Sensing_Phy

☆流体計測

◆流量測定時に考慮する点

気体か液体か、
気体は腐食性かそうでないか、
液体は導電性かそうでないか、
流れている状態は常に対象物で満たされているのかそれとも一部だけか、
液体なら泡が生じているのか、
管内に障害物はあるのか。
温度によって変わる体積を考慮して補正計算をするにはどんなデータが必要なのか

◆超音波式流量計
水流の向きと逆向きの2方向にそれぞれ発信器、受信器を配置して超音波パルスを発射。かかる時間と間の距離から音速を測り、その差から流速を求める。

※数十 MSPS の高速シグナルチェーン

◆電磁流量計
電磁流量計は、磁気コイルを巻きつけた非強磁性のチューブで構成されている。絶縁されたチューブの内面上にある電極は、チューブ内を流れる(伝導性のある)液体に接している。パイプの周りのコイルによってチューブ内に磁場が形成され、液体の速度に比例して、液内に電圧が誘導される。

※チューブ内の液体の速度を測定する。チューブの直径は既知なので、流量を計算することができる。なるべく電気抵抗の小さい液体を使用する必要がある。不導性の液体を使用して流量を測定することはできない。

※流体材料を扱う工場では主力の高信頼計測器

◆コリオリ流量計
振動を利用して低周波の力による偏向からチューブ内の液体の流量を測定する。誘導センサによって機械応力が測定および検出される。電圧が非常に低いので、高精度で、低ノイズの計測アンプがフロント・エンドで必要となる。

※実際にチューブ内を流れる液体の質量を測定できる。

◆フローセル流量計

◆羽車式

◆ガスメータ
蛇腹の円筒によるマス計量方式

◆水位計
河川における水深の計測

①フロート式

②デジタル式

③圧力式

④ダイバー水位計

☆応力、圧力、歪

◆ストレインゲージ

http://www.tml.jp/

_◇原理
電気抵抗線ひずみ計
金属線を引き伸ばすと電気抵抗が増す。これを利用して物体のひずみ、変位、力を電気抵抗変化で測定する。

抵抗線の長さの変化δL/Lに対する電気抵抗変化δR/Rの関係

δR   δL
--=S*--
R    L

S:ひずみ感度係数

※抵抗変化が幾何学的寸法の変化だけに起因するものと考えると、ρを比抵抗、Aを断面積として
R=ρ*(L/A)
より
δR/R=(δL/L)-(δA/A)=(1+2σ)*(δL/L)
σはポアソン比であって、普通の金属材料では共通におよそ0.3.

故にSはおよそ1.6になるはずだが、多くの金属では、伸縮により比抵抗ρも変化をきたしSは異なる。

_◇構造
絶縁シートの上に金属でできた抵抗でできた抵抗体を格子状に折り返したエレメント

※金属でできた箔を圧延、ベースと接着したのち、エッチングで形成

│          │
├←───②────→┤
│          │
─┬─╋━━━━━━━━━━┫ゲージリード
↑ ┃↑┏━━━━┯━━━╋━━━━━
① ┃③┣━━━━┿   ┃
↓ ┃↓┣━━━━┿━━━╋━━━━━
─┴─┻━┿━━━━┿━━━┛
│    │ ゲージベース
├←──→┤
│ゲージ長│

①ベース幅
②ベース長
③ゲージ幅

_◇ゲージ抵抗
①120Ω
一般的な応力測定

②350Ω
荷重計(変換器)

※海外では応力測定にも350Ωを使用することが多い

※500、1000Ωなどは特殊
※60、240は組み合わせて120Ωにすること多し

※高いほど消費電力減り、高い電圧加えられ測定楽になるが、リード線を延長したときにノイズの混入の可能性大

_◇ゲージ長
0.1mm~90mm

※2mm、5mm程度が多用される

※応力集中しそうな部分を詳しく測るには短いゲージ長
※複合材料(コンクリート、FRP)などでは不均等があるため、長いゲージ長で平均化する

※短いゲージ長では自己発熱の熱放散が悪いと測定エラー大となる

_◇ゲージ率
歪感度係数は原理的に約1.6であるが、抵抗率自体の変化等をいれて

※ひずみ量に対する抵抗値の変化量=ゲージ率
1 ⊿r
K=-*--
ε R

R:ひずみゲージの元の抵抗率
⊿r:抵抗変化分
ε:物体のひずみ量
K:ゲージ率(約2)

※ゲージ率はひずみゲージのロット別に測定してパッケージに記載される

_◇歪ゲージの型番

FLA-5-11-1L

FLA:一般用
QFA:高温用
CFLA:低温用
GFLA:プラスチック用

ゲージ長
1,2,5mmなど

適合温度係数
11:鉄
17:ステンレス
23:アルミ

リード線長さ
1,3,5mなど

配線数
L:2線
LT:3線

_◇分解能と単位
100万分の1(マイクロ)が最小分解能。便宜的な単位としても用いられる。通常の測定対象では1000分の1オーダとなると破壊する。

_◇抵抗線材料とひずみ感度S
白金 4.1
ニッケル -12~-20
アドヴァンス 2.1
(銅ニッケル合金。相対温度効果がすくない)
イソエラスティック 3.6
(ニッケル、クロム、鉄。相対温度効果がやや大きくなるが、感度がよい)

※温度変化は影響するが、試験片も熱膨張があるので、温度係数そのものより相対温度効果が小さいことが望ましい。例えば試験片が鋼であれば、鋼に対する相対値として、1度の温度変化によって生じる正味の抵抗変化を等価な応力の大きさで割ったものを相対温度効果と称する
⇒温度1度の変化に対して生ずる正味の抵抗変化を、等価な応力の大きさ kg/cm^2で表したもの
[kg/cm^2*deg^-1]

_◇ゲージの形状
①グリッド型
通常のいったりきたり
②ソレノイド型
裏表で巻きついた形
③ロゼット型
方向もみるために傾きをつけた組

※ゲージの長さLは、その間でのひずみの平均値が測定されることから標点距離という。
1.5mm~200mmくらい

※グリッド型の25mmが代表

※抵抗値は50~2000Ω程度だが、120Ω、350Ωが普通

※フォイルゲージ
⇒放熱が良く、許容電流が大きい。絶縁性が良く水中でも使える。

_◇ホーイトストンブリッジ回路

┌──────┬──○
┌─┴┐   ┌─┴┐ ↑Vin
│R1│   │R4│ │
└─┬┘   └─┬┘ │
┌──┤      ├─┐│
│┌─┴┐   ┌─┴┐││
││R2│   │R3│││
│└─┬┘   └─┬┘││
│  └──────┴─┤○
│ Vout      │
○←──────────○

4つの抵抗値がまったく同じならVinにかかわらずVoutは0.

R1の抵抗がR1+⊿rとなったとすると

Vout=(⊿r/4R)Vin

ゲージ率の式を代入して整理すると
Vout=(ε/2)Vin

※ホイートストンブリッジの抵抗は、できるだけ温度による変化の少ない高精度抵抗を選ぶ

※入力オフセット電圧の温度ドリフトができるだけ小さいOPアンプを利用する
AD623A、AD627
INA114

※ブリッジとアンプの電源は同じ

※反固定抵抗によるバランス調整

※温度補償のため、R1をアクティブ、R2をダミーとしてアクティブに測定歪を与え、ダミーを無歪とする
(実用的には歪の生じる方向にむけたものをアクティブ、これと直交する方向に向けたものをダミーとしてもよい)

_◇測定回路
※ブリッジ回路で測定するが、2個のゲージを使い、一方に歪を、他方には歪を与えない板にはり
温度補償用とする。
アクチブゲージとダミーゲージ

※4個歪ゲージ→フルブリッジ

※1個歪ゲージ、3受動抵抗→クオータブリッジ

※1端子、2歪ゲージ、ハーフブリッジ
温度係数の相殺

1ゲージ法
リード線の配線抵抗の温度変化によってドリフトが生じやすい。
┌──────┬──○
┌─┴┐   ┌─┴┐ ↑Vin
│S1│   │R4│ │
└─┬┘   └─┬┘ │
┌──┤      ├─┐│
│┌─┴┐   ┌─┴┐││
││R2│   │R3│││
│└─┬┘   └─┬┘││
│  └──────┴─┤○
│ Vout      │
○←──────────○

1ゲージ3線法
リード線の長さが同一にでき、配線抵抗が同一に近くなるので、ドリフトがキャンセルできる

┌──────┬──○
┌─┴┐   ┌─┴┐ ↑Vin
│S1│   │R4│ │
└┬┬┘   └─┬┘ │
┌─┘│      ├─┐│
│┌─┴┐   ┌─┴┐││
││R2│   │R3│││
│└─┬┘   └─┬┘││
│  └──────┴─┤○
│ Vout      │
○←──────────○

