
前回、MathJaxを使うためのWordPressのプラグインを導入すれば、本サイトのようなWordPress使用のページでもLaTeX式の数式のレンダリングが出来ると喜びました。実際、使ってみると若干のクセあり。まあ、今回は気になったところをメモって見る回であります。
※「 ソフトな忘却力」投稿順 Index はこちら
本ページの中のLaTeXの数式は WordPress内では以下のようにタグに挟む形で記述すると数式としてレンダリングされます(他の方法もありのようですが、お惚け老人は確かめてません。)
以下、タグ書いてしまうと元表現が分からなくなるので、タグ外した記述を先に書き、その後で同じ記述をタグ内に書いて「数式」として表示してます。
physicsパッケージを使用する場合
第70回にて、訳ありのパッケージらしいけれどもお惚け老人の必要にあっているパッケージとしてPhicicsパッケージを使ってみました。ベクトル書くのがとてもお楽なのだもの。WordPressのpluginであるMathJax-LaTeXからMathJaxを利用する際にも physicsは利用可能でした。使用したいときは以下を書いておくっと。
\require{physics}\(\require{physics}\)
なお、御本家、米国数学会様の amsパッケージは何も言わなくても適用されるみたいです。知らんけど。
使ってみると若干「手元のLaTeX環境」と挙動が異なるような部分あり。第70回では、\divは、phycicsパッケージ使用時にはダイバージェンスとなり、「÷」記号として\divが使えなくなるかわりに\divisionsymbolを使えば「÷」記号が得られてました。しかし今回やってみたところでは、\divは割り算記号になります。\divisionsymbolは使えませなんだ。ダイバージェンスは、\divergenceとちゃんと綴れば使えます。
ベクトルの表現方法4種
まずはphysicsパッケージを使わずとも使用可能なベクトルの記述。矢印デス。
\overrightarrow F = m \overrightarrow a\(\overrightarrow F = m \overrightarrow a\)
毎度 \overrightarrow と綴るのがちょっとメンドクセーです。
矢印ではなくボールド書体でベクトルを記述する方式。これまた「素」の状態で使えるもの。
\boldsymbol F = m \boldsymbol a\(\boldsymbol F = m \boldsymbol a\)
これまた \boldsymbol と綴るのがちょっとメンドクセーです。
一方、physicsパッケージを使った場合が以下に。まずはボールド書体。
\vb F = m \vb a\(\vb F = m \vb a \)
つづいて矢印ね。
\va F = m \va a\(\va F = m \va a \)
どちらも短くてお楽。
内積に外積
まずは内積の表現
a = \va X \cdot \va Y\(a = \va X \cdot \va Y\)
真ん中のドット1個は \cdot ね。
内積は以下でもありますな。
\va X \cdot \va Y = \abs {\va X} \abs {\va Y} cos \theta\(\va X \cdot \va Y = \abs {\va X} \abs {\va Y} cos \theta \)
お次は外積。
\va Z = \va Y \times \va X\(\va Z = \va Y \times \va X\)
こんな感じか。
グラディエント、ローテーション、ダイバージェンス
第70回では、grad、rot (curl)、divなども練習。そのときの記述をそのまま持ってくればOKみたい。
-
- grad
\grad{f}=\mqty[\pdv{f}{x}\\\pdv{f}{y}\\\pdv{f}{z}]\(
\grad{f}=\mqty[\pdv{f}{x}\\\pdv{f}{y}\\\pdv{f}{z}]
\)
-
- rot (curl)
\curl{\vb{u}}=\mqty[\pdv{u_z}{y}-\pdv{u_y}{z}\\\pdv{u_x}{z}-\pdv{u_z}{x}\\\pdv{u_y}{x}-\pdv{u_x}{y}]\(\curl{\vb{u}}=\mqty[\pdv{u_z}{y}-\pdv{u_y}{z}\\\pdv{u_x}{z}-\pdv{u_z}{x}\\\pdv{u_y}{x}-\pdv{u_x}{y}]\)
-
- div
physicsパッケージの\divを使わずに \nablaと\cdotで書いたものが以下に。
\nabla \cdot {\vb{u}}=\pdv{u_x}{x}+\pdv{u_y}{y}+\pdv{u_z}{z}\(
\nabla \cdot {\vb{u}}=\pdv{u_x}{x}+\pdv{u_y}{y}+\pdv{u_z}{z}
\)
長いお名前だけれどもphysicsパッケージの\divergenceを使った場合が以下に。
\divergence {\vb{u}}=\pdv{u_x}{x}+\pdv{u_y}{y}+\pdv{u_z}{z}\(
\divergence {\vb{u}}=\pdv{u_x}{x}+\pdv{u_y}{y}+\pdv{u_z}{z}
\)
なお、この環境で \div は割り算記号になるいたい。
10 \div 3\(
10 \div 3
\)
少しだけ積分記号使った表記
-
- ガウスの法則
\int \epsilon \va E \cdot \va n dS = \int \rho dv\(
\int \epsilon \va E \cdot \va n dS = \int \rho dv
\)
-
- 電磁誘導の法則
\oint \va E \cdot d \va r = - \frac {d} {dt} \int \va B \cdot \va n dS\(
\oint \va E \cdot d \va r = – \frac {d} {dt} \int \va B \cdot \va n dS
\)
なんか書けるような気がしてきた?気のせい?