MCU(マイクロコントローラ)業界でもメジャーな会社の一つが STマイクロエレクトロニクス社です。本社スイスですが、そのルーツはイタリアとフランスにまたがっています。そして、その長い歴史の中で欧米の多くの半導体メーカを飲み込んできた欧州を代表する半導体メーカであります。そんなメジャーな会社を後回しにしてきたのは、一重に「変なところがない」(ので面白くない、すみません)からです。まさに、現時点でのMCUメーカとしてはこの方向でしょ、というそのものズバリ優等生路線。
鳥なき里のマイコン屋(21) LAPISセミコンダクタ、敢えて逆張り?
鳥なき里のマイコン屋(20) Armは栄える、Hは枯れる。ルネサス
鳥なき里のマイコン屋(19) 東芝、やっぱりArmか、MIPSどうなった?
本日、勝手に調べさせていただくのは、名門東芝のマイコンでございます。「かっては」家電から重電、コンピュータ、なんでもありの総合電機メーカでもあり、超分厚い製品ラインを持っていた、と記憶しています。自社アーキテクチャのマイコンコアだけでも複数持つ上に、RISCの草分けの一つMIPSアーキテクチャの牙城であったと言って良いでしょう。同じくRISCの草分けの一つSPARCアーキテクチャを担いだ富士通はHPC(スパコン)でSPARCを使い続けてきましたが、どうも「次」はArmに切り替えてしまうらしいです。東芝のMIPSはどうなんでしょうか?
鳥なき里のマイコン屋(18) 絶滅危惧種4ビット、欧州の牙城EM
鳥なき里のマイコン屋(17) 絶滅危惧種4ビットをEPSONに見る
鳥なき里のマイコン屋(16) Tenx、絶滅危惧種4ビットのニッチ
鳥なき里のマイコン屋(15) 消えゆく4bitマイコン
鳥なき里のマイコン屋(14) シリアルポート、デジタル系センサ接続
鳥なき里のマイコン屋(13) TIにも8051発見
業界じゃTexas Instruments社(TI)のMCUといえばMSP430で決まりです。大ベストセラー。一応16ビットというカテゴリになっていますが、8ビットクラスの小規模なところにも手が届く豊富なラインナップじゃないでしょうか。勿論、32ビットではArmも使っています。アプリケーションプロセッサ系では当然ですが、MCUでもArmコアの製品群があります。そんなTIに8051の入り込む隙間があったのか。いよいよ「Armのお供にレガシー8051説」崖っぷちです。
鳥なき里のマイコン屋(12) タイマー、周辺回路をささえる
鳥なき里のマイコン屋 (11) 中国MCU調査第1回
鳥なき里のマイコン屋(10) On Semiconductor
今日調べるのは On Semiconductor です。この名前になってからも20年くらい経過していますが、ある意味ここはとても歴史があるのです。母体となったのはモトローラ社の半導体部門の「一部」です。モトローラ社の半導体部門の分社化といえばフリースケール・セミコンダクタ社(今では第2回でとりあげたNXP社の一部ですが)が有名で、こちらの会社が旧モトローラのMCUを含む集積規模の大きな半導体製品は皆もっていったわけです。On社の方に残っていたのはディスクリート(集積回路でない)半導体と、パワー系、アナログ系といった渋い半導体ばかり。だからそのままではMCUの話には出てこない筈。でもこちらの方が実は儲かるのですかね。SoCプロセッサなど、開発にお金がかかるので、一発外れるとダメージが大きい。その点、渋い「玄人」向けのデバイスを受け継いだOn社は、着実というより、かなり急速に成長しています。原動力は「買収」です。
鳥なき里のマイコン屋(9) Z8とZ8051
そろそろ「Armのお供にレガシー8051」説も打ち止めにして、次の話題に進みたいものだ、と考えている今日この頃なのですが、まだまだ成り立ってしまう事例が現れてくるのです。今日取り上げさせていただくのは、IXYS CORP.という米国の会社です。パワエレの会社で、正直、あまり馴染みがありません。しかし、この会社に「Z80の」Zilog社が買収されていたのです。さらにIXYS社はLittelfuse社というもともとヒューズの会社だったらしい会社(あちこちの会社を買収しまくっている)に買収されたので、Zilogはいまやヒューズの会社の孫部門ということになるようです。最近、合併とか買収でMCU製品が「呉越同舟の梁山泊」状態、になっている会社が多いですが、ここもまた例外ではありませんでした。