2ゲージ法
表裏2枚に張ることで曲げ成分を測り、伸び縮み成分をキャンセルする
同種、同ロットのゲージならば温度変化によるドリフト分もキャンセルできる

┌──────┬──○
┌─┴┐   ┌─┴┐ ↑Vin
│S1│   │R4│ │
└─┬┘   └─┬┘ │
┌──┤      ├─┐│
│┌─┴┐   ┌─┴┐││
││S2│   │R3│││
│└─┬┘   └─┬┘││
│  └──────┴─┤○
│ Vout      │
○←──────────○

4ゲージ法
ロードセルなどで使われる。外乱に強く、安定して信号を取り込める
┌──────┬──○
┌─┴┐   ┌─┴┐ ↑Vin
│S1│   │S4│ │
└─┬┘   └─┬┘ │
┌──┤      ├─┐│
│┌─┴┐   ┌─┴┐││
││S2│   │S3│││
│└─┬┘   └─┬┘││
│  └──────┴─┤○
│ Vout      │
○←──────────○

※電流を流した方が感度が良いが、自己発熱の問題がある。
350Ωで22.5Vの場合、32.2mA流れる
⇒0.0012ひずみ(1cm鉄棒に2t)⇒不平衡電流27.5uA

※湿気によるサビは抵抗を変化させるのでワセリンなどで保護する

_◇交流駆動
1kHz~3kHz程度の交流でブリッジを駆動し、不平衡電圧を増幅し、整流してメータで読む

_◇温度の影響
物体は温度により伸び縮みするので、温度変化による変形分は応力測定から除きたい

※線熱膨張係数。。。温度変化に起因する変形率
鉄 11.8e-6
銅 16.5e-6
ステンレス 29.8e-6
アルミニウム 23~24e-6
ガラス 8~10e-6
コンクリート 7~14e-6

※自己温度補償型センサ
歪ゲージの抵抗温度係数を測定対象の線膨張係数とちょうど逆の特性を持たせたもの

_◇歪ゲージの貼り付け方
①サンドペーパーでサビ、汚れをとる
②アセトンなどで油脂成分を拭う
③ゲージの裏に瞬間接着剤を1滴
④試験体にゲージをおき、ポリエチレンシートで1分ほど押さえる

※湿気による接着材の膨張、機械的性質の劣化、絶縁劣化の防止のため、ワセリンを塗るとよい

※棒のネジれを測る場合は、側面に45度に傾けてはりつける。

_◇ひずみと応力
σ=Eε

σ:応力[N/mm^2]
E:弾性係数[N/mm^2]
ε:ひずみ

_◇TIPS
※重量でなく、質量を測定するには、適応箇所の重力を知っておく必要がある。

※歪ゲージの接着
接着するエリアを磨く

※温度範囲は適切か

※被測定部品の応力と歪の関係を把握できているか

※異方性の材料ではないか
グラスファイバ、カーボンファイバ
2方向、3方向を同時測定必要
→ロゼット歪ゲージ

※応力がかかった状態で歪ゲージを接着していないか
ヒステリシス

※歪ゲージはある領域の歪の平均
穴などの応力集中が、平均により低めにでる

※加工による残留応力

※静電放電によるセンサの破損

※衝撃荷重や運動量の影響

※速乾性のエポキシ接着剤→発熱

※厚い接着層→部品とゲージの間の隙間の歪

※ゲージリードの熱電対効果

※配線の長さによってはS/N悪くなる

_◇半導体歪ゲージ
半導体結晶のピエゾ抵抗効果を利用したものもある
⇒感度が高い(ひずみ感度係数数十倍)
⇒ただし、抵抗が絶対温度Tにほぼ比例して増大
⇒ドリフトがおおきい
(2ゲージを接近させてアクティブ、ダミーとするとよい)

※MEMSでダイアフラムを形成。

_◇ロードセル式スケール
アルミ合金で作られた起歪体に歪ゲージを貼り付け、重量がかかったときの歪を測定して重量に換算する。

※ロードセル例
CB17-1K ミネベア

_◇ひずみゲージの応用
デジタル式体重計
米の分量を自動で測れる電気釜
自動で洗剤分量を示す洗濯機

◆容量ひずみ計
1枚の可動極板を共有する2個の平板コンデンサにより差動的に容量を変化させる。これでコンデンサブリッジ回路を組み発振器で交流電圧を加え、ブリッジの電圧を測定する。

◆その他の歪計測

_◇エポキシプラスティックによるモデリング

_◇StressCoat
脆性のラッカー。塗料のひび割れを見る
StressKote社

_◇PhotoStress
光フィルムの偏光
Vishay Intertechnology

◆電磁式スケール
天秤の一方に分銅を載せるかわりに電磁力を加えて釣り合わせる。精度が高い。

◆音叉式力センサ

◆圧力

_◇ゲージ圧
大気圧を基準にして測定した圧力

※大気圧下で0MPaを指すゲージを用いたときの読み

_◇気圧計

①フォルタン水銀気圧計
気象観測の標準計器。。。水銀
1013hPaのとき74.6cm

②アネロイド型気圧計
周囲を密閉して内部の気圧を低くした空ごうの伸び縮みを利用。

③電気式気圧計

_◇圧力計
長野計器 http://www.naganokeiki.co.jp/

☆体積、形状

◆レーザー干渉縞

◆液面計
電波、超音波

◆表面粗さの測定

_◇表面粗さ

※うねり
大局的な不平坦

※表面粗さ
細かい不規則な凹凸

_◇触針法
細かく振動する針の動きを光学テコにより拡大して読み取る。

☆位置、姿勢、長さ(距離)、速度、加速度

◆長さの基準

_◇線度器
国際メートル原器など、物体表面の標章間の距離で示す。膨張係数の低い合金が使われることが多い

※36% Ni-Steel 膨張係数 1e-6
⇒鋼11e-6

※不慮の破損、長さの経年変化などがありえる。

_◇波長基準
メートルの定義
[85:36]Kr原子の2p10-5d5間の遷移に対応する光波の真空中の波長の1650763.73倍

_◇端度器
金属塊の2端面の距離をもって長さの基準とする標準器

※線度器は顕微鏡を必要とするが、端度器は合わせれば分る。

※ブロックゲージ
密着すると強く固着し、和の長さを組み立てられる。
油などの薄膜の厚みは0.008u。合成長は個々の長さの和よりも0.06uほど短くなる。
正しい長さを示す温度は、インチ系、メートル系と会社により異なる

※標準バーゲージ
球面型端面のものは、2平面の間隔を測る場合、軸の傾斜によらない

※鋼球
ボールベアリング用の鋼球を選別して用いる

選別には、ナイフエッジの次第に広くなる間隙の上を転がす⇒径に等しい間隙で落下する
⇒常に同一場所に落下するものを選べば真球

樋から平面に落下させ、常に同じ位置に落ちるものを選べば焼きの一様性もみれる

※挟範
限界寸法
最小隙間~弛すぎる嵌合
リミットゲージ
ギャップゲージ
go 通り側
not go 止まり側
プラグゲージ(栓ゲージ)

◆長さの測定法

_◇テコの応用
変位を拡大するのにテコを使う
⇒支点と力点の間隔を小さくしき、これに長い指針を取り付ければ、微小変位が指針先端に拡大されて現れる。

※光学テコ
指針の代わりに反射鏡をつかって光の振れを観測する
たわまずにうでの長さを大にできる
反射角により倍率が2倍となる

※ローラー、ナイフエッジ、ラックピニオン、歯車も変位を回転角に変換するテコの延長の方法

※発条テコ

※つるまきばねの両端を引くと両端に回転が現れる。逆巻を中央で接続すると伸びが接合点の回転となって拡大率が増大する
⇒弾性を利用しているのでテコの支点の遊びや摩擦の問題がない

①ミニメーター
内蔵するテコによって微小な寸法の違いを測定する装置

②オプチメーター
光学テコにより、ミニメーター同様の微小な変位の測定をする装置

③マルテンスの伸び計
弾性率などの測定用に試験片の伸びを精密に測定する。ナイフエッジの傾きを反射鏡で読み取る。ナイフエッジを試験片の両側に取り付けて双方で測定することで、たわみ成分を相殺することができる。

