☆水質測定
◆JIS K 0102 工場排水試験方法
シアン
残留吸光光度法
アルキル水銀
GC法、TLC分解原子吸光法
総水銀
原子吸光法
有機リン
吸光光度法、抽出GC法
カドミウム
抽出原子吸光法、ICP法
鉛
抽出原子吸光法、ICP法
クロム(6価)
吸光光度法、原子吸光法、ICP法
ヒ素
原子吸光法
PCB
抽出GC法
銅
抽出原子吸光法
亜鉛
抽出原子吸光法
クロム(金)
吸光光度法、原子吸光法、ICP法
マンガン(溶解性)
吸光光度法、原子吸光法
鉄(溶解性)
原子吸光法
pH
ガラス電極法
生物化学的酸素要求量
標準希釈法
化学的酸素要求量
酸性過マンガン酸カリウム法
浮遊物質
重量分析法
ヘキサン抽出物質
抽出重量分析法
フェノール類
蒸留吸光光度法
フッ素
蒸留吸光光度法、イオン電極法
大腸菌群数
希釈培養計数法
溶存酸素
ウインクラー・アジ化ナトリウム変法
ミラー変法、隔膜電極法
窒素
紫外線吸光光度法、還元性
化学変光法
りん
吸光光度法
☆濃度計測、ガス計測
◆ガスセンサ
_◇半導体ガスセンサ
SnO2, WO3を材料とする
可燃性ガス、フロン、CO、アルコール、NOなどを検出可能だが、ガスの選択性に難がある。
_◇接触燃焼式ガスセンサ
Al2O3+触媒
可燃性ガスの検出。
_◇電気化学式(固体電解質型)ガスセンサ
ZrO2, NASICON(Natrium Super Ionic Conductor)
O2, CO2
_◇電気化学式(電界液型)ガスセンサ
H2SO4
O2, CO2, 可燃ガス、アルコール、NO, H2Sなど
選択性に優れるが、常温動作
◆二酸化炭素
_◇CO2計測法
①NDIR法
非分散赤外吸収法。4.3μmの赤外線を選択的に吸収し、それが濃度の関数となることを利用)
②ガスクロマトグラフ
③半導体レーザ赤外分光法
④凝縮気化法
⑤シャワー式平衡器
海洋のCO2濃度を測るために使われる。直接測定するのではなく、大量の海水と少量の空気を接触させ、平衡状態になったときの空気のCO2濃度を測定する。
_◇CO2ガスセンサ
TGS4160
TGS4161
フィガロ技研
※TGS4161
センサ電極とヒータ電極がある。センサは1.5mm角だが、雑ガスを除去するためのゼオライト粉末を充填したフィルタにより、9.2mm x 22.7mmとなる。
大気の350ppm~8000ppmまでCO2濃度を測定できる。出力はCO2濃度の対数に比例する。
→一種の電池なので経年変化あり。非加熱で高温、高湿雰囲気でも手4以下。通常、大気を基準とする相対値検出。但し、長期の使用でもネルンストの式には従う。
※原理の炭酸ナトリウムの代わりに炭酸リチウムとナトリウムイオン伝導体によるが、詳細メカニズムは明らかでない。
※原理
①ガス検知極においてCO2ガスは、炭酸ナトリウム(Na2CO3)と反応し、Na+イオンを増減させる。
②ガス検知極下にはナトリウムイオン伝導体があり、参照電極との間で濃淡電池を形成して起電力を発生する。
※CO2濃度が減少するとNa2CO3->CO2, O2が発生し、Na+が生成するので、出力電圧が増大する
※ネルンストの式
Vemf = E – (R*T/2*F)*ln(Pco2)
Vemf:起電力[V]
E:定数[V]
R:気体定数 8.314 [J/(mol*K)]
T:動作温度[K]
F:ファラデー定数 9.649e4 [C/mol]
Pco2:CO2ガス分圧
_◇赤外線吸収法
分子振動
⇒分子に光を照射すると、分子振動の周波数と同じ周波数の光だけが吸収される
⇒周波数から物質の種類が、吸収された強度から濃度が分かる
※分子振動
伸縮
対称
非対称
変角
面内
はさみ
横揺れ
面外
ひねり
縦ゆれ
※H2O,CO2は赤外線を吸収するが、N2,O2は構造が対称なため、赤外線の吸収がない
◆酸素センサ
_◇自動車エンジン燃焼制御用O2ガスセンサ
酸化ジルコニウムの両端に白金電極。一方に大気、一方に燃焼排ガス。酸素分圧に応じて、酸素分子は白金電極上で酸素イオンとなり、一種の濃淡電池となって起電力を発生する。
_◇隔膜ガルバニ電池式センサ
-極:金電極
+極:鉛電極
電解液:洗濯糊+炭酸水素ナトリウム(重曹)
酸素透過膜:ポリエチレン膜
※ポリエチレン膜:市販のラップ。
※ポリ塩化ビニリデン(サランラップ、クレラップ)は酸素透過膜としての機能がない
※金電極(陰極):還元反応
O2+2H2O+4e-→4OH-
※鉛電極(陽極):酸化反応
2Pb+4OH-→2Pb(OH)2+4e-
※反応にともなう電流を負荷抵抗に流して電圧降下を見る。(負荷抵抗1kΩ程度)
※酸素濃度が減少すると金電極での反応が遅くなりセンサの出力も低下する
