Physics_Quantum

□素粒子、量子力学

☆量子論

◆黒体輻射

※熱輻射 thermal radiation

_◇Wienの法則
(ウイーンの変位則)

※物体が発する一番強い波長と、その時の温度(絶対温度)との積は一定である。
λmax * T = C

※黒体の分光放射エネルギー(分光放射輝度または分光放射発散度)が最大になる波長λmと、黒体の絶対温度T との積が一定値になる
λm * T = 2.8978e-3 [m*k]

例)絶対温度300Kのときに分光放射エネルギーが最大になる波長λ
約9.7μm

※プランクの式から導出できる

_◇Fraunhofer線
太陽のスペクトルをプリズムにかけると見られるスペクトルの合間の暗線

※物質は、自分が出す光と同じ波長の光を吸収する
(キルヒホフ)

_◇Planckの法則
放射する電磁波は、その物体固有のもので、絶対温度T の黒体(*)表面(1m^2)から、垂直方向に単位立体角(1sr)あたり放射される波長λmの単位波長幅(1m)あたりの分光放射輝度Le,λは、

Le,λ = 2*C1 / ( λ^5 (EXP(C2/λT) -1) [W/sr*m^-3]

C1=c^2*h=5.95531e-17 W*m^-2
C2=ch/k=1.43897e-2 m*k

c:真空中の光速
h:プランク定数
k:ボルツマン定数
T:黒体の絶対温度
λ:物体から放射される波長

※わかること
・放射エネルギーは、波長と共に連続に変化する
・どんな波長においても、放射エネルギーは温度とともに増加する
・温度が高くなるに従って、低波長の成分が相対的に大きくなる


ρ(v, T)=(8*π*ν/C^3)*(c*ν/exp(c*ν/(kB*T))-1)

ρ(v, T):エネルギー密度
ν:振動数
C:絶対温度
kB:ボルツマン定数
C:光速

※h
(ハー)
プランクの定数(または作用量子)
6.626e-34 [J*sec]

_◇Stefan-Boltzmannの法則
黒体の放射エネルギーを波長0から∞まで積分して、全波長域にわたる放射発散度を求めたもの。

黒体の全波長域にわたる放射発散度が絶対温度T の4乗に比例することを示す。α はステファンボルツマン定数。

F = α*T^4
(あるいは I = σ * T^4)

※プランクの式から導出できる

※星のまわりの物体の平衡温度
半径R◎で表面温度T◎から距離rのところにおかれた自転する球状の物体の表面温度T

物体の大きさに関わり無く

T=T◎ * √(R◎/2r)

◆光電効果 photoelectric effect
紫外線など(ある周波数-限界周波数-より高い周波数の光)をあてると光の量に関わらず金属から電子が飛び出す。(光電子)

※限界周波数
Zn 9.4e14 Hz
Na 5.5e14 Hz

①光は振動数νに比例するエネルギー hν を持つ粒子(光子:photn)である。
※h:プランク定数
②他の物質に光子が衝突すると、物質にエネルギー hν をすべてわたし消える。
③光子が金属の表面近くの電子に衝突し、エネルギー hν を電子に与えた場合、
i) 得たエネルギー hν が表面までの移動の仕事 W (仕事関数)より小さいと表面に達せず、光電子は現れない。よって限界振動数 ν0 以下の光では光電効果はおこらない。
W = h * ν0
ii) hν がWより大きければ光電効果が起こる。そのときの電子の運動エネルギーは、
(m * v^2 )/ 2 = h * ν – W

※光電効果
photoelectric effect

E = h * ν – W

W:仕事関数

_◇ボーズ=アインシュタイン分布

◆熱電子輻射

◆電界放射
冷電子放射

◆コンプトン効果、光の運動量
物質にX線をあてて散乱させたときに、元のX線よりも波長の長いX線が含まれる効果。通常、波が物体に当たって反射や散乱するときに波長は変わらないので波動では説明できない。光子が電子と弾性衝突することで一部のエネルギーを失ったと考えると説明できる。

E=hν
p(光子の運動量)=h/λ (h:プランク定数)

h(ドイツ式にハーと読む)
6.626e-34 J*s

※コンプトン波長
λ=h/mc
質量mの静止した粒子と光が相互作用した結果生じる光の波長を表す。(光の散乱角が90度の場合に定義された量)

※エイチバー
hを2πで割った定数
h~
これを使うと
E=hν=h~ω
p=h~k (k=2π/λ: 波数とよぶ)

_◇トムソン散乱
thomson

入射X線と散乱X線の波長が変わらないような散乱。
波長が長いX線ではそうなる。

☆原子、電子

◆電子

※束縛電子
原子の中にあり、化学結合を引き起こす

※自由電子
原子の外にある。陰極線など。

_◇電子の比電荷e/m
J.J.トムソンにより、平行板コンデンサにより鉛直方向の電場Eをかけた陰極線の電子の軌道変化からe/mが求められた。

水平方向(等速運動)
x = v0*t
垂直方向(等加速度運動)
a = e*E/m
y = (1/2)(e*E/m)*t^2

これから
y = (1/2)(e*E/m)(x/v0)^2
となるので、コンデンサの端x=Lのときのy位置Hを測定することで、
H = (1/2)(e/m)(E*L^2/v0^2)
でe/mが求まる