④ミクロケーター
mikurokater
ねじった帯ばね中央の指針により微小なスピンドルの動きを拡大して読み取る

⑤細線測定器
⇒零位法を使っている

⑥ダイアルゲージ
ラックピニオンで直線変位を回転に直し、平歯車で拡大して指針を回転させる。歯車の遊びなどによる誤差を除くために、心棒をばねで非測定物に押し付けるとともに歯車にはぜんまいで逆方向に力を与える。

_◇斜面の応用
底辺ACと斜面ABの挟む角をαとする。
高さlは底辺Lに対し、
L = l / tanα
αが小さければlの代わりにLを測ることで拡大される
α=3°で約20倍となる

※ねじ=円筒の表面に斜面を巻きつけたもの
1回転のねじの進む距離=歩み(h)

①重ね楔
環の円形を測る。両側から差し込んで楔の両端の間隔をはかり径を計算する。

②2個の鋼球による内径測定
直径の分かった2個の鋼球を環の中に置いて高さHを測れば内径が得られる
D1+D2
-----*√(H*(D1+D2)-H^2)

③イミクロ内径測定器
テーパネジをスピンドルの先につけ、測定子を押し出して内径を測定する。

④マイクロメータ
U字枠の一端にアンビル、他端に套管(雌ネジ)
スピンドルの雄ネジがこれにはまる。
スピンドル外側のシンブルにより1回転0.5mmの歩みを50分の1で表示し、1/100mmの前進を示す。
測定圧を一定にするため、ラチェット・ストップがある。⇒押す圧力がある値に達すると外れて空回りする

※差動ねじ
2つの僅かに異なる歩みを持つネジ2つと滑動ナットを組み合わせる、回転により歩みの差だけ僅かにナットが動く

_◇平坦度測定

※水面:5mの中央の誤差約1μm
⇒地球の半径6370kmが大きいので平面と見なせる

※水面への端子の接触
電路の開閉により検知する
下から 接触前は全反射鏡面
接触後は急に暗くなる
針先は錆、油のないこと、白金針

※ゴム管で連通した水銀容器を移動させて水銀面の差をマイクロメーターネジで測定する。

_◇顕微鏡応用

①接眼マイクロメーター
移動細線2本の間にしたの線を挟んで読み取る。精度約1μ。

②アッベの厚み計
厚みを測定する物体をスピンドルで押し(釣合錘により測定圧は小さい)、上部の標準尺の値を接眼マイクロメータで読み取る

③比長器
メートル原器のような線度器と線度器の比較に用いる
横動 傾きによる誤差を生じる
縦動 傾きによる誤差を生じない

※光電顕微鏡
光パルスを大きさ等しく符号反する電圧に変換し、これを時間積分して中点(0)からの偏りを得る
⇒観測者の個人誤差が除かれる。人間の輻射熱の影響がない。

④真直度の測定

_◇望遠鏡応用

①カセトメーター
2点間の鉛直距離を測る

②距離計
range finder
いわゆる三角測量の原理だが、基線が短いので一方の角を厳密に直角とし、他方の角を精密に定める

左右2つの対物レンズの像をプリズムもしくは鏡で共通の接眼鏡に導いて見る。像のズレをε、対物レンズの焦点距離をfとすると、左右にはいる光線のなす角ωは
tanω≒ω=ε/f
一方基線の長さをb、目標までの距離をEとすれば
tanω≒ω=b/E
両式から
E = (b * f)/ε

※実際には差を測るのでなく、像を合致させるためのプリズムの動きからεを測る

※外筒の両端に5角プリズムもしくは5角プリズムに相当する2枚のガラスで光線を90度曲げる。単純な鏡では傾きや、熱膨張、たわみなどで90度の確保が難しいが、5角プリズムでは2回の全反射で打ち消しあう効果により傾きの影響をキャンセルできる

※まったく倍率の同じ2枚のレンズを作れないため、片方には等倍力レンズを用いて調整する

誤差 dE=-(E^2)dω/b
肉眼による観測誤差dωの場合望遠鏡の倍率Mでわって
誤差 dE=-(E^2)dω/(b*M)

※生理科学的限界角は
点はほぼ53秒
直線は23秒

※基線長3m、倍率35倍の距離計で
1000mで誤差0.6m
15000mでは誤差130m
※基線長1m、倍率11倍で
15000mでは誤差1000m

③直距離高度計
直距離と高さを同時に求める装置。
距離は距離計と同じ原理、水平で距離を測り後仰角を測って高度を求める

④潜望鏡

_◇干渉縞

光:異なる経路を経て再び相会するとき干渉の現象を生ずる。
⇒経路差:波長の整数倍、同一の位相で会するので強め、半波長の奇数倍のとき、反対の位相で会するので弱まる

※ニュートン環
平面ガラス上の曲率の小さいレンズに単色光を送る
⇒接触点を中心に同心円状の縞が現れる。
⇒レンズ内側の反射=位相変わらず
⇒平面ガラスの反射=位相逆転
d:空気層の厚さ、n整数
2*d = n*λ + λ/2 のところで明るくなる
2*d = n*λ のところで暗くなる

※平面度の検査
水銀灯>緑色フィルタ 5461Åスペクトル線

※ブロックゲージ

※干渉比長器

_◇光量の測定

光学格子

※重ね格子
格子間隔の等しい線格子を平行にして、一方をずらすと、透過光は周期的に明暗する。等速であれば周期は格子の間隔に等しく、間隔が狭ければ同じ光量変化がより微小な変位で生ずる。光電素子で光量を測定すれば変位を測定できる

※影縞
格子間隔のわずかに違う格子を重ねるとある部分では光を透過し明るく、ある部分ではさえぎって暗くなる。
(音波の唸りと同じ)
⇒篩の目の粗さなど

※モアレ縞
格子間隔の等しい線格子を角θだけ傾けて重ねる
縞の間隔Lは格子間隔λにたいして(θ小さい)
L=λ/θ
格子の変位が1/θに拡大される
光電流の強弱の変化をパルスにして数えることで変位を測定できる

_◇オートコリメーション
autocollimation

_◇視差からの距離算出

D=B * f/Z
D:ステレオレンズからの垂直距離
B:ステレオレンズ間距離
f:各レンズの焦点距離
Z:CCD上での画像位置の差

_◇レーザー距離計

_◇インダクタンス変化利用
プランジャーので可動鉄片を動かし、インダクタンスを相対変化させる
⇒交流インダクタンスブリッジで測定

※エレクトロリミットゲージ

※フライングマイクロメータ

※差動変圧器
鉄心の変位を交流電圧の大きさとして測る。変位の正負に応じて交流電圧の位相は反対になる

※インダクタンス・ブリッジ
圧力、流量、温度などの記録装置の機構

※超測微計
LC共振回路
f=1/(2π√(LC))
ここで、Cの極板面積をA,間隔をx、誘電率をεとすると
C= ε * A/x
より
f=√x/2π√(L*A*ε)

df/dx = (1/2)*(1/2π√(L*A*ε*x))
df/dx = f/(2*x)

⇒fが大あるいは、xが小なほど感度が良い
振動数1MHz, 間隔0.025mmであれば
df/dx = 2e10 (Hz/m)
振動数100kHz, 間隔0.5mmであれば
df/dx = 1e8 (Hz/m)
1umの変位が1Hzの変化となる

◆厚みの測定法

_◇鍍金層の厚み
鉄板につけた非磁性材料(錫など)の被覆は、磁気的方法が使用できる。コイルを巻いた軟鉄棒を皮膜の上にのせ一定電圧を交流をかけると厚みに応じて電流が変化する

⇒測定圧を一定にすること

_◇β線ゲージ
β線は、紙、ゴム、アルミニウム、錫、黄銅、鉄などの薄板を透過するとき、単位面積あたりの質量により吸収の度合いが異なる

※[90 38]Sr(半減期19.9年)の放出するβ線(0.65MeV)

