフレーム NSDUにはアプリケーションサポート服装のAPDUが載る ※コマンドフレーム NSDUには コマンド1バイト コマンドペイロード が乗る 0x01 RREQ 0x02 RREP 0x03 ルートエラー

_◇ZigBee APS

Application Support Sub-Layer ※フレーム構造 APDU (Application support sub-layer Protocol Data Unit) ネットワーク層データフレームのNSDUの上に搭載される。 フレームコントロール(1) アドレス(0~5) 目的エンドポイント クラスタID プロファイルID 送信元エンドポイント データペイロード ①データフレームの場合 アドレスは2~5 データペイロードはASDUと呼ばれる Application support sub-layer Service Data Unit ②コマンドフレーム ZigBee 1.0 ではAPS層コマンドを使用しない アドレス無し、ASDUにコマンドとペイロード ③ACKフレーム アドレスは2~3 データペイロード無し

_◇ZigBee Profile

※Application Object センサやコントローラなど、ネットワークに接続するデバイス。 ※Profile アプリケーションオブジェクトの入出力データの形式の規定。 属性(Attribute) 入出力パラメータ 属性毎に2バイトの識別用属性IDが与えられる クラスタ内で有効 クラスタ(Cluster) 構造体 同じ方向で通信するオブジェクトの集合 データストリームのようなもの 1バイトの識別用クラスタID プロファイル インタフェース 2バイトのプロファイルID (ZigBeeアライアンスにより割り当て) ※プロファイルの種類 Public Profile ZigBeeアライアンスにより標準化されたもの Published Profile メーカにより公開 Private Profie メーカ独自、未公開 ※標準プロファイル Dimmer Remote Control 調光照明スイッチ Dimming Load Controller 調光照明ライト Light Sensor Monochromatic 単色光センサ Occupancy Sensor 在室センサ Switch Remote Control 照明スイッチ Switching Load Controller 照明ライト Automatic Meter Reading 自動検針 Commercial Building Automation Home Automation HVAC 空調設備 Industrial Plant Monitoring Hospital/Patient Monitoring

_◇ZigBee エンドポイント

1つの物理ワイヤレスノードで、複数のアプリケーションオブジェクトが同時通信できるようなサブチャネル。エンドポイント番号は以下のような割付。 0 ZDO ZigBeeデバイスオブジェクト (ネットワーク管理機能) 1~240 アプリケーション・オブジェクト用 241~254 保留 255 全てのエンドポイント ※アプリケーションによりエンドポイントの実装要求異なる。 ※アプリケーションは複数のエンドポイントを占めても良い。(エンドポイントを共有することはできない) ※バインディング、間接アドレス指定 通信経路上にBinding Tableを配置し、送信元のアドレス・エンドポイント・クラスタIDとあて先のアドレス・エンド・ポイントを記憶させることで、間接アドレスにより、ネットワークアドレスを使わずに、クラスタIDとエンドポイント番号とで通信ができる。 バインディングは一方通行なので、逆方向も必要な場合は、もう別に用意する。送信元一つに対して送り先は複数でもよい。 ※プロファイルによりバインディングの実装要求異なる。

_◇ZigBee セキュリティ

IEEE 802.15.4のMAC層の128ビットAES上に構築される。 Trust Center(通常はコーディネータが兼任する)が必要。新規参加ノードの認証、暗号キーの発行、更新を行う。 Freshness プリレイメッセージ攻撃からの守備 Integrity 途中改ざん防止の保証 Authentication 偽装侵入の防止 Encryption 暗号化 Master Key … 盗聴できない方法で設定(有線) Network Key … Trust Centerによるアサイン可。定期更新もできる。 Link Key … 特定デバイス間のキー。Trust Centerによるアサイン可。 Trust Centerには住宅用モードと業務用モードあり

_◇ZigBeeアプリケーション層

※ZigBeeアプリケーションフレームワーク ①ネットワークを管理するプログラムがノード毎にアプリケーションオブジェクトとして実装されている。 →ZDO (ZigBee Device Object) ②アプケーション層のオブジェクトは、アプリケーションフレームワークの中にあって、アプリケーションサポート副層の上にのっているが、同じ階層にあるZDOの機能を使うこともできる。 ※アプリケーションフレームワークの標準データタイプ →データ無し、符号なし8ビット整数から時間、文字列、バイナリ配列 ※AFフレーム構造 ASDUの上に搭載される。 トランザクション数 4ビット フレームタイプ KVPかMSGか トランザクション ※KVP (Key Value Pair) フレームフォーマット キーとデータの値のペア シーケンス(8bit) コマンドタイプ(4bit) 0x1 Set 0x2 Event 0x4 Get with acknowledgement 0x5 Set with acknowledgement 0x6 Event with acknowledgement 0x8 Get response 0x9 Set response 0x10 Event response 属性データタイプ(4bit) 属性ID(16bit) (応答の場合のみエラーコード8bit) 属性データ ※MSG(Message)フレームフォーマット シーケンス(8bit) データサイズ(8bit) 属性データ

_◇ZigBeeデスクリプタ

ノードまたはアプリケーションの特性をネットワーク上の相手にしらせるための構造体 ノード ノードパワー シンプル(エンドポイントの特性)

