Mechanical_Thermal

☆熱力学

◆効率

_◇カルノーサイクルの効率
η=1-(TL/TH)

_◇各種エンジンの効率
※ニューコメン機関。。。1%以下
※ワットの頃の蒸気機関。。。数%
※一般的なガソリンエンジン…20%
※効率のよいディーゼルエンジン…40%
⇒ディーゼルエンジンの効率>ガソリンエンジン

人間を含む動物の生命活動の効率…25%

※コンバインド(複合)サイクル発電
低温の熱浴に捨てていた熱の再利用
①ガスタービン 1300℃~1500℃のガス
⇒効率40%
②ガスタービンの排ガスの熱で蒸気タービンを回す
⇒合計で効率50%以上

※コジェネレーション
需要家近傍に発電機を接地、電力を得るとともに、排熱を再利用しトータルの熱効率をあげる
⇒設備の設置や維持費とのバランス検討が必要

☆伝熱工学

◆概論

_◇基本的な定義

※定常状態と非定常状態
⇒非定常状態 unsteady-state condition
物体の温度が時間により変化する状態
⇒定常状態 steady-state condition
十分に時間が経過し温度が変化しなくなった状態
∂T/∂t=0

※温度分布 temperature distribution
⇒熱流方向の座標系をxとするx方向の温度変化
⇒任意の点xにおける温度分布の接線を温度勾配
(temperature gradient)

※伝熱量
単位面積、単位時間あたりの伝熱量q
[W/m^2]
⇒熱流束(heat flux)

_◇熱移動の三形態

熱伝導 heat conduction

熱伝達 heat transfer

熱輻射 thermal radiation

◆熱伝導
heat conduction
個体、静止液体、静止気体内部の温度差
⇒高温部から低温部への熱の流れ
⇒高温の分子から低温の分子への熱の伝導

_◇フーリエの法則
Fourier’s law

一様な温度T1[Kまたは℃]の平板
伝熱面積A[m^2]
厚さL[m]
平板の一面をT2に一瞬で下げ
他面はT1を維持
⇒非定常状態:時間とともに板内各部の温度は下がる
⇒定常状態になると、流入熱量と流出熱量はバランスし、物体内の温度勾配は一定となる
⇒温度勾配がx方向だけの1次元の場合

伝熱における熱流束 q [W/m^2]は
dT
q=-λ--
dx

※定常状態でも非定常状態でもなりたつ

※dT/dx [K/mまたは℃/m]
⇒熱流方向への温度勾配

※λ [W/(m*K)]
熱伝導率 (thernal conductivity)
⇒一般に物体の熱伝導率は温度により変化する
⇒座標を熱流方向にとると温度勾配が負となる。そのときに流れる熱量を正とするために負号をつける

_◇純金属の熱伝導率
[W/(m*K)]

300K 600K
銅 398 383
金 315 304
アルミ 235 —
鉄 80.3 54.7
チタン 21.9 19.4

_◇熱伝導方程式
物体内の微小体積要素 dx,dy,dz に対する熱収支にフーリエの法則を適用する.

A面(dy*dz)に単位時間あたり流入する熱量Qx[W]
∂T
Qx=-λ--dydz
∂x

A面から距離dx離れたB面(dy*dz)から流出する熱量Qx+dxは
テイラーの定理により(2次以下の微小項を省略すると)

Qx+dx=Qx+(∂Qx/∂x)dx
=-λ(∂T/∂x)dydz – (∂/∂x)(λ(∂T/∂x))dxdydz

流入熱量から流出熱量を差し引いた熱量は
Qx-Qx+dx=(∂/∂x)(λ(∂T/∂x))dxdydz

同様にy,z方向でももとめ
これを加えれば、微小6面体に蓄積される熱量⊿Q1は
⊿Q1=[(∂/∂x)(λ(∂T/∂x))+…]dxdydz

一方、同じ体積がdt時間にdTだけ温度上昇したとすると
物体の比熱を c[J/(kg*K)]
物体の密度を ρ[kg/m^3]
として
⊿Q2=c*ρ*(∂T/∂t)dxdydz
とも書ける

⊿Q1と⊿Q2は等しいことから
(かつλが物体の全ての場所で一定であれば)

