データのお砂場(206) R言語、anorexia、拒食症の体重変化データ {MASS}

Joseph Halfmoon

MASSパッケージのサンプルデータセットを巡回中。大文字優先のABC順。前回は不吉な交通事故死データでした。今回は心の御病気、拒食症デス。一筋縄で解決できない御病気の筈だけれどもサンプルデータは単純明快、2つの療法と比較群の3つについて治療前と治療後の体重を比較。体重が増えれば良いというわけでもないと思うのだが。

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Anorexia Data on Weight Change

今回のサンプルデータセットは anorexia です。解説ページが以下に

https://stat.ethz.ch/R-manual/R-devel/library/MASS/html/anorexia.html

拒食症は、「低体重を特徴とする摂食障害」だそうです。痩せているにもかかわらず、太ることへの強い恐怖心があり、自分の体型や体重に対する認識が歪んでいる、らしいです。

サンプルデータに記録の患者さんは全て若い女性です。72名の患者さんについて、治療前と治療後の体重が列挙されています。Treat(治療法)で3つのグループに分かれます。

    1. 認知行動療法(CBT: Cognitive Behavioural Therapy)
    2. 家族療法(Family Therapy)
    3. および比較対象群(Control)

です。なお、上記の解説ページには以下のように注釈があります。

Note that the original source mistakenly says that weights are in kg.

体重の単位は lbs(ポンド)です。だいたい454gくらいね。データをkgだと思うと「全然、拒食症じゃないじゃん」という風に見えます。でもポンドだったら確かに軽すぎ、病的っす。

素人老人がその療法についてちと調べたところでは、

    • 認知行動療法(CBT: Cognitive Behavioural Therapy)は、摂食障害を維持している「思考(認知)」と「行動」のパターンを変化させることを目指す
    • 家族療法(Family Therapy)は、児童・思春期の拒食症向き、両親が患者さんの栄養リハビリテーションの責任を担う(食べさせるってことかい?)

まあ、以下の『厚生労働省』様のページの下の方に相談先など列挙されているので、ご覧くだされ。

家族や友人が摂食障害になったとき

まずは生データ

生データをロードして、眺めたところが以下に。rawdataAnorexia

70ポンドというのは20kgにも満たない重さであるので、思春期前後の女性の体重としてもガリガリどころか危険じゃないかと思える体重であります。

療法別に体重差

データには身長などはなく、ただ体重だけが列挙されているので、治療のBEFORE、AFTERでの体重差を療法別に集計してみることにいたします。

anorexia$diff <- anorexia$Postwt - anorexia$Prewt
aggregate(diff~Treat, anorexia, mean)

集計結果が以下に。aggregate

まあ、平均値ではありますが、比較対照群が微妙に減(悪くなってる)のに対して、CBTは約3ポンド、FTは約7ポンドの体重増加であります。7ポンド=約3kgです。以前のお惚け老人であれば、ちょっと肉食ってビール飲んだら、瞬時に増える程度の体重増加であります。デブ(こちらはこちらで別な御病気だが)とくらべちゃいかんか。

数字だけでは見栄えがしないので、以下のようにしてグラフ化。

diff.CBT <- anorexia[anorexia$Treat=="CBT",]$diff
diff.FT <- anorexia[anorexia$Treat=="FT",]$diff
diff.CONT <- anorexia[anorexia$Treat=="Cont",]$diff
boxplot(diff.CBT, diff.FT, diff.CONT, names=c("CBT","FT", "CONT"), col=c("#993435", "#edae00", "#539952"), ylab="体重変化(療法別)[lb≒0.454kg]", main="Anorexia Data on Weight Change")

プロット結果が以下に。histAnorexia

どちらの療法でも負の結果あり、難儀な様子がうかがえます。

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