_◇ZDO のオプジェクト

①デバイスとサービス発見 ネットワークアドレス、拡張アドレスの発見、デスクリプタの取得、照合など ②ネットワーク・マネージャ ネットワーク情報ベースへのアクセス、ネットワークの発見、立ち上げ、参加、離脱など ③バインディング・マネージャ バインディングの確立、解消 ④ノード・マネージャ ネットワーク管理 ⑤セキュリティ・マネージャ キーの確立、伝送、認証など

_◇ホーム照明プロファイル

SRC (Switch Remote Control) スイッチ SLC (Switching Load Controller) 照明

_◇テスト

①ZigBee適合性テストのレベル IEEE802.15.4準拠 ZigBee準拠 ZigBee認定 ②電波法 技術基準適合証明 工事設計認証

_◇無線LANとZigBeeの推薦チャネル

無線LAN 1ch 2401~2423 6ch 2426~2448 11ch 2451~2473 ZigBee 15ch 2424~2426 20ch 2449~2451 25ch 2474~2476 26ch 2479~2481 ※無線LANと重ならないチャネルにする ※重なる場合でも無線LANのアクセスポイントから5m以上離せば影響避けられる ※BTとはほんど干渉ない ※電子レンジからは5m以上離す ※隣接するZigBee同士の影響はない

_◇製品例

▽AZEL-N01 (モジュール) データレート 250kbps 周波数 2400-2485MHz 受信感度 -97.5dBm(Normal Mode) -98.5dBm(Boost Mode) 送信電力 -32dBm~+3dBm(Normal Mode) -32dBm~+5dBm(Boost Mode)

◆Cypress CyFi CyFi Low Power RF

_◇概要

距離10m データレート 250kbps (最大1Mbps) 1:Nのスター型ネットワーク ※適合規格 ETSI EN301 489-1V1.41 ETSI EN300 328-1V1.3.1 FCC CFR 47 Part 18 ARIB STD-T66

_◇チップセット構成

※RFトランシーバIC CYRF7936 ※コントローラ PSoC CY8C2xxxx 24MHz ※プロトコルスタック 1:250 Star Network

_◇通信方式

1時DS-SS GFSK 250kbps (DS-SSディセーブル時1MHz) 拡散符号速度1Mcps 出力1mW チャネル周波数帯域幅 1MHz チャネル数83 ※周波数アジリティ方式 干渉検知時に周波数切換。 ※CYRF7936 送信出力 +4dBm 受信感度 -97dBm

_◇プロトコルスタック

◆Cypress Wireless USB

CYRF6936 AgileHID プロトコル V2.2 1:1もしくは1:2接続、HID用 PSoCだけでなく、SPIマスタを内蔵するマイコンで制御可能

◆人体通信

◎近中距離

◆IP500

◆SmartMesh

◆THREAD

◆Wi-SUN

◎ネットワーク・トポロジ

◆アドホック

Ad-hoc 「その場限り」 Self-organization 自己組織化

◆マルチホップ

Multi-hop 一つ以上の中間ノードを経由する

◆メッシュ・ネットワーク

Mesh 通信端末の全てがルータ機能を持つ。各ノードは中継機能を持つと同時にP2P(Pear-to-Pear)トポロジを実装する。

◎2.4GHz帯ISM

Industry Science Medical band

◆送信出力

米国 1W 欧州 100mW 日本 10mW/MHz

◆国内使用可能周波数:2400MHz-2483.5MHz

◆水の共振周波数:2450MHz(電子レンジ)

◆アマチュア無線:2400MHz-2450MHz

◆HomeRF

http://www.homerf.org

_◇2.4GHz帯(利用周波数帯域幅79MHz)

_◇周波数ホッピング方式スペクトラム拡散(ホッピング回数50回/秒)

_◇1Mb/s(2値FSK)2M(4値FSK)

_◇伝送距離50m

_◇アクセス制御方式:CSMA/CA,TDMA

◆2.4GHz帯スペクトラム拡散無線モデム

_◇通信距離目安 屋外250m 屋内50m

◎AV機器無線接続

◆WirelessHD

60GHz帯、最大4Gbps SiBEAM社がLSI製造 Broadcomがプロモータとして参加

◆WHDI

Wireless Home Digital Interface 5GHz帯の40MHz幅で最大3Gpbs イスラエルAMIMON社の技術がベース

◎300MHz帯微弱無線機

_◇通信距離の目安 5~10m

◎FMワイヤレスマイク

_◇通信距離の目安 10~15m

◎400MHz帯特定小電力

_◇出力 10mW

_◇通信距離目安 条件のよいところ 2~3Km 市街地 100~200m

_◇スプリアス 2.5μW(-26dBm)以下

◎UWB

_◇IEEE 802.15.3a

_◇電波法設備規則 第49条の27

_◇周波数 3.4~4.8GHz 7.25~10.25GHz

◎近接

◆NFC

◆TransferJet

◎GNSS

全世界衛星航法システム

◆GPS Global Positioning System

_◇衛星

※6軌道各4衛星、合計24衛星 高度2万200Km(地球半径の約3倍) 軌道傾斜角55度 個々の衛星はナブスター NAVSTAR とよばれる (NAVigation System using Timing And Ranging)