※β線を受ける⇒電離箱(300V)
※2000MΩの高抵抗に電離電流に比例する電圧が発生

_◇γ線背面散乱厚み計
主としてコンプトン効果による背面散乱を測定する。散乱は厚みと板の材質により変化する

※γ線の検出
⇒シンチレーションカウンタ

※計数率の瞬時値は統計的にばらつく(元のγ線の放出はポアソン分布)ので、十分大きい時定数のフィルタで平均する。

_◇超音波

◆流体を使った速度、距離測定

_◇ピトー管
航空機、船の速さの測定。

進行方向に向いた管の先端の全圧(ピトー圧)
管の側面の静圧
全圧と静圧の差が単位体積の空気が同じ速度で移動したときの運動エネルギーとなる。

Pt – Ps = ρ*V^2 / 2

ρ:空気の密度
V:対気速度

_◇空気マイクロメーター

空気を流出するノズルの前に物体を置く。物体面と流出孔の距離などにより流出抵抗が変化する。
物体の変位
厚み、や形状(方向変化)
表面の粗さ

※定圧装置
一定の高さまで満たした水槽に特定の深さまで管を沈め圧縮空気を送り込めば余分な空気が逃げ、圧力は一定となる。

※流出ノイズの背圧
U字管圧力計で高さの差hとして測定

※低圧式
水柱500mm程度
非圧縮流体と見なしてベルヌーイ式でよい

※高圧式
250kPa以上
断熱膨張の式による

※空気抵抗にホイートストンブリッジを構成させる

※圧力差ではなく、空気の流速差を熱線風速計素子で電気的に測ることもできる

_◇フラッパーノズル

孔の径0.5mmくらいのノズルの前に、他の機構で動かされるフラッパーをおき、1.5~2.0kg/cm^2程度の空気圧を供給する。フラッパーが100分の数ミリ動くと背圧が1kg/cm^2近くも変化する

※力平衡計器
ノズルの背圧が浮力などの力に平衡するようにフィードバックをかける。このときの圧力を記録すれば、力の大きさを記録したことになる

◆傾斜計

_◇気泡式センサー
水準器と同様だが、電解質溶液に気泡が浮かぶ、電極間に気泡がくるようになっており、傾くと気泡位置がずれて電気抵抗が変化する。0.01度の感度あり。

◆地磁気検出型方位センサ
環状のコアにコイルIを巻き、そのコア外側にコアを十字に縛るような形に出力コイルX,Yを直交させて巻く。コイルIに交流電流を流すと環状コアに沿って交流磁場が生じる。しかし外部の磁場がなければ、X,Yともに、コアにそって大きさが等しく向きが逆の磁束が通ることになるので、打ち消しあって出力電流は生じない。しかし、地球磁場など外部磁場によって非対称になると出力電圧が発生する。

◆オートフォーカス

_◇アクティブ
赤外線を照射して、被写体から反射した赤外線の入射角度から距離を検出する。

※PSD (Positon Sensitive Device)
フォトダイオードの受光面上で、位置を検出する。

_◇パッシブ

①コントラスト検出
ピントが合っているのは、コントラストが最も高いときだ、という論理で撮像素子の映像からリアルタイムにコントラストを計測してフォーカスをあわせる。

②位相差検出
被写体の画像からさらにセパレータレンズで2つの像を生成し、その間隔を計測し、ピントがあっているときの像間隔に対して狭い(前ピン)、広い(後ピン)と判断してフォーカスする。

◆PSDセンサ
Position Sensitive Detector
発射光源(投光用LEDによる)の位置と反射光のもどり位置(フォトダイオード)の関係から距離を検出。

※3角測量
※シリコン・フォト・ダイオードの応用
※温度変動の影響を受けにくい
※検出時間が短い
※受光量から明るさも検知可能
→オートフォーカス+露光量調整ができる

※色や反射率の影響を受ける
→反射率の低いものは遠方では検出できない

_◇1次元PSD

非分割型
バックプレーンの共通電極と両端の電極1,2からなる。電極1,2の間の位置決め抵抗にフォトダイオードがつながっており、入射スポット光の位置で位置決め抵抗の値が分割される。連続的な位置情報となる。

※PSDの電極1を原点とした場合、電極1に流れる電流I1と電極2に流れる電流I2は、電極間距離2Lと、原点からの距離xa、入射光量I0を使って

I1 = I0 * (2L-xa)/2L
I2 = I0 * xa/2L

これから、I0に依存しない式
I1/I2 = (2L-xa)/xa
が得られる

これからxaが求まると、距離測定の対象物までの距離dは、投光用レンズと受光用レンズの間隔lと受光用レンズとPSDの受光面までの距離をfとして

d:l = f:xa

と表せるので、

d=l*f/xa

※LEDの指向角が十分に狭く、高輝度で点光源であれば投光用レンズは不要

分割型
フォトダイオードアレイ(PDアレイ)
CCDセンサ
セル毎の出力となる

※dとxaは反比例の関係にあり、xaと出力信号I1/I2が反比例するので、距離dと出力I1/I2は比例関係とみなせる
_◇PSDのアナログ信号処理
①出力I1, I2をI-V変換する
②減算、加算をおこない、それぞれを対数変換する
③対数変換結果を減算する
④逆対数変換すればI1/I2の割り算したとこになる

※初段で対数圧縮してしまえばゲインは稼げないがダイナミックレンジを広くとれる

_◇投光
外乱光(通常直流)と区別するためにパルスで投光する

例)投光周期1s、パルス幅200μS

_◇受光
反射光はパルス性なので、PSD素子の出力から直流成分を除去する必要がある

※カップリング・コンデンサで直流除去すると、初段のI-V変換回路の直流動作点が入射光量できまってしまいゲインをあげられない
→出力から交流成分を除去して直流成分とし、これを入力にフィードバックして直流成分をカットする

_◇製品例

PSD内蔵カスタムIC
2STB083PB オムロン

距離センサモジュール
E3G-L1/L3 オムロン

PSDモジュール
GP2D12 シャープ
+5V電源、距離データを直流電圧で得られる。
Vcc,GND,Voのみの3端子
距離は10~80cm
距離8cmで出力最大(2.6V)
8000lxまでは外光の影響は小
距離測定は40ms周期
外装は導電性、GNDと同電位
要パスコン 数十μ~100μ
複数個の同方向使用は注意

光変調型フォトIC
S4282-51 浜松ホトニクス
検出光に変調がかかっており、検出光を選択的に検出することで、太陽光などの強い外乱光下でも動作可能
_◇2次元PSD

◆加速度センサ

_◇MEMS加速度センサ

※アナログデバイセズ 2軸加速度センサ
2DXL202 (草分けだが製造中止)

MEMS、静電容量方式

プルーフマスがポリシリコンのスプリングにより空中に支えられ、力に応じたプルーフマスの移動を固定電極とくし状の電極間距離の変動による静電容量の変化としてとらえる。実際のセンサ出力は、発振のデューティ比が加速度の大きさで変調されたパルス信号として出力される。(デューティ50%で加速度0)

①センサのサイクル時間T2 [s]

T2 = Rset / 1.25e8 [s]

と外部抵抗Rの値で決まる。T2は0.5~10msとする。

②ハイタイム T1 [s]と加速度 A [g]の関係

A=((T1/T2)-0.5)/0.125

③LPFのカットオフ周波数
fcl = 1/(2π*32kΩ*Cx)

④感度は電源電圧に比例する

※フリースケール 3軸加速度センサ
MMA7260Q
1.5gレンジ選択時に800mV/g, スリープ10μA以下

_◇圧電型加速度センサ

直流加速度の検出は不可。応答周波数は数Hzから数kHz。数100m毎秒毎秒程度までの加速度を計測可能で、1軸あたりの消費電力は10μ~100μと低い

※MA3シリーズ
マイクロストーン社
PZT使用。5V電源で、40、100、200m/s^2品あり。±検出範囲の加速度を0.5~4.5Vの出力電圧に変換できる。

_◇ピエゾ抵抗型加速度センサ

_◇衝撃の計測
1000g以上のgを測定できる圧電型加速度計測器。

※硬い物体どうしの衝突によって生じる数千gの加速度を計測する。(通常のセンサは壊れる)

※落下による加速度a
落とす高さ h [m]
接触してから停止するまでの時間 t[s]

a = √(2gh)/t

※停止までの時間 t は、落下時の物体の姿勢など予測困難な要因に依存し、実測に頼ることが多い。

※メーカ
ブリュエル・ケアー
ティアック
リオン

※感度や周波数特性だけでなく、センサ自体の重さも考慮する。(センサの質量が測定対象の振動特性に影響を与えるため)

※圧電式加速度センサは破損してもそれなりの信号を信号がでるので、定格を超える加速度を与えないように注意する。

※固定はねじ止めを基本とする。接着剤を使う場合はシアノアクリレート系もしくはエポキシ系を使用。合成ゴム系だと弾性があり計測に適さない。

※着脱必要な場合
マグネット・チャック
ビーズ・ワックス

※チャージアンプで、電荷を電圧に変換して測定するとケーブル容量で感度が変化する問題を回避できる。
→スイス、キスラー社
fAオーダのバイアス電流
GΩ~TΩオーダの絶縁抵抗

※圧電式加速度センサのモデル
交流電源Vsと容量Csでエミュレートできる
電荷出力Qs
Qs = S * a
S:センサの電荷感度
a:加速度
Qs = Cs * Vs
としてシミュレーションする