電子の比電荷e/m
1.76e11 C/kg

_◇電気素量
平行平板コンデンサの中に油滴をいれ、電界による電荷への上方向の力と重力を釣り合わせたミリカンの実験から

電気素量 e = 1.60e-19 C

※電子の比電荷と電気素量から電子の質量
m = 9.11e-31 kg

_◇電子ボルト
ミクロな世界でのエネルギーの単位。電子が1ボルトの電位差で持つエネルギーを1eVとする。

※静止電子が1ボルトで加速される
v=593km/S
まで加速される。このときの運動エネルギー
(mv^2)/2
が1eVとなる。

◆電子状態
原子内電子は、量子数n,l,mとスピン量子数sの4つで量子状態が決まる。

n 主量子数 (n=1…K, 2…L, 3…M,…)
l 軌道量子数 l<(n-1) l=0 s軌道, l=1 p軌道, l=2 d軌道, f,g,h m 磁気量子数 (2l+1) 磁場をかけないときは、この準位は同じエネルギーを持ち、すべて重なっている⇒縮退 ※エネルギー準位が重なっているとき縮退しているという。 _◇量子条件 電子の軌道の1周期に対する作用量がプランク定数hの整数倍nの軌道に限る。 ⇒この整数nを主量子数という ※作用量=軌道1周の長さと運動量(電子の質量と速度の積)の積 2πr*mv=nh (n=1,2,3,...) _◇振動数条件 電子が一つの軌道から別の軌道に移るときには、それらの定常状態のエネルギーの差に等しいエネルギーをもつ光の粒子が放出、あるいは吸収される _◇ボーア半径 主量子数1のときの、ボーアの原子模型における原子のサイズ。水素原子の大きさの目安 a_B=0.529e-8 [cm] ⇒化合物の結晶から推定される水素原子の半径はボーア半径よりも大きく1e-8[cm]程度である。 _◇エネルギー準位 主量子数nの準位をEnとすると、nが小さいほど低く、その軌道半径もnが小さいほど小さい ※水素原子でn>2からn=2へ移る場合のエネルギー
hν=En-E2

hν=R((1/2^2)-(1/n^2))=(R/4)*(n^2-4)/n^2
⇒バルマー系列

※水素原子では、力が静電クーロン力だけとみなせるので、主量子数だけの単純な記述ができる

_◇主量子数

n=1の軌道 K
n=2 L
n=3 M
n=4 N

※軌道の半径をrとすれば、軌道を一周する長さは2πrであり、これが電子はの波長λの整数倍のとき、定在波をつくる
2πr=nλ
一方、量子条件は
2πr*mv=n*h
よって
λ=h/(m*v)

※水素原子の電子が自由電子となるための解離のエネルギー
13.6 eV

_◇方位量子数
(軌道量子数)
楕円軌道の細長さを表す

n≧1, l=0,1,…,n-1

l=0 s軌道
l=1 p
l=2 d
l=3 f
l=4 g
l=5 h

_◇磁気量子数
m
軌道運動による角運動量のz方向成分
2*l+1個の準位がある

m=-l, -l+1,…,-1,0,1,…,l-1,l

※磁場をかけたときに現れる
⇒磁場をかけなければ縮退して同じエネルギーを持つ

_◇スピン量子数
s
大きさがh/4πであるスピン角運動量のz成分の値を表す

s=-1/2, +1/2

※この準位も磁場をかけないと分裂しない

_◇パウリの排他律

量子論的な準位のおのおのにはたかだか1個の電子しか入りえない

⇒電子の波動関数は2つの電子を交換すると符号が変わる

※満員になった軌道を閉核という

_◇自由電子
外殻電子が原子から離れて結晶中をうごきまわるもの。電流となり熱エネルギーも伝える

_◇遷移金属
d電子をもつ元素。
3d軌道に不対電子を持つことでいろいろ微妙な現象を起こす。強磁性体、高温超電導体の成分になる。触媒作用。

※原子の厳密解は水素原子のみ
⇒実際には電子間にも相互作用があるので、単純な原子模型では当てはまらなくなる

※鉄族 3d軌道

例)鉄
3d(M)軌道に4個の空席を残して、4s(N)軌道に2個入る

Fe^3+イオン 3d^5
⇒5個のd電子スピンは皆平行になり、1/2 * 5 = 5/2の合成スピンが原子内にできる⇒強磁性

_◇希土類
4f軌道に不対電子をもつ

_◇ハロゲン
閉核をつくるのに電子が1個足りない

_◇交換力
電子のスピンの状態によって、2つの電子の間には異なる力がはたらくように見える。
ある条件下では逆向きのスピンが引きあう⇒化学結合の大部分が説明される
ある条件下では電子のスピンをそろえる⇒鉄の強磁性