_◇原理

4衛星からの時刻信号を使い、3次元位置と正確な時刻の4元を求める。GPS衛星には原子時計が4個搭載されている。 ①受信機は4つの衛星データを得る。データは以下を含む 緯度 経度 高度 時刻 ②受信機は以下の4個を未知数とする 緯度 LATu 経度 LONu 高度 HGTu 時計の誤差 ⊿t ③ユーザセグメントから衛星を観測したときの各衛星の時刻がTsとなったときのユーザ・セグメントの時刻を衛星A,B,C,Dに対して Ta, Tb, Tc, Td とする。ユーザセグメントの時計誤差⊿tを考えると、例えばAに対してそのときの距離Raは (Ta-Ts+⊿t)*c cは光速 とかける。 ④一方、緯度、経度、高度からなるベクトルにより衛星位置をXa→、ユーザ位置をXu→と表すと距離は |Xa→ – Xu→| ともかけるので、以下の式を得る。 |Xa→ – Xu→|=(Ta-Ts+⊿t)*c ⑤A,B,C,Dの4衛星について上記の4つの式を得て、この4元連立方程式を解くことにより、自分の位置と正確な時刻を得ることができる

_◇システム

①Space Segment NAVSTAR ②Control Segment NAVSTARを監視、制御する基地。マスターステーションはコロラド・スプリングス、モニタステーションは、ハワイ、アセンション島、ディエゴガルシア島、クワジャレイン環礁 ③User Segment

_◇通信方式

①L1 搬送波周波数 1575.42MHz(1.6GHz) 10.23MHz * 154, 波長 19cm Pコード チップレート 10.23MHz, コード長1週間 C/Aコード チップレート 1.023MHz, コード長1ms 航法メッセージは 50bps ②L2 搬送波周波数 1227.60MHz 10.23MHz * 120, 波長 24cm Pコード チップレート 10.23MHz, コード長1週間 航法メッセージは 50bps ※Pコード、高精度だが米軍専用 2周波で送信しているので、電離層の補正を実測値で行うことができる ※C/Aコード、民間で使用可能 ※Pコード、C/Aコードとも32種類あり、24機の衛星それぞれに異なるコードが割り当てられる。 ※軌道位置とタイムスタンプの両方を送信 ※航法メッセージ ephemeris 各衛星の軌道情報 Almanac 全衛星の軌道情報 30秒毎、最初の18秒でエフェメリスを、後の12秒でアルマナックの25分の1を送信。全アルマナックの受信には12.5分必要。エフェメリス情報は2時間毎更新。アルマナックは不定期。 ※コード CDMAによりC/Aコードと呼ばれる1023個のPNシーケンスを送信 各シーケンスをチップという。 1.023Mチップ/毎秒→C/Aコード一つに1ms 20個のC/Aコードでメッセージ1ビット→データは50Hz L1信号-130dBm BPSK 2相位相偏移変調

_◇GPS測位誤差要因

①対流圏通過時の伝播速度の揺らぎ それほど大きくない(1m以下) ②電離層通過時の遅延量の変動 昼間の方が夜間よりも2~5倍大きくなる 数m目安、数十mに達することもある ③マルチパス ④衛星位置の誤差、エフェメリスと実際の軌道との誤差 ⑤原子時計の補正誤差 ⑥受信機側の誤差 ⑦人為的妨害

_◇GPS測位精度 DOP

Dilution of Precision HDOP: Horizonal DOP VDOP: Vertical DOP ※衛星の配置状態により測位精度は大きく左右される。 ※2drms 2 x distance root mean square GPS測位精度を示す単位。距離 [m] 同一地点、連続測位でも、ランダムな測距誤差によりばらつく。このランダム誤差にHDOPの2倍をかけたもの。 ⇒真の測位点を中心に半径2drmsの円内に95%が入る

_◇単独測位と相対測位

①単独測位 GPS原理に従い4衛星からの電波で位置決定 ②相対測位 既知の場所でもGPS衛星からの電波を受信、測距誤差を受信機に送信して補正する

_◇相対測位方式

①擬似距離補正方式 DGPS ディファレンシャルGPS 位置の正確にわかっている場所に基準局を設置し、計算にもとめた各衛星との距離と、受信電波から求めた距離を比較し、擬似距離補正値を求める。これを他の受信機に知らせて補正させる。衛星時計、軌道、電離層等の誤差要因をほとんど取り除けるが、マルチパスや受信機に起因するものは取り除けない。また、受信機が基準局から離れれば誤差が大きくなる。 ②干渉測位方式(搬送波測距方式) 数mm~数cmの測位精度可能 受信した信号の搬送波の位相から距離を求める スタティック測位 キネマティック測位 RTK-GPS測位 (Real Time Kinematic-GPS) VRS (Virtual Reference Station)

_◇利用

※SA Selective Availability 当初、民間利用のために精度を意図的に劣化させるために加えられていた操作。2000/05に解除。 ※兵器 JDAM (Joint Direct Attack Munition) ボーイング社。スマート爆弾。通常の爆弾に取り付けて命中精度を向上する

