歳をとると解熱鎮痛剤のお世話になることがままあります。ロキソプロフェンなどはお馴染み。家の人も飲んでいたような。インドメタシンは私、塗り薬で使ったことがあったです。今回のデータセットは、そのインドメタシンが体内から排泄されていく過程のデータらしいです。電気信号の減衰波形とはまた違う、当たり前ですかな。
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R言語に「漏れなくついてくる」であろうサンプルデータセットをABC順に端から舐めてみています。これが結構面白いです。「知らない世界」へ連れて行ってくれるのであります。今回は「薬力学」とな。熱力学やら流体力学やらは知っておりましたが、薬力学というのはこの歳まで知りませんでしたぞ。
データセットの解説ページ
例によってデータセットの解説ページへのリンクです。
Pharmacokinetics of Indomethacin
「インドメタシンの薬物動態」と訳して正解なのかしら?時間とともにインドメタシンの「血漿濃度」が下がっていく様子を測定したデータみたいです。私は
plasma concentrations
が血漿濃度だってことも知りませんでした。プラズマとか言われたら「電離したアレ」を思い浮かべますです。
さてインドメタシンは、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs: Non-Steroidal AntiInflammatory Drugs)の一種とのことです。独立行政法人国立病院機構相模原病院臨床研究センター様の「NSAIDsとは」へのリンクはこちら。要介護の実家の母親の主治医が言っていましたが、この手の薬は炎症からくる痛みには効くけれど、炎症でない神経性のヤツには無力だと。
もうひとつリンクを貼り付けさせていただきます。公益財団法人日本薬学会様の「薬物動態」に関する用語解説記事が、こちら。
生データを眺める
まずは生データを眺めてみました。
この感じ、どこかで見たような。端から繰り返していれば思い出すこともありますな。ChickWeight、食べられてしまう鳥さん達の肥育の記録です。あのとき使ったグラフ化、そっくりそのままインドメタシンにも適用できるんじゃ?やってみました。まずは全体を1枚のグラフにプロット。こんな感じ。
なんか、急速に減衰している感じがします。なお、横軸 time は時間。縦軸の conc(濃度)の単位は、mcg/ml だそうです。マイクログラム/ミリリットルで良いみたい。電子系だと u で無理やりマイクロと読ませることが多いけど、郷に入っては郷に従えか?
多分、Subjectというのはある個人に対する、ある回のデータだと思うので、個人別にグラフにしてみました。これも鳥さんのときの応用。ちょっと黄色のポチが見えずらかったです。
Self-Starting Nls Biexponential model
グラフを描いておしまいでは、鳥さんのときから進歩が無いです。今回は、「SSbiexp」Self-Starting Nls Biexponential modelという「非線形」のモデルに当てはめてみよ(回帰分析)という御指定です。これまた以前にそういうモデルがどんなものだか直ぐに分かる(かもしれない)ページを見つけてありました。リンク再掲載です。
理解はともかく、グラフの形と式は上のページ見れば分かりますな。確かに急激に「減衰」する感じは似ている気がします。そして、以下の説明ページを読んでみます。
Self-Starting Nls Biexponential model
そこには例があり、まさにインドメタシンのデータを使ってモデルに当てはめた計算をし、そしてグラフを描いておりました。
まずは計算から。そのままコピペでやってみます。
流石 R です。何も理解しちゃおりませんが計算はできます。続いてモデルのグラフを描いてみると。こんな感じ。
こうして眺めてみると指数関数を2個足したらこういうグラフになるってことだけは分かります。なんかわかった気になったところで(実際は何もわかってないけど)、後ははっしょって今回はおしまい。