_◇クラドニの図形
板を1点で支えて固有振動させたときに、その様子を板の上にまぶした砂で見たもの
⇒電子の軌道のような図形が見える

◆陰極線管によるX線の発生

_◇X線
波長1nmから0.001nm程度の電磁波。電子を加速し陽極の金属に衝突させることで発生させることができる。連続X線には電子加速電圧によりきまる最短波長λ0がある。また、陽極の金属により波長が異なる特性X線については強度が強くなる。

加速電圧Vにより変化する最短の波長λ0
連続X線
陽極の金属により異なる特性X線

※λ0…電子の運動エネルギーが全てX線に変換された場合に当たる。e[C]の電子がV[V]の電場により得たエネルギーはeV
eV = hν + E’ (E’にエネルギーが残らない)
c = νλなので
λ0 = (h * c) / (e * V)

◆ラウエ斑点、ブラッグ反射

_◇ラウエ斑点
食塩の結晶にX線をあて、回折光の干渉によりスクリーン上に干渉模様ができる。X線が波動としての性質を持つことが示された。

_◇ブラッグ反射

結晶に角度θの方向からX線を照射すると次の条件を満たす方向で強めあう
2d * sinθ = m * λ (mは整数)
※dは結晶格子の長さ

◆水素原子のスペクトル
水素電子を気体放電させたときの固有の線スペクトル

①バルマー系列(可視光部)
1/λ = R (1/2^2 – 1/n^2)
ただし、R=1.1e7 (1/m), n=3,4,5,6

②ライマン系列(紫外部)
1/λ = R (1/1^2 – 1/n^2)
ただし、R=1.1e7 (1/m), n=2,3,4,5…

③パッシエン系列(赤外部)
1/λ = R (1/3^2 – 1/n^2)
ただし、R=1.1e7 (1/m), n=4,5,6…

◆実験装置

_◇ウイルソン霧箱
透明な容器に清浄な空気+凝固しやすい物質蒸気
(水、ドライアイス、アルコール)
⇒体積膨脹させて過飽和とする
⇒荷電粒子が飛び込んでイオンができると経路にそって気体が凝固して軌跡がのこる

_◇中性子の検出
直接の検出は困難なため、中性子と原子核が反応した際に発生する荷電粒子を検出する

◆ド・ブロイ波
質量を持つ電子や陽子などの粒子も波として振舞うというド・ブロイの仮説(1924)による物質波をド・ブロイ波と呼ぶ。

振動数 ν=E/h
波長 λ=h/p=h/(m*v)

hはプランク定数
⇒物質粒子にはプランク定数を運動量で割った値に等しい波長の波が伴うと考えられる

※電子波の波長
λ=h/m*v=h/√(2*e*m*V)
V=100(V)でλ=1.2e-10mとなる。
光学的な光の波長は5e-7m程度なので、分解能は3桁上回る。原子の大きさとほぼ同程度。

例)1eVの電子の波長は1.2nm

※波動と粒子の二重性
エネルギーE=hνの大きさにより異なる。
ν大 粒子性が強くでる
ν小 波動性が良く出る

◆微細構造遷移
例えば、水素原子において、上向きのスピンを持った陽子を回る上向きのスピンを持った電子が下向きのスピンに変化すること。このときのエネルギーの差が波長21cmの電波として放出する。

◆微細構造定数
電磁相互作用において結合定数を表す無次元の物理定数

   2*π*e^2
α=---------
    C*h

0.00729735253

※微細構造定数の逆数 137

e^2 ≒ 1 / 137
eは素電荷

プランクの定数(または作用量子)
6.626e-34 [J*sec]

真空中の光速
2.99792458e8 m/s

★なして?

◆リュードベリ定数

   2*π^2*m*e^4
R=-------------
    C*h^3

リュードベリ定数Rは、光の線スペクトルの分析から高い精度で測定できる。そのうえ

光速度c
プランク定数h
電子の質量m
電子の電荷e

とつながる。

◆ゼーマン効果
Zeeman

光源を非常に強い磁場にいれるとそのスペクトル線が何本かに分かれる現象

_◇正常ゼーマン効果
ZeemanとLorentzの古典力学的な解釈

①電荷eの粒子が単振動をしているとする
⇒同じ振動数を持つ光が放出される。
粒子の質量m
平衡点からxの点で粒子に働く力をF=-m*ω^2*xとする
磁場が無いときの振動数ν0
ν0=(1/2π)ω

②磁場をかけたときの磁場と平行に振動している粒子
⇒影響をうけない
よって磁場と垂直な方向でみればこの粒子から振動数ν0で磁場に平行に偏光した光が観測される。磁場の方向からはこの振動数の光はでてこない

③磁場に垂直な面内での粒子の振動
⇒左回りの円運動と右回りの円運動の重ね合わせで一般に表せる。粒子の速度をvとし、磁場の強さをBとすると、粒子に働くローレンツ力は(ベクトル)
e(v×B)
円運動の速度の絶対値は一定であるのでそれをvとすると、力のつりあいから
m*v^2/r=m*ω^2*r±e*v*B