_◇サーボ加速度計
DCから数Hz.歪ゲージあるいは静電容量式の変位センサにより加速度を計測する。

_◇レーザ・ドップラー振動計
レーザー光の干渉により振動加速度を絶対測定する

◆タコジェネレータ
tacho-generator
回転速度を電圧値で出力する発電機。外部から電圧を供給する必要なし。

※用途
DCモータの速度フィードバック制御用の回転速度検出センサ(モータ軸直結)
停止から最高速までの広範な速度を検出可能
回転速度表示
出力電圧を3V~10V/krpmと低く設定、負荷インピーダンスも10k~1MΩと高くでき、出力電流も小、大きさ小形
個体ばらつきを可変抵抗などで構成する必要あり

_◇DCタコジェネレータ
直流電圧を発電する。主にDCサーボモータの速度検出用に使われる。永久磁石型DCモータと同じ。回転子側に巻線、固定子側に永久磁石。軸を回すと電機子コイルに電圧が発生する。ブラシとコミュテータで整流。

発電電圧は回転数に比例、停止で0V。電圧は巻線の数で決まる。回転方向により正負。

※温度係数の大きい材料では温度変化大

※接触電圧低下が大だと、超低速での出力がでない

※巻線のばらつきが出力電圧にでる。おおきなうねりなのでローパスで除去しきれない。(回転ムラ)

※タコジェネレータの方が特性の要求が高いため、一般に同じ大きさのDCモータとタコジェネレータでは、タコジェネレータの方が高価。

※カップリング
モータと負荷、あるいはモータとセンサ(タコジェネレータ、ロータリーエンコーダ、ポテンシオ・メータ)の接続にしようする。
負荷接続
バックラッシュがない、衝撃吸収
たわみ性に優れる、伝達トルクが大
センサ接続
小形軽量、低慣性、共振しにくい
高速回転可能

_◇ACタコジェネレータ
交流電圧を発電する。ACモータの速度検出センサとして使われる。同期型単相モータと同様な構造。回転子側が永久磁石、固定子側が巻線。電圧は回転数に比例。交流周波数も回転数に比例。

※ブラシが不要なので、DCタコジェネレータよりも安価。

_◇TIPS
①DCタコジェネレータのリップル除去にローパス入れるが、負荷抵抗が低抵抗だと巻線に流れる電流大となり温度上昇、電機子抵抗上昇し、発生電圧が変動する。
②カップリングの共振に注意
③DCタコジェネはブラシ寿命あり。ただし、電流小なのでモータほどブラシの消耗は多くない。
④ACタコジェネはブラシ無いのでメンテ不用。
⑤ACタコジェネの交流電圧を整流ダイオードでDCにする場合、シリコンダイオードの0.6Vの電圧降下により、回転数の低いところに不感帯できる。
⑥ACタコジェネでは回転方向検知ができない

◆ロータリ・エンコーダ
回転移動量を測る。
デジタル信号なので、雑音に強く、環境変化を受けにくい

_◇取り付け形状
①シャフト・タイプ
軸がでていてカップリングを使用して取り付ける。カップリングが共振しないように注意。

②ビルトイン・タイプ
中空軸があり、軸に直接取り付ける

_◇検出原理
①光学式エンコーダ
スリットが空いた円板にLEDなどで発生した光をあて、通過した光をフォト・ダイオードなどで受けてパルス信号を出力する。

※基本回路
発光素子
受光素子
コンパレータ
出力トランジスタ

※A相B相出力
回路2組

※A相B相Z相出力
回路3組

②磁気式エンコーダ
ホール素子を使用。強磁性体の歯車や磁気ドラムの磁束を、ホール素子でピックアップ。ホール素子の信号をコンパレータで波形整形してパルス出力。分解能は歯車の歯数、ドラムの極数で決まる。発光素子が無い分消費電力は小さい。

③レーザ式エンコーダ
半導体レーザを使用。発光波長は650nm, 780nm. スリット円板と固定板のギャップを広くとれ、振動、衝撃に強い。

_◇インクリメンタル・エンコーダ
円周上に1列または2列のスリットをあけたスリット円板と、固定板からなる。

固定板には90度の位相差を持たせたA相とB相のスリットがある。

Z相がある場合は、Z相用の1スロットが回転、固定の両板にある。→原点復帰用。

※ACサーボモータ、DCブラシレスモータ用にU相、V相、W相の3相出力からなるものもある

_◇アブソリュート・エンコーダ
同心円状のスリットにより2進符号を割り当て、どの角度でも絶対番地が2進符号で出力されるもの

※純2進以外
グレイコード
BCDコード

※シングルターン・アブソリュートエンコーダ
1回転あたりのパルス電圧を出力

※マルチターン・アブソリュートエンコーダ
スリット円板が何回転したかをカウント。バックアップ用の大容量コンデンサでカウント値を記憶。

_◇出力回路方式
①電圧出力
シールド線使用で目安10m
②オープンコレクタ出力
シールド線使用で目安30m
③2相出力
ラインドライバICにより位相が180度異なる2つのパルスを出力する。ラインレシーバICやフォト・カプラICで受信し、ノイズを相殺する。
シールド線使用で目安100m

④正弦波出力型
受光素子からの出力がコンパレータICなどで波形整形されていないもの

⑤TTLコンパチブル出力型

_◇出力信号処理

①F-V変換回路
NJM4151 (新日本無線)

②方向判別回路
インクリメンタル・エンコーダのA相とB相信号を、UP信号とDOWN信号に分離する。

③パルス数4逓倍回路
A相、B相の最大周波数の2倍以上のクロックでサンプリングし、遅延させた信号との間で論理をとって、立ち上がり立下りエッジを検出し、パルス数を増やす。

◆リニア・エンコーダ
直線移動量を検出する

◆ポテンシオメータ
potentiometer

回転移動量を測る。
多くは可変抵抗。信号出力は連続。接触式は使用寿命や摺動ノイズなどの問題あるが、入手しやすく、精度も悪くない。

※3端子の可変抵抗器。固定抵抗の2端子に加えた基準電圧を、摺動子(ワイパ)で任意の電圧に分圧する。

_◇ロータリー・ポテンショメータ
円筒型で中心から軸が出ている。円周上に抵抗体があり、軸に摺動子がついて、軸を回すことで抵抗値や電圧の分圧比を変えられる。

①1回転型
多くは回転角度300°前後

※ホールICを使った非接触タイプでは40°~120°などもある

※有効回転角まで回すとストッパにあたって止まる。ストッパの強度はトルク[N*m]で表示

※一般的なカーボン型(炭素皮膜抵抗)では高い精度は得られない。また寿命も1.5万回転。

※サーメット抵抗型は、精度、温度係数良く、300万回転持つ。

※導電プラスチック型。寿命は1000万~2000万回転。

②多回転型
3~16回転など
巻線型の抵抗が多い。寿命は10万~200万回転
摺動ノイズが発生

③エンドレス
抵抗値は360°で最大、0°で抵抗ゼロに戻る。

_◇リニア・ポテンショメータ
直線上に抵抗体があり、摺動子が直線的に移動する。

※導電プラスチック型

_◇非接触式ポテンシオメータ
摺動子がないので、アーク発生なく、防爆性に優れる。
動作寿命は軸受けで決まる。
非接触なので、回転トルクやフリクションが小さい。

①磁気抵抗素子式
マグネットと半導体の組み合わせなので消費電力小。

②光学式

③ホール素子式

_◇出力電圧比-回転角度特性
(出力カーブ)
回転角度[%]を横軸、出力電圧(分圧抵抗)比[%]を縦軸とする。

①A特性
初めはじょじょに増加

②B特性
直線的に増加

③C特性
右下さがりに減少

④非線形タイプ
sinx/cosxの2相出力タイプなど

_◇出力電圧の直線性
出力電圧の基準電圧に対する偏差

①単独直線
出力誤差がもっとも小さくなるように基準線を決める

②絶対直線
規定の最小値が電気角の最小値、最大値も同様として直線を引く

_◇その他の特性
①巻線型ポテンショメータの分解能Ar

Ar = (1/N) * 100 [%]

N:巻線のターン数

※1ターン毎の分割抵抗は微妙に変化する

②有効電気的回転角度と機械的回転角度

有効電気的回転角度<機械的回転角度
残留抵抗が残る

有効電気的回転角度>機械的回転角度
絶対最小抵抗が残る

③摺動ノイズ
ポテンシオメータを4rpmで回転させ、1mAの直流を流しながら、ピーク電圧Vpを測定する。

摺動ノイズ抵抗
Rn = Vp / 0.001 [Ω]

④抵抗値許容差
最大誤差[%]