◆GLONASS

3軌道x8衛星、軌道傾斜角65度

◆GALILEO

◎航空関連

◆航空管制施設

航空機の管制に必要な航空機の位置情報等を取得する設備と、取得したデータをもとに航空機に指示を伝えるための無線電話

_◇ASR(Airport Surveillance Radar)

空港から半径50NM~60NMの範囲の航空機の平面位置を探知する。SSRと併用することで3次元位置を把握できる。航空機を航空路から滑走路へ、滑走路から航空路へ誘導するために用いられる。アンテナ回転数は15rpm. 2.7~2.9GHz(500kW) ※MTI(Moving Target Indicator) 固定目標からの反射波は送信パルスと受信パルスの間の位相が同じだが、移動目標からの反射は位相が毎回変化する。そこで、反射信号を位相検波し、その信号を遅延回路にとおしてレーダのパルス繰り返し時間だけ遅らせ、位相検波出力から遅延回路出力を差し引いた信号を求める。すると、固定目標は消去され、移動目標の信号のみが残る ……

_◇ARSR(Air Route Surveillance Radar)

_◇ARSR(Air Route Surveillance Radar)

広域を監視する。ASRの4倍。しかし、アンテナ回転数は遅い(6rpm) 1200MHz~1350MHz(2MW)

_◇SSR(Secondary Surveillance Radar)

航空機識別情報、高度情報、ハイジャック信号等を得るための施設。ASRおよびARSRと併設される。パルスによるデジタル符号。 送信1030MHz, 受信1090MHz ※航空機の識別 モードAで質問すると、航空機のトランスポンダから回答が得られる。(ビーコンコード、離陸前に与えられる8進4桁の数字) ※高度情報 モードCでの質問に対しての答え ※SSR地上施設。。。インタロゲータ ※AOC(Automatic Overload Control) ゲインを下げて遠方のインタロゲータからの質問を切る ※SLS(Side Lobe Susppression) トランスポンダがサイドローブに反応しないようにするための仕組み。無指向性のアンテナから、特定のタイミングでパルスを送り、トランスポンダは受信信号レベルをみて、メインローブかサイドローブかを判断する。

_◇ASDE(Airport Surface Detection Equipment) 空港面探知レーダー。空港の地上にある航空機や支援車両などを監視するための施設。 24.25GHz~24.75GHz

_◇無線電話

①HF帯 遠距離。洋上管制。J3E ②VHF帯 民間機用。A3E ③UHF帯 軍用。A3E

◆航空無線施設

航行のために必要とするデータを航空機側に提供する支援施設

_◇ILS (Instrument Landing System)

計器着陸装置 ※LOC (Localizer) 航空機が滑走路の幅方向の中心からどれだけずれているかを航空機に知らせる 搬送波周波数の数で 1周波方式 多くの日本の空港 2周波方式 羽田、関空など 対数周波数アンテナ ※GS(Glide Slope) 航空機が滑走路面から3°の降下角度より下側にいるか上側にいるかを航空機に知らせる 日本では2周波方式が使われる ※マーカービーコン (Maker Beacon) 滑走路端の遠い方から OM Outer Marker 3.5~6NM MM Middle Marker 1050±150m IM Inner Marker 75~450m ※T-DME

_◇VOR (Very High frequency Omni-directional Radio Range)

超短波全方向性ビーコン。航空標識局 ※ICAO(国際民間航空機関)の国際基準 ※C-VOR Conventional VOR ※D-VOR Doppler VOR SSB DSB ※中央アンテナ 無指向性、基準位相信号。30Hz正弦波の振幅変調。 ※周囲アンテナ 半径6.7mの円周上の24本x2組の可変位相信号の輻射アンテナ。9960Hzの副搬送波を振幅変調したものから搬送波を取り除いたもの 磁北から組毎順次左回りで給電。輻射方向は1秒間に30回転する ※基準位相信号と、可変位相信号の位相差が0なら北。180度なら南と分かる。

_◇DME (Distance Measuring Equipment) 距離測定装置

◎船舶関連

◆LORAN LOng Range Navigation

双曲線航法システムの一つ ※2つの定点からの距離の差が一定となる点(P)の軌跡はその2定点を焦点とする双曲線になる ⇒3送信局で2双曲線を描けば、1点が定まる ※地上局のグループはチェーン(鎖)とよばれる ※LORAN C 精度500m 100kHz

◆デッカ

イギリスのデッカ社開発の双曲線航法システムの一つ。2001年には運用終了。 14kHz付近の基本周波数に対し、主局 x6, 紫x5, 赤x8, 緑x9の従局が組になり、それらからの位相差を測定して位置を決定する。精度20から100m

◆オメガ 10~14kHzのVLF利用。全世界を8局でカバー。1982年運用開始、1997年に運用終了。塔の高さは450m。 ※VLFの場合、地球表面と電離層の間が導波管のようになり、遠方まで伝搬できる。

