
MASSパッケージのサンプルデータセットを巡回中。大文字優先のABC順。前回は糖尿病のデータでした。今回は、うさちゃんの血圧データです。うさちゃんの血圧測ってどうするの?、というとフェニルビグアニド(PBG)という御薬の反応がセロトニン5-HT3受容体の活性化に依存するか否かを検証するため、らしいデス。
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今回のサンプルデータセット
サンプルデータセットの解説ページが以下に。
素人老人が、勝手なことをまとめると以下のような実験です。
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- 実験対象は5羽のウサギさん(「羽」は伝統的な日本語用法っす)
- 予め、うさちゃんには生理食塩水(対照のため)または5-HT3受容体拮抗薬MDL 72222を投与しておく
- 投与後、フェニルビグアニド(PBG)を静脈内投与し、平均血圧の反応を測定する
ここでフェニルビグアニド(PBG)は、心臓性(心肺性)化学反射というものをおこし、血圧低下を引き起こすものらしいです。ただし、5-HT3受容体拮抗薬によってセロトニン受容体が「うまって」いると、その反応は小さくなるということみたいです。
Googleの生成AI、Gemini 2.5 Flash様にPBGについてお教えいただいたものが以下に。
なお、Gemini様はうさちゃん相手に投与する場合は、微量グラム単位だとお教えくだすってます。
そういう大事なお薬なのね。
一方、5-HT3受容体拮抗薬MDL 72222については以下のようです。
ただし、おまとめとしては、治療薬ではなく、実験用のお薬としての利用が一般的みたいっす。
まずは生データ
とりあえず箱ヒゲ図を描いてみる
サンプルデータセットの中で、Treatmentのところ、Controlとあるのが生理食塩水、MDLというのが、5-HT3受容体拮抗薬MDL 72222を投与した場合であると思われるので、まずはこの2つに分類して血圧変化を箱ヒゲ図としてみました。
処理方法はこんな感じ。
mdl <- Rabbit[Rabbit$Treatment=="MDL",] cnt <- Rabbit[Rabbit$Treatment=="Control",] bpchange <- list(cnt$BPchange, mdl$BPchange) boxplot(bpchange, names=c("CNT","MDL"), col=c("#993435", "#edae00"), ylab="BPchange", main="Blood Pressure in Rabbits")
まあ、MDL投与したものの方(黄色)が血圧変化が少ない(予想どおりね)のは良いですが、それぞれの中でもバラツキが大きいみたいね。そういえばDozeという変数があり、静脈に入れたPBGの量を示しているみたいなのだけれど、容量はかなり違うね。
そのDoze量を横軸に取った上で、結果をプロットしなおしたいです。処理方法はこんな感じ。
plot(mdl$BPchange ~ mdl$Dose, pch=16, col="#edae00", xlab="PBG Dose[μg]", ylim=c(0, 40), ylab="BPchange", main="Blood Pressure in Rabbits") par(new = TRUE) plot(cnt$BPchange ~ cnt$Dose, pch=16, col="#993435", xlab="", ylim=c(0, 40), ylab="") legend("bottomright", legend = levels(Rabbit$Treatment), col = c("#993435", "#edae00"), pch = 16)
赤が生理食塩水(対照)、黄色がMDLね。PBGの投与量、50μgから100μgあたりが一番わかりやすく、PBGの効果がMDLで打ち消されている?感じがします。知らんけど。
しかし、200μgも与えてしまうと、赤も黄色もあんまり関係ねーと。一筋縄ではいかんな。