忘却の微分方程式(191) Maximaを使った物理数学基礎演習ノートを読む、高次微分方程式

Joseph Halfmoon

溝口純敏様著「Maxima を使った物理数学基礎演習ノート」(PDF、以下「演習ノート」と略)を拝読中。今回は31ページ。「3.2 一階微分方程式 3.2.7 高次微分方程式」です。今回はも前回同様、Maximaで解ける「演習ノート」の例題をGoogleの生成AIに解いていただきました。するする解けますぞ。

※   MaximaおよびそのGUIであるwxMaximaの以下バージョンを使用させていただいております。

※ Maxima を使った物理数学基礎演習ノート は以下のバージョンをダウンロードさせていただきました。

令和4 年3 月 第八回改訂

※ 方程式の解を求めるのに Googleの生成AI、Gemini 2.0 Flash Thinking (experimental)を使わせていただきました。

高次微分方程式

今回解く微分方程式は「1階微分」dy/dx の方程式ですが、以下の例題のように「1階微分」の二乗が登場したりする形式です。

\( \left(\frac{dy}{dx}\right)^2 – (2x + 3y) \frac{dy}{dx} + 6xy = 0 \)

切れ味するどいMaximaのode2関数には、いつもお世話になっています。しかしode2関数は「知らない」形式に遭遇すると、ヘタレることもありがち。Maximaの日本語ドキュメントの21. Differential Equationsから1か所引用させていただきます。

たとえどんな理由でも もし ode2が解を得られなかったら、 おそらく、エラーメッセージを表示した後 falseを返します。

まあ上記に掲げた例題などはそのような問題に入るみたいです。こんな感じ。MaximaStep0

「演習ノート」では、このような場合に、

\(p = \frac{dy} {dx} \)

のような変換を施して方程式を解き、ode2が解ける形式に帰着させる方法をお教え下すってます。こんな感じ。MaximaStep1

 

解が求まった。良かった。

Gemini様にお願いしてみる

今回もまた、上記の例題を、Googleの生成AI、Gemini 2.0 Flash Thinking (experimental)に解いていただきました。ここでは最初からp=dy/dxとするようにお願いしてみてます。

geminiStep0

黄色のマーカ引いた部分、latex表現だと思うのですが、レンダリングされてません。上の方は例題の式そのものなので、下のpについての方程式を別途レンダリングするとこんな感じ。

\( p^2 – (2x + 3y) p + 6xy = 0 \)

ここまで問題なしっと。上記の方程式の解は2つあるのですが、Gemini様は懇切丁寧に解いてくれてます。GeminiStep1

まず、上の黄のマーカ部のうち、pの解2つを表す式をレンダリングしておきます。

\( p = \frac{(2x + 3y) \pm |2x – 3y|}{2} \)

そして、第1の場合(+の側)の結果が以下に。

\( y = x^2 + C_1 \quad (C_1 \text{は積分定数}) \)

第2の場合(ーの側)の処理が以下に。MaximaStep2

黄色のマーカ部分をレンダリングしたものが以下に

\( y = C_3 e^{3x} \quad (C_3 \text{は積分定数})\)

まあこれで解は求まってしまったのだけれども、Gemini様は手を抜きませぬ。検算もバッチリ。こんな感じ。MaximaStep4

前回に続き、お惚け老人の出る幕など無いです。

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