
MASSパッケージのサンプルデータセットを巡回中。大文字優先のABC順。前回は「退役軍人局の肺がん試験」でした。今回のabbeyはカナダ産閃長岩のニッケル含有量の測定です。ニッケルの鉱石なの?と思ったら違いました。ニッケル含有量はごく「薄い」タイプの岩石のようです。こんなに「薄く」ても測れるってこと?
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Determinations of Nickel Content
MASSパッケージのサンプルデータのうち大文字で開始するものを舐め終わり、今回より小文字の a に戻りました。今回のサンプルデータセットは abbey です。解説ページが以下に。
https://stat.ethz.ch/R-manual/R-devel/library/MASS/html/abbey.html
abbeyというのは、元になったデータが掲載されている論文の著者の先生のお名前らしいです。内容は、カナダ産の syenite rock という岩石中に含まれるニッケルの含有量の測定データのようです。 syenite rock = 閃長岩らしいデス。
素人老人が云々言うより、例によってGoogleの生成AI、Gemini 2.5 Flash様にカナダの閃長岩についてお教えいただきました。
上記の記述には、ニッケルまったく登場しません。どちらかというと「融点が低い」ということからの用途が一番みたいです。実際、ウエブ上を調べてみると、霞石閃長岩(ネフェリンサイヤナイト)を販売されているサイトもありました。陶芸材料としてみたいです。
なんでもご存じのGemini様に、ニッケル含有量についてお聞きしてみたところ、こんな感じでした。
そういうことなのね~。
因みに閃長岩がカナダのどのあたりに産するかについては以下のようにお教えいただいてます。
まずは生データ
生データは素気のない単純ベクトルです。ただ、測定したニッケル含有量[ppm]を列挙しているだけのもの。
上記をみると、最小 5.2 ppm 最大 125 ppm とな。比較のため、鉱業的に有力な「ニッケル鉱」のニッケル含有量を調べてみると、%で測るような濃度で含まれているみたい。「濃い」といっても125ppmではニッケルを取り出すという価値は無さそうです。あくまで、こんな「薄い」ものでも測定できるぞってこと?どうなんだろ。
ヒストグラムを描く
ニッケル濃度[ppm]が並んだだけの数列なので、うまい処理方法を思いつきませんでした。以下のようにしてヒストグラムを描いてみました。
hist(abbey, xlab="nickel content[ppm]", main="Determinations of Nickel Content")
上記で描いたヒストグラムが以下に。
赤丸部分については微妙に(商売になるような量じゃないケド)ニッケルが含まれているケースがあるみたい。Gemini様ご指摘の「例外」「特定の場所ではニッケルが存在することが報告されています。」というところかな。