◎自動車関連

◆ORBIS

_◇10.525GHz, 24.200GHz

_◇無変調

◆タクシー無線

_◇450MHz台

_◇単信式,半複信式あり

◆オムニトラックス

静止衛星を使った双方向メッセージ通信システム

◆カーナビ測位方式

衛星 GPS 無線 ビーコン、サインポスト (衛星の誤差補正に使われる) 自律 推測航法(走行距離と進行方向) マップマッチング

◆DSRC

5.8GHz帯アクティブ双方向通信 狭帯域、ITS向け ETCで実用化されているが、それ以外もある。

_◇ETC

①周波数、速度等 5805MHz DSRCのうち4chを使用。ASK変調 1Mbit/s ※ARIB STD-T55 ②プロトコル DSRCプロトコル 1) Physical Layer(L1) 2) Data link Layer(L2) MAC (Medium Access Control) Layer LLC (Logical Link and Control) Layer ※ARIB STD-T75 路車間30mレンジ通信、4M/sec 5.770GHz~5.850GHz ETCの改良版

_◇ITS FORUM RC-005

車車間200mレンジ通信、4M/sec 5.770GHz~5.850GHz QPSK変調

◆DSRC以外のITSメディア

_◇UHF帯

715M~725M 車車間400mレンジ。2012年7月25日より

_◇光ビーコン

赤外線による3.5mレンジ通信。既に5満期の路側機あり。車線毎の情報提供 1Mbit/sec ダウンリンク 64Kbit/sec アップリンク

◎JJY

◆標準時の決め方

天文観測に基く「秒」の定義⇒地球の自転速度のふらつきあり、長年の観測を要する⇒セシウム原子を基準とする ※セシウム133の原子の基底状態の2つの超微細構造順位の間の遷移に対応する放射の周期の9192631770倍の継続時間 ※時刻 1958年1月1日0時0分0秒を起点としる原子時系 ※従来の天文観測による時計は天文時系 ※原子時(TA)と天文時(UT)が0.9秒以上ずれないように「うるう秒調整」を行い1秒単位の調整を原子時に加える。 ⇒協定世界時(UTC) UTCは国際度量衡局(BIPM)が、世界中の標準時機関が保有する原子時計(約300台)のデータを集めて平均合成して求めた国際原子時に閏秒を加えて決めるが、データから決定までおよそ半月を要す。 各機関の保有原子時計の比較には、同時に同じGPS衛星の電波を受信して比較する方法や通信衛星を使って双方向で比較する方法が取られる。

◆日本標準時

情報通信研究機構(NICT: National Institute of Information and Communications Technology) 1台の精度 1e-13 程度。これを18台使用して変動を計測するDMTD(Dual Mixer Time Difference)装置で計測。計測データの合成時系から、短期安定度に優れる水素メーザ原子時計を周波数合成して、日本標準時の元となるTAを発生。(データ処理は多数決平均) 東京都小金井市になる http://jjy.jp/

◆標準電波送信所

独立行政法人通信総合研究所 CRL: Communication Research Laboratory

_◇おおたかどや山 福島県田村郡

標高790m 37°22’N 140°51’E 周波数40kHz 空中線電力50kW 実行輻射電力 約13kW 電波形式 A1B 地上高250m 傘型トップローディングアンテナ 運用開始 平成11年6月10日

500km >60dBuV/m
1000km >50~60dBuV/m
1500km >40~50dBuV/m

_◇はがね山 福岡佐賀県境
33°28’N 130°11’E
周波数60kHz 空中線電力50kW 実行輻射電力 約23kW
電波形式 A1B
地上高200m 傘型トップローディングアンテナ
運用開始 平成13年10月1日
500km >63dBuV/m
1000km >53~63dBuV/m
1500km >43~53dBuV/m

※波長からするとどちらも微小なアンテナなので直径約300mの敷地一杯に放射状のラジアルグラウンドが1°おきの360本埋設されている。

◆タイムコード
振幅変調、1秒に1パルス。振幅が100%のレベルの持続時間により3種類がある。パルスの立ち上がりに要する時間はおよそ2ms。Lowレベル期間も振幅10%で送信している。

①マーカおよびポジションマーカ
0.2s±5ms
②2進の0
0.8s±5ms
③2進の1
0.5s±5ms

マーカ
正秒(0秒)
ポジションマーカ
9,19,29,39,49,59の立ち上がりに対応。

時刻の同期位置はパルスの立ち上がりレベルで55%。日本標準時に対して10μS以内で同期

_◇フォーマット
0: マーカ
1-8: 分
40,20,10,”0″,8,4,2,1
9: P1
10,11: “0”,”0″
12-18: 時
20,10,”0″,8,4,2,1
19: P2
20,21: “0”,”0″
22-(29)-33:1月1日からの通算日
200,100,”0″,80,40,20,10
29: P3
34,35: “0”,”0″
36,37: パリティ (時、分の偶数パリティ)
38: 予備ビット SU1
39: P4
40: 予備ビット SU2
41: 西暦下2桁
80,40,20,10,8,4,2,1
49: P5
50-52: 曜日
4,2,1
53,54 うるう秒 LS1, LS2
55-58: “0”,”0″,”0″,”0″
59: P0

_◇停止波予告 毎時15分と45分のみ。年の情報に代えて、”JJY”をモールス符号で、曜日に代えて停波開始予告ST1-ST3,うるう秒の情報+1に代えて停波期間予告ST4-ST6を送信

◎RFID

◆使用周波数
_◇日本
135KHz以下 微弱
13.56MHz
2.45GHz
_◇欧州
433MHz
868MHz(866~870)
13.56MHz
2.45GHz
_◇米国
433MHz
915MHz(902~928)
13.56MHz
2.45GHz

