特許の失敗学 投稿順INDEX

特許の失敗学

特許の失敗学[0] 私の知財歴
「特許の失敗学」は、私の経験から特許に関連する失敗を開示することにより、世の中の発明者の他山の石としていただくことを目的としています。
現在は、R社を退職し発明者として特許明細書を自筆作成中です。R社でお世話になった弁理士の先生に明細書のコンサルタントをお願いしています。ご指導いただいた内容について弁理士の先生からHPでの開示許可を頂きましたことを感謝いたします。特許に関心がある発明者の皆さまに「特許の失敗学」シリーズがお役に立てれば幸いです。元特許技術担当者の私見ですので「信じるか信じないかはあなた次第」です。

特許の失敗学[1] 特許と論文
技術者や研究者にとって、特許と論文とは情報収集の手段であり、成果のアウトプットとして重要でもあります。これらの共通点はありますが、実務では大きな違いがあります。ネット上には「特許と論文の違い」で検索すれば、多数の記事を読むことができます。それら記事を参考にしつつ、Araha が考える特許と論文との違いをまとめました。

特許の失敗学[2] 自筆明細書
特許実務の経験が無い技術者が出願明細書の検討を行うことは非常に困難です。過去の特許公報を読んで形をまねるだけでは十分ではありません。なぜなら、特許の実務は進化しているからです。Araha は自筆明細書のコンサルタントを依頼している弁理士に、「先生の特許公報を参考にしています」と伝えました。ところが「1年前に公開された特許公報の記載は、もう古い」だそうです。特許の実務はアップデートしないと時代遅れになります。

特許の失敗学[3] 特許副業のススメ
働き方改革や同一労働同一賃金の施行(2020年4月)により正規社員に厳しい制度変更が行われる代償として、企業は社員の副業制限を撤廃(緩める)施策が予想されます。そこで特許ビジネスを副業とすることを考えてみます。

特許の失敗学[4] 「2対6対2の法則」
今回は特許には直接関係しない「失敗学」の番外編です。「2対6対2の法則」とは、会社をはじめとする組織において、勤勉な人が2割、普通の人が6割、怠け者が2割という比率に分けられるというものです。働きアリの社会で観察された事象が、人間社会の組織にも当てはまるという驚くべき法則です。

特許の失敗学[5] 特許は法律文書
特許は法律文書です。「特許の失敗学[1] 特許と論文」では著作権について違いを考えました。今回は特許文書と技術文書との法律的な違いです。特許文書を技術文書と同じつもりで作成すると失敗(残念な結果)となります。「特許は法律の世界」を意識したのは知財部門に異動した後のことです。

特許の失敗学[6] クレーム(その1)
テレビ番組に特許ネタが出てくると、知財業界人は思わずコメントをしたくなります。近年で最も有名なのは『下町ロケット』でしょう。実際の特許訴訟を扱ったNHKドキュメンタリー『逆転人生』にも多くのコメントがあります。
逆転人生「最強アップルVS.貧乏発明家」

特許の失敗学[7] クレーム(その2)
特許クレームは契約書と同じく一言一句、注意深く記載しなければなりません。特許クレームにはNGワードのようなものが多数あるため注意しないと失敗します。特許審査官は特許法や審査基準に基づいて審査して必要な拒絶理由を通知するのであって、審査した特許が有効(収益可能)かについては出願人に通知することはありません。

特許の失敗学[8] クレーム(その3)
クレームは特許担当者にとって最重要なアウトプットです。上手いクレームとは、特許法の特許要件を備え、必要十分な最小の構成要素で、瑕疵が無く、かつシンプルなクレーム、であると考えます。その前提として「発明の本質」を捉えねばなりません。後年の実施製品を見て「発明の本質」に気が付いて後悔するという失敗は「特許あるある」でしょう。

特許の失敗学[9] 特許庁のサービス はじめての方へ 
個人発明家が「いかに無料でお手軽に特許調査するか」という記事を書く予定でしたが、調べるうちに「知財システムのパラダイムシフト」を知りました。AIがひたひたと知財の世界にも進出しています。このままだと調べものが発散して記事が書けないので、特許の基本に戻ります。まずは特許庁が無料で提供しているサービスからの紹介です。Arahaが知財部門を離れて数年になりますが、特許庁のサービスは驚くほど拡充していました。

特許の失敗学[10] 特許庁の広報 ビジョン
特許庁のステータスレポートを見てみようと、特許庁のHPを探していました。興味を引くコンテンツが多数ありまして、また興味発散しそうなので適当なところで区切ります。特許庁には広報課は無く、総務部総務課に広報室があります。

特許の失敗学[11] 特許庁の広報(2) 『特許』君の名は
“patent”の語源は「開いていること」「公開すること」であり、”patent law”は発明者に発明を公開することを奨励して一定の期間の排他的な権利を与える制度です。しかしながら、『特許』には「権利を特別に付与する」という心象を受けます。『特許』君の名は誰が付けたの?

