Physics_Electro

□電磁気、電気

☆静電気

◆摩擦電気系列
正)毛皮>ガラス>雲母>絹>真綿>木材>琥珀>樹脂(負

◆人体の電気抵抗
_◇乾燥:5000Ω
_◇湿:2000Ω

◆静電誘導

◆クーロンの法則
Coulomb’s law

_◇電荷に関するクーロンの法則
F=k * ((Q * q) / r^2 )

電荷:Q,q[C]
距離:r[m]
静電気力:F[N]
k=9.0e9 [N*m^2/C^2]

※Q*q > 0 なら斥力。 Q*q < 0 なら引力

※方向まで加味すると
F→ = {(q1 * q2 / 4πε0)/r^2}*(^r)

ここで(^r)はr→と同方向の単位ベクトルである
(^r) = r→ / |r| = r→ / r
クーロンポテンシャルV(r→)は
V(r→)=((q1*q2)/r)*(^r)

1C = 1A * s
真空中の誘電率
ε0=8.854e-12 [A^2*s^2*N^-1*m^-2]

_◇磁荷に関するクーロンの法則

◆電場
_◇電場に別の電荷を置くと力が作用する。
_◇電荷が動くと、まわりの電場が変化する。電場の変化は波として周囲につたわる。電場の変化を伝える波を電波という。

電場の強さは電場の中においた1Cの正電荷が受けるクーロン力Eで表す。

E=k*Q/r^2 [N/C]

◆電気力線
_◇正電荷をもつテスト電荷があったとして、クーロン力による動きを示す曲線。正電荷から負電荷に向かい、ある点における接線の向きが電場の方向に一致する。密なところは強く、疎なところは弱い。電荷があるところとゼロのところを除いて交わらず枝分かれもしない。
_◇導体表面の電気力線は導体の表面に垂直。
_◇表面に尖った部分があると電気力線が集中する。
_◇電気力線に垂直な面が等電位面となる。

◆静電遮蔽
導体を電場の中においた場合、導体内の電子はクーロン力により移動し、外部電場と逆向きでゼロに打ち消す内部電場をつくる。

◆電位
_◇電位差V[V]の2点間を移動させるときの仕事W[J]

W=qV

_◇一様な強さE[N/C]の電場におかれた電荷q[C]をクーロン力に逆らって距離d[m]だけ移動させたときの仕事

W = F*d = q*E*d [J]

_◇
V = E * d
E = V / d

1 [V/m] = 1 [J/Cm] = 1 [N/C]

☆電磁界

電場も磁場も観測者の立場によって、大きさが変化したり、現れたり消えたりするものである(場の相対性)

場とは空間自身がもっている性質である。

◆真空中の誘電率ε0と真空中の透磁率μ0との関係
1/√(μ0*ε0) = c(高速) = 3e8 (m/s)

_◇誘電率
クーロンの法則において、電荷と力とを結びつけるための比例係数

※電荷をQ[C]、電界をE[V/m]とすると、クーロン力F[N]は次のように表せる
F = Q*E

※誘電率
電界の中に存在している電荷とその電界によって発生する力との関係を示す係数
SI 8.855e-12 [F/m]

_◇平等電界
2つの平板電極間の距離が電極の一辺の長さより十分に小さければ極板間の電界は平等電界とみなせる。

_◇電界の大きさ
単位面積から放出される電気力線の数に置き換えて表すことができる。

※電気力線の数
電極の内部の電荷の量を誘電率で割ればもとまる。

※金属が静電気を帯びている場合、
電極内部や表面にそった方向の電界は存在しない
⇒電子は移動しない

※電流が流れている金属
⇒電界が存在する(電子の移動が起こる)

固体表面から自由空間に電子を飛び出させるために必要なエネルギー

◆磁極
NとSの2種の磁極があり、同種の磁極は反発しあい、異種の磁極は引き合う。磁極の強さを表すのが磁荷で、単位は[Wb]。磁荷の間にもクーロンの法則がなりたち、磁極の強さ[Wb]の積に比例し、距離に反比例する。

_◇磁荷(磁極の強さ):Wb(ウェーバ)
強さの等しい2つの磁極を1メートル離したとき働く力の強さが、

10**7/(4π)**2 《N》 = 6.33*10**4《N》

を 1 Wb と定める。

_◇磁力線
①N極からでてS極に入る。
②枝分かれや合体はせず、常に1本。
③お互いには反発しあい、単独では縮もうとする。
④接線の向きが、磁界と磁力の向きである。
⑤磁界の強さがHの点では、断面積1平方mあたりH本の割合で磁力線を描く。

