☆流体力学
◆流体
純粋な気体、液体以外に固体と液体の混合物や、細かな固体の集合体など、流体の運動と似た運動を行う現象も機械工学では扱う。
※流れとは流体が運動している状態
※気体
せん断力を発生する接線方向の外力で簡単に変形する
高い圧縮性を持ち、温度により体積変化が大きい
※液体
せん断力を発生する接線方向の外力で簡単に変形する
ほとんど圧縮性を持たず、温度による体積変化が小さい
※理想流体(完全流体)
圧縮性と粘性を無視した仮想の流体
※ゆで卵と生卵の回転
ゆで卵⇒固体なので、外殻を回せば中身もまわる
生卵⇒中身が液体なので、一端回転を始めると、外殻を一瞬とめても中身は回っている
_◇密度
単位体積あたりの質量
ρ[kg/m^3]
※密度の逆数を比体積と呼ぶ
v = 1/ρ[m^3/kg]
※密度ρと重力加速度gの積を比重量とよぶ
γ = ρ * g [N/m^3]
※比重s
物質と同じ体積の純粋の最大密度条件における質量あるいは比重量との比
最大密度条件:
101.325kPa, 3.98℃
水の密度は実用上1000kg/m^3としてよい
_◇圧力
流体中の微小面積 da[m^2]に垂直な力 F[N]が作用するとき、圧力 p[Pa]は、
p = F / da [Pa]
※Fを全圧力ともいう
※慣用単位との換算
1at(工学気圧) = 1kgf/cm^2 = 98.0665kPa = 10mH2O
1atm(標準大気圧) = 101.325kPa = 760mmHg
1at = 0.967841 atm
1mHg = 133.322kPa
1mH2O = 9.80665kPa
※絶対圧
絶対真空を圧力零点とした圧力
※ゲージ圧
周囲の大気圧を零点とした圧力
※負圧、正圧
任意の基準圧力からの相対値
※真空
大気圧より圧力の低い状態
高真空 ~10^-1 Pa
中真空 ~10^2 Pa
低真空 10^2 Pa ~ 101.3kPa(標準大気圧)
※流体中の圧力は流体の高さで定まる
p = ρ*g*h = γ * h [Pa]
ρ 密度 [kg/m^3]
γ 比重量[N/m^3]
h 高さ[m] あるいは水深
_◇パスカルの原理
静止流体中の任意の点で、すべての方向に等しい圧力が作用する。
※静止流体中の一部に与えた圧力変化は、流体中の全ての点に等しく作用する。
小シリンダの断面積a,小シリンダに与える力f,大シリンダの断面積A,大シリンダに発生する全圧力F,装置内部の圧力pとすると
F = A * p = A * (f/a) = f * (A/a)
シリンダの移動量をそれぞれl, Lとすると
L = l * (a/A)
※流体圧機器⇒倍力装置
_◇圧縮率
体積 V[m^3] の液体に圧力変化 dp[Pa]を与えて圧縮して、体積変化 dV[m^3]が生じたとき、収縮変化をマイナスとして
β = -(1/dp)*(dV/V)
単位:圧力の逆数 m^2/N, /GPa
※理想流体では体積変化を考えないのでβ=0
※圧縮性
圧力を加えると縮む性質
_◇粘性
Viscosity
流体は自由に変形できるが、速く変形させようとすると大きなちからが必要になる⇒粘性
流体の運動方向と平行な面には、粘性によるせん断力が発生する。平行ニ面間の間隔をh[m], 相対速度をU[m/s]として、U/hを一定の速度勾配と考えると、基準面から垂直距離yにおける速度uは
u = y * (U/h)
[運動方向と平行な単位面積A[m^2]の面を考えるとき、速度の速い側より遅い側に運動量Fが移動し、その移動速度はy方向の速度勾配du/dyに比例する。この運動量Fの移動速度を運動量流速といいτで書く」
F du
-=τ=-μ*--
A dy
du/dyの正方向とは逆にFが流れるのでマイナスがつく
⇒ニュートン流体(空気、水、一般の石油とガス)
⇒非ニュートン流体(高分子流体やスラリー)
