データのお砂場(131) R言語、polar、ラテライトの古地磁気による極位置、{boot}

Joseph Halfmoon

Pole Positionsと言われて「F1」を想像したこの老人はミーハーです。せめて複素平面上の「極」とか思いつかんのかな。しかし、今回のは地球の極(多分、南磁極)の位置です。それもかなり古い時代のです。サンプルデータセットのタイトル的には「ニューカレドニア産ラテライトの古地磁気学的研究による極の位置」であります。

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ニューカレドニア産ラテライトとな?

まずは「ニューカレドニアって太平洋のどっかだよね」という理解からデス。Googleマップみて場所を確かめました。「フランスの海外領土」であります。結構デカイ島だな。

つづいて『地質調査総合センター』様の以下資料を拝見いたしました。

ニューカレドニアの地質と鉱物資源

上記に曰く、

ニューカレドニアというと、南太平洋に浮かぶニッケルの島であるというイメージがもっとも強い

すいません、お惚け老人はそういうイメージをもって無かったです。「南太平洋」というだけでリゾートなイメージのみ。しかし世界でも有数のニッケル産地なのでした。日本もかなりな量を輸入しているみたい。ニッケルなどの鉱物資源はニューカレドレアを形成しているらしい超塩基性岩の岩体起源のものみたいです。出たな超塩基性岩(橄欖岩など。)遥かな古代、高校のころ習いましたぞ。

ラテライトについても『地質調査総合センター』様に解説記事がありました。

ラテライトについて

上記を拝読するに「超塩基性~塩基性岩」が地上に露出している「熱帯地域」で「地形的に平坦なところ」に生ずるみたいです。なお、日本にも福井県の「若狭鉱山」というところでラテライトが産出するよし。

今回のサンプルデータセット

今回のサンプルデータセットの解説が以下に。

Pole Positions of New Caledonian Laterites

ラテライトを対象に、古地磁気学的方法で測定した「極」の位置らしいデス。地磁気ベースだから極といっても磁極だよなあ。どんな測定方法なのかは知らんけど。

先ずは生データ

いつものように生データのロードから。polarRawdata

データフレームの中に緯度と経度が並んでいるだけのサンプルデータです。summary見れば分かるとおり、緯度にしたら赤道近くから南極点近くまで、経度もほぼ「全球」的な分布であります。

今回はこれを「プロット」することにフォーカスいたしました。とてもブートストラップ法を適用して云々できるようなアイディアはありませぬ。

まずはプロットの準備から。ライブラリを2つ使用いたします。

library(maps)
library(mapproj)

ここでmap()とすると以下のような地図が得られます。centerAO

大西洋中心(欧米中心)の世界地図が現れました。しかし、今回データは「ニューカレドレア」です。南太平洋ね。以下のようにすれば太平洋中心の地図となります。ついでに陸に色を付けてみました。

map(wrap = c(0,360), fill = TRUE, col = 7)

こんな感じ。centerPO

しかし、これまた人間様に見慣れた「投影法」っす。今回対象は「全球の半分」くらいに広がる点群なので「地球」の姿でみたいです。

先ずはニューカレドレアの首都ヌメア近く(-22.3, 166.5)を中心にしてサンプルデータセットの全点をプロットしてみました。

m <- map('world', plot=FALSE)
map('world', proj='orth', orient=c(-22.3, 166.5, 0), fill = TRUE, col = 7)
map.grid(m, col=2, label=FALSE, lty=2)
points(mapproject(list(y=polar$lat, x=polar$long)), col=3, pch=4, cex=1)
points(mapproject(list(y=-22.3, x=166.5)), col=2, pch=20, cex=2)
title("Pole Positions of New Caledonian Laterites")
legend("topright", c("New Caledonia", "the pole positions"), pch=c(20, 4), col = c(2,3))

結果はこんな感じ。centerNC

中央の赤丸がニューカレドニアで、緑のx点がラテライトから得られた極の位置です。ニューカレドニア中心にすると南極付近が端っこによりすぎてイマイチだな。

お次は南極点を中心としてみました。ただし上方向をニューカレドニアに向けておきます。

map('world', proj='orth', orient=c(-90, 166.5, 0), fill = TRUE, col = 7)
map.grid(m, col=2, label=FALSE, lty=2)
points(mapproject(list(y=polar$lat, x=polar$long)), col=3, pch=4, cex=1)
points(mapproject(list(y=-22.3, x=166.5)), col=2, pch=20, cex=2)
title("Pole Positions of New Caledonian Laterites")
legend("topright", c("New Caledonia", "the pole positions"), pch=c(20, 4), col = c(2,3))

プロットが以下に

centerSP

緑のバッテンはかなり散らばっているのが歴然。それがサンプル測定に起因する誤差なのか、あるいは大陸移動のためなのか、それともそもそも磁極が移動するためなのか、どの要因がどのくらいあるのか一切不明。でもま、南極付近に集まってはいるみたい。

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