※磁力線には、はじめと終わりはなく、必ず電流のまわりをひとまわりする⇒循環型の場

⇒電場は湧き出し、吸い込み型の場である

◆磁性体
磁界(磁場)の中で物体が磁石になることを磁化、磁石になる物体を磁性体という。
①強磁性体:鉄、ニッケル、コバルト。磁界の向きに強く磁化される。
②常磁性体:アルミニウム、空気。磁界の向きに弱く磁化される。
③反磁性体:銅、水。磁界の向きと逆に磁化される。

◆磁界の強さ:AT/m (N/Wb)
1Wbの磁極を磁界中に置いたときに1Nの力が作用するような磁界の強さを1アンペア回数/メートル《AT/m》という

_◇磁界のクーロンの法則

f= 6.33e4 * (ma * mb) / r^2

6.33e4 : [N*m^2/Wb^2]

_◇透磁率
μs:比透磁率
μ0:真空中の比透磁率
4π*10**-7=1.257*10**-6

※任意の媒質の透磁率μ
μ = μs * μ0

※MKSA有理化単位系
μ0=10**-7

_◇真空中の磁界の強さ
r[m]:距離
H[AT/m]:磁界の強さ
m[Wb]:磁極

H=(1/4πμ0)(m/r^2)=6.33e4 * (m/r^2) [AT/m]

※任意の媒質中
H=(1/4πμ)(m/r^2)=6.33e4 * (m/r^2) [AT/m]

_◇磁極に働く力
f = mH [N]

◆磁束
電気力線同様、磁力線を考えることができるが、物質の種類によって磁場の通しやすさ(透磁率)は異なり、そのままだと磁力線の本数が物質の境界で変わってしまう。透磁率も考慮した磁場を磁束(Φ)を使って表す。単位面積あたりの磁束の本数を磁束密度(B)とよび、磁束が貫く面積をSとすると

Φ = B * S

_◇m[Wb]の磁極から真空中に出ている磁力線の総数N
N = m / μ0 [本]

_◇断面積A[m^2]を通る磁束Φ[Wb]の磁束密度
B = Φ / A = μH [Wb/m^2]

◆磁束密度
1Aの電流を流したとき、1N/mの力が働くような磁場の強さ(磁束密度)を1T(テスラ)とする。

1[T] = 10000 [G,ガウス]

地磁気:0.4G
磁気治療器:0.1T=1000G
MRI:1T

_◇真空中
B=μ0H
μ0=4π*10**-7 《N/A**2》
真空中の透磁率

_◇有心コイル
B=μH
μ:物質固有の透磁率

◆アンペールの右ネジの法則
電流を導線に流した場合、右手の親指を電流の方向へ向けると残りの指が磁界の方向を示す。磁場の強さは電流に比例し、距離に反比例する。

H = I/2πr

_◇コイルの場合のは、磁場の向きが右手の親指、電流の向きが右手の残りの指の方向となる。

◆フレミングの左手の法則。。。アンペールの力
磁界によって電流を受ける力の方向

親指=F=力の方向
人差し指=B=磁束の方向
中指=I=電流の方向

※親指から順にFBIという順になる。

F = I * B * L

F:働く力[N]
L:導線の長さ[m]

※IBの法則
電流Iと磁束密度Bの矢印がつくる平面に頭をおいて立てた右ねじをIからBに回転させたときにネジの進む方向が力Fの働く向きとなる。

※ベクトルで書けば

f→ = I→ × B→ * l

※IB平面上での両者の角度がθならば
f=I * B * L * sinθ

◆ローレンツ力
電流Iを速度vの+qの電荷の流れとみなす。磁場Bと電荷の運動方向のなす角をθとすると、電荷が受ける力fは

f = q * v * B sinθ

θ=90度のとき、sinθ=1となり、長さLの導線にIの電流が流れているとすると
q = I * t
L = v * t
より、ローレンツ力はフレミング左手の法則と一致する。

◆ビオ・サバールの法則
電線の微小部分⊿lよりr[m]の距離における点Pでの磁界の強さ⊿H [AT/m]
I:電流[A]
θ:微小区間⊿lの電流の流れる方向と⊿lを示す点OとPを結んだ直線OPとの成す角

⊿H = {(I*⊿l)/(4πr^2)} * sinθ

※円電流による磁界
①円形コイルの中心の磁界
N:巻数
r:半径

H = N*I / 2*r [AT/m]

