□汎論
☆量
◆物理量
基準の大きさである単位と比較して表される
◆状態量とそうでないもの
_◇状態量
系の状態が変化する場合、その値が変化の経路によらず、最初と最後の状態だけで決まるもの
U 内部エネルギー
P 圧力
V 体積
T 温度
S エントロピー
※状態量の微小量を表すときは dx のようにする
_◇状態量以外のもの
Q 熱量
W 仕事
※状態量でないものの微小量を表す場合には d’Q のようにする
☆基本法則
◆保存法則 law of conservation
※保存法則が確立された物理量は、物理的実在とみなされる
_◇エネルギー保存の法則 law of conservation of energy
熱力学の第1法則
the first law of thermodynamics
力学的エネルギー保存の法則
law of conservation of mechanical energy
_◇電荷の保存 conservation of electric charge
⇒ゲージ不変性(invariance for gauge transformation)
※偶奇性非保存 (偶奇性 parity)
_◇運動量保存の法則
_◇仮想仕事の原理
_◇不確定性原理 uncertainty principle
一種の情報保存の法則ともみなせる
◆場の法則
物理量uが空間的に分布している場所をuの場(field)という
※たいていは連続的 continuous
※場は時間的にも変化し、空間的、時間的変化を表す法則を見つけ出すことは物理学の任務である。
※保存則だけでは変化はわからない
_◇力学の基本法則
ニュートンの運動法則
⇒ラグランジェ解析力学 analytical dynamics
⇒ハミルトンの原理 Hamilton’s principle
∫[t0:t] L dt
ここで L = K – U
Kは運動エネルギーであり、Uはポテンシャルエネルギー。実際に起こる運動はこの積分を極小(または極大)にならしめるものである。
※ハミルトンの原理は座標に直接関係せず、電磁気や幾何光学の基本方程式も関数Lを適当にとれば同様な形に掛ける。
※最小作用の原理 principle of least action
(エネルギーに時間を乗じた量を作用 action という)
※変分原理 variation principle
極小原理 minimal principle
極大原理 maximal principle
※古典力学の法則からは力は誘導されず、万有引力の法則などにより独立に与えられる
_◇電磁気学の基本法則
※マクスウエル方程式からは、クーロン力が誘導される。
◆統計法則
ミクロ系とマクロ系との性質のなんらかの関係を表す法則
_◇熱力学の第2法則
the second law of thermodynamics
※エントロピー entropy
古典熱力学では単なる一種の状態量(quantity of state)
⇒与えられた条件下でミクロ系のとりえる配置の数(熱力学的重率 thermodynamic weight)Ωの測度(measure)である。
S = k * ln(Ω)
k:ボルツマン定数(1.38026±0.00006)e-23 J/K
統計力学 statistical dynamics
統計熱力学 statistical thermodynamics
◆物質法則
物質のマクロ的な性質を表わす
フックの法則
ボイル・シャルルの法則
ニュートンの粘性の法則
オームの法則
※かならずある範囲の限定された物質についてだけ成立し、どこまでも精密に成立するわけでもない。
※物質固有のパラメータを含む⇒物質定数(material constant)
弾性定数
粘性率
膨張係数
◆法則の時間的可逆性
可逆的 reversible
非可逆的 irreversible
※時間を表わす変数 t の符号を変えて -t としたとき、法則を表わす式の形が変わらなければ可逆的、変われば非可逆的
※時間 t についての微分
∂^n
----
∂t^n
を含む式で、nが偶数の項は可逆的。奇数の項は非可逆的。
例)
抵抗を受けない物体の運動
2次の微分だけなので可逆的
抵抗を受ける物体の運動
1次の微分含む(非可逆的)
⇒抵抗は力学的エネルギーが熱に変わる統計的過程なので非可逆的となる
※回転する座標系では座標変換により時間の1次微分が現れる。⇒見かけ上の非可逆的な運動
コリオリの力 Corilis’s force
※電場は時間反転に対して不変。磁場は時間反転に対して向きが反転する。
※エントロピーの増大する現象はすべて非可逆
※時間反転 time refection
☆時間、空間、質量、電荷
◆因果律 law of causality
◆ミンコフスキー空間
Minkowski
時間tをも一つの座標と考え、これを加えた4次元空間
◆座標系
_◇3次元直角座標
x1, x2, x3
_◇極座標
polar coordinates
spherical coordinates
r,θ,φ
※3次元直角座標への変換
x1 = r*sin(θ)cos(φ)
x2 = r*sin(θ)sin(φ)
x3 = r*cos(θ)
※極座標も任意の次元に拡張される
x1 = r*sin(θ1)sin(θ2)cos(φ)
x2 = r*sin(θ1)sin(θ2)sin(φ)
x3 = r*sin(θ1)cos(φ2)
x4 = r*cos(θ1)
_◇円柱座標
cylindrical coordinates
r, θ, z
※3次元直角座標への変換
x1 = r*cos(φ)
x2 = r*sin(φ)
x3 = z
_◇曲線座標
curvilinear coordinates
一般に直角座標x1, x2, x3に関して、互いに独立な3つの関数 u1 = f1(x1, x2, x3)
u2 = f2(x1, x2, x3)
u3 = f3(x1, x2, x3)
があって、1組のx1, x2, x3の値を指定すればそれに対応する u1, u2, u3の値が一義的に定まるときは、(x1, x2, x3)の代わりに(u1, u2, u3)の値をもって座標とすることができる。
各式は曲面をあらわし、曲面の交線は一般に曲線となる。
※曲面群が互いに直角に交わる場合
直交曲線座標
orthogonal curvilinear coordinates
◆物理学的空間
距離が測りうる実在であるためには座標系のとり方に無関係に距離が定まらなければならない。
⇒座標変換に対する不変量(invariant)
※物理空間と幾何学的性質が最も似通った数学的空間を借用して、物理空間の幾何学的な面を表現する。
※空間に関する仮定
均質 homogeneous
等方性 isotropic
仮定からのはずれは観測されていない
※距離空間
metric space
ユークリッド空間 Euclidian space
リーマン空間 Riemanian space
◆質量
質量は2つの定義があるが、同一の値をとる。
⇒等価原理(経験則)
_◇慣性質量
inertial mass
ニュートンの運動方程式 F=mi*aから定義されるmi
_◇重力質量
gravitational mass
ニュートンの万有引力の法則から定義されるmg
☆次元解析
物理量
質量、長さ、時間、電流の組み合わせ
質量M,長さL,時間T
面積:L^2
体積:L^3
速度:LT^-1
運動量:MLT^-1 (速度に質量をかけた)
力:MLT^-2(質量x加速度)
エネルギー:ML^2T^-2(力にそれが働いた距離を掛ける)
作用:ML^2^T-1(運動量と長さの積)
⇒角運動量も作用と同じ次元
⇒エネルギーと時間の積も作用と同じ次元
⇒プランク定数も同じ次元=作用量子
☆基礎定数
e:電子の電荷の大きさ
c:真空中の光の速さ
h:プランク定数
G:万有引力定数
☆双対
dual
☆自然観
◆連続的自然観
◆不連続的自然観
☆エルゴート性
集合平均と時間平均が一致するという仮定