◆ISO
_◇標準化組織
ISO/IEC JTC1 SC31/WG4、自動認識及びデータ取得技術
SG1 データシンタックス 15961/15962
SG2 ユニークID 15963
SG3 エアインタフェース 18000-1~6
SG4 レギュラトリ
SG5 アプリケーション ISO/IEC TR18001
ISO/IEC JTC1 SC17/WG8、識別カード及び関連装置

_◇カード型 (SC17)
ISO/IEC 10536 4.91MHz
CICC 密着型(Closed Coupling) 9.6kbps
交信距離:数mm
ISO/IEC 14443 13.56MHz
PICC 近接型(Proximity) 106kbps/212kbps
交信距離:10cm以下
ISO/IEC 15693 13.56MHz
VICC 近傍型(Vicinity) 26kbps
交信距離:70cm以下

_◇タグ型(SC31)
ISO/IEC 18000-1 一般パラメータ
エアインタフェース
ISO/IEC 18000-2 135kHz以下
電磁誘導(inductive)
ISO/IEC 18000-3 13.56MHz
電磁誘導(inductive)
ISO/IEC 18000-4 2.45GHz
伝播(Propagated EM Field)
ISO/IEC 18000-5 5.8GHz<—規格化中止
伝播(Propagated EM Field)
ISO/IEC 18000-6 860~960MHz*
伝播(Propagated EM Field)
ISO/IEC 18000-7 433MHz(アクティブタグ)
伝播(Propagated EM Field)

15961 情報インタフェース
15962 論理メモリマップ
15963 固有ID

18001 アプリケーション要求条件
18046 パフォーマンス試験方法
18047 コンフォーマンス試験方法

_◇SCM標準化
ISO TC122/TC104 JWG

_◇コンテナ(ISO TC204)
ISO10374 コンテナ識別
ISO18185 コンテナセキュリティ電子シールRFID

ISO17363 国際物流コンテナ 433MHz

◆SEMI
SEMI E15.1, E99.1 300mmウエファ用規格

◆伝送方式
_◇電磁誘導方式 120-150KHz ~500mm程度
RW側送信コイルよりDC側コイルに信号含む搬送波送信、DC側にて復調、受信。とともに受信波を分周、これに送信データをのせて変調し、RWH側の受信コイルで受信、変調。

_◇電磁結合方式 400-530KHz ~150mm程度
広義では電磁誘導に含まれる。RWH側1次、DC側2次とするトランスのような磁界による結合。RWH側からの送信は1次コイルを変調。DC側はこれを復調するとともに、同一コイルに変調かける、RWH側は受信コイルで復調

_◇マイクロ波方式 2.45GHz ~5m程度
RWH,DCとも平面アンテナ。反射回路。

◆アンチコリジョン方式

_◇FIFOアクセス
リーダの交信可能領域に入ってきたタグから順番に交信し、交信終了するとアクセス禁止処理を行う。領域外へ出るとアクセス禁止処理は解ける

_◇マルチアクセス

_◇セレクティブアクセス

◆法規制
電波法

米国FCC、欧州ETSI
基本はメーカーでの形式認識

◆コード系

_◇ユビキュタスIDセンター ucode
IDは128ビット長。128ビット単位で拡張できる。
クラス0 バーコードなど
クラス1 下位RFID、非接触、読み出しのみ
日立 ミューチップ
凸版 T-junctin
富士通 MB89R116
クラス2 上位RFID、読み書き可能
クラス3 スマートタグ
クラス4 スマートタグ
クラス5 アクティブタグ
クラス6 アクティブタグ
クラス7 セキュリティボックス
クラス8 セキュリティサーバ
※Tエンジンフォーラム内にある

_◇EPCグローバル
96ビットコード

ヘッダ:8ビット
EPCマネージャ(企業番号):28ビット
オブジェクトクラス(商品番号):24ビット
シリアルナンバ:36ビット

※64ビット体系もある。128、256への拡張も想定。
※バーコード系の流通コードの管理団体による共同設立。
※研究拠点、MIT、慶応。

◆近接型ISO/IEC14443-2 Type A,B,C

近接型ISO/IEC14443-2
交信距離約10cm

_◇ISO/IEC14443 Type A MYFAIR(フィリプス), 55R(インフォニオン)
Fc=13.56MHz, 変調方式ASK100%, モディファイドミラー, 106Kbit/s
カードからのアップリンクはASK、副搬送波847.5kHz(Fc/16)、マンチェスタ
※100%変調しているので変復調回路は簡単だが、側波帯が大きくなる

_◇ISO/IEC14443 Type B
Fc=13.56MHz, 変調方式ASK10%±2%, 符号化方式NRZ-L, 106Kbit/s
カードからのアップリンクはBPSK、副搬送波847.5kHz(Fc/16)、NRZ
IC運転免許証、住民基本台帳カード

※ISOに準拠するカードリーダは、TypeA, TypeBどちらでも通信できないとならない。

_◇ISO/IEC14443 Type C Felica
Fc=13.56MHz, 変調ASK10%,符号化方式Manchester, 212Kbit/s
カードからのアップリンクは対称。

