
溝口純敏様著「Maxima を使った物理数学基礎演習ノート」(以下「演習ノート」と略)を拝読中。今回は34ページ「3.2.9 広義のClairaut(Lagrange)の微分方程式」です。ここまで無双してきたGoogleの生成AI、Gemini 2.0様もとうとう年貢の納め時?まあ、たまには間違うこともあら~な。
※ MaximaおよびそのGUIであるwxMaximaの以下バージョンを使用させていただいております。
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- wxMaxima 22.04.0
- Maxima 5.46.0(x86_64-w64-mingw32)
- SBCL 2.2.2 (SBCL = Steel Bank Common Lisp )
※ Maxima を使った物理数学基礎演習ノート は以下のバージョンをダウンロードさせていただきました。
令和4 年3 月 第八回改訂
※ 方程式の解を求めるのに Googleの生成AI、Gemini 2.0 Flashを使わせていただきました。
Lagrangeの微分方程式
大昔、力学に落ちこぼれたお惚け老人は、ラグランジュ様のお名前を聞くだけで解ける気がしません。今回の『広義のClairaut(Lagrange)の微分方程式』について例によってGoogleの生成AI、Gemini 2.0 Flash様にお教えいただきましたぞ。
ここまでは無双しているGemini 2.0様ですが、この後、ツボにハマることになります。別件シリーズにて予想されていたとおり?
今回の例題
さて「演習ノート」記載の今回の例題は、以下です。
y=2*x*y'+(y')^2
まず、そのままの形で Maxima の ode2()にお願いすると、「解けん」とお断りされます。こんな感じ。
一方、Gemini 2.0様にお願いすると、途中まではするすると解いていただけます(別件シリーズで引用したとおり高度な「数学的推論」をしているわけではなく、「補完」しているだけみたいですが。)こんな感じ。
ただし、上記のようにやはりこのままでは解けん、と。しかし流石Gemini様です。こういう解き方もある、ということで以下の記述が続きました。
しかしね、上記は「気の迷い」です。間違ってます。これまた別件シリーズで引用したとおり「幻覚」です。たまたまですが、以下の「ばたぱら」様のページに、まさに今回例題とまったく同じ方程式についての解説が書かれていました。
上記のページで特異解は否定されています。上のバツ印のところがなせ誤りなのかハッキリ書いてありますな。いつもは検算もバッチリ(したようなフリをしてくる)なGemini様なのに、抜かっていることもあるのだなあ。まあ、こういうハルシネーションが「あること」を期待して、Maxima様とGemini様を並べて動かしてみているのだけれど(意地の悪い。。。)
しかし、Gemini様の途中結果以降をMaxima様に引き継いでいただいて、以下のようにpに関する方程式として解を求めれば、
結局、Maxima側での計算と同じところにたどり着くはずだったのです。Maxima側での同じところにいたる計算が以下に。
赤枠のところ、符号が反対だけれども、%c相手だし。
さて、ここまでたどり着くと一般解は以下のごとし。「演習ノート」に記載されとる通りのやり方っす。
解の形がちょっち複雑すぎて、解けているんだか解けていないんだか、お惚け老人には腑に落ちないです。でも「ばたぱら」様の結果をみたらば一致。安心よな。