前回Maxima様から輸出のLaTeX形式数式を受け止められそうな雰囲気を醸してきた素人老人。調べてみると数式を扱うときには米国数学会様御用達のamsmath以下のパッケージ共を用いるのが定番みたいです。それ以外にも各種パッケージの併用あり。その中で老人はPhisicsパッケージ使用。わけありのパッケージらしいっす。
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※ TeXの「モダーン」なディストリビューションであるそうなMikTeXを、以下のインストーラを使用してWindows11上にインストールした上で「各種ファイルを更新」して使わせていただいております。
basic-miktex-24.1-x64.exe
phisicsパッケージ
忘却力の老人は、数学を真面目に勉強しようとか、物理学をやろうとか大それた望みは持っておりゃーせん。また、論文書こうとか誰かにLaTeXのファイルを送ろうなどとも思ってません。辺境にて「工学系のなんちゃって数式」がお楽に扱えるようになりて~というのが唯一の希望です。それでも死ぬまでに終わりそうにもないっすけど。
さてそんな老人なので、LaTeXの数式を扱うのに各種のパッケージというものが多数あり、そいつらを使うことで各段に表現力があがると聞いて目を回してます。でもま、何か使いて~と。
どうも、amsmathというものは必須みたい。御本家米国数学会(American Mathematical Society)様御用達。
いろいろ調べたあげく、上記に加えて physics というパッケージが目を引きました。しかしこれがわけあり。曰く、
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- physics は 2012年のVersion 1.3 で更新止まっている
- 他のパッケージとコンフリクトすることあり
- physics を置き換えるべく physics2 というパッケージが開発途上
ということみたいです。しかし、現時点でお惚け老人が思い描くような「ベクトル解析の式」グラディエントとかローテーションとかダイバージェンスとかをお楽に書けるのはこれだね。
ということで試用させていただきました。以下はCTAN(Comprehensive TeX Archive Network)様のページです。
physics – Macros supporting the Mathematics of Physics
今回のサンプル
今回はそのものズバリ、ナブラ∇とその御一統のベクトル解析演算子を素直に描きて~ということだけです。なお、他のパッケージとコンフリクトの件のひとつ、physicsパッケージのダイバージェンスが 御本家amsmathの割り算記号「÷」と衝突しているところを physicsパッケージ側で対処してくれているみたいなので、あえて使ってみました。ソースが以下に。
\documentclass[a4paper,12pt]{jlreq} \usepackage{physics} \begin{document} Gradient \begin{equation} \grad{f}=\mqty[\pdv{f}{x}\\\pdv{f}{y}\\\pdv{f}{z}] \end{equation} Laplacian \begin{equation} \laplacian{f}=\pdv[2]{f}{x}+\pdv[2]{f}{y}+\pdv[2]{f}{z} \end{equation} Divergence \begin{equation} \div{\vb{u}}=\pdv{u_x}{x}+\pdv{u_y}{y}+\pdv{u_z}{z} \end{equation} Rotation(Curl) \begin{equation} \curl{\vb{u}}=\mqty[\pdv{u_z}{y}-\pdv{u_y}{z}\\\pdv{u_x}{z}-\pdv{u_z}{x}\\\pdv{u_y}{x}-\pdv{u_x}{y}] \end{equation} Division \begin{equation} 10 \divisionsymbol 3 \end{equation} \end{document}