忘却の微分方程式(218)Maximaを使った物理数学基礎演習ノートを読む、テンソルの内積

Joseph Halfmoon

溝口純敏様著「Maxima を使った物理数学基礎演習ノート」(以下「演習ノート」と略)を拝読中。ついに登場、テンソルっす。遥か半世紀近く前テンソルに出会い「なんだそれ」。その時は何とか低空飛行で単位はいただいたものの、今だに分かった気がいたしませぬ。ここでMaxima様で演習したら分かるようになるのか?凡人は習うより慣れろ?

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※   MaximaおよびそのGUIであるwxMaximaの以下バージョンを使用させていただいております。

Maxima を使った物理数学基礎演習ノート は以下のバージョンをダウンロードさせていただきました。

令和4 年3 月 第八回改訂

今回「演習ノート」を学ばせていただくのは、「4.2 行列とテンソル」の「4.2.8 テンソル演算」あたりデス。

テンソル

見た目は行列みたいなフリをしたテンソルもあり。それどころか形だけ見ればスカラーとかベクトル、いや3次元だ、4次元だ。。。となんでもありなテンソル様です。形に囚われたらいかん、と。座標系の取り方に右往左往しない「数学的実存」であるらしいデス。そして「なんやかんや」を「なんだかんだ」に変換してくれるもの。サッパリ分かりませぬ。

今回、「演習ノート」でお教えいただいているのは、「2階のテンソル」や「1階のテンソル」がここまで行列を表すのに使ってきたMaximaのMatrix記法で、行列やベクトル同様に記すことができる、ということで良いみたいです。そしてテンソルの演算に踏み込みます。4.2.8 では「テンソル演算」といいつつ、テンソルの内積(縮約)の計算だけみたいです。テンソル演算というと「テンソル積」が登場するハズですが、今回はいらっしゃらないみたい。よかった。

テンソルの表現

「演習ノート」の例題(ただし変数名などは当方流儀に付け替えさせていただいたもの)による1階テンソル(ベクトル)と2階テンソル(行列)の表現。Tensor0

この状態では、テンソルなんだか、行列なんだか見分けがつきませぬ。気持ちの問題?

2階テンソルとベクトル(1階テンソル)の内積 (縮約)

2階と1階の内積をとると、階数は (2 + 1) -2 で1に減少するっと。

\( TND \cdot \overrightarrow {VA} \)

こんな感じ。
なお以下は、例によってGoogleの生成AI、Gemini 2.5 Flash様にお教えいただきました内積(縮約)ご説明であります。geminiTensor1

テンソルの内積の法則

例によって、Googleの生成AI、Gemini 2.5 Flash様にお教えいただきました。geminiTensorEC

あら~、交換法則だけダメ(非可換)なのね。

というわけで分配法則です。

\( TND \cdot (\overrightarrow {VA} + \overrightarrow {VB}) = TND \cdot \overrightarrow {VA} + TND \cdot \overrightarrow {VB}\)

Maxima様にご確認お願いしてみると、ちゃんと成り立ってますな。Tensor2

結合法則はどうよ。

\( TND \cdot (TNE \cdot \overrightarrow {VA}) = (TND \cdot TNE) \overrightarrow {VA}\)

Maxima様の計算が以下に。Tensor3

よかった、成り立ってた。当たり前か。

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