※磁場が無いときλ0の一本のスペクトル線

※磁場があるとき

磁場に垂直な方向
λ0±⊿λ、λ0の3本のスペクトル
λ0、磁場と平衡な平面偏光
λ0±⊿λ、磁場と垂直な平面偏光

磁場の方向
λ0±⊿λの2本のスペクトル
λ0+⊿λ、左円偏光
λ0-⊿λ、右円偏光

_◇異常ゼーマン効果
量子力学的解釈が必要となる

◆フェルミ粒子とボース粒子

※あらゆる粒子はフェルミ粒子とボース粒子のニ群に分けられる。

※ボソンであるか、フェルミオンであるかは「固有スピン」により決まる

①ボソン。。。固有スピンは整数。0,1,2
②フェルミオン。。。1/2, 3/2といった半整数の固有スピンを持つ

※フェルミ粒子系では同一の量子状態に入れる粒子はただ一個に限られる。
電子、陽子、中性子はフェルミオンである

※ボース粒子は同一の量子状態に何個入っても良い。
光子はボソンである。

※電子はフェルミオンである
電子準位は下から満席となり、あるエネルギー準位の所まで空きがなく、その上は全部空いている、というエネルギー境界ができる。これをフェルミ準位という。

※フェルミオンが偶数個結合して別の粒子を作れば、それはボソンになる。
3Heは原子核にフェルミオンが3個あるからフェルミオン
4Heは4個で偶数なのでボソン

※ボソンはいくら集まってもボソン

_◇ボーズ-アインシュタイン凝縮
多数の同一の粒子があわさって単一の粒子のように作用する

※ボース粒子は個々の粒子の見分けがつかない(フェルミ粒子と同じ)
※ボース粒子はパウリの排他原理に支配されない(フェルミ粒子は支配されるので、一状態には1個のみ)
⇒ボース粒子は1つの状態にいくらでも入ることができる。

※分子間に相互作用の無い理想気体を冷却すると、ある温度以下でもっともエネルギーの低い状態に多数の粒子が凝縮する
※ボース・アインシュタイン凝縮=粒子がエネルギー最低の状態に集まった状態

例)液体ヘリウムの超流動
4He … 4.2Kで液体となる。2.17Kで粘性がなくなる

ヘリウム
4Heはボース粒子
3Heはフェルミ粒子(質量数3のヘリウムは自然界にはごく僅か)

_◇ゲージボソン
ある特定の力を伝える役目をもつ素粒子の総称
光子 電磁気力を伝える
ウィークボソン 弱い力
グルーオン 強い力

※ある一定の質量をもった粒子の受け渡しによって伝えらる力は、その質量が小さいほど、遠くまでとどく。(プランク定数に比例し、光の速さに逆比例する)

_◇クオーク、レプトン、ボゾン

※フェルミオン(すべてのフェルミオンに反粒子がある)
クオーク レプトン
u アップ e 電子
d ダウン νe 電子ニュートリノ

c チャーム μ ミュー粒子
s ストレンジ νμ ミューオンニュートリノ

t トップ τ タウ粒子
b ボトム ντ タウニュートリノ

※ボソン
弱い相互作用
W+ ウィークボソン
W- ウィークボソン
Z0 ウィークボソン

強い相互作用
g グルーオン

電磁相互作用
γ 光子(フォトン)

重力相互作用
G グラビトン(未発見)

慣性質量起源の粒子
H ヒッグス粒子(2012/7/4発見)

◆核力(強い相互作用)
10e-15 m 以下まで、電磁力に抗して陽子どうしを近づけることができると、電磁力による反発力に勝って陽子どうしが引き寄せられることになる。

◆ポジトロニウム(positronium)
電子と陽電子が電気的に束縛され対になったエキゾチック原子
元素記号Ps
質量2me

※スピンの向きによりパラポジトロニウムと、オルトポジトロニウムが存在

※真空中の寿命
p-Ps 125ピコ秒、消滅して光子2つ
o-Ps 142ナノ秒、消滅すると光子3個

※通常の原子との間では斥力が働き、原子間の空孔型欠陥に捕捉される

※ピックオフ消滅、スピン交換のほかに水素原子と同様な酸化反応、化合物生成反応を起こすことができる。

◆対消滅
電子-陽電子対の対消滅。それぞれの運動エネルギーも加味されるので、生じる光子のエネルギーは、511k電子ボルトの周辺にちらばるが、ピークは511keVとなるガンマ線。この特徴的なガンマ線は宇宙のあちこちにある。

※いて座Aスター(銀河系中心)
その近傍のIE1740.7-2942 電子・陽電子対消滅源

◆van-der-Waals力(van der Waals force)