固定壁から十分に離れた流体の速度U、壁からの距離y, 平面t-tを中心とした微小幅dy、速度差du, 速度の増加率をdu/dyとすると、面t-tの表裏には粘性による抵抗力が生じ
τ = μ * (du/dy)
μを粘性係数(粘度)といい、単位はPa*s(パスカル秒)⇒ひとつの流体では一定温度、一定圧力で一定値
τはN/m^2の次元を持ち、せん断応力と呼ばれる
慣用のポアズ[P]との換算は
1[P] = 0.1 [Pa*s]
密度をρ[kg/m^3]として
ν = μ/ρ [m^2/s]
を動粘性係数(動粘度)と呼ぶ
※水の粘性係数と動粘性係数
μ e-3 [Pa*s], ν e-6 [m^2/s]
0℃ μ=1.792 ν=1.792
20℃ μ=1.002 ν=1.0038
40℃ μ=0.653 ν=0.658
60℃ μ=0.467 ν=0.475
80℃ μ=0.355 ν=0.365
100℃ μ=0.282 ν=0.294
液体の粘性係数(25℃)
水銀 1.528e-3 [Pa*s]
エチルアルコール 1.084e-3 [Pa*s]
気体の粘性係数(20℃)
アルゴン 22.3e-6 [Pa*s]
酸素 20.4e-6 [Pa*s]
空気 18.2-6 [Pa*s]
水蒸気 12.1e-6 [Pa*s]
※粘性利用の装置例
(変形の早さに応じて必要な力が変わる性質の利用)
ドアクローザ
※粘性摩擦
物体の表面に沿う流れで働く、物体と流体の間に働く摩擦力
⇒水は粘性が弱いので、水位が低ければ底との粘性摩擦が働くので粘性の影響が強くなるが、水位が高いと粘性摩擦の影響はでにくくなる
_◇空気の質量
1リットル=約1.2g(1立米=1.2kg)
空気を含む物体を加速、減速する場合には考慮にいれる
※風からうける空気抵抗や揚力は空気の密度に比例する
_◇表面張力
液体には分子どうしで引き付け合い、中心に集まろうとする凝集力が働く。凝集力は液体の表面を引っ張って縮ませようとする力でもある
液体の自由表面に発生する張力を単位長さあたりの大きさで示したものを表面張力という
圧力p[Pa]の環境にある半径r[m]の水滴は、表面張力T[N/m]によって収縮しようとするので、水滴内部で表面張力とつりあう圧力はdpは、
2π*r*T = π*r^2*dp ∴dp = 2T/r
※水の表面張力(20℃)
72.75e-3 [N/m]
_◇毛細管現象
液体と固体の親和性による濡れと、表面張力と、液体の重量の平衡により発生する
管の半径r[m]、液体の比重量γ[N/m^3]、液体と管の接触角θ、表面張力T[N/m]、高さh[m]
2π*r*Tcosθ=π*r^2*h*γ
_◇親水性と撥水性
※物と水が張り付くのは、親水性(固体分子と水分子の間の引き付けあう力)による
_◇容器と流体
流体入りの容器をつるすことで、加速度運動する場合に、加速度に応じて、流体も容器も傾くのでこぼれにくくなる
傾いて深くなった方が圧力が高くなる
重力加速度と慣性加速度(進行方向逆向きの水がその場に残ろうとする慣性)を合成した見かけの重力加速度にたいして垂直な方向に水面がくる
※回りの流体よりも慣性の小さい(密度のひくい)物体(泡)などは流体内で発生する圧力差よりも慣性が小さく、後ろ側の高圧におされて前方に移動する
◆流れ
_◇流線
流れの方向をなめらかに結んでいった線
流体中に考えた任意の1点が流れる奇跡
※よどみ点
一般に物体の近くの流線は一本だけが物体にあたり、そのまわりの流線は物体に沿うように流れる。流線と物体がぶつかるのがよどみ点
※定常流
時間が経過しても流線に変化が生じない流れ
※流線管
無数の流線の集まり
_◇連続の定理
流線管内を流れる流体に任意の2断面を考え
流体の密度 ρ [kg/m^3]
断面積 a [m^2]
速度 v [m/s]
単位時間ないに各断面を流れる流量
※体積流量
Qv = a1 * v1 = a2 * v2 [m^3/s]