⑤抵抗温度係数
温度変動に対する抵抗値の変化割合
ppm/℃

_◇応用
①モータのアナログ位置制御
位置指令用ポテンショメータの正電圧と、位置検出用ポテンショメータからの負電圧の偏差を、位置決めアンプにいれ、偏差が0Vまでモータを回転させる

②傾斜角制御
ポテンショメータ+シリンダモータによる

③ならい制御

_◇ホーロー可変抵抗器
金属巻き線型可変抵抗器にホーローの保護皮膜を充填した電力可変抵抗器

※DCモータのトルクと回転速度を制御できる。3端子素子。

※電流制御の場合
両端の端子の一方を電源に、摺動子をモータに直列につなげる。摺動子を動かした場合に、瞬間的に抵抗値が大きく変動する可能性があるので、空端子と摺動子の端子を接続しておく。DCモータは電流とトルクが比例関係になる。無負荷の運転速度は摺動子位置と関係なく一定となるが、起動トルクは摺動子位置による

※電圧、電流制御
電流制御で摺動子につなげた端子をGNDにつなげば、電圧と電流が同時に制御される。起動トルクだけでなく、無負荷回転速度も変化する。

◆フォトインタラプタ
発光ダイオードとフォト・トランジスタなどの受光素子を向かい合わせでパッケージに入れた光センサ。

※スリット円板と組み合わせるとロータリエンコーダの代用となる

※スリット幅0.15~0.5mm程度の分解能あり。

※受光素子が誤動作しないよう、外乱光が当たらない場所にとりつける

※反射型のフォトインタラプタもあり

_◇TIPS
①電源電圧が低下、温度が低下、さらにばらつきなどがあると、フォトダイオードにながれる電流が減り、光出力が急低下して信号が出力されないことがある。

②歯の停止位置によっては、出力が中間電位になることがある。

→ヒステリシスを持つ回路などで十分増幅する

◆スピード違反取締り
10.525GHz
ドップラー効果による

☆振動センサ

◆概要

圧電効果により、振動や衝撃を電圧に変換する

※加速度センサと違い、DC加速度は検出できない

圧縮型
シェア型

センサ部分は強誘電体結晶。電圧を加えると振動が起こり、 圧力を加えると電圧が発生する。

◆圧電セラミック
チタン酸バリウム BaTiO3
チタン酸ジルコン酸鉛PbTiO3・PbZrO3

高温で焼き固めた強誘電体

※焼き固めただけでは結晶内部はばらばらの方向を向いており、全体として双極子モーメントはゼロ。数kV/mmの強電界により分極処理(残留分極)することで、大きな圧電特性を示すようになる。

◆製品例
村田 PKGSシリーズ

_◇電圧感度型
1m ~ 2.1mV/g, 160p~420pF

_◇電荷感度型
0.153p~0.79pC/g, 440pF ~ 770pF

◆分類
_◇ユニモルフ振動子
圧電セラミックと金属板を張り合わせたもの

_◇バイモルフ振動子
圧電セラミック同士を張り合わせたもの

_◇主軸傾斜角
主軸方向がもっとも加速度の検出感度が高い
0度。。。基板に水平が最大感度
90度。。。基板に垂直
25度、45度もある

◆検出回路

_◇バッファアンプ

_◇チャージアンプ

☆ジャイロ

①ファイバオプティクスジャイロ
Min 0.001~0.01deg/hour
②リングレーザジャイロ
Min 0.01deg/hour
③クオーツ方式ジャイロ
Min 0.1~1deg/hour
④メカニカルジャイロ
Min 100deg/hour
⑤圧電方式ジャイロ
Min 200deg/hour
⑥ガス方式ジャイロ
Min 500deg/hour
(価格対性能比が悪いので×)

※物体の動き:3軸の加速度と3軸の回転角速度が検出できれば定義できる

※角速度の単位は rad/s を使用すること(計量法により deg/sは公的には使用できない)

◆角速度センサー

_◇力学モデル

Y━┯━
┌┴┐
│バ│
│ネ│
└┬┘→V
┃┌──┐┌┴┐┌──┐┃
┠┤バネ├┤m├┤バネ├┨
┃└──┘└┬┘└──┘┃
Fc↓┌┴┐    X
│バ│
│ネ│ ω1
└┬┘ /角速度
━┷━
x方向に既知に速度Vで振動させた振り子が回転(角速度ω)すると、振り子の速度と入力角速度に応じてY方向にコリオリの力Fcが働き、Y軸方向の振動が発生する。Y軸方向の振幅の大きさが入力角速度ωに比例する。

Fc= 2 * m * ω * V

_◇圧電振動ジャイロ
弾性金属の振動を使い、振動の大きさを圧電セラミクスで検出する。

◆光ファイバ・ジャイロ・センサ
コイル状に巻いた光ケーブル内を時計方向と反時計方向に進行するレーザの到達速度の差が角速度に比例するサニャック効果を利用する。

◆機械式ジャイロ・センサ
コマの高速回転による。回転部があるためメンテナンスが必要。機械振動に弱い。

◆シリコン振動構造ジャイロ・センサ
Si-VSG
直径6mm程のリングをシリコンで形成、共振周波数で電気的に駆動し、コリオリの力で回転角速度を検出

◆圧電振動ジャイロ・センサ
PZTや水晶などの圧電素子を音叉状などに加工、圧電効果により振動させ、コリオリの力で回転角速度を検出する。

_◇セラミック・バイモルフ・ジャイロ
2枚の圧電セラミック(分極方向が向きあうようにした)に交流電圧を加えて屈曲運動を励起する。この振動子に角速度が加わるとコリオリの力が生じ、駆動振動と直交する方向に歪む。逆圧電効果により電荷が偏るので、これを検出用電極対で計測する

◆ガスレートジャイロ
ノズルから噴出されるヘリウムガスを2本のヒートワイヤ(フローセンサ)に当て、その温度差により方向の変化を感知する

◆ジャイロセンサの特性
_◇回転角速度レンジ
検出可能な角速度のレンジ。

※6.28rad/sが毎秒1回転。

_◇ドリフト特性
※静止状態における出力の変化特性
→バイアス・ドリフト
温度変化などが原因

_◇耐振動特性
振動時のノイズののり方

※ノイズ電圧密度で評価
dBVrms/√(Hz)

◆ジャイロセンサの設置
①物体の動きをとるときは重心に近い位置に実装
②瞬間接着剤は衝撃に脆い。粘着材は緩衝材になって周波数特性が得られない
③部材の振動は誤差となる
④傾きは誤差要因となる。直交精度が重要
スケール・ファクタ誤差
軸間のクロストーク
⑤多軸を実装するばあい、近接すると機械的振動によるクロストークが発生することがある。電気的クロストークにも注意。

※干渉対策として、振動周波数の異なる2種類を組み合わせるのも良い

◆ジャイロセンサ検出回路
①入力フィルタ
エイリアシング・ノイズを防ぐ
多くのジャイロセンサ~100Hz程度
→数100Hz程度のカットオフ周波数のフィルタ
※姿勢制御などのフィードバックに使う場合は、位相特性が重要

②ノイズの小さい電源回路
スイッチング電源よりシリーズレギュレータ。
※ジャイロ内部の数k~数十kのキャリア信号とスイッチング周波数でビート障害が発生する可能性がある

※電源、グラウンドの分離

③オフセット・ドリフトの小さいOPアンプ

◆手ブレ補正

※光学式
_◇松下DSC LUMIX DMC-FX7
角速度測定4000回/秒
望遠撮影 高域成分対策 専用回路
(前機種480回/秒MCU)

※ピッチング(縦ぶれ)
※ヨーイング(横ぶれ)

☆質量、重量計測

◆天秤

_◇微量天秤
微小質量に対して高い感度を持つ天秤
⇒微量質量をとらえるため、装置全体を密閉し、対重としての球を設ける。試料の重量と球のバランスが崩れた場合、球を変えるのではなく、装置内の圧力を変え、球に働く浮力を変化させて釣合をとる

_◇ねじり秤
繊維のねじり応力と荷を釣り合わせる

ねじりに対する回転応力は線の太さの4乗に比例する
⇒細いものを使えば極めて高い感度となる

※繊維の中点をφ[rad]ねじるときの応力モーメントC
C=2nπa^4(φ/l)
n:剛性率
a:繊維の半径
l:繊維の長さ

_◇ガス天秤
気体の密度を測る。ねじり秤と気体の浮力の大小による

_◇超微量天秤
超測微計の応用

※天秤の刃先=どんなに鋭くとも丸みを帯びる
⇒静止転動摩擦があるので、ある偶力を超えないと動き始めない
⇒刃を持つ天秤の動作する閾値がある

※刃ではなく、細い繊維で棹をつるすことで微量な質量でも傾くようにした

※この傾きを直列2枚の平板コンデンサとして扱って計測した
⇒棹側には直列2枚の中央のコンデンサの2枚の電極が乗るだけであるので、一切の配線なし(配線の剛性による影響なし)

