データのお砂場(134) R言語、survival、放射線照射後ラットの生存、{boot}

Joseph Halfmoon

Rのパッケージ「Boot」のサンプルデータセットをabc順に経めぐってます。今回はsurvival。サバイバル?今回も生物系のヤバイ感じのデータセットです。放射線照射後の生存率データ(ラットの)らしいです。まあ古いデータであることは、単位からも分かります rad(ラド)とな。いまじゃ使わない単位だな、これ。

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survivalデータセット

サンプルデータセットの解説ページが以下に。

Survival of Rats after Radiation Doses

例によってどういう放射線をどのように放射したのかについては言及ありません。そんなことは知らんで良い? 放射線の「吸収線量」と生き残った奴らの「パーセンテージ」をただ列挙してあるだけのデータセットです。

しかし、吸収線量の単位については記載があります。rad と。モダンなよゐこは単位を差し替えないと。。。

rad(ラド)

radは、cgs単位系というものが幅をきかせていた太古の時代に使われていた放射線の「吸収線量」の単位です。かって忘却力の年寄が「原子力工学」の講義をとった時代は既にSI単位系へ移行せよとの号令がかかった後だったと思うのですが、教科書の改訂が間に合ってなかったのか ラド とか レム とかいう単位系でならったような、そうでもなかったような? どうせ記憶も定かでないので、『産業技術総合研究所(AIST)』様の以下のページを拝見し、表にしてみました。

放射線の単位

量の名前 SI単位記号 非SI(歴史的)記号
照射線量 C*kg-1 R(=2.58e-4 C*kg-1)
吸収線量 Gy(=J*kg-1) rad(=0.01Gy)
線量当量 Sv(=J*kg-1) rem(=0.01Sv)
放射能 Bq(=s-1) Ci(=3.7e10 Bq)

つまり、吸収線量はGy(グレイ)と呼ばなければならず、1Gy は1kgあたりの吸収するエネルギー量が1J(ジュール)ってことでした。radとは100倍違うっと。

同じ単位重量あたりのエネルギー量でも、人間様への影響の係数がかかるとSv(シーベルト)となる(昔はrem)ようです。因みにRはレントゲン、Ciはキュリーです。なおCはクーロンね。

こんだけわかれば十分なのですが、なんで rad なの?というところが気になりました。レントゲンとかキューリーとかと違って rad 様などという人は知りませぬ。いくつか当たったところでは、以下からとった説が書かれてました。

    • radiation
    • radiation absorbed dose

しかし、『コトバンク』様の以下の引用ページ内の

『日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラド」の意味・わかりやすい解説』

に気になることが書かれてました。また引きのまた引きになりますが引用させていただきます。

名称は、1918年に、X線量の単位を一匹のネズミを殺すに必要な線量として提案されたことによる。

語源は知らず、もしかしてそういう「由緒のある」データセットなのか?

なお、細菌などを「滅菌」する場合、今回データとはけた違いの線量が必要になるようです。そのあたり、『ラジエ工業』様の以下のページが分かり易かったです。

放射線滅菌

まずは生データ

まずは生データをロードしたところが以下に。SurvivalRawData
上記でdoseと書かれている列が rad 単位の放射線のドーズ量です。そしてsurv列が生存の割合(%)、特に何匹とは書かれてませんgな、小数点以下2桁まで記載があるので、結構な数でないかと。

とりあえずrad単位のまま集計してみる

同じドーズ量に対して複数点のデータがあるので、例によってaggregate関数で集計してみました。単位はradのままだけれども。SurvivalAggregate

一番ドーズ量の少ない117.5 rad(1.175 Gyってことだね)でも半数以上お亡くなりという結果です。

Gy単位に「修正」しながらプロット

まずは dose量、surv率ともに「素」のままのプロット。

plot(survival$dose/100, survival$surv, col=2, xlab="dose[Gy]", ylab="survival[%]", main="Survival of Rats after Radiation Doses", lwd=4)

結果が以下に。SurvivalPlot

闇雲に dose量だけ片対数グラフにしてみたもの。

plot(survival$dose/100, survival$surv, log="x", col=3, xlab="dose[LOG(Gy)]", ylab="survival[%]", main="Survival of Rats after Radiation Doses", lwd=4)

結果が以下に。SurvivalPlotLOGX

まだまだじゃのう。指数関数ではないようだね。

それでは両対数にしたらどうよ。

plot(survival$dose/100, survival$surv, log="xy", col=5, xlab="dose[LOG(Gy)]", ylab="survival[LOG(%)]", main="Survival of Rats after Radiation Doses", lwd=4)

こんな感じ。SurvivalPlotLOGXY

ちょっと末尾の方がガタガタしているけれども、べき乗関数的な? 知らんけど。

でもま、LD50(半数死亡)的な値は以下のドーズ量付近か?

1Gy = 100 rad

ただね、このデータセットはほぼほぼお亡くなりになる率が50%を超えたあたりからのものなので、以前にちょいとやったLD50推定用のコードだとうまく計算できないようです。残念だな。

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