※質量流量
Qm = ρ * a1 * v1 = ρ * a2 * v2 [kg/s]
※重量流量
Qw = γ * a1 * v1 = γ * a2 * v2 [N/s]
※非圧縮性流体の場合には流量は常に一定
※Equation of Continuity
_◇ベルヌーイの定理
管路を流れる連続流体のもつ速度、位置、圧力のエネルギーの総和を液柱の高さで表し、その大きさが常に一定
(v1^2/2g)+z1+(p1/ρg)
=(v2^2/2g)+z2+(p2/ρg)
=(v^2/2g)+z+(p/ρg)=const=H [m]
※速度水頭
V^2
---
2g
※位置水頭
Z
※圧力水頭
p
--
ρg
※全水頭
H
※全水頭を結んだ線をエネルギー線と呼ぶが、実際の流体では管路の摩擦抵抗などによる損失水頭h1が発生するので、全水頭に損失水頭htを加えたものが一定と考える。
※速い流れでは圧力が下がる
※速い流れをせき止めると大きな力(圧力)を受ける
_◇層流と乱流
層流
乱れがない流れ
Laminar flow
乱流
乱れた流れ
Turbulent flow
速度変動(乱れ)があるか、ないか
時間とともに速度が変化する
変化の仕方は場所ごとに違う
※粘性は流体分子が乱れるのを抑えようとする働きがある
速度が小さく、粘性が大きければ⇒層流
速度が大きく、粘性が小さければ⇒乱流
※乱流により、背後の渦を小さくすると空気抵抗が小さくなる⇒ゴルフボールのディンプル
※飛行機の翼
最大厚の位置(前部3分の1)まで、層流、後は乱流
※層流の方が、乱れがないだけ摩擦抵抗が小さくなる
⇒層流翼(一部のジェット機、グライダーなど)
最大厚の位置が中央ちかくによっている
※レイノルズ数Re
Re = v * d / ν = (ρ/μ)*v*d
d:管の直径[m]
v:流体の平均流速[m/s]
ν:流体の動粘性係数[m^2/s]
μ:粘性係数[Pa*s]
ρ:密度[kg/m^3]
Re≒2000以下では層流、越えると乱流
⇒層流と乱流の遷移点にはヒステリシスがある
⇒2300~4000を過渡状態
_◇キャビテーション
Cavitation
飽和蒸気圧曲線
熱で超える→沸騰
減圧で超える→キャビテーション
※係数が小さいほどキャビテーションが起こりやすい
σ = P∞ – Pv / (1/2)ρ*U∞^2
σ:キャビテーション係数
P∞:基準圧力(無限遠圧力)
Pv:飽和蒸気圧
ρ:液体密度
U∞:基準流速(無限遠流速)
※20℃の水の飽和蒸気圧
2338Pa … この値より低いと気化する
※キャビテーションの発生要因
(単に圧力だけではない)
1.気泡核が液体中にあること
2.気泡核が成長する時間
3.圧力
※キャビテーションの分類
翼端渦
バブルキャビテーション
シートキャビテーション
クラウドキャビテーション
※キャビテーションの影響
性能低下
振動
騒音
エロージョン(壊食)
気泡が消滅する瞬間に、中心部で起こる衝突から微小だが強い圧力波が発生する。継続しておこると物体表面が削り取られて壊れる
※常温での液化圧力
ブタンガス 0.2MPa
プロパンガス 0.8MPa
※スーパーキャビテーション
キャビテーションによる気泡により、物体がほぼ完全に覆われている状態。これを積極的に使うことにより水中で常識外れの速度を出すことが可能になる
_◇渦
流体が、ある点を中心に回転している状態
流体粒子には遠心力が働き、外側に押しやられる。
結果、外側ほど圧力が高くなる
※外側の高い圧力と内側の低い圧力の差=遠心力とつりあう
※自由渦
外部からのエネルギーの供給がない場合にできる
渦の中心でも外側でもエネルギーは同じ
外側は圧力が高い分、運動エネルギーは小さい
外側が遅く、内側ほど回転が速まる(角運動量保存)
旋回速度は、中心からの半径に反比例する
流体は常に変形する
水面は上に凸となる
