Gartnerから2018年の半導体売上高のランキングが発表になっていました。トップ10から日本企業が消えた、というニュースを見た方も多いのではないかと思います。実際には東芝メモリが東芝デバイス&ストレージと分割してカウントされるようになったためとは言え、往年の日本半導体を知るものにとっては「悲しいお知らせ」でしょう。一方、御隣は、Samsung Electronicsが首位、SK hynixが3位と、がっちりランキング上位を占めています。まったくもってメモリのお陰です。しかし、ことマイコン、MCUとなるとほとんど存在感はありません。Samsungは、スマホ向けのArmベースのSoCプロセッサは有名ですが、MCUは米IXISに出してしまったようです。そんなメモリの国にも、マイコン屋はいたのです。
鳥なき里のマイコン屋(23) Maxim Integrated, セキュアとウエアラブル
「マキシム」というと「コーヒー」のブランドを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、半導体業界では、Maxim Integrated社に決まっています。この会社に対する業界内でのイメージは「アナログの会社」でしょう。これまた、一般では「アナログ」というと「デジタル」より遅れているようなイメージを持たれるかもしれません。しかし、半導体業界では、「アナログが強い」=「ガッツリ儲けている」というイメージです。デジタルは誰でもできますが、良いアナログは限られたところでしかできません。そんなMaxim社にもデジタルなマイコン(マイクロコントローラ、MCU)はあるのです。
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鳥なき里のマイコン屋(22) 正統派すぎる? ST
MCU(マイクロコントローラ)業界でもメジャーな会社の一つが STマイクロエレクトロニクス社です。本社スイスですが、そのルーツはイタリアとフランスにまたがっています。そして、その長い歴史の中で欧米の多くの半導体メーカを飲み込んできた欧州を代表する半導体メーカであります。そんなメジャーな会社を後回しにしてきたのは、一重に「変なところがない」(ので面白くない、すみません)からです。まさに、現時点でのMCUメーカとしてはこの方向でしょ、というそのものズバリ優等生路線。
土木でエレキ(2) 橋梁点検、基礎データの収集方法
前回の調査で、土木的インフラの維持管理のための「見守り」分野でも電子デバイスの「出る幕」はあることが分かってきました。しかし、土木素人の電子デバイス屋です。土木分野の方々が何を点検し、どうデータを収集しているのかを理解していかないことには、いくら出る幕があっても提案もできません。そこで、まずは前回も調べた「橋梁」を対象に、橋梁の点検ではどんなところをどうチェックするのか調べてみました。ちょうど良い資料が何点か見つかったので今回はそれに基づいています。 “土木でエレキ(2) 橋梁点検、基礎データの収集方法” の続きを読む
鳥なき里のマイコン屋(21) LAPISセミコンダクタ、敢えて逆張り?
介護の隙間から(23) 見守りサービス、3方向からのアプローチ
鳥なき里のマイコン屋(20) Armは栄える、Hは枯れる。ルネサス
鳥なき里のマイコン屋(19) 東芝、やっぱりArmか、MIPSどうなった?
本日、勝手に調べさせていただくのは、名門東芝のマイコンでございます。「かっては」家電から重電、コンピュータ、なんでもありの総合電機メーカでもあり、超分厚い製品ラインを持っていた、と記憶しています。自社アーキテクチャのマイコンコアだけでも複数持つ上に、RISCの草分けの一つMIPSアーキテクチャの牙城であったと言って良いでしょう。同じくRISCの草分けの一つSPARCアーキテクチャを担いだ富士通はHPC(スパコン)でSPARCを使い続けてきましたが、どうも「次」はArmに切り替えてしまうらしいです。東芝のMIPSはどうなんでしょうか?