◆近傍型ISO/IEC15693(125~500kHz, 13.56MHz)
交信距離約70cm

◆近傍型ISO/IEC15693-2 Type X, Y

◆密着型 ISO10536 4.9MHz

◆UHF帯ICタグ
UHF帯ICタグの特性と将来展望 川井(オムロン)

_◇UHF帯(Ultra High Frequency)の特徴

①周波数860-960MHz
②2.45GHzにくらべ水などへの通信損失が少なく、波長が長い分だけ回り込みが大きく物陰も読み取り易い
③5mほどに達する長い通信距離
④高速データ伝送640kb/s (EPCglobal Class1 Generation2)
⑤ユーザメモリ256ビット(EPCglobal Class1 Generation2)
⑥13.56MHz,2.45GHz同様ラベル状に加工できる。
⑦2.45GHz帯よりも波長が長い分だけアンテナを長くする必要がある。
⑧通信距離が長いため、必要のないタグを読んだり、電波干渉により通信可能領域のTAGが読み取れない、不正にICタグを読み取られる、等の問題がある。
⑨ICタグを貼付するものにより通信距離が大きく変動する。

_◇周波数帯
①米国 902~928MHz 一定出力範囲で自由に使える
②日本 高出力で使用できるのは952~954MHzの2MHzに限られる
③欧州 865.6~867.6MHzだが、スペイン、フランスは未定
※周波数帯域が2MHzしかないため、リーダライタ間、ICタグ間での電波の干渉問題がある。
※他の周波数帯で調整されたICタグを別な周波数帯で使うと、十分な起電力を得にくく、通信距離が短くなる。
※多国対応のため、平均的な中心周波数値でアンテナの特性値を調整しておく方法もある。
※T型マッチング回路(アンテナ中央のT型形状の回路面積)をストラップと呼ばれるIC実装基板の接合位置をずらして変化させ、アンテナの特性を特定の周波数に調整する。

_◇貼付物の通信距離への影響
貼付するものの誘電率によって特性が変化するが、その割合は周波数が高くなるほど大きい。(13.56MHzより変化おおきい)
※通信距離例
何も無い 100%
ダンボール 70%
ABS樹脂 50%
水、金属 0%
(小麦、砂糖、PCB基板等の影響もある)
※物品の誘電率にあわせてアンテナの特性を調整しておく方法がある。
※誘電率の変化に大きく影響されるので、貼付角度やスペースに依存する。

_◇アンテナ
①2.45GHz帯の3倍、16CM程度が必要。
例)幅16mmx長さ96mm
※アンテナ表面に高誘電率の物質を貼付し、インピーダンスを調整し、アンテナを小さくして、ある程度の長距離通信を可能にする方法がある。
②指向性
円偏波でも起る。ダブルダイポールアンテナを用いるような対策もある。

_◇信頼性
①使用時の破損レートの問題等
②通信距離バラツキ。。ICをアンテナに実装する際に付加されるインピーダンス等が要因となる。

対金属干渉(金属対応型)ICタグ 遠藤(三菱マテリアル)

_◇電磁波による誘導起電力とICタグの動作電圧
ICタグのアンテナコイルに鎖交する磁束の変化量に比例する。

V = K * S * dB/dt

V: 誘導起電力
K: 定数
S: コイル面積
B: 磁束

_◇共振周波数
ICタグのアンテナコイルの共振周波数が電磁波の周波数に一致する必要がある。

コンデンサ容量とインダクタンスおよび共振周波数の関係
2π*f = 1 / √(L * C)

f: 共振周波数
L: インダクタンス
C: コンデンサ容量

_◇金属のICタグに及ぼす影響
①誘導起電力の現象。
金属の表面近傍では磁束は表面に平行に進む。金属に密着させると磁束はコイルを通過しにくくなりエネルギは減少する。

②インダクタンスの変化→共振周波数の変化
導電体:インダクタンスは減少し、共振周波数は高くなる。
強磁性体:インダクタンスは増加し、共振周波数が低くなる。
※鉄は導電体であり、強磁性体であるが、125KHzから13.56MHzでは導電体としての効果が上回る。

③誘導起電力による渦電流の発生→エネルギ損失
渦電流がジュール熱として損失となる。アルミニウムの蒸着膜のような電気抵抗の高い金属が近傍にあると損失大きい。鉄などの強磁性体の場合は、ヒステリシス損により損失増加する。

_◇金属貼付技術
①透磁率の高い、軟磁性コアの配置
軟磁性粉末+プラスチックのコンポジット材
アモルファス箔と絶縁材の重ね合わせ。LFでは良いが、13.56MHzでは渦電流の損失あり。

②アンテナコイルのインダクタンス、コンデンサの調整
③貼付金属の種類による影響を無くす、高透磁率コアの下に良導電性の損失の少ない金属の配置

軟磁性材料:軟磁性材料(soft magnetic material)は、保磁力が小さく透磁率が大きいことを特徴とする材料である。コイルやトランス等の磁心、磁気ヨーク、磁気シールド等に用いられる。

硬磁性材料(hard magnetic material)は、保磁力が大きいことを特徴とする材料である。永久磁石として用いられる。また磁気記録用の磁性体もこれに分類される。