②円形コイルの中心軸上の磁界
コイルの中心をOとして、コイルの中心から点Pへの長さをx,円周上の点Qとすると、QPの長さをRとする。
R^2 = r^2 + x^2

H = N*I*r^2 / 2*R^3 [AT/m]

◆電磁誘導
磁場の変化で発生する起電力を誘導起電力、電流を誘導電流、このような現象を電磁誘導という。

電磁誘導の効果は磁束の変化の速さに比例する。

※磁場の変化は電場を生み出す。

※磁場の変化によって生じる電場は、電荷が作る湧き出し、吸い込み型の電場とは様子が異なる。この電場は磁力線を取り巻くように生じ、循環型となる。

※電荷の作る電場を静電場、磁場の変化を作る電場を誘導電場と区別して呼ぶことがある。どちらの電場も電化に及ぼす効果はまったく同じである。

_◇誘導起電力
単位時間あたりの磁場の変化量として表される。⊿t秒間における磁束の変化を⊿Φとすると、誘導起電力V[V]は、
V = – ⊿Φ/ ⊿t
(ファラデーの電磁誘導の法則)

※マイナス符号は、変化を妨げる方向に起電力が発生することを示す。

※誘導起電力の大きさ
1巻き(N=1)のコイルを貫く磁束Φが⊿t秒間に⊿Φ[Wb]変化したときの誘導起電力e

e = ⊿Φ/ ⊿t [V]

コイルの巻き数がN回ならば

e = N * (⊿Φ/ ⊿t) [V]

磁束鎖交数が⊿t秒間に⊿NΦ[Wb]変化したとすると

e = ⊿NΦ/ ⊿t [V]

例)磁束密度0.05Wb/m^2の平等磁界内で、2辺が20cm,35cm、巻数50の長方形コイルの軸を磁界に対して直角に置き、毎分4800回転の速さで回転させたときのコイルに誘導される平均起電力

一本の導体が一回転したときに切る磁束の数は、

Φ = 0.05 * 0.2 * 0.35 = 3.5e-3 Wb

巻数50コイルは100本の導体を持つから、全体では

3.5e-3 * 100 = 3.5e-1 Wb

求める起電力は、

e= 3.5e-1 * (4800 / 60) = 28 [V]

※1巻きのコイルを貫いている磁束が1秒間に1Wbの割合で変化したときに誘導される起電力の大きさは1Vである。

_◇レンツの法則
コイルでつくる面を垂直に横切る磁束の変化を打ち消すように誘導電流による磁界が発生する。

ここで

Φ = B * S

B [Wb / m^2] 磁束密度
S [m^2] 面積

_◇自己誘導
コイルに交流を流すと、その電流自身が作り出すコイルを貫く磁束が周期的に変化する。すると磁束変化を妨げようとする誘導起電力が生じる。この誘導起電力は自分自身に流れる電流が作る磁場の変化による。

電流の変化が速いほど逆誘導起電力は大きい。

巻き数を増やし、鉄心などをいれるとコイルを貫く磁束が増えてさらに大きくなる

◆フレミングの右手の法則。。。電磁誘導
電磁誘導によってできる起電力の方向

親指=F=力の方向
人差し指=B=磁束の方向
中指=I=電流の方向

◆一様な磁場中で荷電粒子の受ける力
一様な磁場Hに垂直に、質量m[kg]の荷電粒子が速さv[m/s]で進むとき、荷電粒子は磁場に垂直な平面内で等速円運動をする。

_◇サイクロトロン運動

円運動の半径をr[m]とすると、ローレンツ力が向心力となり

m * v^2 / r = q * v * B

円運動の半径rは

r = (m * v) / (q * B)

円運動の周期Tは

T = 2 * π * r / v = 2 * π * m / (q * B)

よって、Tは、同じ粒子(mやqが同じ)なら、一定のBのもとに速度や半径が変わっても常に一定となる。

_◇比電荷 q/m

_◇上記式から質量、電荷量を決定する装置を質量分析器という。

◆自己誘導、相互誘導

①自己誘導
コイルの電流で磁束の変化が生じると、コイル自身にこれを打ち消す向きに磁束が生じるように誘導電流が生じる。磁束の変化⊿Φはコイルに流れる電流の変化 ⊿Iに比例する。

自己誘導起電力 V = L * (⊿I / ⊿t)