※微量天秤と同じく、密閉容器内の圧力調節により分銅に働く空気の浮力変化で釣合をとる

_◇熱天秤
物質が高温で、酸化、分解するときの質量変化を調べ、分解温度や、酸化速度などを求める。あるいは、固体を液体中につるし、温度による浮力の変化を測って個体の熱膨張係数を求める

※液媒質
高温でも蒸発しにくい
流動性に富む
試料と化学的に反応しない
⇒アルカリ金属の硝酸塩、塩化物など

_◇直示天秤

※通常の化学天秤
皿2つ⇒左右の棹の長さが不等だと誤差を生じる

※定感量直示天秤
皿と同じ側に分銅がつねにかかっていて、反対側の固定の錘と釣り合っている。皿に物体を載せた場合、分銅をはずして釣合をとる
⇒棹にはいつも同じ荷重がかかり、たわみ一定。感度も荷の大小で変化しない

_◇迅速秤

①棹の傾きで質量の異なる分銅が自動的に次々にかかるもの
②分銅の代わりに鎖を用いるもの
③振動を減衰させる空気ダンパーをつけたもの

◆ばねばかり

_◇ばねばかり
測れるのは重量

※つる巻ばねの伸びdと荷重Wの関係
2lWa^2 4NWa^3
d=------=------
πnb^4  nb^4

b 針金の半径
a 巻の半径
N 巻数
l 針金の全長
n 針金の剛性率

_◇電気重量計

※電気抵抗線ひずみ計が主

※鋼側面に4枚のゲージを貼り付けブリッジ回路とする。(ロードセル)
⇒温度の影響が補償される
⇒ゲージ部分はシールされ、吸湿、腐食を防ぐ

※クレーンスケール

※トラックスケール

※リングゲージ
輪の内外面に4枚のストレインゲージを貼る

※抵抗線ひずみ計でなく、差動変圧器を利用。

◆空気圧力利用

荷重を空気の圧力と釣り合わせて測る。
空気の圧力は、荷重により変動する一種の弁によりフィードバックする
⇒風袋も荷重の一部となるが、この分を補償するための別の部屋も用意する

◆遠心力利用

重力加速度でなく、遠心力を利用する。

例えばジンバルにとりつけたはずみ車の回転力と、不均衡による遠心力を釣り合わせ、傾く角度を計測し計測する

※ジンバル
gimbal ring
一種のユニバーサルジョイント

◆コンスタントフィーダー
粉体、粒体を単位時間あたり一定量を連続輸送するための装置。

一定区間のベルトの荷重を天秤で測り、これをホッパーのゲートにフィードバックする。

※ベルトウエイヤ
一定区間のベルト上にある物質の重さを測る秤

☆超音波センサ

※超音波
人間の可聴範囲以上(約16KHz)の音波

①送波器により超音波を対象物に向け発信し、その反射波を受波器で受信することにより、対象物の有無や対象物までの距離を検出する

②送波器と受波器間を通過する物体によって生じる超音波の減衰またはしゃ断を検出することにより対象物の有無を検出する

※超音波スピーカ(送波器)と超音波マイクロホン(受波器)を合わせて超音波トランジューサという。

◆センサから対象物までの距離の算出

空気中の音波伝搬速度vは簡易的に次式で表される。

v = 331.5 + 0.607T [m/s]
T : 周囲温度[℃ ]

常温の空気中では約 340 [m/s] とみなせるので、超音波を発射してから物体に反射して戻ってくる迄の時間をT [μsec] とすると、物体までの距離 d [mm]は

d = 0.5T * 340 * 0.001 = 0.17T [mm]

◆センサの構造と原理
超音波の発信・受信には圧電素子を使用して電気信号に変換している。(圧電素子とは、電気を加えると応力が生じ振動を起こす、また逆に応力を加えると電圧が発生する強誘電体)

_◇圧電セラミック
強誘電体結晶の振動子
チタン酸バリウム振動子が多く用いられ、その形状には、円板形と円筒形がある

※ユニモルフ構造
圧電セラミックと金属板を張り合わせてある。
交流電圧→機械的に振動し、超音波を発射
超音波が入射→電気信号発生

特性は圧電セラミック素子の共振周波数による

※等価回路

┌─┴─┐
┌┴─┐┌┴┐
│C0││L│
└┬─┘└┬┘
│  ┌┴┐
│  │C│
│  └┬┘
│  ┌┴┐
│  │R│
│  └┬┘
└─┬─┘

fs:直列共振周波数
fs=1/(2π√(LC))

fp:並列共振周波数
fp=1/(2π√(L*(C*C0/(C+C0))))

※送信用
出力が最大となる直列共振周波数fsで動作させる

※受信用
感度が最大になる並列共振周波数fpで動作させる

◆センサのタイプ

_◇送信/受信型
送信器の直列共振周波数と受信器の並列共振周波数がほぼ一致

_◇送受信兼用型
fsとfpの中間の周波数で動作させ、送信、受信を両立させる
※送信受信分離型にくらべ感度が劣る

_◇高周波タイプ
200kHz, 400kHzなど
→分解能が小さくなる
40kHz 9mm
200kHz 2mm
→ただし、検知範囲は狭くなる
→指向性は狭くなる

_◇室内用、屋外用
室内用。。。開放型(セラミック振動子と金属板が直接空気に触れている)
屋外用。。。防滴型(ケースを兼ねた振動版だけが空気に触れる)

_◇透過形、回帰反射形

_◇距離設定形

_◇限定ゾーン形

◆仕様例

_◇村田製作所
MA40S4S
送信型

MA40S4R
受信型

MA80A1
送受信兼用型
公称周波数75kHz
送受感度 -47dB (min)
0db=18Vpp@50cm
指向性7度(typ)
使用温度範囲-10℃~60℃
検知距離0.5m~5m 分解能4mm
最大許容印加電圧120Vpp 幅625uS, 間隔45mS

MA200A1

MA200D1-1

MA400A1

◆センシングの特性、注意点

①硬い物(金属、木材、コンクリート、ガラス、ゴム、紙など)は超音波をほぼ 100% 反射するが、布、グラスウール、綿、音波を吸収する物体や粉体等、柔らかくて空気を含んでいる物体は超音波を吸収するため要注意

②物体の表面の起伏が大きい場合超音波が乱反射するため検知しにくいことがある

③音波周波数が高くなる程減衰率が大きくなって到達距離が短くなる。通常周波数約 100 [ KHz ]では最大 1 ~ 2 [m]検知可能距離となる。

④超音波スピーカの振動が減衰せずその漏れが受信回路に入って受信波を検出したように誤動作してしまうのをふせぐため超音波を送信した後待ち時間をおく。

⑤一般の超音波トランジューサの指向性は、半値角として 20°~ 30°程度

⑥斜め「鏡面」は観測しにくい
鏡面のばあい入射角と反射角の関係から反射波は反射角の方向にしか観測されない。

※超音波にとってどの程度までが散乱面なのかは波長 λ から知ることが出来る。

v = λ f

20 ℃の空気中の音の伝搬速度
v = 343.5
超音波の周波数を 40 KHz とした場合
波長 λ
λ = v ÷ f = 343.5÷ 40 K = 8.6 [mm]

以上の結果により、対象物の凹凸が約 8.6 [mm] 以上の場合には散乱面とみなされる。

⑦経時変化や温度変化による発信機のドリフトに注意

⑧外部の音やシステム自体の機械的振動で誤動作する恐れがある。取り付け注意。
※拍手するだけでも超音波は発生する
※交通機関(車、飛行機)からも発生している
※外乱対策:送信出力を大きくし、受信感度を下げる
※外乱対策:指向特性を使う

⑨連続して距離を測定する場合は、以前に発射した超音波に対する反射や残響が十分に減衰する時間をおく。

⑩風の吹くところや高温物体による空気の揺らぎのある場所では正しい計測が行われない可能性がある

⑪多重反射に注意

⑫サイドローブ
中心より角度の増加にしたがって音響レベルは減少するが、その後再び増加するサイドローブ(side lobe)がある。周囲の物体に乱反射するなど検出特性に影響することがある。

