
溝口純敏様著「Maxima を使った物理数学基礎演習ノート」(PDF、以下「演習ノート」と略)を拝読中。今回は31ページ。「3.2 一階微分方程式 3.2.7 高次微分方程式」です。今回はも前回同様、Maximaで解ける「演習ノート」の例題をGoogleの生成AIに解いていただきました。するする解けますぞ。
※ MaximaおよびそのGUIであるwxMaximaの以下バージョンを使用させていただいております。
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- wxMaxima 22.04.0
- Maxima 5.46.0(x86_64-w64-mingw32)
- SBCL 2.2.2 (SBCL = Steel Bank Common Lisp )
※ Maxima を使った物理数学基礎演習ノート は以下のバージョンをダウンロードさせていただきました。
令和4 年3 月 第八回改訂
※ 方程式の解を求めるのに Googleの生成AI、Gemini 2.0 Flash Thinking (experimental)を使わせていただきました。
高次微分方程式
今回解く微分方程式は「1階微分」dy/dx の方程式ですが、以下の例題のように「1階微分」の二乗が登場したりする形式です。
\( \left(\frac{dy}{dx}\right)^2 – (2x + 3y) \frac{dy}{dx} + 6xy = 0 \)
切れ味するどいMaximaのode2関数には、いつもお世話になっています。しかしode2関数は「知らない」形式に遭遇すると、ヘタレることもありがち。Maximaの日本語ドキュメントの21. Differential Equationsから1か所引用させていただきます。
たとえどんな理由でも もし
ode2
が解を得られなかったら、 おそらく、エラーメッセージを表示した後false
を返します。
まあ上記に掲げた例題などはそのような問題に入るみたいです。こんな感じ。
「演習ノート」では、このような場合に、
\(p = \frac{dy} {dx} \)
のような変換を施して方程式を解き、ode2が解ける形式に帰着させる方法をお教え下すってます。こんな感じ。
解が求まった。良かった。
Gemini様にお願いしてみる
今回もまた、上記の例題を、Googleの生成AI、Gemini 2.0 Flash Thinking (experimental)に解いていただきました。ここでは最初からp=dy/dxとするようにお願いしてみてます。
黄色のマーカ引いた部分、latex表現だと思うのですが、レンダリングされてません。上の方は例題の式そのものなので、下のpについての方程式を別途レンダリングするとこんな感じ。
\( p^2 – (2x + 3y) p + 6xy = 0 \)
ここまで問題なしっと。上記の方程式の解は2つあるのですが、Gemini様は懇切丁寧に解いてくれてます。
まず、上の黄のマーカ部のうち、pの解2つを表す式をレンダリングしておきます。
\( p = \frac{(2x + 3y) \pm |2x – 3y|}{2} \)
そして、第1の場合(+の側)の結果が以下に。
\( y = x^2 + C_1 \quad (C_1 \text{は積分定数}) \)
黄色のマーカ部分をレンダリングしたものが以下に
\( y = C_3 e^{3x} \quad (C_3 \text{は積分定数})\)
まあこれで解は求まってしまったのだけれども、Gemini様は手を抜きませぬ。検算もバッチリ。こんな感じ。
前回に続き、お惚け老人の出る幕など無いです。