
前回はOpenModelica付属のExampleの中から「ブレーキ」をかけるデモを鑑賞。ブレーキかけるとブレーキシューが減るんだよな、などとブツブツ言っていたら、「減らない」非接触のブレーキが新幹線に採用されていたのだとか。渦電流ブレーキ(eddy current brake)であります。でも淘汰されてた?なぜ?
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※動作確認にはWindows 11の パソコン(64bit)上にインストールした、The Open Source Modelica Consortium(OSMC)様の以下のバージョンを使用させていただいてます。(なお、ModelicaはModelica Association様の登録商標です。)
Openmodelica v.1.25.1 (Official Release版)
保守に手がかからない、渦電流ブレーキ
お惚け老人の貧乏車もそろそろ車検の時期なんであります。車の部品、走っていれば「減る」もの多いなかで、ブレーキ・シューなど減り方が「明瞭」っす。残りチョメチョメmmなので交換デス、という塩梅。前回デモを見ました「クーロン摩擦力」を使ったブレーキが減るのは必定、出費も当然っと。
しかし、世の中を見渡すと「摩耗がない」ブレーキというものも実用化されとります。今回「味わってみる」eddy current brake、渦電流ブレーキというものもその一つです。以下は機械工学の御本家「日本機械学会」様 機械工学事典へのリンクです。
上記の短い解説では「保守に手がかからない」点をアピールしてます。それだけ聞くとすごく良いものに聞こえます。そして「渦電流ブレーキ」でネットを調べてみると「新幹線で使われている」と書かれとります。そうなのね~。
しかし、さらに調べていると見つけました。あざ~す。「鉄道サロン」様の以下の記事であります。
詳しくは上記の記事をご覧いただきたいですが、一部の新幹線世代(第3世代?)で採用されていた渦電流ブレーキ、とっくの昔に陳腐化してしまったみたいです。素人老人が理解したところを掻い摘むとモーター(逆に使えば電力回生ブレーキ)の軽量化が進み、軽くできない上回生電力を食ってしまう渦電流ディスクブレーキは(まだ一部残っているけれど?)JR様に見放されてしまったみたい。残念。
今回「鑑賞」のデモ
Mechanics、Translational(1自由度の並進運動)カテゴリから開くことができる以下のタイトルのデモです。
1kgのマスが初期値20m/sで動いており、それをeddyCurrentForceで「減速」するモデルです。そして渦電流ブレーキが熱に変えた運動エネルギーはheatCapacitorという部品に捨てられていくみたい。当然、heatCapacitorはチンチンに熱くなってしまう筈(仮想の部品だし、溶けてしまうようなことはないみたいっすけど。)
赤色がマスの速度です。初期値20m/sからおちていきますが、途中から落ち方が緩やかになっている感じ。それにたいして青色のheatCapacitorの温度(初期値20℃)はうなぎ登りよな。一方、緑色が渦電流ブレーキの制動力?みたいです。
当然だけれども、前回のクーロン摩擦力のフツーのブレーキとは違うね。ただしブレーキの重量の件はシミュレーションの中に入ってないっす。