特許の失敗学[3] 特許副業のススメ

特許の失敗学
特許副業のススメ
働き方改革や同一労働同一賃金の施行(2020年4月)により正規社員に厳しい制度変更が行われる代償として、企業は社員の副業制限を撤廃(緩める)施策が予想されます。そこで特許ビジネスを副業とすることを考えてみます。

特許の学習
特許を含む知的財産権はビジネスで必要な知識です。あなたがキャリアパスの選択を考慮中であれば、知財部門の特許担当への異動を応募してみませんか。業務のOJTとして特許の知識を得ることができます。しかも、特許出願、中間処理(特許庁との特許審査対応)、特許クリアランス、ポートフォリオ管理、ライセンス交渉、そして特許訴訟まで、特許実務の経験ができます。Araha は社内リストラに際して知財部門の特許技術担当の職場を紹介されましたが、知財部門の社内求人のチャンスはいつでもあるわけではありません。理系でない社員でも異動申請して優秀な特許技術担当となった人もいました。

弁理士資格
弁理士の資格に挑戦することもよいでしょう。弁理士の資格があれば転職するにしても有利です。ただし難関な資格なので覚悟が必要です。Araha は「高額な通信教育を受ければ、もったいないので勉強するだろう」と安易に考えて失敗しました。Webに多数の弁理士試験の記事がありますが、Araha が今考える弁理士試験に合格するために必要なファクターは次のものです。
      [才能]×[時間]×[お金]
才能には「記憶力」「法律が好き」「文章力」「学習技術力」そして「努力継続の力」などを含みます。「時間」や「お金」は「才能」をある程度は補えます。しかし最低限の[才能]は必要でしょう。例えば「記憶力」として、特許法(約200の条文数)について、各条文がどのような要旨かを暗記することです。同時に「法律が好き」(少なくとも法律を読む拒否反応がない)ことのチェックもできます。弁理士の試験範囲は特許法だけではないので、この「記憶力」が無ければ弁理士試験の挑戦は止めたほうが良いでしょう。この特許法条文の暗記は特許業務を行う必要条件ではありません。特許の実務で必要な特許法の条文さえ覚えていれば十分です。ちなみに、Araha の職場には設計者の仕事をしながら短期間で資格合格された弁理士さんがいましたが、質問をすると「それは特許法の○○条に記載があってね~」と即座に解説してくれました。

副業の投資
特許の副業は個人事業なので、投資は最小限にしましょう。売上が伴わない過剰投資は失敗となることはシャープの例をみれば明らかです。
特許の副業に必要な最小限の投資は以下のとおりです。
・PC環境(PC、プリンタ、ネット環境、電子出願用ICカードリーダー)
・マイナンバーカード
・知財の書籍(Webの情報でも十分かもしれません)
弁理士試験にトライしない場合は上記で十分です。所有されているPC機器があれば投資額はほぼゼロです。Araha は、Windows10のPC環境が無かったので購入しましたが、MSオフィス付きSSD換装の中古品が約5万円でネット販売してたので、DesktopとNotePCと両方買ってしまいました。どうしても最新機種が欲しい方はお好みで購入してください。
後は、特許出願~権利化~特許訴訟まで一通り研究して、発明した特許の売込み~です。
明細書は自筆するので、特許庁の手続き料金(個人事業の優遇制度あり)が必要なだけです。Araha は特許事務所にコンサル依頼してますが、弁理士会の無料相談サービスも利用できます。特許庁関連の無料サービス(特許調査、明細書作成ツール、ビジネス相談)も活用しましょう。
あとは、あなたの発明次第です。実験投資が必要な発明や、発明の製品化はお勧めしません。思考実験だけで特許権利化できる発明はいくらでもあります。

Afterword

個人事業の特許ビジネスに「才能(能力)、投資」は必要条件ではありません。特許・発明に興味があって、継続努力ができれば、運が向けば成功できると信じています。

ヒカルの碁から学んだ大切な2つの才能
http://blog.livedoor.jp/senseinoohanashi/archives/5444461.html

弁理士試験の難易度はぶっちゃけ気にしなくてもよい理由
https://www.mayaaaaasama.com/entry/2019/08/09/182856