_◇ビタミンC濃度計測
キュウリに含まれる酵素(アスコルビン酸オキシターゼ)を利用する。還元型ビタミンC(L-アスコルビン酸)に作用して、デヒドロアスコルビン酸に分解する。その際に酸素が消費されるので、これを酸素センサでセンスする
◆水素センサ
_◇接触燃焼式
可燃性ガスと酸素の反応による発熱をヒーターの抵抗値の変化で検出し、電気信号に変える
→水素以外にも反応してしまう
_◇熱電変換式
水素と酸素の反応による発熱を熱電変換素子で電気信号に変える
→水素だけに反応させることが可能だが、途上。反応速度が遅い
_◇気体熱伝導式
気体の熱伝導率の違いをサーミスタなどの素子で検出
→誤差が大きく、低濃度を検知しにくい
_◇Pd合金抵抗体式
Pd合金が水素を吸蔵した際の抵抗変化を電気信号に変える
→水素のみに反応するが高濃度で劣化する
_◇半導体式
可燃性ガスの接触による金属酸化物半導体の抵抗変化を電気信号に変える
→表面処理で反応ガスを選べる
→高濃度を検知しにくい
_◇FET式
トランジスタのゲート部の一部にPd合金を用いる。Pd合金に水素が吸着するとゲート電圧が変化する
→途上。高濃度で劣化
☆成分分析
◆ガスマス
微量ガス成分を分析するための分析器
ガスクロマトグラフとマススペクトログラフから構成される。
_◇ガスクロマトグラフ
①キャリアガスとして測定するガス成分と反応しない物質を使う⇒ヘリウム
②試料ガスをパスル的に加えてキャピラリーの中を流す
③キャピラリー内は多孔質吸着剤(シリカゲル、活性炭、モレキュラーシーブ)が充填されており、吸着されやすい成分は遅く、されにくい成分は速く移動する。
④出てきたガスを成分の熱伝導率の違いを抵抗率の違いに変換する検出器により測定する
※クロマトグラム
空気が出てくるまでのT0(死時間)
試料ピークまでのTr(保持時間)
⇒Tr-T0により種類が分かる
ピーク高さ、半値幅
⇒ピーク面積により物質量が分かる
_◇マススペクトログラフ
質量分析器
①ガス分子を帯電させる(放電)
②粒子を加速し、磁場の中を通過させる
⇒フレミング左手の法則に従い進行方向が曲がる
⇒荷電粒子の遠心力と磁力が釣り合う
m μ0^2*H^2*R^2
-=--------------
e 2*V
μ0:真空中の透磁率
H:磁場の強さ
R:回転半径
V:加速電圧
m:分子の質量
e:電荷
※m/e:比電荷
⇒異なる分子に同じ電荷が与えられていれば、半径Rの二乗はガス分子の重さに比例する
⇒コレクタ部の異なる位置に異なるガス分子が到着
⇒磁界の強さHを走査すれば、質量の小さいもの大きいものを順次集めることも可能
⇒質量分析スペクトル
◆放射化分析
被測定物質に放射線をあて、放射性にして、そこから出てくる放射線の性質を調べることで、被測定物質に含まれる微量の未知物質を探る
☆微粒子
◆煙感知器
_◇光電式スポット型感知器
レーザー光の減衰率や散乱で検知する。
◆パーティクルカウンタ(PC)
Particle Counter
①試料空気を管の一方から流入させる
②レーザ光を照射する
③散乱した光をレンズで集光し、フォトダイオードで検出、パルス数をカウントする。
⇒パルスの数と強度は微粒子の数に比例する
※粒子径がサブミクロン以下になると散乱光が微弱となり検出できない
_◇SMPS
Scanning Mobility Particle Sizer
①静電分級器DMAにより、微粒子を帯電させ、電気的に粒径ごとに分ける
Differential Mobility Analyzer
層流で空気を流しておいて電圧をかけ、採集ポイントで一定の粒子径のものだけをとりだす。電圧により粒径は変わる。
②ナノ微粒子に液体霧を凝集させ4μmの粒子にする
(CPC)Condensation Particle Counter
n-ブタノール蒸気に通して凝集させる
③光電子増倍管で検出
PM(Photo Multiplier)
◆レーザ光のドップラー効果による測定
☆NMR
磁気モーメントを持つ原子核を強い静磁場の中に置くと
その中の数パーセントは磁場に沿って並ぶ
磁場の軸のまわりに円を描くような歳差運動も見られる
※歳差運動の周波数
「ラーモア周波数」
原子核の種類と静磁場の強さの両方によって決まる。
※NMR信号
静磁場中の原子核にラーモア周波数と同じ周波数の電磁波(RFパルス)を照射
原子核は励起
静磁場の主軸に平衡になっていた磁気双極子は主軸に垂直な面に倒れる
照射が終わると、歳差運動しながらもとの状態に緩和
※吸収したエネルギーを電磁波として放出するが、その周波数はラーモア周波数に等しく、振幅は時間とともに弱くなる。
※MRI
意図的に磁場に傾斜をつけて空間的な情報を得る