忘却の微分方程式(112) 反復練習75、広義積分、確率密度関数の積分へいたる、Maxima

Joseph Halfmoon

別件で正規分布「ではないやつ」のリサンプリングが分からんとブーたれていたらバチがあたりました。今回の積分の課題は正規分布に至る道筋デス。前回は特異点をすり抜けて?積分。今回は-∞から∞までの広義積分であります。「ありがち」か?教科書はテクを駆使して解いてますが、Maxima様にお願いすれば一撃。あっけない?

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※数学のお勉強のための以下の教科書(参考書、問題集?)の例題をMaximaの練習に使わせていただいております。

弱点克服 大学生の微積分 江川著 東京図書

遥かなるかな太古の時代、大学生のときにこういう御本が欲しかったデス。

※以下のMaxima/wxMaximaバージョンで実習させていただいております。

    • Maxima 5.46.0
    • wxMaxima 22.04.0
今回の例題

今回の例題は以下です。このところ二重積分だの、三重積分だのを練習してきたのに積分記号が1個しかありません。ものたらない?Ex91_f

いえいえ、教科書では二重積分にした上で極座標変換を駆使して上下から「はさみうちの原理」で計算してます。これまた自分じゃゼッテー解けない奴だな。

まずはグラフを描いてみる

とりあえず上の定積分の「雰囲気」をグラフにしてみます。定数 a ではグラフにできないので a=1 とテキトーに値を入れた上で、xは、-∞から∞を -2.5から2.5とバッサリなグラフです。描くのは以下で。

draw2d(x_voxel=100, y_voxel=100, grid=true, region(y<=%e^(-x^2), x, -2.5, 2.5, y, 0, 1.5))

描いた結果のグラフが以下です。Ex91_a_1_plot

この形、どっかで見たことないか。そうです正規分布の確率密度関数のグラフとよく似てますな。ただしピークが1になっているので、正規分布をY方向上に引き伸ばしたような形みたいっす。

そういうことで(どういうことだ?)、母平均μと母分散σ2の正規分布の確率密度関数の式を以下に掲げます。N_f

数学素人の年寄があれこれ言うのも何なので、正規分布を忘れていたよゐこのためにURLを貼り付けておきます。産総研様のありがたいページです。

正規分布

さて上記のf(x)は「確率密度関数」なので、計算しなくても(本当はできなくても)以下が成り立つことは明らか。N_Integ

例題の前にそう言っておいてくれよ。

Maxima様にお願いすれば一撃

さてどう見ても例題の積分は「有名すぎる」関数なのでMaxima様が積分できないなどとは考えられませぬ。教科書ではテクを駆使してますが、素のままお願いしても解けるじゃろうて。こんな感じ(例によって積分直前でスンドメして積分記号を味わうスタイル。)Ex91

事前のassume忘れたので、途中で聞かれてしまいましたが、答えは出たと。

同様に正規分布の確率密度関数を-∞から∞まで積分してみるとこんな感じ。N_ev

結果は1。目出度い。

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