_◇複素透磁率
①透磁率の高い材料でも、実部と虚部の大きさは異なる。実部が高ければ、磁束は材料内に入ってくるが、虚部が大きいと材料内で損失が起こる。
金属タグの感度向上→虚部が小さい材
シールド→虚部の大きい材料

_◇ISO/IEC18000-6 Type C (EPCglobal Class1 Generation2)
◆EAS

Electronic article surveillance
電子式盗難防止装置
1ビットトランスポンダ
2つの状態:交信領域中のトランスポンダと交信領域外のトランスポンダだけが存在する。

_◇システム構成
リーダ(インテロゲータ)
アンテナ
盗難防止用タグ

_◇性能
認識率
検波率
上記の性能からゲート間隔(トランスポンダとアンテナの通信可能最大距離)が決まる。ガイドライン(VDI4470あり)

_◇ラジオ波(HF)帯EASシステム

EASのタグはコイルと容量プレートからなる共振回路からなり、発信機の交流磁界からのエネルギーにより共振振動する。振動の過程において、発信コイルで電圧または電流のわずかな変化(dip)が検出される。dipの大きさは、2コイル間の距離や、回路の性能に依存するとともに、磁界に侵入するタグの速度にも影響を受ける。(極度に遅い速度で接近する共振回路はわずかなdipしか発生しない)

掃引発振器は、ある掃引周波数で周波数を変化させており、その周波数fGが
タグの共振周波数fRに一致するとトランスポンダが発振し、dipを生じる。
掃引周波数を調整することで、認識率を調節することが可能になる。

非活性化装置
強い磁場により、誘起電圧によってトランスポンダのフォイルキャパシタを無効化する。(ディンプルと呼ばれる許容短絡点が存在する)

周囲の材質の影響
金属性の製品により、共振周波数と検波コイルの結合が影響を受ける。

周波数
8.2MHz±10%

例)
1.86-2.18MHz 掃引周波数 141Hz
7.44-8.73MHz 掃引周波数 141Hz
7.30-8.70MHz 掃引周波数 85Hz
7.40-8.60MHz 掃引周波数 85Hz

_◇マイクロ波帯EASシステム

◆普及団体
日本ICカードシステム利用促進協議会(JICSAP)

◆EPCglobal

1999年10月 MITにAuto-IDセンター設置、バーコードに続く次世代のデータキャリアシステムの研究開始。これをもとにバーコード(EAN)の標準化団体、米国のUPCコードの標準化団体が加わり、2003年11月に発足。

www.epcglobalinc.org

※日本窓口
(財)流通システム開発センター

◆ユビキタスIDセンター
モノだけでなく、場所や概念までにも付与するID体系としてucodeを提供している。

①128ビット長
②既存の各種IDを吸収できるメタコード
③ucodeには意味がなく、紐付けされたデータは外部に置く

◆NFC
Near field communication
13.56MHz帯の近距離通信技術
~10cm

_◇NFC IP-1
ソニーとフィリプス(後NXP)がISO/IEC 18092として規格化
ソニーのFelicaと NXPの Mifareの通信部分

※暗号化やアプリ部分は切り離されている

※MiareはISO/IEC 14443 Type Aとしても標準化されている

_◇NFC IP-2
ISO/IEC 15693

ISO/IEC 14443 Type Bおよび、ISO/IEC 15693も規格に組み込んだ

_◇通信モード
カード・エミュレーション・モード

リーダ/ライタ・エミュレーション・モード

機器間通信(P2P)

_◇セキュア・エレメント

カードとして働くための暗号処理、アプリ実行回路

◎Wireless Sensor Network

◆WSNへの技術要求
_◇消費電力
低いDuty Cycleで、交信しない間はスリープ
目安送信出力1mWのワイヤレスノード、送受動作時間での消費電力は、30mA前後。スリープ時数十μA~数μA
送信周期
受信待ちうけの有無
フレーム長
データ伝送の遅延とスリープ期間のトレードオフ

_◇コスト
▽製品コスト

▽設置コスト

_◇電波法規制

_◇ネットワークタイプ

_◇セキュリティ

_◇データ伝送速度

_◇メッセージの遅延時間

◎ビルディングオートメーション

◆BACnet (Building Automation and Control Network)

◎工業オートメーション

◆HART (Highway Addressable Remote Transducer)
工業プロセス自動化のための通信標準化団体

◎可視光通信

◆JEITA
可視光通信コンソーシアムが規格案を作成、2007/06にJEITA規格化
低速 4.8kbps
照明機器への適用を想定
サブキャリア4値PPM
(Pulse Position Modulation)
サブキャリア周波数 28.8kHz
インバータ式蛍光灯、赤外リモコンとの干渉を避ける タイプA
ペイロード512ビット
タイプB
ID128ビット
ペイロード384ビット

_◇可視光通信システム JEITA:CP-1221
全般

_◇可視光IDシステム JEITA:CP-1222
詳細

◆IEEE 802.15.7

◆IrDA Extension

◆ICSA Extension
Infrared Communication Systems Association

※双方向赤外線の屋内LAN ARIB STD-T50を可視光に拡張
ダウンリンクは可視光
アップリンクは赤外線