鳥なき里のマイコン屋(20) Armは栄える、Hは枯れる。ルネサス

ルネサスエレクトロニクスは、日立製作所の半導体部門と三菱電機の半導体部門(全部じゃないけれど)を合体させて、そこに後からNECの半導体部門だった組織をさらに合体させた会社、という認識で大筋間違いありますまい。ちょっと大雑把すぎて申し訳ないですけれども。元の3組織のいずれもが、日本を代表する「マイコン・メーカ」であったので、合併当初のMCU製品ラインナップは、市場的にも機能的にも重複しまくりに見えました。しかし、NEC半導体の合流からでも、はや10年近く、MCUの製品ラインは随分と集約されてきたようです。

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鳥なき里のマイコン屋(19) 東芝、やっぱりArmか、MIPSどうなった?

本日、勝手に調べさせていただくのは、名門東芝のマイコンでございます。「かっては」家電から重電、コンピュータ、なんでもありの総合電機メーカでもあり、超分厚い製品ラインを持っていた、と記憶しています。自社アーキテクチャのマイコンコアだけでも複数持つ上に、RISCの草分けの一つMIPSアーキテクチャの牙城であったと言って良いでしょう。同じくRISCの草分けの一つSPARCアーキテクチャを担いだ富士通はHPC(スパコン)でSPARCを使い続けてきましたが、どうも「次」はArmに切り替えてしまうらしいです。東芝のMIPSはどうなんでしょうか?

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土木でエレキ(1) 橋梁、トンネル見守りに電子デバイス

現代日本において2つの「見守り」が懸案事項だと言ってよいでしょう。一つは高齢者の方の見守り(介護)ですが、もう一つが社会インフラの見守り(監視、モニタリング)です。高度成長期に建設された橋やトンネルは数多く、その補修や架け替えも予算不足でままならない、という指摘がなされ始めてからすでに大分経過しています。この「2大見守り問題」はこと日本だけの問題でもなく、日本が先頭をきっているだけで、他の多くの国も遅かれ早かれ直面する、ある意味グローバルな問題だと考えます。そこで、デバイスビジネス開拓団としても社会インフラの方にも調査を進めるべく「土木」で1ジャンルをたてることにいたしました。

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介護の隙間から(22) 見守りサービスの源流

調査スコープを徘徊検知装置から、「シニア見守り」に広げる、と言いつつ、「見守り」イコール「カメラ」的な狭いスコープばかりになっていました。カメラは直接「見る」ことができるので見守るといっちゃ、そのままですが、見守りはカメラが無くても可能です。それどころか電子デバイスを用いた「見守り」サービスの源流はカメラでないところにあったのではないかと思われるのです。今回は、既に十数年の実績のある2つの「見守り」サービスについて調べてみます。

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鳥なき里のマイコン屋(18) 絶滅危惧種4ビット、欧州の牙城EM

今日はある種の新年会とて気持ちよく一杯飲んでいたので「筆」も軽く、団員も数名増えそうとてめでたい限り。

さて、古くは「電卓」のために生まれた4ビットCPUですが、その後、家電製品などで一気に拡大放散、生態系のあらゆるところに蔓延った時代がありました。しかし、それも今は昔、電卓用、家電用などはすでに絶滅してしまっていると言ってよいでしょう。そんな絶滅危惧種の4ビットマイコンですが、今生き延びているそれは深く時計関連業界と結びついている、と言っても過言ではありません。

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鳥なき里のマイコン屋(17) 絶滅危惧種4ビットをEPSONに見る

絶滅危惧種4ビットマイコンを調べています。前回は台湾のTenx社を調べ、4ビットマイコンは「LCDドライバ」のオマケに4ビットのCPUが付いているのだ、と言ってもよい、などと書いてしまいました。国内ではどうでしょうか。日本が家電製品などで世界を席巻していた昔は多くの会社で4ビットマイコンが作られていましたが、既に4ビットから撤退したところも多いようです。そんな中、今だに4ビットを販売している国内メーカーがありました。エプソンです。

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介護の隙間から(21) アルコム RD-4355 この分野の標準機?