分子間の引力部分をいう。

かなりの遠距離まで働く弱い力で、遠方では分子間距離の7乗に逆比例する。

オランダの物理学者van der Waalsが導いた気体の状態方程式に仮定された分子間の引力によって定まる定数から導かれた。

☆量子力学

電子は「物質」ではなくて「状態」である。 ただし、海の「波」の場合の「海水」にあたる物質がない。粒子性(物質の性質)と波動性(状態の性質)を併せ持つ、このような存在を、普通の物質と区別するため、「量子」(quantum) と呼ぶ。その「量子」を研究するのが「量子力学」である。

「状態」を正しく扱うためには、「モノ」の場合とは異なる数理が必要になる。

他の分野で虚数を使うのは波を表現するのに便利だからであるが、シュレディンガー方程式の虚数の存在は便宜的なものではなく、量子力学の本質的な性質である。

プランク定数のことを作用量子という。そして作用量子が含まれる学問が量子力学である。

量子力学で基本となるのが確率振幅
⇒複素数である
⇒この振幅がどのように時間発展するかを示す発展方程式がシュレディンガー方程式。振幅の時間発展は決定論的。

※オプザーバブル(可観測量)
位置、運動量など物理量に相当するもの。
古典力学:系の状態が決まれば一義に決まる
量子力学:系の状態と量はオブザーバブルにより確率的に決まる。

オブザーバブルAと一組の振幅が与えられれば、Aの平均値

を計算することができる

量子力学では「AかつB」は普通定義されない。
⇒AとBとが同時に起きたことを測定することはできない

◆プランク定数
プランク定数は作用の素量(最小単位)であって、これを含むのが量子力学である。

h~(hバー)
プランク定数hを2πで割った値

1.0546e-27 [g*cm^2/sec]
⇒1gの質量が半径1cmの円周を
1.0546e-27[cm/sec]
の速さで回っているときのスピンの大きさ

※プランク・エネルギー
1.22e19 GeV
⇒このエネルギーに達すると素粒子の重力の強さが他の相互作用に匹敵するようになる

_◇電子のスピン
スピンと古典的な自転運動は対応を重視しないが、
角運動量により特徴づけられる量子論的量
⇒古典的な自転は、軸の方向も回転の速さも連続的に変えられるが、電子スピンは大きさ一定で、軸は2つの方向のどちらかだけしかない
⇒電子1個のスピン角運動量の大きさは不変
(プランク定数を4πで割った値)

◆量子力学における発見の定義

量子力学では確率が支配しているので、標準偏差σの5倍、5シグマをもって発見と呼ぶ。

※3σは兆候(エビデンス)と呼ぶ

◆重ね合わせの原理
①可能性が2つ以上あるとき、それぞれの可能性だけではなく、その重ね合わせの状態も存在する
②重ね合わせの状態は、「測定」が行われると、ただちに可能性の一つになる
③測定でどちらの可能性になるかは、確率的な現象である

※波とは、重ね合わせの性質を持つものである
→粒子は観測により可能性の一つになった状態

※シュレディンガーの猫
生きているか死んでいるか分からないのでなく、生きているのと死んでいるのが重なっている状態。実際には猫のようなマクロな状態では重ね合わせは直ぐにこわれてしまう

_◇ベルの不等式

_◇デコヒーレンス
重ね合わせが壊れ、干渉性が失われること

※「測定」というのは、測定したい物体に何らかの影響を与え、物体からの影響を受けること。
→デコヒーレンスで実際に起こることの省略表現

◆不確定性

ハイゼンベルグは測定によって生じる量の不確定性を論じた。
⇒量子力学的確率的存在である量子についてはケナードが論じたので
ケナードの方程式ともいう

※両者はまざった。

※小澤の不等式はハイゼンベルグの測定の方の不等式を修正したもの
⇒ケナードの不等式は破れていない

_◇偏光と不確定性関係

※光がガラスに当たって反射すると反射光は偏光となる
(垂直に反射した光は偏光していない)
※青空も偏光している

斜め45度の偏光板からでた光を水平の偏光板にいれると、半分はブロックされ、半分は通過する。通過する光子は水平の偏光になており、もとは斜めの偏光であったことは分からなくなる。

⇒量子のある性質について測定し、次に「違う性質について」測定すると、もとの性質についての測定結果はどうでもよくなってしまう。

_◇位置と運動量の不確定性

(位置の不確定さ)*(運動量の不確定さ)≧
(プランク定数)/4π

※波長が一定の波、無限に伸びている=速度完全に決まっている⇒位置を決めることができない

※完全に位置が決まった波=あらゆる波長の波の合成
⇒運動量を決めることができない

_◇時間とエネルギーの不確定性

⊿E * ⊿t ≧ h

⊿E:エネルギーの不確定さ
⊿t:時間の不確定さ
h:プランク定数

◆エンタングルメント
量子からみあい

◆量子と情報
量子の持つ性質(情報)が同じであれば、区別できない。

※区別できないと組み合わせの数の数え方が違う

_◇クローン禁止定理
情報が移った時点でもとの物体の情報は破壊される

_◇インフォメーション・パラドックス

◆作用素と固有状態

_◇作用素
外から「入力」を受取り、それに何らかの規則的な変換を行って、結果を出力するようなもの

_◇固有状態
正しく作用したにもかかわらず、入力と出力が一致(作用した結果が作用する前と同じもの)したとき、この入出力のことを固有状態という。作用素の内部に立ち入ることなく、作用の本質が「外側から」分かる、ことになる。