例)水の孔からの流出
※強制渦
外部から強制的に回転させられるときにできる
固体の回転運動と同じで、旋回速度は中心からの半径に比例
回転中心から遠いところほど速く回転する
流体は変形せず、流れは乱れない
水面は下に凸となる
例)遠心分離機
※自然界の渦
台風、竜巻、渦潮など。。。近似的自由渦
⇒しかし中心では速度無限大でなくゼロとなる
⇒外側は自由渦、中心付近は強制渦
⇒組み合わせ渦とよぶ
_◇二次流れ
全体の流れに対して直角方向の流れを2次流れという
例)容器内での流体の回転での2次ながれ
底に近い部分では、粘性摩擦により流速が遅くなり、遠心力は小さくなる。しかし、上下方向の強い流れはおこらず、圧力分布は上部の分布に深さ分の圧力を均一に加えたものとなる。すると外周の圧力の高い部分から、内周の圧力の低い方向に2次流れが発生する
_◇ピトー管
(速度)=√(2*圧力上昇)/流体の密度)
※水の場合の例
水位
0.2cm 0.2m/s
1.8cm 0.6m/s
5.1cm 1.0m/s
10.0cm 1.4m/s
20.4cm 2.0m/s
_◇流線曲率の定理
流線が曲がれば、円弧の曲率に応じて、外側で高圧、内側で低圧となる
※どちらで考えても良い
①障害物で流れが曲がっていると圧力差ができる
②高圧部があるとそれを避け、低圧部があると引き込まれ流れが変わる
_◇コアンダ効果
流れが凸な曲面に沿って流れようとする性質
⇒流れは何かのきっかけで曲げられると、さらにその方向に曲がろうとする性質をもつ
(きっかけはどのようなものでもよい)
_◇縮小流れと拡大流れ
①縮小流れ
下流へすすむほど流れが狭まっているもの
下流ほど流速が大きくなる⇒圧力下がる
高圧から低圧に流れることになるので安定
⇒はく離はおきない
②拡大流れ
下流へ進むほど流れが広がっているもの
下流ほど流速が小さくなる⇒圧力あがる
低圧から高圧に流れるので不安定
⇒なんらかのきっかけで逆流おきる
⇒流れのはく離
_◇管摩擦損失
パイプの中に流体を流すときの粘性摩擦による
※損失水頭h1 [m]
l*v^2
h1=λ*-----
d*2g
λ:管摩擦係数(レイノルズ数と管壁の荒さの関数)
l:管の水平距離[m]
d:内径[m]
v:平均流速[m/s]
※失われるエネルギー
パイプの長さに比例
細いほど管摩擦損失は大きくなる
(同じ断面積なら太い1本の方が摩擦小さい)
※
半径R[m]のパイプ内を平均流速v[m/s]の流体が層流で流れるとき、管内の速度分布は回転放物面になり、半径rにおける速度u[m/s]は、
u = 2*v{1-(r/R)^2}
r=Rとなる壁面でu=0, r=0となる管の中心で最大値2v
_◇管路形状による損失水頭
断面積の変化、方向変化、分岐、合流、弁
収縮管
エルボ
チョークバルブ
テーパ管
_◇絞り
流路の途中で断面積を小さくする
絞りにより流速が小さくなる
⇒ベルヌーイの定理により圧力さがる
※気流の中に突起物を入れる
⇒突起物により流れが曲がらないと圧力低下しない
⇒ベルヌーイの定理で説明するのはおかしい
⇒流線曲率の定理
◆流体内の物体
_◇浮力
液体の中では深いところほど圧力が高くなる。液体の中の物体は周囲の液体から物体を圧縮する方向に圧力をうけるが、これら圧力を合計すると、全体では上向きに力が発生する
※アルキメデスの原理
「浮力の大きさは、その物体が押しのけた体積の液体の重さに等しい」
※浮沈子
※体積をかえて浮力を調整することで僅かなエネルギーで浮き沈みできる
※浮力による体積の測定
水槽を秤にのせ、測定したいものを糸でつるして水中に沈める。浮かぶものは針金等で固定して沈める。このときの重量増は、浮力の反作用分であり、物体が押しのけた体積の水の重さに等しい。水の重さから体積を求めることができる。
_◇ベンチュリ
車体の中央付近の床を下げて、路面との隙間を狭くし、流れの速さを局所的に速くする。すると圧力が低下し、ダウンフォースが得られる