前回投稿で、国内メーカのIPカメラ(Webカメラ)を、これは介護に向かないとか、向くとか勝手分類させていただきましたが、抜けている会社がありました。福岡本社のアルコム社です。防犯カメラ、監視カメラの通販の会社で、Panasonicや日立の同分野の製品の販売会社でもあるのですが、自社ブランドでの展開もされているようです。この会社の製品にRD-4355という機種があるのですが、見れば見るほど「徘徊検知」システムでよく見かける「デバイス」にそっくりなのです。

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鳥なき里のマイコン屋(16) Tenx、絶滅危惧種4ビットのニッチ

前回、マイコン業界の絶滅危惧種ということで4ビットマイコンについて書かせていただきました。早速、そんな4ビットを未だに生かしつづけてくれている希少な会社を経めぐっていこうと思います。最初に取り上げさせていただくのは、台湾のTenx社です。ここのホームページの”Recent Update”の項目の最初には、

Taiwan’s sixth largest MCU IC design company

と書いてあります。”sixth”、なんか微妙です。

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介護の隙間から(20) 国内メーカのIPカメラ取り組み比較

前回、国内のIPカメラということでPanasonic社ばかりをとりあげてしまいました。よく考えてみると、片手落ちじゃないかと反省しました。そこで、今回は、国内のIPカメラ(Webカメラ)の主要ベンダを列挙したいと考えます。ただ、介護テーマで取り上げなかったのには訳があるのです。ちょっとね、用途が違うものが多い。

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鳥なき里のマイコン屋(15) 消えゆく4bitマイコン

レガシー8051で引っ張るのももう限界、そろそろ別な「レガシー」ネタも設定しておかないと、ということで「4ビット」マイコンを取り上げさせていただくことにしました。ご存知かとも思いますが、世界初のマイクロコンピュータ、インテル4004は4ビットでした。ですから、マイコン業界で4ビットマイコンは「元祖」とか「本家」とか言われるべき本流だった筈なのですが、いまや絶滅危惧種になっています。

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介護の隙間から(19) 見守りにもPanasonic?

KX_HC600_Wのつもり
拙い絵を描いてしまいましたが、著作権のある写真を勝手にコピーしないためでございます。「徘徊検知」機器を調べておりますと、やたら各社の装置にこれに似た形の人感センサ(焦電型と思われる)つきのカメラが登場してくるのです。可愛い一つ目の海坊主、という感じ。お人形風のシェープあり、こけし感のあるもの、ロボットっぽいものなどバリエーションがいくつかあるので、いくつかの製造元からのソースが、ちょっと味付け(とネーミング)を変えて、福祉用具各社の製品向けに流通しているのではないか、と推測されます。 “介護の隙間から(19) 見守りにもPanasonic?” の続きを読む

IoT何をいまさら(8) x軸センサ、何軸まで許せる?

昨日、マイコンテーマの方で、センサにつなげるシリアルポートを調べていて思ったのですが、この手のデジタル系のインタフェースにつながるセンサ、「3軸」とか「6軸」とか何か「軸数」というものがキーワードになっているセンサがとても多いです。x軸みたいな言い方が「流行った」最初は3軸だったと思うのですが、6軸、9軸など、今や何それ、という軸の増えようです。なんでそんなに「軸」が増えたのか、どこまで本当に「軸」なのか、今日はちょっと考えてみたいです。

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鳥なき里のマイコン屋(14) シリアルポート、デジタル系センサ接続

直接、電圧を測る、あるいは電流を測らないとならないセンサの場合は、どうしてもアナログを避けては通れませんが、この頃は「デジタル接続」の「センサ」の品種が大変と増えたので便利です。多くはセンサの内部に測定回路まで含まれていて難しいアナログの部分は隠してくれています。多くの場合、何かコマンドを送れば設定がいろいろでき、結果はデジタルな値で読み出せるようになっています。そういうデジタル接続の「センサ」をマイコンに接続するときに使われるのがシリアル系のインタフェースです。今日はマイコンのシリアル・インタフェースを調べていきます。

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ポンコツ・ピットフォールズ(1) ステージングサーバ

恥ずかしながら、今年とって「プログラミング」というものを初めていらい40歳。最初はFORTRANでした。結構、いろいろなプログラムを書いて来たですけれど、この歳になってもハマる時はハマる。というより、最近、そういう事が増えているような気がします。年寄りの冷や水というやつのせいかもしれませぬ。まあ、ハマったって忘却力というやつで気にしませんが、忘却しすぎると同じことを何度も繰り返します。。。最近、ちとあったのが、ステージングサーバ、立てたのはいいけれど、ログインできなかった件。

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