◆素粒子

素粒子には大きさが無いと定義されている

_◇クオーク、レプトン
6種類のクオーク
6種類のレプトン
4種類のゲージ粒子がこれらを結合、分解する

※世代間では質量だけが異なり、他の性質は同じ
第2世代は第1世代の100倍ほど重く、第3世代は第2世代の100倍ほど重い
※ニュートリノには3世代しかないことが確認されている
⇒なぜ3世代なのかは不明
⇒3世代ないと今の宇宙は説明つかない

クオーク
第1世代
アップ u e=2/3
ダウン d e=-1/3
第2世代
チャーム c e=2/3
ストレンジ s e=-1/3
第3世代
トップ t e=2/3
ボトム b e=-1/3

レプトン
第1世代
電子ニュートリノ νe e=0
電子 e e=-1
第2世代
ミューニュートリノ νμ e=0
ミューオン μ e=-1
第3世代
タウニュートリノ ντ e=0
タウオン τ e=-1

※それぞれに反粒子がある。
※「普通の物質界」に直接かかわるのは第1世代のみ

※クオークは強い力の作用を受ける。レプトンは受けない。

※クオークと電子には左右のスピンがあるが、ニュートリノは左スピンのみが知られている

※クオークとレプトンのうち左回りのものは弱い力の作用を受ける

例)
陽子
uud
中性子
udd

_◇素粒子の標準モデル

①3世代6種類のクォーク
②3世代6種類のレプトン
④4種類のゲージ粒子
光子
Z粒子
W粒子
グルーオン
④ヒッグス粒子
⇒慣性質量を発生させる
⇒重力とは無関係?
⇒しかし、慣性質量と重力質量は一致?

◆波動関数と波動方程式

波動を表す関数を普通ψで書く。物質波もある状態を行ったりきたりしている状態では「定在波」と同様に考えられる。波動関数ψの絶対値の二乗が粒子の存在確率を表す。

|ψ|^2

※物理量は「演算子」として表現され、これに波動関数を掛け、積分することによって物理量が決定される

_◇波動関数
電子は波のような「波動性」を持っている。ただし「何かの波」ではなくて「波だけ」でしかない。どのような形の波動になっているのか、それを関数の形で記述したものを「波動関数」と呼ぶ。

Ψ = Ae^i(k*x -ω*t)

A 振幅。実数
x 座標。実数
ω 角振動数。実数
t 時間。 実数
k 波数。複素数。

※e^i*k*x 空間的に振動する波
波が減衰も増大もしないサイン波であればkは実数
減衰、増大する波の場合はkは虚数

※e^-i*ω*t 時間的に振動する波

※波動関数は空間的に振動する波と時間的に振動する波の掛け算で表される。

_◇運動量演算子

波動関数
Ψ = A*e^i(k*x -ω*t)
をxで偏微分する。

∂Ψ ∂
--=--A*e^i(k*x -ω*t) = i*k*A*e^i(k*x -ω*t)
∂x ∂x

つまり

∂Ψ
--=i*k*Ψ
∂x

この式の両辺にh~をかけた後、運動量を表すp=h~*kで整理すると

h~ ∂Ψ
-*--=p*Ψ
i ∂x

これは波動関数に

h~ ∂
-*--
i ∂x

という演算を行うと、運動量pと波動関数の掛け算が求まることを意味する。これを運動量演算子と呼ぶ。

_◇時間に依存しないシュレディンガー方程式の導出
定常的で安定な状態の電子の波動関数Ψを表す

h~ ∂Ψ
-*--=p*Ψ
i ∂x

をxに関して再度微分すると、p=h~*kであるから

h~ ∂^2Ψ    ∂Ψ
-*---= h~*k*--
i ∂^2x    ∂x

=i*h~*k^2*Ψ

(ここで、
∂Ψ
--=i*k*Ψ
∂x
である。)