_◇はく離
流線が物体が離れて、渦ができる現象
※流れが循環している領域をはく離域という
※物体のまわりの流れではく離が起こると流体の抵抗が急に大きくなる
※四角い箱の角や、流路の面積が拡大するところではく離が起こりやすくなる
※はく離渦
⇒連続発生の場合、左右交互に発生し、流れと垂直な方向に振動的な力が働くことがある
(同時に渦ができると干渉で不安定になるので、交互となる)
_◇カルマン渦
向きの異なるはく離渦が規則正しく交互に発生するもの
周期的な圧力変動と力
⇒固有振動数と一致すると共振につながることがある
※条件により発生する渦の数と流体の速度が比例する
f=0.2*v/d
f:発生する渦の周波数[Hz]
v:流速[m/s]
d:流体の中に立てた円柱の直径[m]
⇒比例定数0.2はストローハル数と呼ばれ、厳密には流れの状態によって異なる
_◇抗力と揚力
抗力
流体による抵抗。物体が流れから受ける下流方向の力
抗力を受けるとエネルギー損失をともなう
※速度の2乗にほぼ比例する
※流線型
前半は縮小流れだが、先端を尖らせると方向が変わったときにはく離を起こすので、丸くする
後半は拡大流れになるので、はく離を起こさぬよう、すこしずつ細くする
揚力
流れと垂直な方向の力
(上向きも下向きもありえる)
※流線曲率の定理で説明できる
※飛行機の主翼の迎え角
※揚力を利用すれば、風速よりも速く航行することができる(ヨットなど)
※翼の揚力について上下で「移動距離」が異なるのに通過時間が異なるので、流速が違い、そこからベルヌーイの定理を使って説明するのは間違い。実際には通過時間は異なるし、非常に薄い翼でも上下面での圧力差はでる。流線曲率の定理で説明するべき
_◇境界層
物体にそって流体が流れるとき、粘性の影響で、物体表面近くの流れが遅くなる。この領域を境界層という
物体表面では速度がゼロ
表面に近いほど速度が低下する
※境界層制御
境界層を制御して、抵抗を減らしたりする技術
①境界層吹き出し
表面にあけた小さい穴から速い流れを吹き出して境界層を少なくする
⇒翼のスラット
②吸い込み
表層から速度の遅い部分を吸い取って、境界層を薄くする
※ゴルフのディンプル、サメ肌の水着
境界層を積極的に乱流にして、はく離を抑える
_◇マグナス効果
流れの中の物体が回転することで揚力を得ること
回転と粘性摩擦により、進行方向と回転方向が一致する方向では流速が大きくなり、逆では遅くなる。ベルヌーイの定理により圧力差ができることがわかる
_◇付加質量
流体の中で物体を加速する場合、まわりの流体もひきずって加速することが必要
⇒みかけの質量増える
物体の大きさと形により決まる
同じ形なら基準寸法の3乗に比例する
加速度と流体の密度に比例する
◆流体の計測
_◇マノメータ
液柱の高さから圧力を測定する機器
※気圧計
一端を閉じたガラス管に液体を満たし、同じ液体の入った容器中で逆さまに立てるとガラス管の上部にできる真空部分と大気圧がつりあって液柱の高さhが安定する
ガラス管上部に発生する液体からの蒸気圧力:Plq
大気圧:P0
液体の比重:γ
P0 = γ*h + Plq
(P0>>Plqなので、P0 = γ*h)
※ピエゾメータ(通常液柱計)
※U字管差圧計
※傾斜差圧計
⇒差圧が微小なときに傾斜により指示を拡大
_◇フラップ式流量計
(ベーン式流量計)
流路中の抵抗板の傾きから流量を測る
フラップの傾きをポテンショメータ等で検出
フラップの慣性のため、過渡時の応答性に欠ける
_◇熱線式流量計
ヒータの冷却量から流速を測る
電流を流して熱した抵抗体熱線を通過流体により冷却、抵抗値の変化から流量を測定
⇒検出流体は気体を対象
_◇渦式流量計
流体中に設置した渦発生器の後方に発生するカルマン渦列の渦の数を計数する。渦の数は流速に比例する
※検出器(圧力検出)