_◇光センサとの比較
①透明な物体も検出できる
②雨やほこりに影響を受けにくい
③超音波を吸収するやわらかいものには向かない

◆送信回路

┌────┐ ┌──────┐ ┌────┐
→┤発振回路├→┤ドライブ回路├→┤送信素子│
└────┘ └──────┘ └────┘

※発振回路は40kHzが多用される
※超音波素子の容量は2000pFもあるので、ドライブ回路は電流容量があること
※方形波でドライブしても超音波素子での共振で正弦波が発射される

_◇74HC14シュミットトリガ送信回路

74HC14(シュミットトリガ6個)

┌──┐┌───┐      ┌─┐
┌┤R1├┤VR1├┐    ┌┤ ○┐
│└──┘└───┘│    │└─┘│
│  ┌─┐    │ ┌─┐│┌─┐│
├──┤ ○─┬──┴─○ ├┴┤ ○┤
┌┴─┐└─┘ │┌─┐ └─┘ └─┘│
│C1│    ├○ ├┐ ┌─────┴─┐
└┬─┘    │└─┘│ │MA40S4S│
┴      │┌─┐│ └─────┬─┘
└○ ├┤  ┌──┐ │
└─┘└──┤C2├─┘
└──┘
C1:0.01μ(フィルム)
R1:2.2kΩ
VR1:1kΩ(周波数調整用)
C2:0.1μ
※他に74HC14のパスコン
C3:0.1マイクロ
※電源5V。電圧が振れると発振周波数が変動する

※5V電源で74HC14を使った場合の発振周波数

fos = 1 / C1 * Ra [Hz]
Ra = R1 + VR1

C1=0.01μ, Ra=2.5kΩ fos=40kHz

_◇4011マルチバイブレータ
18Vまで動作可能なので、電源電圧を高めることができる。例えば15Vppで駆動可能。大きな送信出力を得られる。

_◇水晶発振回路+74HC4060で分周
水晶5.12MHz発振
2^7分周
発振制度高い

_◇EIA-232CICを流用した昇圧
TTLレベルの5Vから±10Vの振幅を得られるのでVpp20Vで駆動できる。


MAX232C
ADM3202AN

◆受信回路

受信用センサが超音波をとらえたらパルスを出力する

_◇OPアンプによる増幅

OPアンプ:NJM4580

┌───────┐┌─────┐┌────┐
┌┤MA40S4R├┤1000p├┤3.3k├┐
│└───────┘└─────┘└────┘│
┴    ┌───┐             │
┌───┤10μ├┬──┐ ┌────┬──┘
┴   └───┘│  │ │    │
┌───┐│ ┌┴─┴┐ ┌─┴──┐
┌───┤10k├┤ │+ -│ │VR  │
┴   └───┘│┌┤   ├┐│300k│
┌───┐││└─V─┘│└─┬──┘
┌───┬┤10k├┘│  │  │  │
│   │└───┘ │  ├──┼──┘
┌┴──┐├──────┘  │  ┴
│47μ││     V+  │  V-
└┬──┘│      ┌──┴─┐
┴   │      │0.1μ│
┌───┴┐     └──┬─┘
┌┴───┐│     ┌──┤
│0.1 ││     ┼  ▼1SS174
└────┘│     ▲  ┼(検波)
┌──┴─┐   ┴  │
│100Ω│   ┌──┤(平滑)
└──┬─┘ ┌─┴┐ │
┌────┤   │1μ│┌┴───┐
┌┴──┐ │   └─┬┘│4.7k│
│47μ│ │     ┴ └┬───┘
└───┘ │        │
○──┬─┬┘       ━┷━(直流増幅)
5V │ │        ───2SC1815
│ │┌───┐  /   \
│ └┤10k├┬┬     V
│  └───┘││     │
┌──┴┐ ┌──┐ │○     ┴
│LED├─┤1k├─┘ 超音波検出でL
└───┘ └──┘  ○

_◇トーンデコーダによる受信
トーンデコーダNJM567
PLL-IC

入力信号と電流制御発振器の信号を位相比較器で比較し、周波数が等しくなると出力をLにする。
電流制御発振器の発振周波数が40kHzになるように外付けのCRの値を決定する。

foi=1/(1.07RaC1)

※Rは固定抵抗と可変抵抗で作り調整可能とする
※超音波センサからの入力は受信レベルの調整のためVRで受け、Cを介して入力端子に接続する。

_◇送受兼用型回路
①水晶発振回路の原振を分周して40kHzをとりだす
②超音波の発振On/Offのためにパルス波を作る
③①と②からパルス上に40kHzを超音波センサに印加する。

※送信回路を切り離すためダイオード(1S1588)とC(0.1μ)を使う

◆距離の計測
物体に反射して戻ってくる反射波を検出すれば物体までの距離が求まる。

気温20℃で音速は343m毎秒なので

l = 343*t / 2 [m]

送信幅が小さすぎると反射波のエネルギーが小さくなりすぎ、検出しにくい。長すぎると自分の送信と反射の区別がつきにくい。間隔が短すぎると遠距離が測れない。長すぎると測定の更新がゆっくりになる。

例)0.5mS = 17cm

◆主要超音波センサベンダ
http://www.mitsumi.co.jp/
http://www.nicera.co.jp/index.htm
http://www.fujicera.co.jp/index_j.html
http://www.murata.co.jp/index.html
http://www.sick.co.jp/index.html
http://www.mkt-taisei.co.jp

…◆音速と音響インピーダンス
◆音速と音響インピーダンス

⇒平面波の音響インピーダンス
音速*密度 [10^6kg/m^2/s]
<(SIではPa*s/m^3)音圧を体積速度で割ったもの>
音響インピーダンスが小さいほど、少ない音圧で粒子速度が大きくなる

空気
音速 330 (m/s)
密度 1.29 (kg/m^3)
音響インピーダンス 0.0004
減衰係数 10

音速 1530 (m/s)
密度 1000 (kg/m^3)
音響インピーダンス 1.5
減衰係数 0.002

☆電気量計測

◆電気メータ
有効電力に比例して円板を回転させる

◆漏電ブレーカー
磁性体のコアに2本の導線を揃えてまく(ただし、電線の電流は逆向き:行きと帰りなので)。行き帰りの電流が等しければ磁界は打ち消してコアの中に磁束は発生しない。漏電が起こると往復電流が等しくならず、コアに磁束が生じる。これを検知コイルで検出する

☆交流インピーダンス測定

◆インピーダンス測定の基本

_◇注意点

①実際の部品には寄生成分がある
②測定は 寄生成分+測定誤差

_◇測定条件

①周波数
⇒一部の支配的な寄生成分が部品の周波数特性を決める
②測定信号レベル
例)
コンデンサ、材料の誘電率により異なる
インダクタ、レベル大だとコアの非線形磁化
③DCバイアス
④温度
⑤その他
湿度、電磁界、光、気圧、振動、時間経過

_◇インピーダンス測定法

①ブリッジ法
安価高精度だが、バランス操作必要

②共振法
高Qの場合に良。チューニング要

③I-V法
接地試料でも測定可。周波数下限あり。

④RF I-V法
高周波向き

⑤ネットワーク解析法
高周波向き

⑥自動平衡ブリッジ法
接地試料でも回路構成によっては可。上限あり。

◆自動平衡ブリッジ法

_◇原理

Ed┌──┐O┌──┐Er
┌┤Zx├┬┤Rr├┐
│└──┘│└──┘│
┌┴┐  ┌┴┐  ┌┴┐
│~│  │D│→→│~│
└┬┘  └┬┘  └┬┘
│OSC1│    │OSC2
┴    ┴    ┴

Dに流れ込む電流が0になるようにOSC2の位相、振幅を調整する。

このとき
Ed Er
--+--=0
Zx Rr

◆固体電解質

_◇固体電解質
イオンを通じる固体。水や溶媒を含んでいない
<>乾電池などでは塩とのりを水で練っているので水を含む

⇒直流電圧をかけ続けるとイオンは偏ってしまい、時間ともに電流が流れなくなる

◆FFTアナライザ方式
簡便だが精度が低い、周波数範囲が限られる

◆単一正弦波掃引方式
FRA法

◆複素インピーダンス平面プロット
Complex Impedance Plane Plot
※Cole-Coleプロット

横軸にインピーダンスの実成分Z’
縦軸にインピーダンスの虚数成分Z’’
をとる

①測定対象がコンデンサ成分を含むとプロットは半円を描く
⇒実軸を切る点が抵抗Rに相当する
②複数の半円は複数の要因による

※測定対象を変化させるとプロットが変わるので、どの部分が何に対応するかが分かる

※電解質本来のインピーダンス
⇒バルクインピーダンス
※界面インピーダンス