
MASSパッケージのサンプルデータセットを巡回中。大文字優先のABC順。前回は巨木の苗木の成長カーブでした。今回は溶岩の組成です。壮大な自然景観らしいスコットランド、ヘブリディーズ諸島はスカイ島の溶岩の組成らしいです。鉱物筋?の人は皆知ってる名所らしいっす。プロはAFMダイアグラムというもので分かり合えるみたい。
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スカイ島、スコットランド
スカイ島、結構大きな島みたいです。東京都全体よりは小さいけれど、23区に比べたら倍くらいの面積。スコットランドの西の大西洋上に「浮かぶ」ヘブリディーズ諸島の中でもブリテン島に近接、大西洋側には他の島々があるので「インナー」ヘブリディーズ諸島と呼ばれているみたい。
検索してみると人気の観光地みたいです。北の大地の壮大な自然景観と歴史と文化の島だそうな。そしてピートの産地。ピートが採れるということは、必然的にウイスキーも作られているみたい。スカイ島へは行ったことないけれど、スコットランドへ仕事で行けば、必ず「強烈な香り」のスコッチを頂いておりましたぞ。
さて鉱物業界?ではスカイ島は知らないとモグリなフィールドらしいです。きっと19世紀あたりの英国人がここを根城に地質研究やっていたのでないかしらん、知らんけど。日本国におけるその筋の御本家、産総研、地質調査総合センター様におかれましては、軽くスカイ島観光も兼ねた以下の小冊子(PDF)を公開されておりましたぞ。
さて、も少し地学ネタの読み物を探したところ、「渡邉克晃」様のWebメディア『地学博士のサイエンス教室 グラニット』の以下のページも見つけました。
そびえる溶岩の尖塔と地すべり地形。スコットランド王国スカイ島
上記のURLから、美麗な写真と動画が拝見できます。
AFM Compositions of Aphyric Skye Lavas
今回のサンプルデータセットは、Skye です。つい p の文字がyとeの間に見えてしまったお惚け老人ですが幻覚(ハルシネーション)っす。解説ページが以下に。
AFM Compositions of Aphyric Skye Lavas
自動翻訳ソフト的には「無斑晶質スカイ島溶岩のAFM組成」と訳してくれましたぞ。斑晶というのは大きな結晶らしいので、それが目で見えるのは深成岩、それが無い(見えない)のは地表近くなどで急冷された火山岩であろう、くらいは素人老人でも想像がつきます。そして、AFM Compositionsっす。
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- A ナトリウムとカリウムの酸化物の割合。
- F 酸化鉄の割合。
- M 酸化マグネシウムの割合。
らしいです。そしてこのAFMの「配合の塩梅」でマグマの成分分化の様子が分かり合えるみたいです。調べれば、AFMダイアグラムなどと呼ばれる3角のチャートがあちこちで見つかります。以下にデータをアップロードすると実際にAFM Diagramを描いてくれるWebツールがあったので、URLを貼り付けておきます。またいくつかの試料のダイアグラムを描いてくれたりもします。
https://www.science.smith.edu/~jbrady/petrology/metrocks-tools/afm-diagram-plProj.php
AFMダイアグラムの「蔓延り具合」から想像するに、電子デバイス業界における「ボーデ線図」みたいな立ち位置のチャートじゃないかと勝手に想像(個人の意見です。信用しないでね。)
まずは生データ
生データをみたところ、フツーのデータフレームです。変数列はA、F、Mっと。
今回は解析用のサンプルプログラムがあった
MASSパッケージに関しては、サンプルデータに、処理サンプル用のスクリプトなどは付属してないことが多いのですが、今回は掲載がありました。やっぱちょっとディープな感じだからか? スクリプトはサンプル・データの解説ページの下の方におかれているのでそちらをご参照くだされ。それで処理した結果が以下に。
おお、これがサンプルデータのAFMダイアグラムとな。F(鉄)にやや近い感じ。M(マグネシウム)やA(ナトリウム、カリウム)からはやや遠いね。Fに近い感じではあるけれど、噴火した時期によってAとMの配合が微妙に変化しているのか? マグネシウムというとかんらん石だから、その辺が先に結晶になって沈んでしまった後の成分が噴出した? 鉱物素人老人の妄想はつきないっす。