
溝口純敏様著「Maxima を使った物理数学基礎演習ノート」(以下「演習ノート」と略)を拝読中。前回ついに「第4章 ベクトルとテンソル」突入。そこでMaximaにおけるベクトル表記法に2流派あることに気づきました。前回以前の過去回はリスト流、前回からは「演習ノート」の御流儀マトリックス流です。今回は内積ね。
※「忘却の微分方程式」投稿順 index はこちら
※ MaximaおよびそのGUIであるwxMaximaの以下バージョンを使用させていただいております。
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- wxMaxima 22.04.0
- Maxima 5.46.0(x86_64-w64-mingw32)
- SBCL 2.2.2 (SBCL = Steel Bank Common Lisp )
※Maxima を使った物理数学基礎演習ノート は以下のバージョンをダウンロードさせていただきました。
令和4 年3 月 第八回改訂
内積(ドット演算子)と交換則
まずはLaTeXにお願いしてベクトルの内積をその成分で表示した後に、交換則を掲げます。こんな感じね。
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- \( \overrightarrow A \cdot \overrightarrow B = A_3 \cdot B_3 + A_2 \cdot B_2 + A_1 \cdot B_1\)
- \( \overrightarrow A \cdot \overrightarrow B = \overrightarrow B \cdot \overrightarrow A\)
さて「演習ノート」のmatrix流による列ベクトルA、Bの定義とその内積の計算、そして、交換則が成り立っている件をMaxima様に計算していただいたところが以下に(ここは「演習ノート」の例題どおり。)
内積(スカラー積)とベクトルの成す角
つづいて、ベクトルの内積とベクトルの成す角の関係について
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- \( \overrightarrow A \cdot \overrightarrow B = | A | | B | cos( \theta )\)
上記については以下の過去回にて別な流派、リスト流にて練習したこともあり。
忘却の微分方程式(50) 反復練習14、列ベクトルの内積となす角Θ、Maxima
今回は、マトリックス流。「演習ノート」の例題通り、X軸に並行で長さDのVCA1ベクトルと、XY平面内でX軸から角度θ傾いた方向の長さEのVCB1ベクトルの2つの内積(スカラー積)を計算してみると以下の如し。
マトリックス流でも、高校(中学?)で習った通りの結果よな。当然か。