
Point Cloud、3次元点群データと言えば、日本では土木関係を中心に利用が進んでいるみたいです。ネットを漁れば巨大なデータベースが公開されていたりします。今回試用してみるIPCVの関数も3次元の点群を表示するものなのですが、実用的なもんじゃありません。素朴な点を3次元空間内に表示するだけのナイーブなもん?
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※Windows11上の Scilab2024.0.0およびScilab上のScilab IPCVツールボックスを使用させていただいております。
Web上にPoint Cloud、3次元点群データの例を漁る
土木業界では、不定形の現場の状況を把握するために3次元点群データを取得することが多く行われているみたいです。規模の大きな土木の現場を実用に供す精度で取得するデータは巨大。そんなデータをパッと眺める体験ができるものがないかいな、ということで探してみました。その一つが『国土交通省九州地方整備局 九州インフラDx推進室』様の以下です。
上記のページを開くとその中に「吉野ヶ里歴史公園の一部」と「砂防堰堤」の2つのポイント・クラウド・データへのリンクがあります。特にツールなどインストールすることなくブラウザ内で実体験することができます。一目瞭然。なお、「砂防堰堤」は「いわゆる砂防ダム」のことです。ただし法的に「ダム」と唱えられるのはある高さを超える構造物に限られる筈。フツーの高さのやつらは皆「堰堤」デス。
他にも何か無いかと思って探したら「ちょっと違う毛色のもの」がありました。自治体の中では抜群の資金力があると思われる東京都の『東京都デジタルツイン実現プロジェクト』様の以下のページです。ただしこちらは残念なことに直の点群データではなく3Dモデル化されているみたい。
https://3dview.tokyo-digitaltwin.metro.tokyo.lg.jp/
どうも新宿の都庁のてっぺんあたりから眺めたのかに見える視点で、東京の街並みの3Dデータが表示されます。これまたブラウザ内で動作する専用のビューワーを操作していろいろできます。まあ、点群じゃないけど。
世間は進んでいるなあ。
IPCVのplot3dot関数
ScilabのツールボックスIPCVのAnalytic Geometryに分類されている
plot3dot
関数は、超ナイーブな3次元点群をプロットできる関数じゃないかと思います。上記のような実用規模に近い点群データを処理できるような関数じゃありません。だいたい、点群データのファイルフォーマットになど対応してません。ただただ、x、y、zの座標ベクトルの組に対応するポイントに点をプロットするのみ(色と点のグリグリの大きさくらいは変えられるけど。)
ScilabのHelpページには、たかだか10個のランダム点のプロット例が掲載されておりましたが、10点は寂しいです。100点にした操作が以下に。
x = rand(1:100); y = rand(1:100); z = rand(1:100); plot3dot(x,y,z)
点群っていうには100点でも寂しいゾ。特に土木系のサンプルデータ見た後だし。