比例定数 L [H]が自己インダクタンス

②相互誘導
2つのコイルを近づけておいたとき、コイルAに電流変化⊿I1を起こすと、コイルAの磁束の変化により、コイルBに誘導起電力V2が生じる。

相互誘導起電力 V2 = M * (⊿I1 / ⊿t)

比例定数 M [H]が相互インダクタンス

◆トランス
トランスを使用すれば交流電流を自由に上げたり下げたりできる。

e2/e1 = n2/n1

n1: 1次コイルの巻き数
n2: 2次コイルの巻き数
e1: 1次コイル電圧
e2: 2次コイル電圧

※1次コイルと2次コイルの一部を共通としているトランスを単巻変圧器(オートトランス)という

◆アラゴの円板
回転可能な銅またはアルミの円板を磁石ではさんだもの。磁石を円周に沿って移動すると、磁極から出た磁力線が円板を横切って運動するために円板に渦電流がながれ、電磁力が発生して回転する。

◆Poynting vector
電場と磁場のベクトル積(考案者のポインティングから名がとられている)。電磁場の持つエネルギーの流れの密度を表す物理量。
進行方向を指し
単位面積を単位時間あたりに通過するエネルギー量となる
S=ExH=(1/μ)ExB

◆マクスウェルの方程式
Maxwell’s electromagnetic equation

電流は、直流のように変動しない場合でも磁場を作る。しかし、電場は、変化しない場合には磁場を作らない。電場から磁場ができるのは電場が変動した場合だけである。

※極座標で考えるともっとも分かりやすい

_◇第1方程式
球形の電極の大きさがごくわずかに変化したときに、電界がどのように変化すればを表す。
⇒マクスウエルは電荷が球形の電極の内部に一様に分布すると仮定⇒電極の表面から無限遠に向かう電界は1次元のモデルで現される

※中空電極:半径rからr+⊿rに増加
⇒球電極のごくわずかな増加のモデル

①中空電極の表面から放出される電気力線の数を電極表面の電界と表面積であらわす
⇒電気力線の数は増加した電界⊿E[V/m]と表面積4πr^2[m^2]の積に等しい

②中空電極の内部から放出される電気力線の数を1m^3の体積から放出される電気力線の数とその体積で表す
⇒増加した体積は表面積4πr^2[m^2]と⊿rの積に等しい

※①=②である。「単位体積からでる電気力線の数」は電荷密度を誘電率で割った値に等しい
電荷密度ρ[C/m^3]
誘電率ε0[F/m]
⊿E=(ρ/ε0)*⊿r

ρ        ⊿E dE
divE=--(=lim  --=--)
ε0  ⊿r→0 ⊿r dr

※マクスウエルの発散の方程式

※多数に分割した中空電極を用いて大きな電極の表面の電界をもとめる形⇒積分形

_◇第2方程式

_◇第3方程式

_◇第4方程式

_◇積分形

①∫εEdS=∫ρdv

※F=k(QaQb)/r**2…クーロンの法則
k=9.0×10**9 Nm**2/C**2

※点電荷Qaを取り囲む半径rの球の上の電界E
F=QbE
E=kQa/r**2

※球の表面での電界の強さx球の表面積
=E x 4πr**2
= 4πkQa…半径に関わらず一定値となる。

※1/4πk…ε0…真空の誘電率

※ガウスの法則
E x 4πr**2=Qa/ε0
「点電荷を置いたとき、そのまわりを囲む球の表面上での電界の強さと表面積の積はQa/ε0である。」

※電磁界点電荷→電荷密度ρ体積v
∫ρdv
ΣEΔS=Qa/ε0
ε0∫EdS=∫ρdv
…電界が閉曲面と垂直なとき

②∮Edr=-d/dt∫BdS

※V=-Δφ/Δt
Sを通過する磁束∫BdSが時間変化d/dtするとSのまわりに電界∮Edrが生じる。

③∫BdS=0

※磁石のN極とS極が必ずペアである。
B:磁束密度

④∮Hdr=∫jdS+d/dt∫εEdS

※H=I/2πr…アンペールの法則
電流密度jを使って積分で表すと
∮Hdr=∫jdS

※変位電流
コンデンサーに流れ込む電流
I=ΔQ/Δt
電荷がΔQだけ変わったときの電界の強さの変化ΔE
ΔE=ΔQ/C*d
C=εS/dなので
I=εS(ΔE/Δt)
積分で表すと
d/dt∫εEdS