整理すると

∂^2Ψ
---= -k^2*Ψ
∂^2x

また、運動エネルギーTは

T=p^2/(2*m), p=h~*kなので

T=h~^2*k^2/(2*m) より k^2=2*m*T/h~^2

よって

∂^2Ψ
---= -(2*m*T/h~^2)*Ψ
∂^2x

 h~^2 ∂^2Ψ
– --*---=T*Ψ
 2*m  ∂^2x

さらに全エネルギーEは、ポテンシャルエネルギーVと運動エネルギーTの和なので

 h~^2 ∂^2Ψ
– --*---+VΨ=E*Ψ
 2*m  ∂^2x

波動関数Ψ = Ae^i(k*x -ω*t)を代入し、時間に関する微分がないので、e^-iωtの項を分離できる。時間に関する項とは独立に、Φ=Ae^ikxとおいて書き直すと

  h~^2 ∂^2
(- --*---+V)Φ=E*Φ
  2*m  ∂^2x

この式には時間が入っていないので時間に依存しないシュレディンガー方程式と呼ばれる

※左辺第1項が運動エネルギー、第2項がポテンシャルエネルギー、右辺が全エネルギーに対応する。

※時間に依存しないシュレジンガー方程式を満たす波動関数Ψとして
Ψ=∑[n]{a_n*Ψ_n}
という関数を仮定する。Ψ_nは正規直交系の関数セットである。(例えばフーリエ級数)

_◇ハミルトニアンH
時間に依存しないシュレディンガー方程式の右辺はエネルギーにΦをかけたものであるので、エネルギーを求める演算子は、
  h~^2 ∂^2
(- --*---+V)
  2*m  ∂^2x

となり、ハミルトニアンと呼ばれ、Hで表される。

※シュレディンガー方程式を解いて求められる波動関数を固有関数と呼ぶ。
※エネルギーEはエネルギー固有値と呼ばれる

_◇時間に依存するシュレディンガー方程式

波動関数
Ψ = A*e^i(k*x -ω*t)
をtで偏微分する。

∂Ψ ∂
--=--A*e^i(k*x -ω*t) = -i*ω*A*e^i(k*x -ω*t)
∂t ∂t

つまり

∂Ψ
--=-i*ω*Ψ
∂t

この式の両辺にih~をかけた後、エネルギーがE=h~*ωであるので、

  ∂Ψ
i*h~--=-i^2*h~*ω*Ψ=E*Ψ
  ∂t

E*Ψをハミルトニアンで書き換えれば

  ∂Ψ
i*h~--=H*Ψ
  ∂t

_◇波動方程式(シュレディンガー方程式)

※シュレディンガー方程式
電子の3次元的な波動を記述し、その定常状態のエネルギーを与える方程式
ψ:電子の状態を表す波(波動関数)

1個の粒子の場合、定常状態のエネルギーをEとすると、
mを粒子の質量、Vを粒子に働く力のポテンシャル(位置エネルギー)、xを粒子の位置として
(h~=h/2π)
 h~^2 d^2ψ
-----*----+V*ψ=Eψ
 2*m  dx^2

※波動方程式を解くと、その答えとして波動関数が得られる。波動関数は、固有状態になっている」 というのが、この方程式の意味である。未知数は波動関数である。

※解法
適当な形の関数をいろいろ作用素に作用させてみて、その結果が元の関数と同じ形になるかをチェックする。チェックを通過する関数に遭遇できれば、方程式は解けたことになり、その関数が、求める「波動関数」となる。

金言:「固有状態である波動関数を探すのが量子力学」

作用素(データ)から固有状態を「計算する」ことはできない。それが固有状態かどうかの「検算」ができるだけである。

※波動方程式(シュレディンガー方程式)

Hψ=Eψ

ψ(波動関数)がH(作用素)に作用した結果が、ψ(波動関数)の形と同じで変化しない、そういう関数を見つけられれば、それがψ(波動関数)。 そのψが示す「状態」において、E(固有値)という観測値が得られる。

_◇固有ベクトル、固有方程式
ベクトルに行列を「掛ける」ことは、作用素を「作用」させることと同じ。特殊な場合に、掛けた結果が入力ベクトルと同じになることがあり、このような特別なベクトルのことを、「固有ベクトル」と呼ぶ。

固有方程式
Ax=λx
行列「A」と、ベクトル「x」と、普通の数「λ」があって、これらの間に「Ax=λx」という式を満たすような、「x」と「λ」を求めるという方程式。

ある行列「A」が与えられたときに、それに掛けても(作用しても)方向が変化しないようなベクトル「x」を探す(「x」の長さは無視。 そして「x」の方向さえ決まれば、そのとき「x」の「長さ」がどのくらい変化するのか、その変化倍率を表す「λ」(これを固有値と呼ぶ)も自動的に決まる。

_◇零点運動
量子力学ではエネルギー最低の状態でも粒子は運動している。そのエネルギーを零点エネルギーという

◆量子電磁力学
QED quantum electrodynamics

マクスウエルの古典的な場の電磁気学を量子力学的に直した理論

物質世界の現象なら、重力~中略~、それと原子核のエネルギー準位間の遷移で出てくる放射線などに関した現象、この2つを除いてはすべて量子電磁力学で説明できるということです。 ---R.P.ファインマン

2つの面による光の部分反射が奇妙な性質をもつことが発見されたことで、物理学者は個々の現象の正確な予測をあきらめさせられ、単に事象の確率を計算するだけとなった。
 ---R.P.ファインマン

_◇光量子のエネルギー
E=hν=hc/λ

※ポテンシャルとしてあつかわれていた電磁場
⇒量子化によって光子(フォトン)となった

_◇電子波
Ψ=X(x)Y(y)Z(z)S(s)

