
溝口純敏様著「Maxima を使った物理数学基礎演習ノート」(以下「演習ノート」と略)を拝読中。今回は59ページ「3.4.3 Gauss の微分方程式」です。Gauss様の御成り。どこにでも出没するガウス様っすけど。そしてその解の中に超幾何関数という何やら恐ろし気なものが現れてきました。なんだそれ。
※「忘却の微分方程式」投稿順 index はこちら
※ MaximaおよびそのGUIであるwxMaximaの以下バージョンを使用させていただいております。
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- wxMaxima 22.04.0
- Maxima 5.46.0(x86_64-w64-mingw32)
- SBCL 2.2.2 (SBCL = Steel Bank Common Lisp )
※Maxima を使った物理数学基礎演習ノート は以下のバージョンをダウンロードさせていただきました。
令和4 年3 月 第八回改訂
超幾何関数
数学素人老人は知らず、超幾何関数Fとは以下のような関数らしいです。なお、Fの引数シンボルは演習ノート方式デス。
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- 演習ノートでの超幾何関数の定義:
\( F(A, B, G, x) = (\sum\limits_{n=1}^\infty x^n \prod\limits_{m=1}^n \frac{(A+m-1) (B+m-1)}{m(G+m-1)} ) + 1 \)
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- ポッホハマー記号を使った超幾何関数の定義:
\( F(A, B, G, x) = \sum\limits_{n=0}^\infty \frac{(A)_n (B)_n}{(G)_n}) \frac{x^n}{n!} \)
なおここで、ポッホハマー記号(Pochhammer symbol)は以下のとおり
\((x)_n = x(x+1)(x+2)⋯(x+n−1) \)
\((x)_0 = 1 \)
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- ガンマ関数を使った超幾何関数の定義:
\( F(A, B, G, x) = \frac{\Gamma(G)}{\Gamma(A) \Gamma(B)} (\sum\limits_{n=0}^\infty \frac{\Gamma(A+n) \Gamma(B+n)}{\Gamma(G+n)}) \frac{x^n}{n!} \)
ながめていても分かるような気がしません、サッパリ。
しかし、いつもお世話になっております「特殊関数 グラフィックスライブラリー」様の以下のページを眺めれば、美麗なグラフになぜか心が癒されます。
なお、Googleの生成AI、Gemini 2.5 Flash様によると以下のように重要な関数らしいデス。知らんけど。
Gauss の微分方程式
さて、上記の超幾何関数が登場するのは、ここではGaussの微分方程式と呼ばれる以下のような微分方程式の一般解の中にです。
(x – 1) x y” + y'(x (B + A + 1) – G) + y A B = 0
ここで、yはxの関数、A、B、Gは定数。ただしGは整数でないです。
これに対して、演習ノートでは「x=0を中心に級数展開」を真っ向からはじめ、約4ページほどの分量(1ページは充実の2段組)、Maxima様を使役したあげくに上記の超幾何関数へといたります。凄まじ。。。
これはお惚け老人の忍耐力の及ぶ過程ではないので、例によってGoogleの生成AI、Gemini 2.5 Flash様にお願いしてみるとこんな感じ。
まあ、Gemini様は、最初からガウスの微分方程式の一般解を御存じなので、ちょいと回りくどいけれども「変数シンボルを調整」して、超幾何関数を使った一般解に直行してらっしゃいます。Gemini様はお見通しだと。
確定特異点ってなによ。するってえと何かい、演習ノートで「x=0を中心に級数展開」を始めたのは確定特異点0の周りってことだったのか?
確定特異点についてGemini様にお教えいただいた内容が以下に。
「不確定」もあるってか?恐ろしい。