_◇微分形

①∇・E = ρ/ε_0
divE = ρ
Eは電場ベクトル
ρは電荷密度
⇒電場の発散は電荷に比例する
⇒クーロンの法則を場の量で書いたものである

②∇xE = -∂B/∂t
rotE= -∂B/∂t
※curlE=-B・
Bは磁場、B・は時間変化
Eは電場ベクトル
⇒電場の回転は磁場の変化に比例する
⇒ファラデーの法則の場の表現

③∇・B = 0
divB=0
⇒磁場の発散は常にゼロ
⇒磁場には湧き出し口がない

④(1/μ0)*∇xB = ε0(∂E/∂t) + j
rotH=J
※curlB=E・+j
jは電流密度
⇒磁場の回転は電場の変化と電流に比例する
⇒アンペールの法則の場の表現

※E・
電場の変化=変位電流

※電流=電子の流れ
※変位電流=電場の変化=量子力学的には光子の振動

電界Eの発散
divE=ρ/ε_0
磁界Hの発散
divH=0
電界Eの回転
rotE=-dB/dt=-μ_0*dH/dt
磁界Hの回転
rotH=I(電流密度)+I(変位電流)

_◇Maxwell 1864

E 電気力
H 磁気力
D 電束密度
等方的な媒質の中では D = kE
B 磁束密度
等方的な媒質の中では B = μH
A ベクトルポテンシャル
i 伝導による電流密度
j 全電流密度
ρ 抵抗率
ψ 静電ポテンシャル
e 電荷密度

(A)電気変位と真電流、そしてこの両者からなる全電流、これら相互間の関係

j = i + ∂D/∂t

(B)磁力線と回路の誘導係数の間の関係

B = curl A

(C)電磁単位系で表した電流の強さと、電流がもたらす磁気的な効果との間の関係

4πj = curl H

(D)場の中での部隊の動き、場そのものの変化、場の中のある点と他の点での電位の違いなどによって生じる起電力の間の関係

E = v×B – A – gradψ

(E)電気変位と、それを生ずる起電力の間の関係

D = kE

(F)電流と、それを生ずる起電力の間の関係

E = ρi

(G)任意の点での自由電荷の量と、その付近の電気変位との間の関係

e – divD = 0

(H)自由電荷の増減と、その付近の電流との間の関係

de/dt + div i = 0

☆電気回路

◆電流I [A]
1秒間に1Cの電荷。

I = Q / t

◆オームの法則

V = IR

V:電圧[V]
I:電流[I]
R:抵抗[Ω]
//逆数 導電率(コンダクタンス)
//単位はジーメンス[S]

◆電気抵抗R

R = ρ * l/S

ρ:抵抗率[Ωm]
//断面1m^2,長さ1mあたりの抵抗値
l:長さ[m]
S:断面積[m^2]

◆キルヒホッフの法則
①回路の分岐点や合流点に流れ込む電流と流れ出る電流は等しい。
②回路を一周してもとの点に戻ると電位は元の値に戻る。

◆合成抵抗
_◇直列
R = R1 + R2
_◇並列
1/R = 1/R1 + 1/R2

◆コンデンサに蓄えられる電荷Q[C]

Q = C * V

C:電気容量[F]

_◇電気容量

C = ε * S/d

ε:誘電率
S:極板面積[m^2]
d:極板間隔[m]

◆合成容量
_◇直列
1/C = 1/C1 + 1/C2
_◇並列
C = C1 + C2

◆ジュールの法則
電位差Vで電荷Qが移動するとW=QV[J]の仕事をしたことになる。I=Q/tなので、

W = V * I * t [J]

単位時間あたりの仕事(仕事率)Pは

P = W / t = VI

Pを電力をよび[W]であらわす。

[W]=[J/s]=[V*A]

V=IRなので

W = R * I^2 * t
moshikuha

W = P * t

※W:[kWh]がよく用いられる。

※1cal は1グラムの水を14.5℃から15.5℃に1℃温度を高めるのに必要な熱量。1cal=4.18605J

1kWh ≒ 860 kcal

Q = 0.24 * I^2 * R * t (cal)

◆交流回路

_◇正弦波交流の実効値

正弦波交流の電圧の実効値 Ve および電流の実効値 Ie は、それぞれ電圧、電流の最大値 V0, I0 の1/√2(≒71%)となる。

Ve = V0 / √2
Ie = I0 / √2
Pe = Ve * Ie = V0 * I0 / 2

_◇リアクタンス
交流での電流の流れにくさを表す。単位は[Ω]