電子波=(x方向)×(y方向)×(z方向)×(スピン)

◆経路積分

量子は、時空のあらゆる経路をさまざまな確立で通る

◆場の量子論
時空に広がり、素粒子を生成したり吸収したりする場

_◇反粒子
量子力学と特殊相対論の両方と矛盾なく一致する場の量子論にはかならず反粒子が含まれる

逆の荷量を帯びた反粒子が「時間をさかのぼる粒子」に代わって発生する

◆場の量子論

◆第2量子化

_◇

◆ゲージ原理

力を伝えている素粒子は質量ゼロ
⇒質量ゼロであれば無限遠まで伝わる
⇒しかし、W粒子、Z粒子は質量があるので、伝わる距離が短い

◆ファインマン図

_◇反粒子
時間を遡っていく粒子が反粒子

◆くりこみ

※電荷は測るエネルギーによって変わる
※理論に出てくる裸の電荷は、無限大のエネルギーをかけて実験したときの電荷
※普通のエネルギーで観測しているのは、くりこまれた電荷

※くりこまれた電荷
周囲の真空偏極による遮蔽効果(スクリーニング)により弱められた値

◆トンネル効果
ポテンシャル障壁に閉じ込められた古典力学的粒子は外にでられない。(外にでられるギリギリのエネルギーがポテンシャル障壁(あるいはエネルギー障壁)の高さ)
⇒量子論的粒子の波動関数は障壁の中にしみこみ、障壁が薄ければ外まで広がってしまう
⇒すこしずつ外へ漏れ出す
⇒不確定性原理による

※全反射における光の屈折でも光のしみだしがある
表面から光の波長程度より近いところまで近づけると透過光が出てくる

※走査型トンネル電子顕微鏡
トンネル効果による電流が一定になるように針を微妙に上下させながら表面を走査することで表面の原子配列が調べられる

◆CPT対称性
電荷反転
荷電共役変換 Charge conjugation conversion
パリティ
鏡像変換 Parity conversion
時間反転

_◇パリティ対称性の破れ
空間反転対称性、P対称性

※弱い力はスピンの方向に対して違う作用のしかたをすることでパリティ対称性を破る
→弱い力の作用を受けるのは左回りの粒子だけ

※確実に存在するニュートリノは左回りのみ。右回りは存在しないか、非常に重くて生成されない

_◇CP対称性の破れ

◆量子色力学
QCD

◆アナハノフ・ボーム効果(Aharonov-Bohm effect)
電場、磁場が存在しなくても、電子は電磁ポテンシャルの影響を受ける。電磁ポテンシャルはスカラー、ベクトルどちらでも成り立つ。
1986 外村により実証される。

◆カシミール効果

◆ベケンスタイン限界
ある物理系が符号化できる情報量に量子物理学が制約をかける。

半径R[m]の系内部になる情報量と質量M[kg]
質量に半径をかけたものの定数倍より大きくなることはあり得ない。
(1m、1kgあたり2.5e43ビットほど)

※水素原子1Mビット

◆低温物理学

超流動
ヘリウムの場合、約4.2Kで液化。約2.2Kまでは普通(沸騰する)2.178K以下になると沸騰は停止⇒熱電伝導率が無限大となる、粘性ゼロでながれる(圧力差なしに流れる)
2.178Kにおける相転移をラムダ転移(この温度前後での比熱のピークがラムダを描くことから)といい、低温側をヘリウムⅡという。高温側はヘリウムⅠ(常流体)
※ヘリウムⅡは常流動成分と超流動性分が共存⇒二流体モデル
絶対零度では超流動成分のみとなる

超伝導
ある温度以下で突然、電気抵抗がゼロになる。磁場は超伝導体の内部に入らない(完全反磁性)
⇒超伝導は電子の超流動現象であると考えられている。電子はフェルミ粒子なので、2個の電子が
対になって運動単位とならなければならない⇒クーパー対⇒BCS理論

※マイスナー効果
超伝導体表面に誘起される永久電流により、超伝導体の上に磁石を置くと反発されて宙に浮く

※臨界磁場
あまり強い磁場がかかると、常伝導体に戻ってしまう。その転移点

※高温超伝導体

臨界温度、臨界現象
ある温度以上ではいくら圧力をかけても気体を液体にすることができず、ある温度以下に冷やして圧力を加えると液化する

磁気冷却法
ミリKというような低い温度を得るには、普通の冷却装置でなく、断熱消磁を使う
特殊な塩類(常磁性体)に強い磁場をかけ原子磁石を無理やり整列させる、整列時の発熱を冷やしてから、急に磁場をとりのぞく、原子磁石が自由に運動しはじめるときに周囲からエネルギーを奪う。
さらに冷却するには、原子核の断熱消磁による

レーザー光による冷却

ボース凝縮
ある温度以下になると粒子数のかなりな部分が最低エネルギーの準位に急激に落ち込む

◆アダマールゲート