特許の失敗学[12] 特許庁の広報(3) 特報 特許庁の特許
2020年4月28日(火) 特許庁長官が出願した特許が【特許番号】特許第6691280号(P6691280)、【登録日】令和2年4月14日(2020.4.14)、【発行日】令和2年4月28日(2020.4.28)として登録された。発明の名称は『管理システム及び管理方法』である。2020年5月4日現在、特許庁のホームページには、本件についての発表は無い。

特許の失敗学[13] 特許庁の広報(4) 特許庁の商標出願
前回の投稿、特報 特許庁の特許 では、特許庁の特許出願のスクープ(ここは報道機関でないので不適切か?)しました。そのフォローアップ調査をしていたところ、更に謎は深まる結果となりました。そこで発見した謎は「特許庁の商標出願」です。特許庁(またしても出願人は特許庁長官)は、商標も特許庁に出願していました。

特許の失敗学[14] 特許と英語(0) 私の英語歴
特許の収益化を図るのであればUS特許は避けて通れません。未だ世界特許は存在しないので、同じクレームであれば最大消費市場が存在するUS特許の特許価値が最大であります。 特許の失敗学[6] クレーム(その1) において「最大の失敗は、外国出願(特にUS特許出願)をしなかったこと」とした所以です。もしもUS特許出願があればアップル社の対応も違っていたことでしょう。

特許の失敗学[15] 特許庁の広報(5) 特許庁の特許 (その2)

 特許の失敗学[12] にて紹介した「特許庁の特許出願」について、特許庁広報室あてにウェブフォームで質問送付しました。そして回答を受け取りました。特許庁から「特許の失敗学」の記事で開示する了承を得ましたので公開いたします。

特許の失敗学[16] 特許と英語(1) なんちゃって英語学習

前回特許と英語(0) 私の英語歴では、US特許のため英語能力の必要性を述べました。「うちは日本特許だけで勝負するで」と仰る方は「英語」は不要かもしれません。しかし、特許庁の「アドバス」が稼働すると、外国語文献が引例の先行技術として拒絶理由通知に示されることが予想されます。その場合は、先行技術文献は英語の可能性が高い。機械翻訳が完璧でない現状では、英語能力は必要となります。

特許の失敗学[17] 特許と英語(2) US特許出願の提案

特許の失敗学[2] 自筆明細書 の投稿では、技術者が「特許明細書」を自筆する困難性を書きました。US特許の場合は、少なくとも「英語」という困難性が加わります。日本の特許事務所は、米国の現地代理人を通じてUS特許実務を行います。米国弁理士(Patent Agent/Attorney)の資格を持っていない限り、自分でUS特許の執筆(翻訳)や出願権利化の手続きをするのは無理でしょう。

特許の失敗学[18] 事例研究(1) Aピラー透明化

特許アイデアから出願権利化そして特許収入に結び付けるために、具体的なアイデアをとりあげて事例研究(case study)をしてみます。
『自動車のAピラーを透明化する』というアイデアを調べてみます。
アイデアを発明として完成するには、最初のステップは先行技術の調査です。ほとんどのアイデアはこの段階で特許として新規性がないことが分かります。例え特許出願に至らなくとも、そのアイデアを事例研究して有効に活用しましょう。「特許の失敗学」のミッション「お金をかけずお手軽に特許収入を目指す」のために。

特許の失敗学[19] 事例研究(2) Aピラー透明化 その2

前回は、アイデア「Aピラー透明化」の先行技術調査でした。「最低限の費用で特許収入を目指す」ミッションとしては、特許調査の結果で特許出願をしない場合、そこで終了してはなりません。発明の特許出願がありながら、その発明の実施が無い(量産されない)場合は理由を考えてみます。特許登録も大変ですが、そこから特許収入を得るのはもっと大変ですよ。

特許の失敗学[20] 事例研究(3) Aピラー透明化 その3

発明アイデア「Aピラー透明化」事例研究の最終回です。
ほとんどの発明アイデアは、Google検索で新規性が無いことがわかります。もしもキーワードを変更して検索しても先行技術が見つからないときには、別の特許検索ツールで確認します。先行技術が見つからない場合でも、特許明細書には先行技術文献との違いを記載します。そのため出願する発明に最も近い先行技術文献を探す必要があります。

特許の失敗学[21] 特許の収益化

特許法の目的は産業の発達に寄与すること(特許法第1条)ですが、個人発明家にとっては「収益化」でしょう。これは当世人気の職業YouTuberと似たところがあります。YouTubeは「収益化」しなくとも、趣味とか主張の発表を目的とするメディアでしょう。とすれば、特許出願も論文発表の場として利用可能ではと妄想する今日このごろ。「特許出願de論文発表」についてはまたの機会に…