圧電素子
ストレインゲージ
静電容量センサ
※検出器(流速変化)
超音波
_◇超音波式流量計
流速による超音波の伝播速度変化から流速をもとめ、流量を測定する
①伝播時間差法
②ドップラ法
_◇電磁流量計
通電性の高い流体の流れの方向と直角に磁界を与えると、管の直径と流速に比例した誘導起電力が発生する。誘導起電力は、流体の密度、粘土、圧力等の影響を受けない
_◇差圧流量計
管路の途中に絞り(オリフィス)を設け、その前後に生じる圧力差を圧力センサで測定する。流量は圧力差の平方根に比例する。
※測定流量により絞りの形状ことなる
※圧力センサ
抵抗線ひずみ計
圧電素子
可変静電容量素子
_◇回転型流量計
流体中においた回転羽根などの回転から、電圧もしくは、周波数(外部の磁気センサで回転羽根の運動を検出する)を測定する
◆流体機械
_◇揚程と落差
ポンプ:入口と出口の+の水頭差⇒全揚程
発電用水車:入口と出口の-の水頭差⇒有効落差
※作動流体が液体の場合をポンプ、気体の場合を圧縮機(コンプレッサ)あるいは送風機とよぶ
_◇ポンプ
①プランジャポンプ
容積型往復ポンプ
吸い込み孔と吐き出し孔に弁が必要
高圧発生可能だが、単シリンダでは脈動発生
⇒多シリンダ
②歯車ポンプ
容積型回転式ポンプ
圧油用に主に用いられる
歯車と容器の内壁の間で高圧にした流体を連続的に送出
③渦巻きポンプ
ターボ型反動ポンプ
放射状に取り付けた羽根車を回転させ、羽根車の中心から吸い込んだ流体を回転させ、遠心力を発生させる。これにより流体に圧力と速度のエネルギーを与えて送り出す
※水動力 Lw [W]
流体に与えた動力
ポンプの全揚程 H[m]
体積流量 Q[m^3/s]
Lw=ρ*g*Q*H [W]
※ポンプの効率ηp
ポンプに与える軸動力 L
Lw = ηp * L [W]
_◇水車
入り口の状態を1、出口の状態を2として水車に与えられる有効落差Hは
H=(z1-z2)+(v1^2-v2^2)/2g+(p1-p2)/ρg
①重力水車
水路から水を落とす
位置水頭が主なエネルギー源
②衝撃水車
ノズルから噴射される高速噴流をバケットで受ける
速度水頭を回転運動に変換する
例)
ペルトン水車
③反動水車
速度水頭と圧力水頭を利用。渦巻き室から羽根車に導かれて、速度と圧力を減じて吐き出される。羽根車に生じる反作用力を利用している
例)
フランシス水車
※理論出力 Lw [W]
水車の有効落差 H[m]
体積流量 Q[m^3/s]
流体がもつ動力 Lw
Lw=ρ*g*Q*H [W]
※水車の効率ηt
水車出力 Lt [W]
Lt = ηt * Lw [W]
_◇流体アクチュエータ
空気や液体のもつエネルギーを機械的運動に直接変換する流体機械
回転出力⇒歯車式油圧モータ
直動出力⇒両ロッド型複動シリンダ
※建設機械
衝撃荷重、繰り返し荷重に耐えるよう
⇒液体の緩衝性を利用した油圧装置
◆流体応用の機械
_◇空気圧利用の搬送機
送風機で空気を装置と床面の間の狭い隙間に押し込んで、その圧力で重量物をささえるもの。36トンクラスまであり。
_◇キャブレター(気化器)
絞りにより流路を狭くすることで圧力を下げて、燃料を吸い込む(圧力が下がるので、気化もしやすくなる)
_◇ニューマチック・ディスパッチ
気送管
◆航空応用
_◇ジェット推進
_◇回転翼
内側ほど回転が遅いので角度を大きくつけてある
_◇固定翼
_◇着艦フック
着艦索の伸びのエネルギーを吸収するため水攪拌ツイスターにより運動エネルギーを熱に変換する
例)
340リットルの水、15秒間で10℃上昇
_◇ラム・エア・タービン
緊急時(エンジン停止時)の緊急用発電機や油圧ポンプとして、ジェット旅客機や戦闘機に内蔵される風車。外部兵装の電源として使われることもある
◆空気圧制御
ニューマチック・コントロール
◆メニスカス力
☆電磁流体力学
_◇磁気レイノルズ数
_◇磁気音速