∂T   ∂2T ∂2T ∂2T
cρ--=λ(---+---+---)
∂t   ∂x2 ∂y2 ∂z2

なる微分方程式を得る
⇒3次元の非定常熱伝導方程式

※左辺:非定常項

_◇定常熱伝導

3次元の非定常熱伝導方程式をx方向のみの1次元定常熱伝導問題に適用した場合

左辺の非定常項=0
λ:一定とする
よって

d^2 T/dx^2 = 0

よって解は
T = c1*x + c2

⇒1次元定常熱伝導においてλ一定ならば、物体内の温度は直線分布となる

※境界条件x=0でT=T1, x=LでT=T2を与えると
T=((T2-T1)/L)*x + T1

また熱流束はフーリエの法則から
q=-λ(T2-T1)/L

例)
厚さ20mm、λ=0.26W/(m*K)の木の壁
内側の表面温度32℃、外側の表面4℃
壁の広さ2.5m^2を通過する単位時間あたりの熱量

q=-0.26*(4-32)/0.02=364 [W/m^2]
Q=A*q=2.5*364=910W

_◇物体表面近傍の温度分布と境界条件

典型的には、以下の3状態を考える必要がある
①一定温度
②一定熱流束
③流れている流体に接する

例)
容器内部の一定温度の液体(容器内壁温度一定、温度降下なしとする)
容器は外気により冷却されている(定常状態)
厚さLの容器壁
内壁温度T1,外壁温度T2,外気温度T∞
T1>T2>T∞

q=-λ(T2-T1)/L=α(T2-T∞) …(1)

上記式からT2は

T2=(T1+Bi*T∞)/(1+Bi) …(2)
ここで
Bi=α*L/λ
⇒Bi: ビオー数(Biot number)
⇒流体での熱移動と物体内熱移動との関係を示す無次元数
⇒ビオー数が小さいと物体内部の温度は一様に近づく
類似)ヌッセルト数(λは固体でなく流体の熱伝導率、対流で用いる)

例)
厚さ0.03mの平板
片面50℃、他面8℃
外気流体の熱伝導率10W/(m^2*K)
外壁温度と熱流束を求めよ。

平板の材料:
アクリル(0.21W/[m*K])
鉄(80.3W/[m*K])

外表面温度を(2)式より求め,そこでもとめたT2より
(1)式をつかってqを求めればよい

アクリルの場合
T2=25.29℃, q=172.9W/m^2
鉄の場合
T2=49.84℃, q=428.3W/m^2

例)一定熱流束の場合
⇒一般に両表面温度を求めることが問われる
外表面温度は
T2=T∞+q/α
内表面温度は
T1=T2+q*L/λ

例)流れている流体に接している場合
⇒固定壁の一方の流体から他方の流体への伝熱を熱通過という。
流入する熱流束
q=αin*(Tin-T1)
通過する熱流束
q=-(λ/L)*(T2-T1)
流出する熱流束
q=αout*(T2-T∞)
定常状態では上の3つの熱流束が等しくなる。
T2,T1を消去することができ

q=1/((1/αin)+(L/λ)+(1/αout))*(Tin-T∞)

※1/α:熱伝達抵抗
※L/λ:熱伝導抵抗

(1/K)=(1/αin)+(L/λ)+(1/αout)
K:熱透過率[W/(m^2*K)]、熱伝達率と同じ次元

よって
Q=q*A=K*A*(Tin-T∞)

◆熱伝達

物体表面が流れている流体に接していて、物体と流体間に熱のやりとりがある状態
⇒物体の表面温度Twと流体温度T∞の間の温度差が熱伝達における熱移動の発生力となる。

①個体壁から流体に熱が伝わるとき
②流体から個体壁へ熱が伝わるとき
⇒伝熱量は流体の挙動に影響をうける
⇒流体温度は壁面との伝熱に影響をうける
⇒定常状態においても温度分布は直線とならない
⇒熱伝達

_◇ニュートンの冷却法則
Newton’s law of cooling

q=α(Tw-T∞)

Tw:壁面温度
T∞:物体から十分離れた場所の流体温度
α:熱伝達率(heat transfer coefficient)
[W/(m^2*K)]
⇒対流の強さや流体の種類により変化する
⇒物性値ではない
例)
空気の熱伝達率
流速により10~250W/(m^2*K)
流れている水の熱伝達率
流速により250~5000W/(m^2*K)

※表面積Aを含まるならば
Q=α*A*(Tw-T∞)

_◇強制対流熱伝達
対流を送風機やポンプなどの外力で生じさせた場合

_◇自然対流熱伝達
(自由対流熱伝達)
対流が流体の密度差により生じる場合

◆熱輻射
物体内部の分子運動
⇒熱エネルギーを電磁波の形で放出

※黒体 black body
表面に到達する輻射熱を全て吸収する物体

_◇ステファン・ボルツマンの法則
Stefan-Boltzmann’s law

※輻射熱流束 E [W/m^2]
黒体の場合
E=σ*T^4
T[K]
σ=5.67e-8 [W/(m^2*K^4)]
ステファン・ボルツマン定数

一般物体
E=ε*σ*T^4
ε:輻射率
物体の表面形状、温度により変化する

※2つの物体間の正味輻射熱量
吸収熱量-放射熱量

※一般に伝熱面温度が常温程度であれば、輻射熱流束は、熱伝導や熱伝達に比べて無視できるが、高温になると輻射が優位となる

◆相変化をともなう伝熱現象

沸騰、凝縮、凝固、融解、昇華、蒸着