①誘導リアクタンス
コイルの自己誘導による電流の流れにくさ
2 * π * f * L [Ω]
周波数 f [Hz] が大きいほど、自己誘導インダクタンス L [H]が大きいほど大きくなる

_◇コイルに蓄えられたエネルギー

U = (L * I^2) / 2

_◇コイルに流れる電流と電圧の位相
コイルに流れる電流は回路に流れる電流と同じ、電圧は自己誘導起電力。電圧は電流に対してπ/2ラジアン(90度)進む

②容量リアクタンス
電気容量の充放電による電流の流れにくさ
1 / (2 * π * f * C) [Ω]
周波数 f [Hz] が小さいほど、電気容量 C [F]が小さいほど大きくなる

_◇コンデンサに蓄えられたエネルギー

U = (C * V^2) / 2

_◇コンデンサに流れる電流と電圧の位相
コンデンサにかかる電圧は変わらず、流れる電流は充放電による。電流は電圧に対してπ/2ラジアン(90度)進む(電流基準にすれば電圧はπ/2ラジアン(90度)遅れる)

_◇フィルタ回路の原理
①ローパスフィルタ
回路に直列にコイルをいれてやる
②ハイパスフィルタ
回路に直列にコンデンサをいれてやる
③バンドパスフィルタ
コイル、コンデンサを直列につなぐ。

_◇共振回路
抵抗 R[Ω], 容量 C[F], コイル L[H], 交流電源を直列につなぎ、電源の周波数を変化させると、電流はある周波数 f0 で最大となる。これを共振周波数という。

※回路全体の抵抗相当値(インピーダンス)Z

Z = √((2*π*f*L-1/(2*π*f*C))^2+R^2)

電流が最大になるのはZが最小になるときで

2*π*f*L-1/(2*π*f*C) = 0

この条件のときのfがf0

f0 = 1 /2*π*√(LC)

※同調回路に用いられる

_◇変位電流
コンデンサに電圧をかける(電場が変化する)と、磁場を生じる。コンデンサ内部には実際は電流は流れていないが、電流が流れているように磁場を生じるのでこれを変位電流と呼ぶ。

◆電磁波の発生

コンデンサの変位電流による磁場の発生
その磁場の変化による電場の発生
その電場の変化による磁場の発生

を繰り返して空間を進んでいく波を電磁波と呼ぶ。

※コンデンサの極板を開いてしまったものがアンテナである。※電磁波の先に、発生元と同様な共振回路を同様な方向に向けて置くことで電場の変化を振動電流として捉えることができる。(同調)

☆インピーダンス

インピーダンス Z とは、系に正弦振動する(複素数表示の)作用 E expiωt を加えたときの作用と応答 I expiωt の比 Z=E/I として定義される。

※必ずしも原因と結果の関係ではない。

①交流回路におけるインピーダンス
複素電圧と複素電流の比
※回路に電気抵抗しか存在しないときには、インピーダンスは抵抗値に等しい実数となり、コイルやコンデンサーが存在する場合は、位相のずれを含む複素数となる。

②音響インピーダンス
圧力と粒子の速度の比

③電磁波
ある点での電場の強さと磁場の強さの比

誘電率ε・透磁率μの媒質中を伝播する振動数ω・波数ベクトルkの単色平面波の場合、マクスウェル方程式は、

ωμH = c k×E
ωεE = -c k×H

これより、
εE2 = μH2

よって媒質の波動インピーダンスは、

(μ/ε)^1/2

MKSA単位系を使って真空について計算すると、
真空の誘電率 ε0 = (1/36π)×10-9 [F/m]
真空の透磁率 μ0 = 4π×10-7 [H/m]
なので、
真空のインピーダンス Z0 = 120π [Ω]

◆伝送線路の特性インピーダンスZ0
Characteristic Impedance

無損失伝送路の特性インピーダンス
Z0 = 1 / Y0 = √(L/C)

※Z0は、抵抗と同じオーム[Ω]の単位をもつ。通常のオームの法則のように、特性インピーダンスZ0が分かっていれば、電圧から電流が、電流から電圧が計算でき、電力も求められる。よって工学的な立場から伝送路の問題を扱うときには、あらかじめ伝送路の特性インピーダンスを既知とした上で、電圧や電力のみを対象とする。

※無損失の場合、純粋にLとCだけで特性インピーダンスが決定され、周波数や電圧には影響を受けない。リアルな伝送線路では必ず損失があり、周波数の影響を受ける。しかし、一般的な高周波伝送路では、ほぼ近似的に成立する(数MHz~数GHzの同軸ケーブル)。